【ニューヨーク=豊福浩】米保険業界の団体、保険情報機構(III)は17日、鳥インフルエンザが
米国で流行した場合に同業界が被る予想被害額をまとめた。
米厚生省が想定する最悪シナリオの場合、業界の保険金支払い負担は1330億ドル(約15兆円)
に達する見込み。財務基盤の弱い保険会社は、経営が行き詰まる恐れがあると警告している。
米厚生省は鳥インフルエンザが1918年に全世界で流行した「スペインかぜ」に匹敵する感染病
となった場合、米国内の死亡者は190万人に達すると試算している。IIIはこの推計をもとに
米保険会社の保険金支払額が平常時に比べてどの程度増えるかを試算した。団体保険では
540億ドル、死亡保険で790億ドルそれぞれ支払い負担が増えるという。
米国ではいまのところ鳥インフルエンザの感染者は確認されていないが、米政府は
対応策の準備を進めている。
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hot.cfm?id=d2m1800j18&date=20060118