肉骨粉でボロ儲けした大手商社ってどこ?

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58ゲンダイより
狂牛病「大手商社に疑惑の目」
米豪が中止したEUの肉骨粉を輸入しつづけたのはなぜか
 価格にウマみ、それを放置した農水省の無責任

狂牛病の原因とされる肉骨粉をめぐって日本の商社がボロもうけしていた疑惑が浮上している。
今年1月に輸入禁止になるまで、汚染された可能性がある肉骨粉を格安で輸入、莫大な利益を挙げていたというのだ。
国会では肉骨粉輸入業者リストも出回り、「ズサンな対応をした農水省も問題だが、商社にも道義的責任あり」との声が上がっている。
 米国と豪州は97年に狂牛病の最大の感染地帯であるEU圏からの肉骨粉の輸入を禁止した。
にもかかわらず、その後も日本はイタリアやデンマークから約8万トンの肉骨粉を輸入してきた。
 「Euからの輸入肉骨粉は大手商社9社を通じ、36の国内仲介業者に卸され、さらに2次卸業者を経由して
全国各地の飼料会社に販売される仕組みです」(畜産関係者)
 農水省の危機感のなさにはあきれるが、危険なEU圏から肉骨粉を輸入しつづけた大手商社もヒドいものだ。
国会で狂牛病問題を追求する自由党の山田正彦議員が言う。
「97年までほとんど実績のなかったイタリア、デンマークからの輸入が突然、年間数千トンに跳ね上がったのだから異常です。
その理由は価格、つまり超格安だったからと指摘されています。96年当時、イタリアで1トン5万円していた肉骨粉が
2000年には1トン2万6000円まで下落。単純にいって5万トン仕入れれば12億円が浮く計算です。しかも、商社は、EU諸国の肉骨粉の危険性を
報道などで知っていたはず。安全性より金儲けを優先させたのなら、道義的な責任は免れません」
 当時の商社は「国際ルールに従った加熱処理をし、輸出国の証明書も得ており安全です。価格も為替の影響を受けるものの適正です」と反論している。
 しかし、2000年7月にEU委員会(狂牛病対策)がまとめたリポートでは〈イタリアは95年までに英国から2万頭の牛と数千トンの肉骨粉を輸入。
98年までに狂牛病の監視体制は非常に低かった〉 としている。それなのに、輸入が今年まで続いていたのは異常だ。
野党は95-97年にかけて畜産局長をしていた熊澤英昭農水事務次官に説明を求めるという。
今後は農水省と商社の関係にも関心が集まりそうだ。