9日開幕したサッカー・ワールドカップ(W杯)ドイツ大会。開幕戦が行われたミュンヘンW杯競技場
周辺では、ダフ屋が横行した。フーリガンの入場や転売を防ぐため、今大会のチケットには、
購入者のIDの入ったチップが埋め込まれた。だが、入場時に本人確認が行われた様子はなく、
ダフ屋から買っても本物であれば入場できたとみられる。目立った混乱はなかったが、大会運営側が
狙うチケットによる入場チェックは機能しているように見えない。
「チケットには何の問題もない。売り続けるよ」。競技場周辺で、モロッコから来たという男性は
「イハム」と名乗り、300ユーロ(約4万4000円)のチケットを3倍程度の値段で売っていた。
「FIFA(国際サッカー連盟)の友人であるフランスの関係者から入手した」という。
「いろんな試合の分を100枚以上持っている。何でも注文してくれ」
近くでは多くの人がダフ屋らと交渉している。サポーターの男性(36)は「チケットと持ち主のIDとの
検査があると聞いているが、あくまで抜き打ち。何とかなると思う」と心配していない。
ダフ屋らが集まったのは、競技場から400〜500メートル離れたところに張り巡らされた
高さ約3メートルのフェンスの外側だ。フェンスには入場ゲートが数カ所設けられ、入場者はまず、
そこで荷物検査やボディチェックを受けた。
さらに、200〜300メートル競技場へ進むと、2番目のゲート。駅の改札口に似た構造で、
チケットの銀色のシール部分を近づけると、個人情報を読み取ってゲートが開く仕組みだ。
脇に警備員が立っていたが、国籍やパスポート番号を確認している様子はなかった。
大会を運営するドイツ組織委員会は「チケットの不正取引を防ぐため、個人情報を厳しく確認する」
と明言していた。しかし、実際は機械による読み取りだけで、本人確認の手続きを受けずにゲートを
通過できた。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2065330/detail?rd