「SEED」PLUSを観てA 強い者が正義なのか!?
特番を観終わっての感想は、結局終始キラとオーブの賛美と賞賛でした。
私は議長が正義だとは思いませんが、しかしAAも正義だとは思っていません。
ラクスは戦艦や条約違反のMSを隠し持ち、私兵集団を囲い、新型兵器を開発し、
子飼いの議員にザフトの兵器を盗ませていました。平和の歌姫が聞いて呆れます。
そして、オーブとその友好国の2カ国しかプランを拒否していないのに、
それを世界の意志とみなすのもどうかと思います。
彼女は他人を独断と偏見で裁けるほどえらい人なのでしょうか。
カガリも身内の誘拐劇で、国をほったらかしてテロ旅行。あげく戦争のどさくさに
軍事クーデターを起こし、政敵に一切の責任を押し付け排除し、独裁政権を作り私物化し、
身内人事でテロリストどもを軍の高官にしました。いくら正式な軍人になったからといって、
彼らがテロリズムに走った過去は消せません。
そして、一番疑問に感じたことは、こんな独善的で無責任なかれらの絶対正義演出です。
シンがオーブを撃つのはダメで、彼らがザフトを撃つのはいいのでしょうか。
大量の破壊兵器の廃止を訴えるのであれば、まずフリーダムを廃棄すべきです。
そして彼らは誰も死なないし、死んだって生き返ります。さらに、彼等と敵対する悪人は皆、
ユウナといいジブリールといいレイといい、途中からAAの都合良く同一人物とは思えないほどの
奇行に走ります。議長を悪者にしたからといって、それでAAが正義になるわけではないんです。
彼等は無条件に宗教じみた信仰を集め、守護神だの女神だのと崇められ、
最後には全てをAA色に染めました。どうして全てをオーブに屈服させる必要があったのでしょう。
ザフトにはザフトの正義があります。後日談は、鈴村さんをはじめとするシンが最後まで自分の意志を
貫いたことを喜んだ人たちへの嫌がらせのほかのなにものでもありませんでした。
何度花を植えても、その花は以前の花とは違います。一度枯れた花はもう二度と咲きません。
死んだ人間に明日なんかないんです。
結局、オーブはその圧倒的な軍事力によって世界の覇権を手に入れ、「DESTINY」とは
ラクス一派による壮大な世界征服物語でした、気に入らない相手を話し合いもせず殺して黙らせるのは
一番人として野蛮でつう悪辣なことだと思います。
根本的な問題は何も解決されず、物語は振り出しに戻りました。
正義のヒーローなら何をしても良いのでしょうか。
難解かつ疑問を覚える作品でしたが、スタッフの皆様、一年間どうもお疲れ様でした。