ハルヒ「ちょっと!かがみ!」☆

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無し@18歳未満の入場禁止
「このスレは涼宮ハルヒの憂鬱とらき☆すたのクロスオーバーSSスレです。」

・初代スレはかが×キョン、今はカップリングは問わずに募集してますよ。 古泉
・これ以上作品をクロスさせるのはよしたほうがいいかなぁ〜。 つかさ
・荒らしには反応しないほうがいい……反応したら情報連結を解除する。 長門
・次スレを立てるときは避難所で確認しなさいよ!立てたら避難所で報告すること! かがみ
・ジャンルは問わないわ! この中にギャグ、シリアス、ラブストーリーが書ける人がいたらあたしのとこまで来なさい!ガチホモ、エッチなネタ、鬱ネタ、いじめ等、特殊なネタの場合は必ず注意書きを書きなさいよ!以上! ハルヒ
・作品は完成したらどんどん投下してくれ。、作品投稿がかぶらないように気をつけてな。あと、長編は書き溜めしてまとめて投下っていうのがいいな。長編投下以外ではコテトリをつけないでくれ。キョン
・作品投下中は静かに支援してあげてください・・・ みなみ
・わからへんことがあったら気軽にみんなに聞いてくれや〜 ななこ
・まぁまぁみんな気軽に投下してくれたまえ〜。まったりといこうヨ、ageないとおちちゃう時もあるから気をつけてネ、あたしもチェックしにくるヨ。 こなた

こちらがまとめです。
http://www36.atwiki.jp/kagakyon/
みゆき

こっ、こっちが避難所でしゅっ!
http://yy65.60.kg/harulaki/
みくる

これが携帯用だぜ!
http://same.u.la/test/p.so/yy55.60.kg/haruhitorakisuta/
谷口

・読みたくない文章があっても文句いっちゃだめにょろ〜 鶴屋さん
・AAを大量に使うのはやめてください・・・あきらさまが怒ってしまいますから…… 白石
・最後に、テンプレは常に最新版を確認して貼ってね☆ 間違えたら……わかってるわよね? あきら

*このスレはご新規は常にウェルカムでございます
2名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 02:36:32 ID:SHH7CEWD0
>>1
ありがとうございます。

ご要望のページを作成いたしました。
http://www36.atwiki.jp/kagakyon/pages/1176.html
3名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 03:43:11 ID:oSVnmjEiO



三年A組!
4名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 09:24:13 ID:E/1iCF+C0
黒井せんせー


>>1

>>2
まとめ乙です
1日来れなかった間に先越されてた〜
5名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 10:36:13 ID:+XSP0K5t0
>>1

容量落ちなんてあるんだな……
6名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 10:43:48 ID:oSVnmjEiO
wiki編集で気になるのが二点

先の作品の最初にいつもの゛〜の作品です゛リンクがなかったのと
俺の作者ページにも増えてなかった


…あれ、久し振り過ぎて俺が忘却の彼方?
7名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 11:01:28 ID:Gd3zBF6b0
       _,.イ~i〜
     /ロリコン}
    /、 ( ゚Д゚)  忘れられてる人なんていたかな・・・
    |;(ノ 、、i)
   /、、 、;、/
 、_,ノ,_UシU
8名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 11:23:53 ID:+XSP0K5t0
>>6
どなたかは存じませぬがこれだけは言っておく

かなたはそうじろうの嫁
みなみは俺の嫁
9名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 11:39:59 ID:oSVnmjEiO
あやのは俺の嫁

俺が誰かって? …………仕方ねぇヒントだ、紳士で考えて見な
10名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 11:42:36 ID:+XSP0K5t0
紳士?

……いやはや、想像がつきませぬな
11名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 12:39:17 ID:5MfDCFip0
>>6
すみません私のミスです。
以後気を付けます。
12名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 12:39:26 ID:Gd3zBF6b0
変態紳士……なんだ俺じゃないか
13名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 12:44:44 ID:E/1iCF+C0
紳士ということには疑問符がつくが
とりあえずやってきた
一緒に『男の意地』も
「その他、多人数長編」から「峰岸あやのの長編」に移動をば

