出産退職がこのまま増加すれば、出生率は04年の1.29から20年に
は1.16まで低下する。こんな推計を、高齢化問題を研究する社団法人
エイジング総合研究センターが3日、発表した。退職で所得を失うという現
状に手を打たなければ、政府の予測よりさらに急激な出生率の低下を招
くと、警鐘を鳴らしている。
同センターでは、20歳代後半の女性が出産・育児のため5年間、仕事
を中断したことで失う所得は02年では1828万円と試算。高学歴化によ
る給与上昇などで、この数値が過去30年間で約1.7倍になった傾向が
続けば、女性1人が産む子どもの平均数を示す合計特殊出生率をさらに
押し下げるとした。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の02年の推計では、出生率
が07年に1.30台で底を打ち、20年には1.38まで回復するとした。同
センターの推計は、さらに厳しい結果となった。
社人研の元研究員で、推計を担当した加藤久和・明治大学政治経済学
部助教授は、出産・育児で失われる所得が1割減れば出生率は20年に
1.39まで回復すると試算。「仕事と家庭の両立支援などの政策努力で、
出産退職による損失を減らす必要がある」と話す。
http://www.asahi.com/life/update/0203/013.html