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コピペ
◆奈良で郵政事業逸脱ツアーを勧誘
奈良県北部の特定郵便局長八十八人でつくる任意団体「北和地区特定郵便局長会」が、
五年前から毎年一回、旅行会社とタイアップして割安の国内ツアーを企画し、郵便局の
窓口にPRチラシを置くなどして顧客を勧誘していたことがわかった。今年は約五百人
が参加。同局長会の会長(63)は「顧客へのサービスで、旅行会社からは現金などは
一切受け取っていない」としているが、近畿郵政局は「郵便、郵便貯金、簡易保険の郵
政三事業から逸脱し、不適切」と判断、同局長会に見直しを指導するとともに、近く全
特定局に注意を促す通達を出す。
同局長会によると、ツアーは一九九七年、奈良市の旅行会社の提案で始まり、昨年か
らは同市の別の旅行会社が担当。各特定局長は局長会を通じて旅行会社作製のPR用チ
ラシを受け取り、郵便局の窓口に置いたり、個人的に顧客に配ったりして参加を募って
いた。
六回目の今年は大阪空港から飛行機で出発、東北・陸中海岸を二泊三日で回るスケジュ
ールで、代金は四万九千八百円。「奈良県特定郵便局特別謝恩企画第六弾」と銘打ち、
各郵便局を利用する地元のお年寄りら約五百人を集めた。
七班に分かれ、二―三月に旅行。特定局長ら十数人も有給休暇を取り、利用者と同じ
代金を払って同行した。全員が集う夜の宴席で旅行会社が「局長からの差し入れ」とビ
ールを出したこともあったという。
また昨年は、奈良市の別の旅行会社の海外旅行にも協力。シンガポール四泊五日の旅(五
万五千―六万一千円)を同様に募集し、約百人が昨年一―二月、二班に分かれ参加した
という。
同局長会の関係者は「郵貯や簡保などの顧客をつなぎとめるため続けている」と話し
ており、郵政事業の公社化や高まる民営化論議、民間参入への危機感から、こうした〈人
気取り策〉に走ったとみられる。
近畿郵政局によると、京都などでも、一部の特定郵便局が、局単位で同様の旅行募集
をしていたケースを確認し、今後は改めるよう指導したという。
局長会は、郵政事業庁が規定する業務連絡の公的団体「特定郵便局長業務推進連絡会(特
推連)」とメンバーが重複する団体で、局長の勤務条件の改善や地位向上が目的。近畿
には特推連と同数の三十七あり、高祖憲治・前参院議員(自民)派の選挙違反事件では
上部組織の近畿地方特定郵便局長会事務局長の有罪判決が確定している。(4月28日)