変態紳士ってこのスレじゃ小泉の人じゃなかったっけか
14名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 12:49:20 ID:5MfDCFip0
>>13
すみません
ありがとうございます。
15名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 15:24:23 ID:WMW/QY180
思ったけど・・・
ホモネタ、朝比奈さん、長門の長編のページいらなくね?
16名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 15:34:17 ID:Gd3zBF6b0
もともとアナルからの派生だったから最初は色々あったような
17名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:20:39 ID:+XSP0K5t0
何かテスト勉強がはかどらなくて腹いせに書いたしょーもないSS投下するぜ

さて、SSといえるのかどうか……
18名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:21:31 ID:+XSP0K5t0
部室にて
こなた「いったー!」
キョン「どうした?」
こなた「か、かどに……小指が角に……」
キョン「あー、痛いよな、それ」
みゆき「大丈夫ですか?泉さん」
こなた「だめだー。いたーい。キョンキョンおんぶしてー」
キョン「断る」
こなた「だったらだっこ」
キョン「かわらんだろうが」
こなた「ケチー」
かがみ「というより、何であんたは部室で裸足なんだ?」


ひより「ネタが浮かばないぃ」
こなた「また悩んでるんだね」
つかさ「私のネタ使ってくれればいいのに」
ひより「い、いやあれは最後の手段ですから」
つかさ「そっかー。残念だね」
キョン「つかさのネタってどんなのだ?」
ひより「み、見るッスか?……これっすよ」
キョン「どれどれ」ピラ
こなた「わざわざSOS団の部室に来なくても、アニ研で考えた方が集中できるんじゃないの?」
ひより「いやー。だってこっちはネタの宝庫じゃないですか。色んな意味で。それにここ、一応文芸部室でしょう?」
こなた「まぁねー」
キョン「ふぅ。返すよ」
つかさ「どうだった?キョン君」
キョン「なんだ……確かに最終兵器だな」
ひより「で、ですよねー」
19名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:22:04 ID:+XSP0K5t0
キョン「少し読んで疲れたな。パティ、お茶をくれ」
パティ「ハーイ。かしこまりました」
キョン「そういえば古泉の奴はどうしたんだ?」
こなた「いっちゃんなら今日はバイトがどうとか言ってたよ」
キョン「そうか。なら泉で良いや。オセロやらないか?」
こなた「おっ、いいネ」
パティ「お待たせしました。ご主人様」
キョン「パティ、いつも言ってるがその最後のご主人様ってのやめろ」
パティ「ホワイ?メイドは主人を敬うものなのデスヨ?」
キョン「俺はお前の主人じゃない。朝比奈さんはそんな事しなかったしな」
パティ「それはそっちが悪いんデス。朝比奈さんって人に会って一言メイドの心得を言ってあげたいデスネ」
キョン「それにしても、朝比奈さんのメイド服よく着れるな。少し隙間はあるとはいえ朝比奈さん以外がこれを着るのはパティが初めてだろ」
こなた「私が着たらぶかぶかだったもんネ」
キョン「確かにな。てか、よく着ようと思ったな」
こなた「今思ったら無謀な挑戦だったよ」


こなた「今思ったんだけど」
キョン「なんだ?」
こなた「あのメイド服みゆきさんも着れそうだよね」
キョン「そういえば着れないこともないだろうな」
こなた「みゆきさんのメイド服は想像あまりできないけどね」
キョン「高良はメイドを雇う立場に居そうだからな」
こなた「それすっごいわかる」
みゆき「私のイメージってどんなのなんでしょうか?」
こなた「みなみちゃんはメイド服より執事服のほうが似合うと思うナ」
みなみ「……」ペタペタ
キョン「そうか?岩崎もメイド服とか可愛らしいと思うぞ」
みなみ「……///」
こなた「流石は生粋のフラグメーカー」
キョン「なんだそれ?」
こなた「こっちの話だヨ」
ひより「来た!今一瞬ネタが来た!」
20名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:22:59 ID:+XSP0K5t0
教室にて
ななこ「はぁ……」
こなた「どうしたんですか先生?」
ななこ「なんでや……」
キョン「なにがですか?」
ななこ「何でうちのチームはクライマックス出場できへんかったんや」
こなた「野球の話ですか」
キョン「それは残念でしたね」
ななこ「せっかく普段強いチームが最下位になってくれたのに……」
こなた「まさかの二位があのチームですからね」
キョン「それはファンに失礼だ」
こなた「だって去年は最下位だったんでしょ?」
キョン「確かにそうだが」
こなた「……む、後ろから何か凄いオーラが」
みゆき「泉さん。言葉には気をつけたほうがよろしいですよ?」

