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(う、嘘よっ‥‥、そ、んな‥‥こんなのがあれだなんて‥‥!)
夜空の星の輝きを頼りに、漠然とミッシェルのペニスしか見たことのないナオにも、その異形さと長大さが尋常でないことがはっきりと察知できる。もはやそれは黒鋼(くらがね)の凶器だ! 少女はそれから目を逸らすことすら出来ない。
〈―――こんなもので秘芯を貫かれようものなら、女性器官を破壊されかねない―――!〉
そう直感したナオは、思わず恐怖に身体をガクガクと震わせる。やがて少女は我に返ったかのようにハッとして、堅く目をつぶって老人の股間から懸命に顔を背けた。
「おやおやつれないですなぁ。これが今からあなたのヴァギナに入るのですよ。さあここからが本番ですぞ!」
ファニ助の言葉を聞いてナオはパニックに陥った。少女の華奢な肉体が本能的な危険を感じ、自分の腹部にまたがるファニ助の存在を激しく拒絶したのである。
「いやぁあっ! 誰か、誰かたすけてぇぇーっ! お父さまぁっ! お母さまぁぁっ―――!」
顔を激しくうち振り、手足を必死にばたつかせて、懸命に身を起こそうともがき続ける十六歳の少女。しかし再びファニ助に体重を乗せられてビクともしない。
それどころかこんな過重力下で、泣き叫び続けながら激しい運動を繰り返しているせいで、ともすれば呼吸困難にでも陥りかねない。
案の定しばらくすると、ナオの口からは絶叫が途絶え、ハァハァと切迫した息遣いが残るだけになってしまった。ぐったりしたナオの華奢な肉体を折り曲げ、ファニ助は肉棒の先端を、ピッタリと少女の小さな秘孔に当てがう。
しかも挿入が容易になるように、ペニスの先端を細く尖らせエラをすぼめるようにしてその形状を変化させる。しかし、肉茎の太さや長さは決して縮めていない!
「ウウッ、後生です! ファニ助っ、これ以上しないでぇっ! ハァハァハァ―――」
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今のナオの体力では、もはや話すことなど困難なはずである。それでも死力を振り絞ったように、最後の哀願を繰り返している。そんな少女のいじらしさが老医師の胸を打つ―――。
ロイータの女性の貞操観念は強固だ。それがプリンセスともなれば、やはり尚更なのであろう‥‥。しかし、そんな彼女の慎ましく誇り高い精神も、ファニ助にとってはプリンセスを凌辱に染め抜くための、新鮮な一つの食材に過ぎないのだ。
「二本のペニスを味わえるとは、ロイータの女性にしては、滅多にない幸運ですぞ。あのミッシェルという若僧のものと、どこがどう違うか、後で私にも教えて下さい。フッフッ、ねえゴージャンヌ・サラ王女様」
「ウウッ、ひどい・・・・。いやぁっ、絶対にイヤァァーッ―――!」
わざとプリンセスの立場を思い知らしめるような呼び方をして、少女の屈辱感をあおるファニ助の言動に、ナオは最後の力を振り絞って抵抗を始める。しかし、もはや手遅れであった。
ファニ助は、蚊ほどの疎ましさも感じさせぬナオの抵抗を軽くあしらい、ペニスを固定したままにゆっくりと上体を倒し、少女の身体にどっさり覆い被さると、
遂に十数年の長き歳月に渡り、渇望してやまなかったプリンセスの柔らかき秘孔に、ゆっくりと侵入を開始したのである。
「アウッ、イッ、痛いっ! ウッ、イヤァァァーッ―――!」
秘芯からまるで身体を二つに切り裂かれるような激しい痛みが、少女の全身に広がる。堪えきれずにナオの肉体が大きく反り返っていく―――。
