▼:ゲー音&ゲー着総合Part26

このエントリーをはてなブックマークに追加
82名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!
トントントントン…。
包丁がまな板にぶつかる音が、心地よく耳に響く。
わたしの大好きな音。
ふと、ぱらりと視界に入ってくる黒髪。
料理に長い髪は邪魔だけど、あの人は長い髪が好きだから、
とりあえず申し訳程度に肩まで伸ばした髪。
それをもう一度耳にかけ、わたしはまた野菜を切る。
『ピンポーン』
 玄関の方から聞こえてくる、軽快な音。
これもわたしの大好きな音。
きっと、あの人が鳴らしたものだから。
「こんばんわーッス」
 わたしが出迎えるより早く、彼はそう言ってガチャリとドアを開けた。
年の割に幼い、かわいい声。わたしより3つも年上だなんて信じられない。
一緒にいても、わたしの方が年上だと思われることが多い。
…わたしがおばさんくさいって事かしら? まだ23なのに。
「いらっしゃい、しゅうちゃん。今日は早く仕事終わったのね」
 パタパタとスリッパを鳴らしながらこう言って出迎えると、
まるで自分が若奥さんになったみたいな気分になる。
…しゅうちゃんと一緒に住んでるわけでもないのに、バカね。
「ミヤコーーーーーーーーッ!!」
 わたしの姿を確認するなり、しゅうちゃんはその赤茶がかった髪とジーパンから
耳と尻尾を生やしたように、わたしの元へ突進してきた。
そしてわたしが驚く間もなく、その大きな胸元に、わたしを抱きしめる。