シドニー──オーストラリア主要産業のひとつ「羊毛」の品質向上のため、
州政府機関などの研究者がこのほど、「醜い羊」探しに着手した。どんなに
皺(しわ)だらけでも毛が薄くても、でこぼこした体つきでもヘンな顔でもいいから、
「羊毛には向かない」として処分せず、研究者に受け渡して欲しいと、生産者に
呼び掛けている。
アデレード大学の研究者、ポール・ハンイドさんは、「遺伝子に何か異常が生じた場合、
その異常が現れている部分から、遺伝子の特定が簡単になる。逆説的だが、
羊に何かおかしい部分があれば、そのおかしい部分に関係する遺伝子解析が
飛躍的に進む」と話している。
また、「最新の遺伝子工学を使えば、『醜い羊』こそが、より伸縮性が高く、ちくちくしない、
滑らかで紡ぎやすい羊毛の生産につながる」としている。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200606080023.html