来月はどっちだ!?エランシア バグ神の十戒

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235遠い記憶
中期課金後:
課金後に安達政男の名をエランシア一の厨房として全てのPLに知らしめる事件が起こる。
あまりにも有名な「増殖事件」である。
主にオンリングが増殖されその一部は広場にばら撒かれたり、それなりの価格で販売された。
この事件の前日に数十万を投げ打って購入したリングを待ち行く誰もが身に付けているのである。
余りにも純粋すぎた真面目なPLはこの事件の心傷を胸にエランシアを去る事となった。
隠れて利用し、私腹を肥やす程度で有ればそのような事も無かったのであろうが安達政男他の厨房は
真に自己顕示欲の権化と化して他人が発見したバグの驚くべき結果を吹聴して廻った。
この事件に拠るオンリングの市場崩壊は奇しくも釣りの流行と重なりエランシアにおける通貨の価値は
それまでのそれとは比べるべくも無いまでに暴落した。
「βを終了して『正式サービス』を開始」この言葉に胸を躍らせたPLを待っていたのは
世界崩壊の序曲を奏でるGMが支配する厨房の厨房による厨房のための世界であった。

職業服輪舞曲:
安達にとって最大にして唯一の拠り所は課金寸前に築き、増殖バグの利用によって得た巨万の富であった。
PKと言う余りにも平坦で優しい道を選んだ彼の目に高いアビリティを誇るくまさんや百合はどのように
映っていたのだろうか?
安達が彼らと肩を並べる唯一の武器である資金力、人徳や実力を求めることを知らぬ彼はそれによって
手に入るであろう職業服の入手に躍起になった。
新しい玩具を手にして束の間の仲間を集う寂しい子どものように・・・。