キョン・こなた「!!」


ななこ「あそこは大阪の球団やからまだええわ」
キョン「まだ野球の話引っ張るのか」
こなた「仕方ないよ、作者が野球好きなんだから」
キョン「作者って誰だ?」
こなた「こっちの話だヨ」
ななこ「何であっこが一位やねん。しかも日本一なるわアジア一なるわ」
キョン「中々強かったですね」
ななこ「しかもうちがドラフトで指名した選手は別の球団への愛で入団拒否するわ……」
キョン「あの選手のことですね」
ななこ「うわーん。あんな球団の何処がええねんー」ガシッ
キョン「ちょ、先生。いきなり抱きつかないでくださいよ」

キョン「ハッ、殺気!」
21名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:23:42 ID:+XSP0K5t0
ななこ「キョンの胸で泣いたらすっきりしたわ」
キョン「何で俺は泉と高良にビンタされないといけないんだ?」
こなた「自分の胸に聞いてみな」
キョン「俺の胸は先生の涙でびしょびしょだ」
こなた「それが答えだ」
キョン「分かるか」
ななこ「見とれよ。来年こそうちが優勝したるからな!」
みゆき「すいませんが、来年は私の球団が一位にならせて貰いますよ」
こなた「そういえばみゆきさんはそのチームのファンだったね。やっぱり牛のような豊満な体してるからかな?」
キョン「さらっとセクハラ発言をするな変態親父が」
こなた「酷い事言うね。見た目は子供、頭脳はおっさんってことかい?」
キョン「今度は自虐か?」
こなた「なんか自暴自棄になってきたよ」
キョン「そうかい。それと泉的にはどっちに優勝して欲しいんだ?」
こなた「私としては先生のチームだヨ」
キョン「ほう、何故だ?」
こなた「先生のチームの方がセールとか多そうじゃん?」
キョン「さすがは自炊するだけあって家庭的な事言うな」
こなた「いや、お菓子」
キョン「そっちかよ」
22名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:24:14 ID:+XSP0K5t0
市内探索にて
こなた「ねぇ、今日はアニメイ○にでも行かない?」
キョン「何で最後を伏字にした?俺としては抵抗があるんだが……長門はどうだ?」
長門「……アニ○イトって何?」
キョン「同じ字を伏せろよ」
こなた「平たく言うと本屋みたいなものだヨ」
キョン「あながち間違ってはないかもしれないが違うだろ」
長門「……行く」
キョン「本屋と聞いたら行くよな。そりゃ」

ア○メ○ト内
こなた「さて、新作新作っと」
キョン「おいこなた。一人で勝手に行くんじゃない」
長門「……」テクテク
キョン「それに長門も勝手に歩き出すなよ。俺一人でどうしろというんだ……」


キョン「ん?あれは泉か。何か泉の周りが騒がしいな」
店長「こちら新作のDVD入荷しましたー!」
キョン「あれはこなたへのアピールなのか?」
こなた「〜♪」
店員一「店長!伝説の少女Aは全く持って興味を示しておりません!」
キョン「伝説の少女Aって泉の事か?何だよ伝説って」
店長「ちくしょー!ならこれでどうだ!」
キョン「……この店は活気にあふれてるな。というより、何故泉は気づかないんだ?鈍すぎるだろ」

キョン「そろそろ戻るぞ」
こなた「はーい」
店員二「店長!伝説の少女Aは何も買いませんでした!」
店長「ちくしょー!!」
キョン「まだやってたのか」
こなた「そういやながもんは?」
キョン「そういえばそうだな何処に行ったんだ?」
こなた「あっ、あそこだよ」
長門「……」ピラ
キョン「こら長門、BL物なんて読むんじゃありません!早く帰るぞ」
こなた「とうとうながもんも目覚めちゃったかな?」
キョン「くそっ、根が張ったようにうごかねぇ」
長門「……ユニーク」
キョン「畜生。こうなったのも泉のせいだからな」
こなた「アハ♪」
キョン「アハ♪で済むと思うなよ」
23名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:25:13 ID:+XSP0K5t0
しまったー>>22で途中キョンがこなたって発しちまっている

保健室にて
ゆたか「すいません」
キョン「ん?小早川じゃないか。どうしたんだ?」
ゆたか「あっ、キョン先輩。あの、気分が悪くなったから休もうと思って」
ふゆき「そうですか。どうぞ」
ゆたか「先輩は何でここにいるんですか?」
キョン「ああ、さっきの体育で足をくじいてな、シップを貼りにきたんだよ」
ふゆき「ついでに先生の話し相手にもなってもらってたんですよ」
ゆたか「そうなんですか。では、ベッド借りますね」
ふゆき「はい。どうぞ」
キョン「大事にな」
ゆたか「あ、はい」

