ゆうパック遅配、きっかけは「仕分けラベル」の準備不足
ttp://www.asahi.com/national/update/0727/TKY201007270577.html 郵便事業会社(JP日本郵便)の宅配便「ゆうパック」の遅配問題で、お中元などの荷物の多くに仕分けのためのラベル
が張られておらず、大規模な遅れにつながったことが27日、総務省の聞き取り調査で明らかになった。日本通運の「ペリ
カン便」と統合するための準備が不足していた事実として重くみており、8月上旬にも業務改善命令を出す方針。総務省は
日本郵便に対し、30日までに書面で遅配の経緯を報告するよう求める一方、聞き取り調査も実施してきた。
説明では、「ゆうパック」と「ペリカン便」は荷物を仕分けるためのコード番号が異なるため、統合後は新たに6ケタの数字
が書かれた共通ラベルを荷物に張ることにした。百貨店などの大口顧客には6月中旬、伝票を打ち出すシステムの新しい
プログラムを提供し、共通ラベルを印刷して張ってもらうように要請した。
だが、大口顧客の中にはシステムの更新が間に合わないところがあり、ラベルのない大量の荷物が全国70カ所の集配
拠点に押し寄せた。「区分機」と呼ばれる機械で自動仕分けができなくなり、急きょ手作業で仕分けることになったが、手順
や人員の配置が明確に決まっておらず、現場が混乱。あふれた荷物が仕分け場所をふさぎ、作業が遅れた。「ゆうパック」
「ペリカン便」の集配拠点の機械の違いも混乱に輪をかけた。
総務省は、ラベルのない荷物が大量発生する事態を十分に想定せず、従業員の研修も不十分だったことが遅配のきっ
かけになった、とみている。一般利用者向けの遅配事実の公表が発生の3日後と遅れたことも問題視しており、郵便事業
会社法に基づく業務改善命令を8月上旬にも出す方針。お歳暮シーズンに向け、再発防止策を講じるよう促す。