【〒330-9799】さいたま新都心 Part.10 祝【REINA】

中国は建国以来五十年たらずの間に、十数回も戦争を行っているが、これらの戦争では殆んど領土を得ていない。
だが一方、海洋進出は凄まじい。
このままでいくと南シナ海、東シナ海は「中国の海」となるのも時間の問題である。
南シナ海と東シナ海が中国に抑えられると、台湾はその生存空間を失い、中国に呑み込まれることになるであろう。
そして次には日本の領土である先島諸島や沖縄諸島などの南西諸島、そればかりか、朝鮮半島も呑み込まれていくことになるだろう。

おおかたの日本国民が知らぬうちに、すでに東シナ海では中国の侵略行為が、静かに平然と行われているのだ。
その例として、二○○○年と二○○一年に、中国海軍によって日本列島周辺で精密な海洋調査が行われた。

特筆すべきは沖縄本島と宮古島の間の海峡「宮古海峡」の調査をしたことにある。
この「宮古海峡」は台湾とフィリピン間のバシー海峡とともに、中国にとって太平洋に出るための重要なルートなのである。
東シナ海は日本にとっては裏庭であるが、中国にとっては表玄関である。
中国が太平洋に出ていくには東シナ海から「宮古海峡」、南シナ海からバシー海峡を通る二つのルートしかない。

中国は東シナ海において、石油資源ね開発にも関心を寄せているが、最終的にはこの東シナ海を中国の支配下に置こうとしている。
それゆえに台湾と宮古島は戦略的に重要な意味を持つ地位的位置にある。
それは日本においても同様で、シーレーンを確保することはとくに大半の物流が海を通して来る日本にとって、国家の浮沈にかかわることなのである。

もし台湾・宮古島が中国の支配下に置かれたら、日本のシーレーン(海上輸送路)は忽ちに塞がれ、日本国の存立そのものが危うくなる。
台湾周辺海域と台湾問題が、いかに日本の命題に深く関わっているかが、よくわかろう。

しかし日本政府は、中国海軍が沖縄本島と宮古島の間の海峡を調査しても、中止の要請を全くしていない。この無責任な無為無策こそ、日本国民に対する重大な背信である。
日本政府が戦略的に重要な地点の海底調査や航行をあのような形で許すのならば、威嚇すらされぬ前に、今や日本はすでに中国に呑み込まれ始めているのである。