・大阪府豊中市の主婦、辻森早苗さん(58)が自宅で殺害された事件で、三男で
大阪大工学部4年の耕平容疑者(24)=殺人容疑で逮捕=が府警豊中署捜査本部の
調べに「大学1年の時、友人に教えてもらったパチスロで大金をつかみ、止められなく
なった」と供述していることが分かった。「パチンコ依存症」から学業不振に陥った
耕平容疑者を心配した早苗さんは、生活態度を見直すよう繰り返し注意していた。
捜査本部は、ストレスをためた耕平容疑者が、事件当日朝、母親の注意に殺意を抱き、
衝動的に手元のハンマーを振り下ろしたとの見方を強めている。
1浪して01年、大阪大工学部に入学した耕平容疑者は、当初はレストランのアルバイトで
小遣いを稼ぐ普通の学生だった。友人からパチスロの遊び方を教えてもらい、生活が
一変した。
耕平容疑者は機械工学専攻で、調べに対し「パチスロ台の構造にも関心がわき
パチンコ店に通い始めた。大もうけすることもあって、止められなくなった」と供述している。
のめり込んだのはギャンブル性の高い人気機種で、「1日で十数万円勝つこともある」
(業界関係者)という。
耕平容疑者は、友人から金を借り、自分の貯金も取り崩して連日のように通い詰めていた。
パチスロとの出会いで大学からは足が遠ざかった。同大工学部では、3年までは年間
40〜50単位を取得する必要があるが、耕平容疑者の1年時の取得単位は29単位。
2年は10単位しか取れず、入学5年目の昨年もまだ2年必修の実験の授業に出ていた。
一緒に実験した学生によると「実験はよく分からないから任せる」と積極性はなかったという。
事件後、耕平容疑者は親類宅で手首を切った。傷口は動脈にまで達しており、捜査本部は
「自殺の偽装ではなく、本気で死のうとした」とみている。搬送先の病院の待合室で、付き添いの
捜査員に「大事な話があります。驚かないで下さい」と切り出したという。
今は「すべてを話し、罪を償います」と話している。父親が弁護士を連れて来ても「お父さんに
迷惑をかけられない」と選任を断り、父親が帰った後、号泣したという。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060715k0000e040081000c.html