記者の出てくる穴3　（　ﾟдﾟ)

ピースディーラーの中は、明るかった。
アルフレートは、発令所の潜望鏡の近くに紙片を見つけた。
それは目立つように、いかにも取ってくれ、とばかりに落ちていた。
黄ばんでいた。
「大分、古いですね」
「何か、書いてあるぞ」
アルフレートは読んでみた。
「Yotsubishisparkasse Hauptgeschäft von Tokio
1420983254 Mietesparkasse Ismael」
（四菱銀行東京本店貸金庫、1420983254　イシマエル」

ドイツ語だ。
「東京か・・・」
アルフレートは考え込んだ。
東京は、冷戦時に核攻撃される可能性のあった都市で、
唯一今回被爆を免れた都市だ。

そこに、何かがある。
120年のタイムカプセル。
北極の青い氷の中で、アルフレートは犯人の薄ら笑いを感じていた。