そして厳選されてゆく厨房…電波処ケヤキ その2

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622名無しさん@お腹いっぱい。
―蒼月の最期―

時の流れが緩やかになった。
私の名は蒼月。今は荒廃したけやきの元管理人だ。
すべては私が間違っていた。
エン。私はあの悪魔の本性を見抜く事が出来なかった。
私は脳裏に焼きついた、忌々しいあの光景を忘れない―

「我に刃向かう者は死刑」
一般人には近づけない、裏会議室での発言だった。
そのエンの発言にある者は抗議し、ある者は失望し、
また、ある者はさらなるエンへの忠誠を誓った。

そして、すべてはエンの計画通りに事件は起きた。
『大量虐殺』
エンは、自分に反抗する者を片っ端から排除した。
そこには、エンが片腕とも呼んだ南巽の姿もあった。
正に手段を選ばない虐殺。その死体の上には、目的を見失い
殺人兵器と化したエンが、悠々と佇んでいた。

もう、かつての笑いと歌は影を潜め、エンの機嫌を取るための
運営会議室と呼ばれた、人間を捨て去った悪魔の溜まり場だけが残った。