まるで初花を開かれるような激しい痛がりようだ。苦しそうに満面に脂汗をジットリと浮かべて、弱々しくその小さな顔を打ち振っている。―――無理もない‥‥。余りにも可憐すぎるナオの「めしべ」が、男性のシンボルを受け入れるのは、まだこれで二度目なのである。
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「やめてぇぇぇ‥‥、いやぁぁぁーっ! ウウゥゥーッ―――!」
秘芯への果敢で勇猛な老人の攻撃をかわそうとでもするかのように、絶叫しながら自由の利かない身体を懸命にくねらせるナオに、ファニ助は処女(おとめ)の断末魔を見る思いがして、更なる興奮に包まれていく。
(―――やはり女は最初はこうでなければいけない・・・・。このハイパーペニスの餌食になってしまえば、どんなに貞淑なあどけないプリンセスとて、いずれは喜んで自分の前で股を開く生き物になってしまうのは明白なのだ。
せめて最初のうちだけでも、めくるめくような凌辱の興奮に、こころゆくまで浸りたいものだ)
「オッホッホッ、初々しいですなぁ、ナオ様。まるで初めてのようで結構ですよ」
自分の必死な姿を悠々と見下し、下卑な品評を加えるファニ助を、ナオは心の底から憎いと思った。生まれて初めて殿方を受け入れた、あのミッシェルとの初夜での優しい彼の思いやりの数々が、自然と少女の脳裏に甦る‥‥。
―――あの時のミッシェルは本当に優しかった・・・・。痛がる自分のことを本当に気遣ってくれて、時には痛みが薄れるまでの猶予さえ与えてくれた程だった‥‥。それがこのおぞましい老人ときたら、孫娘と呼べるほどの自分に対して、ひとかけらの慈悲も与えること無く、
自我の欲望のままに自分を責め立てているだけなのだ。しかもその苦痛の衝撃は、ミッシェルの時よりも遥かに凄まじいのである。
「ヴッ、やめてぇッ! 壊れちゃうっ! ウウッ・・・・」
苦痛に咽ぶナオの額には、ジットリト脂汗が滲んでいる。額や頬にベッタリとこびりつくブロンドの髪が、妙に妖し気な色香を漂わせている。そんな少女の切ない呻き様が、ファニ助の記憶の中で、王妃ティセラの少女時代と重なる。
今まさに自分の下敷きとなって、無理やりに自分の剛直をねじ込まれて、苦悶の表情を浮かべてのた打つナオの姿は、初産の苦痛に激しく悶えていた少女時代の王妃ティセラの表情と同じであったのだ。
こみ上げてくる余りの感動に思わずファニ助は、その残酷な仕打ちとは裏腹に、組み敷き犯している少女に優しい声を掛ける。
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「おお哀いそうに・・・・。ナオ、頑張るんじゃぞ! あともう少しの辛抱じゃ!」
ナオからの返事はない。ただ苦しそうに呻くばかりである。当たり前だ。抵抗しないからといって決して彼に屈服を示しているのではない。少女は余りに凄まじい激痛に、わずかに残る体力までもを奪い尽くされ、もはや息をするのもやっとなのである。
少女の肉体を襲う激しい苦痛は、ファニ助の言葉に反して延々と続いている。ズルズルと隘路を押し入ってくるおぞましき物体は、今もまだその全長の半分までしか、少女の内部に潜り込んでいなかった。しかし、余りの衝撃の大きさにナオは、
もはや完全に自分の胎内が塞がれきっている感覚を覚えていたのだ。それなのにファニ助の怒張はなおもグングンと侵入を続けていく・・・・。遂にファニ助のおぞましいペニスは、ナオの幼い子宮口をピッタリと塞ぐまでに、少女の胎内奥深くにまで到達したのだ。
「アウッ、ウグッ、ハァハァ、くっ、苦しいっ! 駄目っ、それ以上入れないでっ! ハァハァハァ―――」
胎内の女性器官への蹂躪のすべてを、ナオは身を襲う激痛の中にも敏感に感じ取っていた。まるでこのまま内臓を突き破られるのではないかというまでに。
