苑子 Part15【´_J`】

このエントリーをはてなブックマークに追加
920名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!
ある日の夜、残業で遅くなった俺は帰りに夜食を買うためコンビニに立ち寄った。
外に出るとコンビニの影に人影が見えた。
髪型や服装からどうやら女らしかった。
「浮浪者か?関わると厄介だな。」
気にせず車に戻ろうとすると女の方から声をかけてきた。
「無視するなんて酷いし」
「なんだ?」
「困っていたら助けるべきだし。」
車のヘッドライトに浮かび上がったその顔に見覚えがあった。
「苑子…。」
数年前、ネットから姿を消した苑子のその後消息を知るものはいなかった。
知っているのはこいつの妹が最近一流アーティストとしてテレビに取り上げられていることぐらいだ。
そんな姉妹とは正反対にどうやらこいつはついについに家族に見放されたらしい。
相変わらずしまむらで買ったであろう既に解れかかったダサい服装を身に纏った苑子は、必死に俺に食料を求めてきた。
ついにコンビニの袋を引っ付かんで来たので俺は振り払ったが、破れたビニールから弁当が落ちて中身が飛び散った。
「あっ…!」
苑子は抵抗を止めると夢中でそれを拾い集めると、むしゃむしゃと食べ始めたので俺は「この豚野郎!」と苑子の腹にけりを入れた。
「うっ…」ビチャビチャビチャ
汚らしい音を立てて苑子は辺りにゲロをぶちまけた。
また俺を睨みつけ抵抗してきたのでもう一度蹴り飛ばすと仰向けに倒れ、ブリブリブリブリブジャアアアアアと糞尿を漏らし生ゴミのような悪臭が立ち込めた。
苑子の糞にまみれむざんな姿を晒す弁当の中身を見ると舌打ちをして車に戻るとコンビニを後にした。
次の日、ダンプカーに引かれて浮浪者が亡くなったニュースが流れた。
それはまさしく苑子であった。
俺はいつもに増して颯爽と出社した。