大阪府八尾市の3人心中事件・関与のヤミ金業者を逮捕

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三人の心中事件

「東京のヤミ金融業者に金を借りたが、いくら返しても完済(に)してくれない。悪徳業者のために死ぬのは悔しい」―。
心中した妻の遺書にはそうあった。
平成十五(2003)年六月十四日未明、大阪府八尾市のJR関西線八尾−志紀間にある踏み切り近くの線路上で、三人の男女が奈良行き最終電車にはねられて即死した。
三人は持っていた障害者手帳から六十歳代の清掃員の夫とその妻、やはり障害者の八十一歳の妻の兄だとわかった。
夫は手足に障害があり、妻の兄も独り暮らしで両手足が不自由だったため、妻が面倒を見ていた。
妻は自宅に四通の遺書を残していた。
八尾市から生活援護資金を受けていた妻は、四通のうち八尾市長あての遺書に「悪徳業者のために死ぬのは悔しい」と書き、ここまで追い詰められた心境を切々とつづっていた。
三人が心中する気持ちになるまで追い込まれたのは、ヤミ金融による執拗な取り立てが原因だった。
平成十五(2003)年四月八日。夫婦の自宅に東京のヤミ金融業者から「融資できます」という勧誘があった。
その誘いに応じた妻は三万円の融資を受けた。利息を先取りされ、振り込まれてきたのは半分の一万五千円だった。
三人は、ここから奈落の底に突き落とされる。
同年五月中旬、妻は大阪府警八尾署を訪れ、「すでに十万円を払ったが、完済にならない」と相談している。


「すでに十万円を払ったが、完済にならない」と相談している。
「すでに十万円を払ったが、完済にならない」と相談している。
「すでに十万円を払ったが、完済にならない」と相談している。
八日後にも妻は兄と同署を再訪し、「業者に電話してほしい」と頼んだ。
取り立て中止を警告する署員の電話に業者は「妻の勘違いで、完済された」と言いつくろったという。
しかし、電話による取り立ては隣近所にも及んだ。
六月十一日深夜に、隣人宅に業者から電話があった。
隣人が妻を呼びに行き、電話に出た妻が「なんでよそにかけるの。うちにかければいいのに」と話すと、
「殺すぞ!殺すぞ!殺すぞ!」と脅す男の声が受話器から流れてきた。
102有森隆+グループK「黒い経済人」講談社文庫より:2006/03/09(木) 09:11:40.26 ID:j8zdjQBQO
その後も、別の近所の人に「妻の様子を見てこい」と嫌がらせの電話が続いた。
「いくら返しても完済にしてくれない」ことから精神的に追い詰められた妻は、身障者の夫と兄を道連れにして線路内にうずくまり、心中したのである。