「今の日本は危険」7割 国土交通白書に国民意識
今の日本は自然災害や事故、テロに対して「危険」な状態にあると7割以上の人が感じて
いる。北側国土交通相が11日の閣議に提出した05年度「国土交通白書」で、そんな国民
の安全意識が分かった。白書は「安全・安心大国をめざす」とする一方で、国や地方の財
政難から行政の対応には限界があると認め、個人の自助努力や、企業、NPOなどと連携
した地域防災力の向上を求めている。
この意識調査は昨年12月、全国の満20歳以上の男女2000人を対象に実施し、1314
人から回答があった。
「危険」「どちらかといえば危険」と回答した人は合計70.6%。「安全」「どちらかといえば
安全」は合計23.8%だったが、そのうち2人に1人は「以前と比べ安全でなくなった」と答
えた。
公共交通機関の安全性については「危険」「どちらかといえば危険」の回答が合計34.7
%だった。JR宝塚線(福知山線)の列車脱線事故や相次ぐ航空会社の運航トラブルで、日
本の公共交通機関の安全神話が揺らいでいることが読みとれる。
白書は、公共交通機関を巡る事故やトラブルの他にも、大規模地震や台風、集中豪雨、豪
雪などの自然災害、アスベスト(石綿)問題、耐震強度偽装事件、アジアなどでのテロ多発が
不安を広げたと指摘している。
http://www.asahi.com/national/update/0411/TKY200604110089.html