ふゆき「黒井先生も桜庭先生も親から結婚結婚ってうるさいらしいんですよ」
キョン「もうそんな年頃ですからね。天原先生は結婚しないんですか?」
ふゆき「そうですね。今は別に焦ってする必要は無いんじゃないかなとは思うんですけどね」
キョン「先生たちも皆美人なのになんで結婚しないんでしょうね」
ふゆき「いい相手がいないから、らしいですよ」
キョン「そんなもんなんですかね」
ふゆき「そういえばSOS団のほうはどうですか?」
キョン「相変わらずですよ。この前も……」
ゆたか「……(会話が気になってゆっくり休めないよ)」
24名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:26:58 ID:+XSP0K5t0
部室にて
こなた「キョンキョンって鈍いよね」
かがみ「そうね。物凄い鈍さだわ」
こなた「鈍いくせに自分でフラグを作っては壊すんだもん。まるで自家栽培だね」
かがみ「言ってる意味がいまいちよく分からんが、つまりは自分で作って自分で収穫してるとでもいいたいのか?」
こなた「まっ、そんなとこだネ」
かがみ「収穫してるって言うより枯らしてるって感じだけどね。キョン君の鈍さはこの世界探しても早々いないと思うわ」
こなた「確かにネ」
かがみ「『付き合ってください』とか言っても『買い物に付き添え』って感じに捕らえるからなー」
こなた「ありそうだねー」
かがみ「あの鈍さ何とかならないのかしら」
こなた「どうにもならないんじゃない?……ところでかがみ」
かがみ「何よ?」
こなた「『付き合ってください』って言ったの?」
かがみ「うっ……」
こなた「隅に置けないネー。このこのー」
かがみ「う、うるさい!」
古泉「ですが抜け駆けはいただけませんね」
かがみ「そうね、悪かったわ。……ってえ?」
こなた「いっちゃんには関係無いでしょー」
古泉「ンフッ、手厳しい限りです」
25名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 16:28:47 ID:+XSP0K5t0
これで終わりです
何というか、らき☆すたっぽいのを書いてみたかったんだ……本当にごめん

勉強しないとなぁ……
26名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 18:15:02 ID:E/1iCF+C0
乙ー
かなり和んだwww


この書き方見て思い出したけど『キョンの異世界生活日記』とか『妄想シリーズ』とか
最近見ないなぁ。あれ好きなんだけど
27名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/07(日) 18:20:15 ID:Gd3zBF6b0
乙ー
さてそろそろ書かんと居るだけの人間になってしまう
28名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 00:02:24 ID:oSVnmjEiO
俺はつい最近までそうだったな
29名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 03:08:53 ID:PGgWqgVf0
〜絶賛放置プレイ中〜


*放置は芋にとってのご褒美です
30名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 03:14:21 ID:ILSDYURQO
はうぅ〜、放置プレイきもてぃいいよぅ〜
ら、らめぇ!





……そろそろ無いと思うんだ
31名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 06:18:32 ID:ymap2NAv0
うむ、この上も無くきもかった
32名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 10:53:24 ID:ILSDYURQO
いつから俺はこんな扱いに……


気がつけばこのスレの色モノ担当を一手に引き受ける変態に……
誰か代わってちょ
33名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 12:57:09 ID:2kZTO+2YO
>>32
うん、それ無理!
34名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 14:33:38 ID:Uz1aoniDO
や、やめるんだ!かまうと懐かれるぞ!
懐かれると後ろから……………
35名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 15:14:33 ID:klsYXvsT0
>>34
アッー!
36名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 18:14:26 ID:IVepWgWFO
>>35
アッー!
37名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/08(日) 18:34:20 ID:BUn3FgAV0
>>36
アッー!
38名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 05:01:13 ID:PXueNDHC0
『それは不安定な積み木のような世界』

