遺伝病:提供精子で5人が−−米国
【ワシントン共同】米国の精子バンクを利用した4組のカップルに生まれた子供たち計5人が
相次いでまれな遺伝性疾患を発病し、調査したミシガン大のチームが19日、1人の精子提供者
(ドナー)から子に伝わったとしか考えられないとの結論を、小児科学の専門誌に発表した。
まれな病気のためドナー検査の対象外だったとみられ、チームは「バンク利用にはこうした
リスクがあることも認識すべきだ」と指摘している。
米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、この疾患は特定の遺伝子の変異が原因で白血球の
一種が極度に減り、感染症や白血病の危険が増えるのが特徴。発生率は約500万人に1人と低い。
5人がたまたまミシガン大の同じ専門医にかかったため、患者の多さを不審に思った同医師が
調べたところ、母親は4人とも同じバンクの同一ドナーの精子で妊娠しており、母親側に問題の
遺伝子変異はないことが分かった。
医師がバンクに連絡し、このドナーの精子は廃棄されたが、他にどれだけ精子が提供されたかは
不明だという。
毎日新聞 2006年5月24日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20060524ddm016040121000c.html