このように、私が述べているところの『老害』は、以前から日本のクラシックピアノ音楽界
では日常的であり、特に、8年前にUターンして、現在住んでいる高松のような地方都市では
目に余る悪弊を芸術の流布において及ぼしています。また、さらにひどいことに、昨今の
バブル崩壊後に社会に出た若い人達においては、「長いものには巻かれろ」とか「出る釘は打たれる」
という最悪の諺に縛られることに抵抗する情熱の希薄な人達が多くなっていて、『老害』を助長する傾向が増えているようです。
さて、この、言い得て妙、という『老害』という単語を私が初めて耳にしたのは、東京で「PIA.JAPAN」
というピアノ音楽振興団体において、本団体主催者の、「バイエル教則本」編纂をなさったことで有名な、
片山先生と、そのパーティー会場でお会いした時でした。時あたかも1989年頃、まさにバブル最盛期の
ことでした。