耐震強度偽装事件で、国土交通省は29日、姉歯秀次元1級建築士による構造計算
書の偽造を見逃して建築確認をした民間検査機関4社に対する、
建築基準法に基づく行政処分結果を発表した。イーホームズ(東京都)は最も重い指
定取り消し、日本ERI(同)は3カ月間の一部業務停止命令、
東日本住宅評価センター(横浜市)とビューローベリタスジャパン(同)はそれぞれ業
務改善命令とした。
指定取り消しは、99年に建築確認業務を民間開放して以来初めて。
日本ERIは、500平方メートルを超える建物の建築確認について6月13日から3カ
月間業務停止となる。戸建て住宅の建築確認は、
ほとんどの場合これまで通り業務を続けられる。
4社のほかに日本建築総合試験所(大阪府)とUDI確認検査(千葉県)も建築確認で
偽装を見過ごしたが、巧妙な手口で見破るのは困難だったとして、
ともに処分を見送り、改善措置の報告を求めるにとどめた。
また、住宅性能評価の際に偽装を見過ごしたビューローベリタスジャパンは、住宅品
質確保促進法に基づき、登録住宅性能評価機関としても業務改善命令を受けた。
この日国交省であった処分通知の文書交付にイーホームズは欠席。日本ERIの鈴
木崇英社長も「書類を見たが、わけがわからない」と処分に反発を示した。
国交省の佐藤信秋事務次官は同日の定例会見で、処分について「これまでの建築
確認の体制が万全だったとは思っていない。性善説が強かった点は反省点がある」
と話した。
http://www.asahi.com/national/update/0529/TKY200605290292.html