世界貿易機関(WTO)多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で、日本、米国、欧州連合(EU)など
主要6カ国・地域による少数国閣僚会合が11日、終わった。焦点の農産物の関税削減方式では、
日本のコメなどを例外扱いする「重要品目」を詰められず、4月末に迫った新たな貿易ルールの
採択は厳しくなりつつある。このため、ルールの大枠だけを4月に固め、夏ごろまで議論を続ける、
との見方が強まっている。
農業分野の重要品目をめぐっては、関税削減率を小さくする一方で、低関税での輸入義務の
拡大を組み合わせる案が有力になっている。だが、対象品目の数や、輸入義務量の計算のもと
になる数字の決め方次第で市場開放の度合いが大きく異なるため、対立は深く、議論の進展は
乏しかった。
議長役を務めたEUのマンデルソン通商担当委員は「大きな前進はなかった」と記者会見で
述べた。合意に向けた努力を維持しつつ、「(関税削減などの)方式も、数字もまだない。あるのは
希望だけ」(インドのナート商工相)の状態だ。
貿易自由化ルールの採択は、当初は昨年末の予定だったが、4月末に先送りした経緯がある。
http://www.asahi.com/business/update/0312/005.html