★A級戦犯、靖国合祀 昭和天皇が不快感 元宮内庁長官メモ
昭和天皇が靖国神社のいわゆるA級戦犯合祀に不快感を示していたことを示すメモが
表に出たことについて、安倍晋三官房長官は20日午前の記者会見で、「政府として
コメントする事柄ではない」と述べた。だが、自民党内は現在、戦没者の追悼をめぐって、
A級戦犯分祀(ぶんし)論、国立追悼施設の建設や千鳥ケ淵戦没者墓苑の拡充論など
百家争鳴状態にあり、波紋が広がるのは間違いなさそうだ。
政府は、小泉純一郎首相の靖国参拝に関しては「首相自身が判断するもの」(安倍長官)
との姿勢だが、首相の参拝に反対する勢力が、今回のメモ発見を利用し、勢いを増すことも
想定される。またメモ発見が、首相の靖国参拝に反対している中国の高官が、「A級戦犯
分祀論」を唱える自民党の古賀誠元幹事長に賛意を示したばかりというタイミングの問題
もある。
ただ9月の自民党総裁選に向けて「公になった言葉ではなく、非公式な会話メモで判断
するのは、昭和天皇の『政治利用』につながりかねない」(百地章・日大教授)との懸念
も出ている。
政府筋は「(故・富田朝彦宮内庁長官のメモだけでは)昭和天皇が本当に不快感を示す
ご発言をしたかどうかは、誰も分からないだろう」とも指摘する。
また、仮に内心がどうであれ、昭和天皇も現天皇陛下も春秋の例大祭には靖国に勅使を
派遣するなど、靖国重視の姿勢を示し続けてこられた事実は重い。靖国の現宮司の南部
利昭氏は就任に際して「天皇陛下から『靖国のこと、よろしく頼みます』と直接、言われ
ている」(関係者)ともいう。
今回のメモ発見でも、「戦没者追悼の中心施設は靖国」(小泉首相)という事実には
何ら変わりはない。(続く)
■ソース(産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/news/evening/21iti003.htm