63 :
名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:
ある日の昼下がり、埼玉県内の温泉施設に帽子を深々と被った女が現れた。
子どもにも中年にも見えるその女性はただ黙々と脱衣所に向かった。
「あの…お客さん。代金」
「は?」
女性は知的障害を思わせる間延びした声と怪訝な目でカウンターを見た。
「それに、ここは土足禁止ですよ。」
「私は超有名ネトアだから代金ぐらい負けてほしいし。」
知的障害を思わせる喋り方と、精神異常があるのではないかと思わせるぶっとんだ思考に
警察を呼ぼうかと考えたレジ担当であったが、とりあえず客として扱うことにした。
ただ女を説得するのに30分以上費やした。
「1200円です」
女は、もたもたとクビからぶら下げた鞄に手を伸ばし、太い指でしわくちゃの札をレジに叩きつけた。
「レシートと、こちらが脱衣所のロッカーの鍵です。」
鍵を受け取ると脱衣所に行こうとした女を店員は呼び止めた。
「下駄箱の鍵はこちらで預かりますので。」
女は何かぶつぶつ言ったがよく聞き取れなかった。
女はカウンターに突き出すように鍵を渡すと脱衣所に向かった。