大阪商工会議所は今秋、「心の病」対策として初の「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」を
実施する。企業や官公庁などで働く人たちに「心の病」の知識や対処能力を身につけてもらう
のが目的で、鬱病(うつびょう)などを未然に防ぐ効果も期待されている。
企業や官公庁などを対象にした心の健康に関する検定試験は全国でも初めてという。
近年、成果主義の導入や人員削減による勤務の増大などに対応できず、心の病を抱える人が
急増している。職場のストレスによる精神障害で労災認定される件数は、平成11年の14件から
16年には130件に。勤務状況が原因とみられる自殺は16年には1772人にのぼり、
自殺者全体の5%を占めた。
こうしたことから大商は検定試験による対策を決定。人事労務担当者が対象のマスター、
管理職対象のラインケア、一般社員対象のセルフケアの3コースを設け、それぞれの
立場に応じたメンタルヘルスの知識や対応法の習熟度をテストし、大商が認定する。
試験は10月だが、すでに全国から問い合わせが相次いでいるという。
大商人材開発部の荒井慎一課長は「過労死の労災補償問題など社員の健康対策を誤ると
企業は大きなリスクを抱える。心の健康への企業の取り組みはこれまで、
“なってから考える”ものしかなかった。働く人たちに検定試験で知識を身につけてもらい、
深刻な事態を未然に防いでもらえれば」と話している。
http://www.sankei-kansai.com/a2-keizai/keizai1.htm