未来世紀へ勃起した男・田中洸人ヲチスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
97バカミツ小説
バカミツの一日。
朝、11時を過ぎた頃ゆっくりと起床。
雑誌や講談社ブルーバックス、天文図鑑などが散乱し、原因不明の異臭のする部屋、
それが彼の自室である。
壁や出入り口の襖がところどころ凹んだり破れたりしているところが何となく無気味だ。
今はやりの寝癖ーアのままムクリと起き上がったバカミツは、いきなり窓を開けると奈良大学の
キャンパス目掛けて度胸良くチンポをシゴき始める。
オカズは、「天王星と冥王星が激しく何度もぶつかりながら粉々に崩壊していくさま」。
天才の発想とは往々にして我々常人の理解を逸しているものだ、ここで彼を頭から
変質者と決めつけるのは早計に過ぎる。
彼の眼前には今、まさに壮絶な天体ショーが展開されているのだ・・・・・・
太陽系すらも支配してしまえる絶対神になれるというエクスタシー。
「オオ、オオ、ウォォォォォォォォォ!!!オレは時代に勃起した男!!」
奈良大学では、彼の雄叫びを聞いて2講目が中盤に差し掛かったとされている。
最大値に差し掛かるやや手前を値域の左端とする白濁した放物線。
その間2分00秒コンマ00。
ここ数年、一日も狂った例のない、精密機械並の精度のV完成タイム。
「キャア!!」
足下から突如、聴覚に障る甲高い声、見下ろすとそこには、運悪くたまたま
バカミツ宅の前を通りかかった女子学生。
年の瀬の寒さのせいだけではないのだろうことは、そのひどく狼狽した表情からも
見てとれるが、顔面どころか全身が蒼白になってしまった彼女は、小刻みに
バカミツを見上げている。
しかし、日課を終えて爽快な気分を一瞬にして壊されたバカミツの怒りは、今まさに
頂点に達していた。
上はパジャマ、下はブリーフ一丁というアヴァンギャルドな恰好のまま、階段を駆け降ると、
愛用のゴムサンダルも履かずに玄関を飛び出す。
まずい、本能的にそう悟った女子学生は一目散に逃げ出すが、そんなことで許す彼ではない。
ヘソの真下には、CHANELではなくビシッとキマる母親の手によるカタカナのsignature。
記すのはいつもマッキーの黒、ブランドは勿論B.V.D。
違いが分かる漢だけが知り得るこだわりがそこにある。
股間部には、薄い山吹色のカラーリング。
バカミツが日課を一日も欠かしていないことを雄弁に物語る。
ウキー、ウキーと白目がちに無気味な奇声を挙げながら、バッタのように跳ね回る
特異な走法で女との間隔を詰めようとしたところを、近所の引きこもり中学生にエアガンで
狙撃される。彼の射程範囲に入ったのが悪かったらしい。
パァン!!
snipeされた太ももを押さえてその場でのたうつバカミツのさまを見て、手を叩いて喜ぶ中学生。
その間にターゲットは跡形もなく逃げ去っていたため、仕方がなく帰宅。
母親にメモで渡しておいて買ってきて貰ったカップラーメンをすすりながら、
とりあえず2ちゃんねるのニュース速報+板を絨毯爆撃荒らし。
続いて、同性愛板、人権板、SM・フェチ板、ゲーム系の板と野球総合板。
それからネットニュースへのマルチポストも念入りに行う。
そんなことをしているうちにもう6時間が経過する。が、大学卒業と同時に
購入したパソのモニタに対して、まばたき一つせずコピペを続ける。
苦しい、という感覚は不思議となかった。
その作業中、バカミツはバカミツではなく、彼の友人であるねこんたであったり、
よく行くサイトの管理人であったり、家族親戚や立命館大学の同級生、近鉄社員や
奈良市民だったりという善意の賛同者なのだから。
その間のバカミツが何をしているのかは不明だが、本人はその間もあらゆる
科学の矛盾点を検討するなどしているのであろう。
「ちょっと、みっちゃん、ご飯よー」
母親の再三の呼び掛けにも無言で応じない、何故なら彼は今、本人ではないからだ。
「モー、みっちゃん、ご飯冷めるやないの!」
ガチャッ、とドアを開けると、またしても憤怒の表情のバカミツ。
後ずさる母親に金切り声で、
「オレはmituto scatrogyを有名にするためなら手段を選ばない!」
「いや、何言うてんの、お味噌汁冷める言うてんのやないの」
「アクセス制限したら裁判所に訴えてやる!オレは死んでも2チャンネルの宣伝を
やめるもんか」
微妙に噛み合わない会話に、母親もコミュニケーションを断念、徐に小槌で脳天を
殴打!