case.1 泉こなた
「えーと、まあゲームしながらってのはどうかと思うんだけどさ。
 ……あ、負けた。
 あ、いや別にゲームしながら聞き流してくれて構わないんだけどね。
 キョンキョンってさーさりげなくモテるじゃん?あ、動揺したねスキあり!
 でさー…え?冗談じゃなくて、って素で鈍感ってオチですか。
 王道だネ。
 ……んー?変だって?うん、まぁ……そーだね。そうだよ。
 自分でも変だと思ってるけどさー。
 茶化して話すことしかできないから困ってるんだよねー。
 …キョンキョン、手が止まってるよ?
 たぶん、今キョンキョンが考えてることで合ってるよ。
 あんまこういう表現は好きじゃないけど、まるでマンガみたいな過程だったよ。
 でも出来ればまだ口に出したくないんだよね。
 だってさ、こんな関係がもしかしたら終わっちゃうんだよ?
 かがみんやつかさ、みゆきさんにゆたかちゃん。
 ひよりんに岩崎さん。
 ハルにゃんや古泉くん、長もんに朝比奈さん、鶴屋さんに…ええと、多すぎて数えきれないや。
 そういう、友達関係が終わっちゃうかもだよ?
 すごい怖いよね。
 だからさ、聞き流してくれてかまわないんだ。
 ……。
 でもさ、こういうことを口に出してる時点でそういうことを期待してるって言っちゃってるよね。
 エロゲだったらこういうとき選択肢があるのに。
 ほんと現実って厳しいよね。
 そう思わない?キョンキョン」

39名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 05:01:59 ID:PXueNDHC0
case.2 佐々木
「やあ。顧みればそんな時間はたっていないのだけれど一応言っておくよ。
 久しぶり。
 これはあくまで僕の体感時間だから君にとってはまたか、といったものかもしれないけどね。
 君も長々と僕の無駄な話も聞きたくはないだろうから手短に話を切り上げようかと思う。
 そんなことを言いながらもやっぱり無駄な部分が多いのは僕の性ってやつかな?
 大変申し訳ないが前言撤回させてもらいたい。
 どうやら君と会うと少し饒舌になってしまうみたいなんだ。
 これはつまり君にも責任があるということだね。
 …ふふ、いや冗談だよ。
 僕にだって冗談を解するだけのユーモアはあるさ。
 しかし些か強引ではあるけど間違ってはいないだろう?
 なにせ君は僕が生きてきたなかで最も僕の心に触れた人物だからね。
 たぶん君は今こう考えていないかい?両親はどうした、とね。
 いいかい、キョン。僕はこう考える。
 人と人の繋がりというのは、共有した時間は問題では無いのさ。
 問題は二人の距離さ。
 人と人の間なんて簡単に離れもすれば近づきもするだろう?
 ああ、しかしこれは僕の考えであり世間一般の常識とかそういうものでないことを念頭に置いておいてほしい。
 ……これは本当に悪い癖だね。キョン、君といるとどうも駄目だ。
 けど、君を僕から抜いたら僕は成り立たないのさ。
 本当に率直に言おう。
 キョン、君は凉宮さんと僕。選ぶならどっちだい?
 少し意地悪な質問だったね。しかも肝心な部分はあいまいなままにして。
 言いなおそう。
 文芸部の彼らや、僕の周りの彼ら。
 そういったものを抜きにして、
 この選択が世界に影響を与えないとして、
 僕か、凉宮さん。
 もしくは他の誰か。
 選ぶとしたら誰だい?
 ……いくら君が鈍感で、そして回りくどく答えをそらそうとしても僕は納得しないよ。
 たとえ僕が傷つこうとも、そのために今日ここへ来たんだ。
 似合わない真似をするなと言いたいのかい?
 確かに僕には似合わないさ。
 けどね、それでこの長年の苦しみが消えるならいいさ。
 自分勝手な理由で君を傷つけているのは謝る。
 しかし、もう耐えられそうにないんだ。
 あれだけ近かった君が、こうして距離ができて。
 …こんな風に涙を流してまで君に近づきたいと思う僕が。
 僕が僕に耐えられそうに無い。


