01年9月11日の米国同時多発テロの際、ニューヨークの世界貿易センタービル周辺で死亡した
人たちを追悼する碑の建設が13日、跡地の「グラウンド・ゼロ」で始まった。当面は工事の
下準備が続き、本格的な工事の記念式典は数週間後になる。09年9月11日の完工を目指している。
ツインタワーの跡に、地面をくりぬくように「喪失」を表す二つの空間を設ける。約9メートルの
地下には、人工の滝を設け、同時テロと、93年の貿易センタービル爆破テロで命を失った
2979人の名前を壁に刻む。
遺族の一部は施設の地下建設に「人の目に触れなくなる」などと反対しており、現場で約50人が
着工に抗議した。商品取引所に勤めていた息子のマークさん(当時28)を失ったアルバート・
ペトロセリさん(59)は「地下施設では、地上の日常から切り離されてしまう」と話した。
また、記念施設を造るために設立された財団は犠牲者の名を壁に無作為に並べる計画だが、これに
対しても「亡くなった人はそれぞれの理由があって現場にいた。個々の背景が分かるように
すべきだ」との反発がある。
http://www.asahi.com/international/update/0314/009.html