筑紫哲也 YJ「国が燃える」の連載終了に抗議する。

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270週刊金曜日2004.1022
集英社が南京大虐殺まぼろし派に屈した?
本宮ひろ志氏の連載まんが「国が燃える」休載    粟野 仁雄

 出版大手の集英社(本社・東京都千代田区)のドル箱漫画家、本宮ひろ志氏が『週刊ヤングジャンプ』に連載中の大河ロマン劇画「国が燃える」が、南京大虐殺の表現について東京都の区議
会議員や右翼活動家から「歴史を歪曲している」と抗議された。集英社は一〇月二十八日発売号から休載することを決めた。同社は「抗議による休載ではない」としているが、抗議に屈した印
象は否めない。
 問題にされたのは九月二十二日発売号などの南京大虐殺の場面。「南京では、人類が絶対に忘れてはならない日本軍による愚行があった」という口上で、「百人斬り」を連想させる場面な
どが描かれる。残虐な現場を目の当たりにした主人公が義憤に駆られ、「これが・・・日本人の・・・正体か!!」と、うめく場面もある。基本的にフィクションだが、東京裁判のA級戦犯として処刑
された松井石根陸軍大将ら、実在人物が登場する。
 
271週刊金曜日2004.1022:04/10/23 13:57:44 ID:XsBxj7H1
 「集英社問題を考える地方議員の会」の代表で東京都大田区の犬伏秀一区議(自由党)や、松浦芳子杉並区議らは十月四日、@南京大虐殺はないという強力な証拠があるものの、あると
いう確証がない状態で、実名を使用し戦争の真実として漫画化しているA中国の真偽定かではない写真を用い、百人斬りを史実として記載し、意図的に歴史を歪曲しているB歴史的認識が
確立されていない青少年の心を傷付けた・・・などの抗議文を、集英社側に手渡していた。
 また、「集英社の不買運動を検討する会」代表の右翼活動家、西村修平氏も同様の抗議をしていた。
 
272週刊金曜日2004.1022:04/10/23 13:59:09 ID:XsBxj7H1
 これらに対して集英社は「作者の創作物であり、完全なフィクション」と前置きし、「特定の個人を誹謗中傷したり、なにかの思想を宣伝する意図は微塵もない(中略)。決して日本や日本人を
貶めようなどという気持ちは一切ありません。こうした印象を抱かれたとすれば、作者の意図が伝わらなかったことは非常に残念。完成度を高めていくことが使命だと思っています」などと、回
答していた。しかし、同社は十二日に突如、休載を決定した。休載期間も未定だ。広報部では「大河歴史漫画としての第三部が終了した。第四部に入る準備期間としての休載であり、抗議を
受けたための休載ではありませんと強調。「すべて通して読んでいただければ先生の思いは伝わると思います」と繰り返すが、休載中に同誌に社告を出す予定だ。同部では「いくつかの抗議
がきており、何らかの説明や告知が必要なので、現在検討している」と説明している。
 
273週刊金曜日2004.1022:04/10/23 14:00:19 ID:XsBxj7H1
 犬伏氏は「いきなり休載されると言論弾圧していたように思われ心外。連載を続ける中で、本宮氏の真意を表現してほしかった。諸説ある南京虐殺について、本宮さんが書物などで見解を訴
えるなら、かまわない。しかし、前提知識もない一〇代の少年少女は、漫画が真実の歴史だと思うことが怖い」としている。
 犬伏氏はタカ派で知られる民主党の西村慎吾衆議院議員主宰の「西村塾」の生徒だが「今回の件は先生とは無関係です」。
 一方、西村修平氏は「休載は評価する。対応に満足だが、どのような社告を出すのか注目したい。一部が実名ならフィクションではない。歴史の真実というなら証拠を示すべきだ。偽写真も
意図的に流布したのではないか」と訝る。同氏は十二日に集英社の幹部に会い、「休載」の確約を取り、「単行本化の自粛」も求めていた。
 
274週刊金曜日2004.1022:04/10/23 14:02:02 ID:XsBxj7H1
 「百人斬り競争」の表現で、遺族などから名誉毀損で訴えられた本多勝一・本誌編集委員や新聞社などの弁護をする渡邊春己弁護士は「名誉毀損でもないのに連載をやめさせようとする
のは驚きです。集英社がさっさと連載中止を決めたことも残念」と語る。「百人斬り事件は、日本の元兵士の回顧録などの新資料が続々と出てきており、事実であることはもはや動かない。
南京大虐殺がでっち上げだというなら、証拠を示して、南京大虐殺に関する本などすべて出版禁止にさせればいい。こうした重要な言論弾圧が、新聞などで大きく扱われないことも残念です」