 ……ごめんよ、キョン。いきなりこんなマネをして。
 けど忘れないでくれ。この答えは今じゃなくてもいいから聞かせてほしい」

40名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 05:02:51 ID:PXueNDHC0
case.3 黒井ななこ
「コラ、テスト前なのにこないな所で寝とるなんてええ度胸やな?
 勿論次のテストは期待してええんな?
 今さら逃げようたって無駄やで。
 ええか、キョン。教師ってのは他人に説教することだけが楽しみな職業なんやで?
 嘘やけど。
 ハ?ウチがそないな鬼畜に見えとったんか。
 ええで。いやいやいや別に怒っとうわけやあらへんで。
 ウチに嫌味言えるほどには次のテストに自信があるっちゅうことやろ?
 しかもまっすぐに家に帰らず部室や教室に放課後残っとるのになぁ。
 ………。
 あー、いや教師とか関係なしに年をとるっちゅうんは嫌やなあ。
 自己嫌悪や。自己嫌悪。
 若いってのはそれだけで財産やで。
 青春っちゅうんはそやな、終わらんと価値がわからんわ。
 歳とるとそれを無駄にしとんのが無性に腹立たしくてたまらんのや。
 自分も同じように無駄にしといて人に指図できるんかっちゅう話やでホンマ。
 キョン、こないな年上のお姉さんを慰めとくれ…え?嫌だ?
 泣くで。
 ごっつ泣くで。
 世間体とか関係なしにめっちゃ泣くで。
 あんな、女は女を捨てるまでずっと乙女なんやぞ?
 そないなこと言われたらプライドが傷つくねん。
 責任とりや?
 …ん、せやな。
 うーむ…ええーと……アカンアカン、それはアカン……。
 おっしゃ、決めたで!
 期末テスト平均7割や!
 ひどい?本当に償わせるならもっとギリギリの事にするわ!ボケ!
 ほな、きちんと勉強するんやで〜」

41名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 05:03:27 ID:PXueNDHC0
case.4 橘京子
「あ、お待ちしてました。
 もうっ!そんな警戒しなくても今日はそんな怪しいことは企んでませんから!
 え、あ、いやそうは言っても普段は怪しいことをたくらんでるというわけでもないですよ?
 藤原さんと九曜さん?
 そんな無粋な真似はしませんよー。もとい、させませんよー。
 なんで私にだけそんなj不信感バリバリなんですか?
 ああ、そういえばあんなこともありましたけど水に流しましょうよ。ね?
 そんな額にしわ寄せてちゃかっこよくても女の子が逃げちゃいますよ〜?
 あ、少し照れた。
 …褒めたんだからすこしは素直に受け取ってくれてもよくないですか。
 私=佐々木さん絡みって決めつけるのもよくないですよ。
 大体ですね、今日ここに呼び出したのは個人的な背景があるからですよっ!
 メルアド?
 勿論、佐々木さんからですよ。
 え?そんな!ひどいですよ!そんな頼みごとを佐々木さんと交わしてたなんて!
 確かにこっそり佐々木さんの携帯からあなたのを拝借しましたけど!
 あ。
 ………。
 時効ってことでお願いしま…ってなんで帰ろうとしてるんですか!
 ひどい人ですね!そうやって自分の都合が悪くなるとすぐに逃げるなんて!
 …うふ♪
 こうやって男の人を縛り付けられるのは女の特権ですよね。
 でも急に帰ろうとしたあなたも悪いんですよ?
 まだ前置きも満足に話せて無いんですから。
 えーと、すっぱり言うなら佐々木さんとあなたをくっつけるのはあきらめました。
 正確には都合が悪くなりました。
 ですから別のアプローチをさせて…ってなんで考え込んでるんですか?
 ああ、心配しなくてもいいですよ?あくまで私個人の話ですから。
 なんでそんな肩を落として残念そうにするんですか……ところで説明はいります?
 あ、はい。
 つまりですねー、最終的に私たち側にあなたが居ればいいのですよ。
 九曜さんでも佐々木さんでも私でも藤原さんでも。最後のは冗談ですけど。
 まー九曜さんは問題外だとしても佐々木さんは積極的に動かないじゃないですか。
 だから私が一肌脱ごうかと思いまして。
 でも嫌々ってわけでもないですよ?
 正直凉宮さん達と敵対するような関係にありますけどそれは残念だとさえ思ってますし。
 私的には全然合格ラインですし、まぁ性格にすこし難アリって感じですけどそこは追々直していくとして〜…
 そうですね、まずデートしましょうよ!
 あ、でも流石に最初からガッついてるような人は無理ですよ!?
 こう、節度あるお付き合いというのを踏まえて……あれ?伝票もってどこいくんですかー?
 もしもーし」