もはやこれ以上ファニ助の肉棒の侵攻を受け止めるだけの空間など、小さな身体のナオに残されているはずもない。彼の皺とシミを目立たせながらも老人には似合わぬガッチリした体躯と、小柄でスリムな十六歳の少女の身体とでは、まさに大人と子供、
いや、それ以上の体格差があるのだ。しかもファニ助の両手で、簡単にすっぽりと掴み切れるほどに細いナオのウエストの深奥には、たとえ未成熟とはいえ「子宮」や「卵巣」といった男性の持っていない女性生殖器官が息づいているのである。
にわかに信じ難い程だ。それでもファニ助は怒り勃つハイパーペニスをビクビクと脈打たせながら、なおもナオの深部を目指そうとする。
「さぁナオ、ここからが正念場ですぞ。私のペニスはこんなことも出来るのです」
「アアウッ―――!、?」
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ナオの胎内でファニ助のペニスが蠢く。彼の誇るハイパーペニスの容積が徐々に減少していくのが、ナオにもはっきりと感じられた。しかしそれはファニ助がハイパーペニスの亀頭や肉茎を、意図的に細く変化させたことによるものだったのだ。
が、ナオには何故そうなったのか判らない。
理解できぬといった表情を隠せないナオに、ファニ助は遂に自らのペニスの秘密を暴露し始める―――。
「実は私のペニスは特別に作られたものなのです。大きさが自在に変えられるのですよ。だからこんなことも可能なのです。それいっ―――!」
(ズニュゥーッ―――!)
「イッ、イヤァァァーッ! あああぁぁぁーっ―――!」
ナオの一際カン高い絶叫が狭い部屋に響き渡る。その瑞々しい肉体が激しくのたうち大きく反り返る。何とファニ助の言葉と同時に、細く尖った彼のペニスの先端が、少女のまだ未発達の子宮頸部(子宮口)に強引に押し入ってきたのだ。
ファニ助はナオの初々しい膣襞粘膜を味わうだけでは飽き足らず、何とその奥にひっそりと息づいている少女のまだ蒼い胎内器官にまで挿入を果たそうとしているのだ!
「くはあっ! ア、アウッ! 壊れるっ、ウウウゥゥーッ―――!」
細長く変化したファニ助のペニスの先端が、まるでメリメリと音がするかのような強引さで、ナオの未成熟な子宮口をこじ開け、子宮内部めがけて侵入していく・・・・。その衝撃はまるで身体をバラバラに解されていくような凄まじさだ。
少女は大きく両目を見開いたままに、今にも悶死してしまいそうな絶息を繰り返している。もはやその小さな両手をワラの上に投げ遣ったまま、汗塗れの全身をヒクヒクと痙攣させているに過ぎない。まさにそれは地獄の悶絶といっても過言ではない。
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「オオッ、きつくて熱い・・・・いい気持ちだ」
ファニ助の顔が快感に緩む。力任せに更に奥へとペニスを送り込んでいく・・・・。
「ハァハァハァ、ウウゥゥーッ、ああああぁぁーっ―――!」
情け容赦なくズプズプと少女の幼い子宮へともぐり込んでいくファニ助の亀頭の先端が、やがて子宮内壁の柔らかく濡れた粘膜質にピタピタと当たる触覚を覚えた。
遂に彼のペニスの先端は、ナオの幼い子宮内部の奥まで到達したのだ! しかも気が付けば、ちょうどファニ助のペニスの肉茎も、完全に根元までナオの中に埋没しているではないか!
彼は遂にやったのだ。長年夢見続けてきた、このロイータで最も由緒正しき高貴な血統である美少女プリンセスの、その貞操を問われる膣牝器官はおろか、女性のシンボルとも言える最も大切な受胎器官の奥の奥までも、自己の欲望の分身で刺し貫くことが出来たのだ!
