ネパール下院は10日、下院で通過した法案についての国王の拒否権を奪うことなどを内容とする法案を全会一致で可決した。
国王が下院に関与する権限を完全に奪うものだ。
これまでは下院を通過した法案の制定に国王の承認が必要で、法案に不満な場合、国王は法案を差し戻すことができた。
今回の法案はさらに、これまで国王が持っていた国会の招集、閉会の権限を、それぞれ首相、議長のものと規定。大使や軍、
警察最高幹部の任命は、首相を長とする下院内の特別評議会が行うことも盛り込んだ。
ギャネンドラ国王による強権政治を国民の抗議行動で翻したネパールでは、下院が5月に、軍の統帥権など国王の主な権限を否定して、
下院を最高権力機関とする「国会宣言(政治方針)」を可決。国王の私的財産への課税や、下院が王位継承者の決定権を持つと宣言した。
今後、これらに関する法案が下院を通過しても国王に法案を拒否する権限はない。
http://www.asahi.com/international/update/0611/005.html