「ペギャポ!!」
「みっちゃん、痛かったな?もうやめような?」
途端に脳のスイッチがoffになったのか、急におとなしくなる。
右斜45度、これがコツだという。
黙々と食事と入浴を済ませて部屋に戻ると、荒らしておいたはずの場所には
あぼーん、の文字が。
住人総出の削除依頼と削除人の活躍によるものだったが、これで先程offになっていた
スイッチが再びonに入る。
ふとここでメールチェック、OEの受信状況プログレスバーが恐ろしい勢いで伸びていく。
メールが3815通・・・・・・・。
こんなにも掲示板のpassを申請してきたのか、と思いきやそれらは全て荒らしに
対する全国からの抗議メール。
受信されるはしから削除していくものの、リアルタイムで抗議メールが全国から
送られてくるのには到底追い付かない。
幸いケーブルテレビ回線のためサーバがパンクする前に受信されるが、みるみるうちに
受信トレイが13通(ネット歴5年)が5726通にまで・・・・。
メールタイトルだけで目を覆いたくなるようなものから、明らかにウイルス添付の
ものまで数限り無い。
一方台所では、彼の母親が抗議の手紙や電話の応対に追われるが、しかし口で言って
分かるようならとっくに・・・・というのが正直なところだった。
明らかに不特定多数の人間から憎悪の対象になっているにもかかわらず、何故
荒らしを続けるのか、母親は人知れず嗚咽する・・・・・・・。
バカミツは削除を諦め、精一杯の抵抗として、それらを脅迫・嫌がらせと称して
自分しか書き込めない掲示板に、一度も改行することなく書き込む。
そこで漸く気分が収まると、気分転換にオナニーすることにした。
ネタは聖少女すみれのスカトロ小説。茶褐色の妄想にドップリと肩まで浸かりながら、
等身大の姿見の前でM字開脚したまま自己との相互鑑賞。
弛緩しきった口からは一本の糸のようなよだれ。
玉と棒、棒と玉とをくり返し、くり返し順番に順番に・・・・・。
「ンー!アー!シコシコー!シコシコー!ウキー!!ペニス!ペニサー!!ペニセスト!!!」
窓を開けて叫ぶバカミツにまたしても近所から苦情の電話。
慌てて階段を駆け登り、部屋の襖を開けた母親目掛けて
「オー、マスコミュニケーション!!」
「何すんねんあんた!!」
強烈なオカンビンタを食らって柱に頭を打ち付けるも、
「『2分シコっただけ』でなぜ『射精』!?『2分シコっただけ』でなぜ『射精』!?」
「知らんがな、隣の加護さんエライ怒ってはんで!エエ加減にしぃ!」
「そんなことぐらい常識です。ダッチワーイフッ、ホッ、ワン、トゥー、スリー、ホー!!」
母親は靴下を彼の口にねじ込んでやっとのことで黙らせると、主治医の桜田和志に
明日、食事に混ぜる鎮静剤の増量について相談することに決めた。
一方バカミツは寝床で、またそろそろ母校の中学でも徘徊しようかと心に決めつつ目を閉じた。
(続く・・・・・かも知れへん)