【お前たち読者】婆☆っちヲチ12搾る【自分の影響力】

このエントリーをはてなブックマークに追加
3722/2
----冒頭抜粋

 それと再び向かい合ったとき、虎徹の喉から出たのは、
悲鳴にならない呼気だった。
虎徹は何度も立ち上がり、それと向き合い、会話を試み、
戦い、捻じ伏せ、捻じ伏せられて、
そして一度完膚なきまでに叩きのめされてしまった。
結果は火を見るよりも明らかで、敗北。
 やがて、虎徹はそれの悲しみであり、
狂気そのものに取り込まれ、分解されてしまい、
自らの力の脆弱さに絶望して何もかもから引きこもってしまうことになる。
しかし、虎徹がそうやってそれから目を逸らし、
考える事を放棄するようになると、それはなりを顰め、
まるで虎徹の逃亡に呼応するようにそれもまた遠く潔癖とも言える
自らの殻の中に密かに閉じ篭ってしまったのだった。
 喪失。
 長い長いぼんやりとした、夢の中のような出来事。
虎徹とバーナビーは二人して互いの大切な処を失いながら、
それでも無意識に手を伸ばし寄り添い続けた。
喪失も、もはや彼らを完璧に引き裂く事など出来なかったのだ。