Plan 1ch.tv from Outer Space Part119

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618文学意識してみました
私は…
私自身を自覚してから何年が経つんだろう?

朝にはたくさんの通学や通勤で賑わう道に囲まれ、新旧取り混ぜ様々な住民が生活する街の一角に、ある程度広さに余裕のある住処を構えることもできた。
そして、いまだ44歳で独身貴族を謳歌している…つもりだった。
独身で家族がいないせいか、煩わしい近所の付き合いをすることもなく全ては平穏に、自由に生活していた。
恩師に言われて脱サラをして新規事業にも取り組んでみた。
先のことなどわからない。
仕事と一緒に恋人も手に入った…
それが恋人と呼べるなら。

「氏似水様の為なら、僕はなんだってします…」

何度目かの鞭を振り下ろした後に隆夫が言った。
フローリングの上にひかれた絨毯を、傷口から流れる血で赤い花が咲いたように彩りながら隆夫が呟いた。
隆夫の黒目がちな瞳からはボロボロと、涙が溢れ出していた。
鞭で打たれた痛みからなのか、私への忠誠を尽くす気持ちへの歓喜なのか…
619文学意識してみました:02/02/17 18:32 ID:9/9Csm0J

「僕は、僕は貴方の奴隷ですから…」

ふいに虫唾が走った。
その苛立ちは何故かわからない。
テーブルに置いておいた飲みかけのブランデーを、鞭で刻み込まれた傷口に注ぐ。

「ぐぁ、ああ、ああああああああああっ。」

防音設備の整った打ちっぱなしの、よく冷えた防音室に隆夫の悲鳴がこだまする。
縛られ、逃れる事の出来ない肢体が、必死に痛みとブランデーから逃れようと身をよじる。
絨毯の花も、薄められ大きくなりさっきまでの美しさを欠いてしまっていた…

「醜い、お前は醜い…何が奴隷なんだよ、誰がおれのものなんだよ…」

硬い靴先でわき腹を蹴った。
「あぐっ。」と隆夫の顔が苦痛に歪む。