【富田安紀良】ネット弁慶エセ漫画家夫婦 \8【高岩ナントカ】
2004.09.13
読者様から日記ネタを頂きました。
一部で騒ぎになりつつある書籍「キッパリ!!」での記述、『デジタル万引推奨』に関しては漫画家としてどうお考えでしょうか
お名前は挙げて良いかどうか分からないので、取り敢えず匿名様と致します。匿名様、ネタ、有り難うございます。てな訳で、今日はこのネタに付きまして。
実は私、何の事か良く分からなくて、まずググる事から始めました。
結果「キッパリ!!」とは「キッパリ!―たった5分間で自分を変える方法」(上大岡 トメ:著)と言う書籍の事。ああコレ、話題になってますね。TVで見ましたよ。
でもって、聞きかじりだったデジタル万引きについてはこちらが、分かり易いです。
「デジタル万引き」自体については、私は反対です。が……現在の本屋の最大の敵ってBOOK OFFや漫画喫茶だと思いますが。
と。上記を踏まえた上で、私の結論は。
上大岡トメさんの勝ち。
私、該当の本を読んでおりません。よって、著者の方の考えをどうこう言う事は出来ません。
ですが、今回のこの質問に付きましては本を読むまでも有りません。私の考えは以下です。
上記の本は紹介文等によると、いわゆる「生き方の心得本」のようです。何気ない小さな事を、日々するだけでこんなに変わる、みたいな。
つまり、ご質問の「デジタル万引き」は、この本の中では些事で有りましょう。
であるなら、私、一個人の認識について意見は御座いません。例え非常識な記述で有ったとしても、明確な処罰さえ決まっていない事項について、その記述や記述者を責める気は全く御座いません。良いんじゃないの?個人の意見だし。です。
それよりも私、そんな些事でさえ取り上げられる事自体が羨ましいですわ。取り上げられれば取り上げられるだけ本は売れて行く物なので、著者さんは大当りですね。
大作家って、良く誤解されるのだけど、良い作品を書く人の事では有りません。売れる作品を書く人の事です。
これは皮肉でも嫌味でも無く、単なる事実です。ビジネスになった時点で、作家のレベルが数字の大小によって決まるのは仕方のない事。
またそんな、やっかんで!!大作家は良い作品を書いてるよ!!と仰る方も多いでしょう。
いや勿論、そっちは全然否定しません。でもその「良い作品」は、イコール「売れた作品」の筈。つまり、どんなに良い作品を書いていても誰にも知られていない作家は、大作家ではないと言う、至極当たり前の事です。
よってこの人は大作家さん。作家は売れたもの勝ち。故にこの人の勝ち。
私の意見はそれだけです。それ以上でも以下でも有りません。
だから、やはりこのネタで一番驚いたのは、"一部で騒ぎになりつつある"でしょうか(笑)。
どうせ、「その時刻を携帯のカメラに撮ってメモ」みたいな記述が有って、それを「デジタル万引き推奨だ!!」って騒いでいる人が居ると言う事なんでしょうが。
いやもう全く。検証サイトとレベルどっこいだぞ。いらっしゃいますねぇ。
売れている本なら、世論が騒げばきっと第何版かで訂正されますよ。その程度の事ですって。
作家ならもっと然るべき認識を!と言う良識派が、ここにも怒鳴り込んで来ると厄介なので先に書きますが、作家なんてただの人。貴方が間違いを犯すように、作家も間違いを犯すのです。
しかも今回は処罰も明確に決まっていない微妙な事柄。「然るべき認識」は、今作られている最中。一概に責めるばかりが正しいとは思いません。
念のため申し上げておきますが、私はデジタル万引きは推奨しません。それ以前の問題として、私は「携帯が嫌い」で、「一生持たない」と言いはっている人間です。デジタル万引きに対する認識は「処罰をきちっと作って対処すべし」です。
ただまあ。
「騒ぎ」自体は本を売る事に協力する事になると思われるので、出版界の景気を良くする為にも、どんどん「協力」して頂いた方がいいかな。
と。末端の、売れない漫画家の意見でありました。おそまつ(^^)。
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