日本人ノーベル化学賞受賞

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こちらは,さげで。解説です。
テーマは「触媒反応による不斉合成の開発」。
有機化合物には化学的組成が全く同じでも右巻きと左巻きというように鏡に
映ったように対象的な物があります。
ところが人工的に合成した化合物はこの左巻き,右巻きが混在し,
これを分離することが不可能に近かったわけです。
 しかし,生物はこの両者を区別し,生体は一方だけを利用します。
このため,たとえば調味料の化学物質も,たとえば左巻きなら味覚を感じるのに,右巻きは感じないことがありますし,
薬でも大問題になったサリドマイド剤を例にとると,右巻きなら薬効があり,左巻きなら催奇性が生じるのに,
左巻きと右巻きの両物質が混在していたため被害を広げました。
 野依教授は,独自の触媒を用いて,左巻きか右巻きかどちらかの化合物を選択的に作ることに世界で初めて成功しました。
これにより,微生物や酵素でしかできないとされていた従来の化学反応の常識をくつがえし,人工合成に新しい道を拓いたのです。