岩泉線の写真集刊行 横浜の船坂さん
横浜市在住の団体職員船坂晃弘さん(36)は、宮古市と岩泉町を結ぶJR岩泉線(茂市―岩泉)を撮影した
写真集「岩泉線 鉄道情景への旅」(岐阜新聞社)を刊行した。約5年かけて同線のさまざまな表情をとらえた労作。
同線は山峡を走り、国鉄時代の雰囲気を色濃く残す全国的にも貴重なローカル線とされる。
赤字ローカル線が廃止となる中、船坂さんは「岩泉線を郷土の財産として受け止め、盛り上げてほしい」と呼び掛けている。
写真集は縦25センチ、横26センチで60ページ。クリーム色と朱色の「国鉄色」の車両が、
見渡す限りの白銀の世界やはせ掛け、色づき始めた広葉樹の中を走る風景など約80点を収録した。
このほか、全国的にも珍しい、落ち葉を掃いて走る「レール洗浄列車」も紹介している。
「終章 岩手和井内駅舎に捧(ささ)ぐ」は、昨年2月に姿を消した岩手和井内の木造駅舎(宮古市)を特集。
春夏秋冬、昼夜で違う表情を見せる駅舎やその周辺の景色を伝えている。
船坂さんは1999年、友人の誘いで岩泉線の様子を目にし、いずれも木造の茂市の陸橋(宮古市)、
刈屋の駅舎(同)、押角のホーム(同)など味わいのある情景にほれ込んだ。
同線は、区間列車を含めて1日4往復。岩泉発の上り列車が午前9時前に宮古市の茂市駅に到着すると、
午後3時半まで列車が走らない。厳しい撮影条件の中、写真集は約5年かけて40回以上通い続けた苦労が実った
力作で、船坂さんは「岩泉線詣での集大成」と位置付けている。
続き
http://www.iwate-np.co.jp/news/y2006/m01/d28/NippoNews_12.html