宇宙飛行士は50歳くらいで肩たたき――。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の立川敬二理事長は8日の
定例会見で、毛利衛さん(58)と向井千秋さん(53)の2人の宇宙飛行士に、事実上の「引退勧告」をした。
立川理事長は「世界の宇宙機関関係者と話すと、宇宙飛行士としては50歳がめどだという。反射神経などが
衰えてくるようだ」と述べ、宇宙飛行士の定年制導入に言及した。
毛利さんは92年、日本人として初めてスペースシャトルに搭乗、向井さんも94年に日本人女性初の飛行士
として飛び立った。ともに2回の飛行を経験し、毛利さんは現在、日本科学未来館の館長として活躍。
向井さんは04年に国際宇宙大学(パリ)の客員教授に就任、長期出張扱いになっているという。
日本人宇宙飛行士はほかに土井隆雄さん(51)ら6人。土井さんは50歳を超えているが、搭乗運用技術者
(MS)の資格を持ち、米航空宇宙局(NASA)で継続的な訓練を受けているため、今回の「勧告」の対象には
ならなかったようだ。
JAXA有人宇宙環境利用プログラム推進室は「毛利さんと向井さんには、今後も若手育成や訓練への
助言などで協力してもらいたい。77歳で宇宙へ行った米のジョン・グレンさんのように、宇宙へ行く可能性が
なくなったわけではない」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060308-00000115-mai-soci