鉄鋼世界首位のミッタル・スチール(オランダ)から敵対的買収を仕掛けられている2位の
アルセロール(ルクセンブルク)は25日の臨時取締役会で、これまでの拒否の姿勢を一転させ、
合併受け入れを決める見通しとなった。AFP通信が伝えた。アルセロールが進めてきた
ロシア鉄鋼大手セベルスタリとの合併に株主の反対が強かったうえ、ミッタルがアルセロールに
有利な買収条件を示し、最終局面での逆転につながった。
ミッタルはインド出身のラクシュミ・ミッタル会長が創業し、買収を繰り返して急成長した。
1位と2位の合併で、年間粗鋼生産量が1億トンを超す巨大企業が誕生する。1社で日本の
年間生産量に匹敵する規模となり、新日本製鉄など国内各社も対応を迫られそうだ。
ミッタルは総額258億ユーロ(約3兆8千億円)でのアルセロール買収を提案していたが、
AFP通信によると、25日にこの価格を引き上げるなどの譲歩案を示した。アルセロールは
セベルスタリとの合併計画を撤回し、1億3千万ユーロの違約金を支払うことになるが、
ロシア側の反発は必至だ。
http://www.asahi.com/business/update/0626/001.html