42名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 05:03:59 ID:PXueNDHC0
case.5 桜庭ひかる
「またお前か。なんだ?ふゆきに近づきたいのか?
 …つまらん返事だなー。
 だいたいふゆきは私の面倒を見るので忙しいんだ。帰れ帰れ。
 なんだその反抗的な目は。
 私がお前の科目を担当してたら成績を悪くつけるところだぞ。 
 学校において先生とは偉大なんだぞ。絶対君主制なんだぞ。
 絶対王政じゃないから気をつけろよー。
 あれ?同じだっけ?ふゆきー?
 オイ、そこ。笑うな。
 いいか、えー…キョンだったよな?
 ふゆきは私の嫁だからな。
 重婚は犯罪だ。
 だからふゆきを狙っても無駄だということを知っておけ。
 …えっ?ちょ、ふゆき!?
 なんでそういう方向に行くんだ!?
 キョン!お前はなんで嫌そうな顔をするんだ!私じゃ不満か!
 あ、いやそういう意味じゃなくてだな!
 私が拒否するのはいいが拒否されるのはなんだか納得がだな…。
 ああもう…ふゆきが変なことを言うから私のイメージが崩れたじゃないか。
 おまえな、学校じゃタバコが吸えないからただでさえストレスがたまってるってのに、
 これ以上ストレスを溜めさせてどうするつもりだよ全く…
 ホラ、予鈴が鳴ったぞ。帰れ。
 ……ふー。
 やっと行ったか。おかげでふゆきの弁当を食べる時間も無くなったじゃないか。
 え?アイツが?
 馬鹿を言うな。私の嫁はお前だけだよ。
 ブッ!?旦、げほっ!!旦那!?
 お前はいつもそうやって私を誰かとくっつけたがるのが問題だな…まったく。
 別に嫌いじゃないが……ってなんでお前がまたここにいるんだ!?
 え?ああ…そう言えばここは保健室だったな……
 私は次授業でいないからといってふゆきに手を出したらタダじゃおかないからな。
 覚悟しておけよ?」

43名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 05:05:04 ID:PXueNDHC0
out of case.1 古泉一樹
「あなたはどうもあなたが与える周りの影響というものをご存じないようですね。
 僕としては自分の置かれている状況とその重大さを認知して欲しいのですが…。
 …ですが、例えてみるならどういったのがいいのかパッとは思いつきません。
 そこで行き当たりばったりに考えてみるに鳥の巣、なんて表現はいかがでしょう?
 僕が一番最初にイメージしたのは託卵です。
 いくつも卵が置いてるのですが、それが実は他の鳥の卵だらけなのです。
 カッコウが孵化して、まず最初にする行動を知ってますか?
 …他の卵を巣から落としてしまうんです。
 そのためにカッコウは本来のヒナよりも早く孵化するんですよ。
 しかも、落とすためのくぼみまで付いてるんです。
 それでですね、……いや、やはりこういったのは僕には向いてないようですね。
 なにかうまいことを言おうと思ったのですがやはりボキャブラリーが乏しいのでしょうか?
 ……。
 これは手厳しい。
 確かに芝居がかった言い方や比喩を用いるのは僕の嗜好ですね。
 ただ、直接的に言ってしまうとどうあがいても重い話になってしまうでしょう。
 そういうのはあまりあなたとはしたくないんですよ。
 その一方で僕が抱えてる重圧を分かってほしいとも考えているのも確かなんです。
 今は時期がとても悪い。
 なんの因果か、こうも立て続けに悪いことは起こるのでしょうかね?
 いつかは答えが出る話なのでしょうが、一度に解決するというのはあなたにとって酷な話でしょう。
 …ひとつ、はっきりさせておく話があるんですが聞いていただけますか。
 ありがとうございます。
 心情的には僕はこのSOS団に属しており、個人的にはあなたの味方でありたいと思ってます。
 でも、もし。もしもあなたが"世界"を裏切り"世界"を壊してしまうなら対立するのは避けられません。
 たとえその選択によって結果的に"世界"が破壊されない可能性があっても、そんな窮地に晒されるのを我々は許容できないのです。
 ただし、あなたの選択は自由です。
 その結果にあなたが責任を持つ限り」


