日本の読者が聞いたらドキリとしそうな「殺人ゲーム」という言葉は、ここ数年、
中国国内で流行ってきた心理ゲームや、映画『暗い夜になったら目を閉じて(天黒請閉眼)』などの追い風もあり、
既に新しい言葉ではなくなっている。昨年からは、それらに代わり、もっぱら殺人ゲームを運営する
実戦の地――「殺人カフェ」がホワイトカラーたちのお気に入りの場所となっている。
ある統計によると、全国でいま、100万を超えるユーザーがこのゲームにハマっているのだという。
筆者はこのほど、北京市内のとある殺人ゲームクラブを訪れた際、その人気沸騰ぶりを実感した。
開店して僅か半年足らずだというのに、常連の「殺し屋」が既に6,000人超。海淀区魏公村にある
このクラブの営業時間は朝6時から夜8時までだが、筆者がこのクラブに着いたのは夜7時ごろだった。
殺人ゲームの呼び名は、英語で「mafia」、いわゆるマフィアのことだ(Illusion Softworksが開発した同名のゲームとは異なる)。
初期段階のゲームでは主役がマフィアと村人だったが、次第に、これが殺し屋と庶民になってきたという。
若い人、とりわけ都市部のホワイトカラー、高学歴の人びとが殺人ゲームを愛好し、それに熱中するのは、
このゲームが彼らの自己表現に格好のプラットフォームを提供してくれるからだ。
これらの人たちは、日頃の仕事や研究で日常的に多大なプレッシャーを抱えている。
しかし、家庭や職場それぞれで確固たる社会的役割を与えられているため、
溜まりに溜まったストレスを発散する機会を持てないでいる。
しかし、ゲームの中では、斬新な役回りが彼らを根底から解放してくれる。
http://journal.mycom.co.jp/articles/2006/06/26/game/