4人が誤認逮捕された遠隔操作ウイルス事件で、威力業務妨害やハイジャック防止法違反などの罪に問われ、
無罪主張を全面撤回したIT関連会社元社員、片山祐輔被告(32)の第10回公判が30日、東京地裁(大野勝則裁判長)で開かれた。
未解明になっている遠隔操作の手口について、片山被告は「捜査で見つかっていないサーバー(記憶媒体)がある」「(プログラムを)2回読み込むよう工夫した」ことを明らかにした。
片山被告はこうしたプログラムについて、「2、3日かけて自宅で作り、会社のパソコンから送信した」とも述べた。
この日は、横浜市のホームページに小学校の襲撃予告が書き込まれた事件で、遠隔操作されたパソコンなどを解析した民間技術者が証言。手口については「どんな処理がされたのか分からない」と述べた。
片山被告は被告人質問で、「捜査で見つかっていないサーバーがある。そこから遠隔操作プログラムをダウンロードさせた後、無害なプログラムを再度ダウンロードさせて上書きし、
プログラムが見つからないようにした」と証言した。
閉廷後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した佐藤博史弁護士は「犯人しか知り得ない秘密の暴露。横浜の事件について片山被告は『腕試しだった』と言っていた」と話した。