28年前、日本のヨットとして初めて旧ソ連に上陸した北海道小樽市の「祝津マリーナヨットクラブ」
(藤野和夫代表、会員約40人)が7月、ロシアのナホトカ市に向けて出航する。
現地では地元の「アンタレスヨットクラブ」や市長らを訪問し、両市の友好を重ねる。
ナホトカ市訪問は10年ぶり7回目で、今回は両市の姉妹都市提携40周年を記念して行う。
航海に出るのは「ミスティック・ベル7号」(全長約12メートル、11トン)と「ボラボラ号」(同約10メートル、
7トン)の2艇で、道内の会社員ら4人ずつ計8人が乗り組む。
7月1日に同マリーナを出発、平均時速約9キロの速度で3日間かけて約650キロの距離を横断する
予定だ。
8人の平均年齢は57.8歳。1回目からすべての航海に参加する大倉綾夫さん(70)は「隣の国に行く
だけの短い旅なので、食べ物さえあれば大丈夫。最近ではGPS(全地球測位システム)もあり、位置が
すぐにわかるので心配はない」という。
旧ソ連との緊張関係があった28年前は海図もなく、頼れるのは羅針盤だけだった。常に臨検や拿捕
(だほ)の不安がつきまとったという。だが、ナホトカ市に到着すると市民から熱烈な歓迎を受けた。
大倉さんは「あんなもてなしを受けるとは思っておらず、うれしかった。その時初めてソ連でヨットが
盛んなことを知った。アンタレスヨットクラブと打ち解けるのも時間はかからなかった」と振り返る。
「アンタレス」も03年までに8回、小樽市を訪ねている。大倉さんは「私にとって今回が最後の訪問かも
しれないが、これからも親交を深めていきたい」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060417-00000049-mai-soci