そんな感涙に値するまでの感動と興奮が、彼の胸中に去来する。そして自分の身体の下に組み敷かれた少女の様子を見るに付け、彼は益々感動を覚えてしまってどうしようもない。
余りに凄まじい衝撃を覚えているのだろう、その美しい瞳を大きく見開いたままに、ナオの身体からは、力という力がすべて抜け落ちていて、まるで酸欠に陥った魚のように口をパクパクさせているに過ぎないのだ。
まさにこの少女のすべてを征服できたという実感が、彼の胸中にこみ上げてくる。
「オホッ、ちょうどじゃ! ナオ様やりましたぞ! ファニ助は遂にナオ様の奥の奥までやって参ったのですぞ!」
「ウウッ・・・・」
狂喜するファニ助の声に、ナオの身体が悲しげな女の嗚咽で弱々しく応える。そんな少女の見開かれた瞳に、ジワジワと大粒の涙が浮かぶ―――。
(‥‥犯されちゃったのね私‥‥。汚されてしまったのね‥‥もうミッシェルさまともお会いできない身体に‥‥)
「ウウウッ‥‥、うううっ―――」
―――まさに十六歳の少女が生まれて初めて漏らす、そんな絶望の嗚咽だった‥‥。
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そして今、まるで諦めてしまったかのように、ゆっくりと伏せられていく少女の瞳の内から、目尻を伝って熱い涙がゆっくりと流れ落ちていった‥‥。
ナオの狭くてキツい膣内に、みずからの怒張を完全に埋没させ終えたファニ助だったが、しばらくじっと動かずに、少女の膣粘膜と子宮内粘膜の心地よさを、
心の底からじっくり堪能しながら、彼女に聞こえるようにその得も言われぬような快感を大声で説明し続けていた―――。
「おおぉっ、ナオ様の胎内(なか)は熱くて湯のようじゃ! まるでしっぽりと握ってくれてるようじゃ! やはり若い娘のものは、大人の女とはひと味もふた味も違うわい!」
未だ妊娠経験の無い子宮というのは、内部空間が著しく狭い。しかもそれがまだ十六歳の華奢な骨格のナオならば尚のことである。実際に彼女のそこは、およそピンポン玉一つほどの広さもなかったのだ。
まさしく彼が言った通り、ナオの幼い未成熟な子宮内粘膜は、ファニ助を憎む心とは裏腹に、熱くぬめりながら優しくファニ助の亀頭を包み込んでしまっていたのである。
「フッフッフッ、今から天国に連れていって差し上げましょう。参りますぞ、ナオ!」
そう言うとファニ助は、遂にズルズルと緩慢な抜き差しを開始した。
「ウウーッ! うううっ、ハァハァ、ウウウゥゥーッ―――!」
ナオはまるで高熱にうなされたような呻き声を上げ続けるだけで、手足をだらりと投げ出さしたままにピクピクと身体を痙攣させている。ここまでされてしまっては抵抗すらおぼつかないのだろう。
少女期の子宮という、まさに乙女の急所そのものをファニ助の獰猛な肉の鏃で射抜かれてしまったナオは、ただひたすら彼の腰遣いに翻弄されるより他はないのだ。
「オホォッ、フンッフンッ、気持ちいいぞっ、ナオっ! フンッ、フンッフンッ―――」
秘芯の中でネットリと絡み付くような、幾重にも重なる肉襞の心地良さといい、すぼまる子宮頚部粘膜の熱く締めつける摩擦感といい、この熱を帯びた十六歳の少女器官こそまさに女性の旬のものであると、ファニ助はヒシヒシと感じてならない。
(‥‥女体というものはやはり、少女から大人の「女」の肉体へと変化を遂げる過渡期こそ、最も賞味価値が高いものだとつくづくと感じる。
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しかも相手が由緒正しき王家のプリンセスとくれば、その素直で純粋無垢な心と清らかな肉体というのは、まさに希少価値も極まり無く、どれほど多くの世の男共が渇望しようとも、決して手に入れることなど不可能なのだ!)
