生徒指導手帳や保護者名簿も先生による紛失が急増
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2002apr/25/W20020425MWC1K000000033.html 京都府内の公立学校(京都市立を除く)で、子どもの学習状況を記した生徒指導手帳や、
保護者名簿などを保存したフロッピィーディスクなどの紛失が急増していることが、京
都府教委の二十四日までの調査で分かった。大半は学校の帰宅途中に車上狙いに遭うケ
ースで、府教委は「個人情報など子どもの人権そのものを扱っている自覚が足りない」
として各学校長に厳重注意を指示した。
府教委によると、教員による公文書などの紛失件数は一九九九年まで三−五件だったが、
二〇〇〇年に十三件に急増。昨年も十一件あり、このうち八件が車上狙いの被害による
ものだった。
紛失したのは、児童・生徒の学習状況や指導経過などを記した指導(教務)手帳、採点
後のテストの答案用紙など。保護者名簿や連絡先、学校だよりや学級通信を保存したフ
ロッピィーディスクやパソコン本体もあった。
自宅の駐車場や学校かの帰宅途中の紛失が多く、昨年四月には亀岡市の中学教諭が京都
市内の自宅近くの駐車場で車上狙いに遇い、生徒の保護者の名前、住所、家庭状況など
を書いたノートを盗まれた。
スーパーや飲食店の駐車場で、指導手帳を入れたかばんを車内に置いていて、車を離れ
たすきにドアをこじ開けられてかばんごと盗まれたケースや、電車の網だなに置いたか
ばんを盗まれた教員もいた。紛失した手帳やフロッピーはほとんど戻っていないという。
京都府警の調べでは、府内の車上狙いの被害件数は二〇〇〇年が六千七百八十九件、〇
一年は八千九百二十一件となり、年々増えている。
府教委管理部は「車上狙いの増加に教員の紛失件数が比例している。教員は被害者だが、
生徒や保護者の個人情報を外部にさらすことは、ある意味で加害者」としている。