> お茶、飲んでますか。実は私はいわゆる清涼飲料というものがとても
>苦手でして、生まれてこのかた飲んだ全部のコーラの量をあわせても、
>一gにはならないんじゃないかというような気がします。もともと炭酸飲料
>が弱いんで、ビールも飲めません。ビールとウイスキーと焼酎しかない
>居酒屋にゆくと、私は下戸です(笑)
> で、「世界で一番好きな飲み物はなーに」みたいな設問があったとしたら
>私は間違いなく「お茶」って答えるんですがね。お茶にもいろいろあるけど、
>一に冷たいウーロン茶か麦茶、二に熱いほうじ茶、三にジャスミン茶、と
>いうようなところでしょうか。でも、緑茶も好きだし、プーアール茶も鉄観音も
>紅茶もむろん、好きなんですけどね。でも、上等のお煎茶、ってのは相当に
>きっついものですね。夜寝られなくなるのもだけど、あまり胃が丈夫でないときに
>口にすると、ちょっとそのきつさに参ってしまうときがあります。
>ことにペットボトルの緑茶ってのは、けっこう苦手かもしれない。
> そもそも甘い飲料というのが苦手なものですから、コーヒーでも紅茶でもなんでも
>ブラックというか、砂糖なし、牛乳アレルギーなので当然ミルクもなしで
>いただきます。紅茶にはレモン入れます。ときには紅茶にだけはちょっとお砂糖
>入れることがありますけどね、ひと匙の半分くらいでも結構甘い。それより、
>ちょっとだけ苦いチョコレートだの、クッキーだのを口にしてブラックのコーヒーや
>ストレートの紅茶を飲むほうが好きですねえ。
> お茶ってのはなんかすごくいいもんだし、偉大だ、と思いますね。基本的に
>冷たいお茶が好きなんですが、このあいだどこかでなんかのはずみで熱いお茶を
>飲んだら、これがすっごくよかったんですよ。なんかからだじゅうが「これです、
>これが欲しかったんです」って騒ぎ出したような感じがして。熱いお茶って
>思わぬところで出てくると、なんかそれだけでものすごく体じゅうにしみわたって
>癒されますね。やっぱり「特別なもの」という感じがしてしまう。
> 昔「煎茶道」の家元を存じ上げていて、このかたが淹れた煎茶、というのが異様に
>強烈な飲み物でした。確か水で淹れる煎茶でしたが、最後の一滴までしぼりつくして、
>さいごのさいごが一番エキスが出る、という、すごく小さなお茶碗に出されるんですが、
>「これはへたなアルコールよりよほど強烈だ」って思ったですね。なんとなく脳が
>直撃されるくらいにききめがありました。でもそこまで素晴らしいお茶でなくても、
>熱くて、思わぬときに出されたお茶ってのは、それだけで「ああ!」って嘆息して
>へたへたとなってしまうようなところがあります。
> それをね、やっぱり、お食事中とか、ことにお寿司やさんとかで、清涼飲料ってのは、
>あまり飲んでほしくないなあ。まあ、いいお寿司やさんでとなりで連れが
>コーラがぶ飲みしながらお寿司食べていたって、死にゃしないから我慢はするけど
>野暮ですねえ。というか、ちょっと恥ずかしい。もともとコーラに同情ないからかも
>しれないけど、「せっかくお茶があるのになあ」って思ってしまいます。
>日本人ですものねえ、お茶、飲みましょうよ。
>(作家)