彼はそんな応えられぬ優越感すら覚える。すると快感までが倍増していくようだった。
全身汗塗れになりながら、快感をむさぼることに没頭するファニ助の抽送は、だんだん力強くダイナミックなものへと変化していく。そこにはナオの身体をいたわるような心遣いは微塵もない。
「ヌチュッ、ズプッ」といった淫らな交接音が、ファニ助の荒い鼻息とナオの切ない息遣いと混じり合い、狭い部屋に響き渡る―――。
ロウソクの灯りがゆらゆらとほのめく中、まるで獣の檻のようなワラが敷かれただけの小部屋で、皴だらけの老人が、まだあどけなさが残る初々しい少女の肉体をむさぼり犯している光景は、まさに倒錯した妖しい苛虐性に満ち溢れていた。
(ヌチュッ、ジュプッ、クチュッ、チュッチュッ・・・・)
「フンッ、フンッ、フンッ、フンッ―――」
「ハァハア、アウッ、アンッ、ああっ! ハァハァ、ハァウッ―――」
ところが、淫らな交接音とファニ助の鼻息に紛れて、掻き消されてしまいそうなナオの切ない息遣いに、何やら妖しいものが混じり始めていた。それはともすれば苦悶の嘆きとしか受け止められかねない悲壮感が漂うものだ。
しかし、それはまさに少女が、自己の肉体に宿る雌(メス)の性(さが)に、肉体の全支配を許してしまう兆(きざし)だったのだ。
十六歳の少女にとって、まだ成熟しきっていない幼い子宮頸部を蹂躪される衝撃は、目の前がチカチカとフラッシュバックする程に凄まじいものであった。まるで内臓をグチョグチョに掻き回されているような、強烈な鈍痛が全身に広がる。
しかも脳髄が痺れてしまって思考がまったくおぼつかない・・・・。
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ところがしばらくすると、まるでお酒に酔ったような、トロンとした不思議な感覚が少女の脳を支配し始めたのだ。するとどうだろう、何やら子宮の辺りから、ジーンと痺れるようで切ない感覚が湧き起こり、身体全体に広がっていったのである。
ナオはそんな妖しい感覚に、もはや抗おうとはしなかった。
いや、その感覚に必死にすがりつこうとさえしていたのだ。次第に少女の頭の中は、白い世界に包まれていく―――。
「あんっ、んっ、あああぁぁっ! はぁぅっ!」
少女の瑞々しい肉体が自然な反応を示し、時折そのあどけない口元から艶やかな嬌声がこぼれ出る―――。抽送に夢中のファニ助もそれに気付いたらしい。もっとナオの口元から、艶やかな喘ぎ声を紡ぎ出そうと、腰を左右に揺さぶりながら抽送を早めた。
「フフンッ、フンッ! フンーッ―――!」
「アアッ! アッ、ああぁぁーっ!」
遂にナオの口から、はっきりそれと判るような官能の喘ぎ声がほとばしった。
「オオッ、いいぞっ、ナオっ、もっと感じるのだッ! それいっ―――!」
「アヒッ、アアッ、いやぁあああぁぁぁーっ―――!」
カン高い絶叫と共に、まるで電気ショックを受けたように、ナオの肉体がググッと大きく反り返り、無意識にその両手をファニ助の背中に回し、必死にしがみついてしまった。
同時にファニ助を咬えている少女の秘孔粘膜が小刻みな収縮を遂げる―――。やがてぐったりと少女の両手が崩れ落ち、十六歳になったばかりの瑞々しい肉体が小刻みな痙攣を起こし始めた。
イッたのだ! 遂にナオは軽いアクメ(絶頂)に追い詰められてしまったのだ! それはナオが生まれて初めてのオーガズムを体験したことを示すのみならず、この憎んでも憎み切れぬ老人との、国家の命運をかけた「闘い」に、惨めな敗北を喫した瞬間でもあったのだ。
「ハァハァハァハァ‥‥」
息も絶え絶えにぐったりした少女の見開かれたままの瞳は、呆然と視線を宙に徨(さまよ)わせたままである。