44名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 05:05:39 ID:PXueNDHC0
out of case.2 藤原
「ふん。
 お前の周りで何が起こってるかは容易に観測できているが、お前に責任が無いとは言わせんぞ。
 貴様は自分の置かれている立場を理解はしていただろう?
 ならばどうすれば最も被害が少なく、どのような選択が誰にとっても不幸にならなかったかを知っていた筈だ。
 未来は相似ではなく近似であり、重要なポイントさえ押さえておけば僕の仕事は終わりだ。
 本来なら貴様と接触する必要も皆無だ。
 お前が選ぶのが佐々木であれ、凉宮ハルヒであれ、もしくはその他であれ。そのつど修正を加えるだけだ。
 超能力者どもはなんて言ってるか容易に想像できるが、僕らからすれば小学生が経済の行く先を議論しているようなものだ。
 …なにも喋らないならこれ以上は何も必要ないとみなして僕は帰るぞ。
 ああ、今日の僕は気分がいいからひとつ忠告しておいてやろう。
 
       凉宮はやめておけ。
 
 選ぶなら佐々木だ。
 あくまで二択という条件の内でならだがな。
 一生を気苦労で終える覚悟か、お前の仲間達に一生頼る覚悟。
 もしくはこの世界が壊れるのを期待するなら僕は止めないが。
 ……?
 何を不思議そうな顔をしている。
 まさか世界が壊れるというのを、そのままの意味でとらえてるわけではあるまいな?
 お前が誤解しないように優しく噛み砕いてやるなら夢が終わった世界、という意味だ。
 まぁ、どう転んだとしても僕には関係ない。
 貴様の後始末をさせられるという点が不愉快なだけだからな。
 しかしどいつもコイツも世話好きな奴らばかりだ。
 そうは思わないか?答えは聞いてないがな。
 ああ、それはそうと好奇心は猫を殺すって知ってるか?
 世話したがりってのはつまり他人への興味が尽きない奴だろう。
 他人に興味がなければ世話しようなんて思いもしないだろうしな。
 ん?人間は猫じゃない?
 それはその通りだな。
 でも余計な好奇心さえなければお前も、こんな世界には巻き込まれなかっただろう?
 自分のことで手いっぱいだというのに他人の尻ぬぐいをしなければならないなんて知っていれば首をつっこまなかっただろうさ。
 …と、いうわけだ。
 あとは勝手に終われ。僕の介入する権限は終了だ」


45名無し@18歳未満の入場禁止 ◆KoizumiXMI :2008/12/09(日) 05:07:36 ID:PXueNDHC0
途中で何を書きたかったのか忘れた。
砂糖を吐くほど甘いSSが描きたいお・・・
46名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 06:45:12 ID:hqCeRwg10
らき☆すたには男が居ない、ハルヒには普通の女の子が居ない

あーなるほど一つにすればいい感じになるのか
47名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 09:36:46 ID:SJXeg0gzO
乙!




>>33-37
アーッ
48名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 22:00:31 ID:2TlV02WW0
遅レスながら乙

今さらなんだが>>18−24の題名忘れてた
『SOS団の日常』でお願いします
49名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 23:07:14 ID:iOcx3qAwO
女の子をだっこするって
めっちゃエロいっすね
50名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/09(日) 23:12:29 ID:PXueNDHC0
いいシチュだな
実にいいシチュだな
51名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 04:41:36 ID:LIs12JHFO
抱っこの仕方にもよる
正面から抱くのか、お姫様抱っこなのか

それが問題だ
52名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 07:30:50 ID:yBOelfWkO
>>50
確かに昨日のビーフシチューは旨かった
53名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 08:29:40 ID:KRDkeu12O
こなたがよく望むだっこはお姫様の方なのかな?
通常のほうがいいけど
54名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 17:47:09 ID:LIs12JHFO
背中トントンしたいよぉぉぉぉぉぉ!
55名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 19:05:18 ID:LIs12JHFO
ふぁぁ! 凡作者のおちんちんぺろぺろしたいなりぃ
56名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 19:16:31 ID:ej6D9p2R0
一時間二十分がお前の何を変えたんだ
57名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 20:59:16 ID:BnJLhsIl0
なぜだろう
俺男で、彼女いない暦=年齢で
カップルクソクラエでしっと団候補で
イケメンモテモテ見ると殺意が沸いてマコトシネ
というのにもかかわらず



キョンの天然ハーレムシチュにこの上ないニヤニヤを感じてしまうのは
なぜだろう
58名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 22:04:42 ID:yBOelfWkO
>>57
キョンが好きだからジャナイカ
59名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 22:27:50 ID:BnJLhsIl0
>>58
そうか、これは恋だったか・・・
把握、ちょっと掘ってくr









おや?どこですかここは?閉鎖空間?
おやおや、これはこれは神人さんはじめまして・・・
こころなしかアホ毛が生えてたりツインテールだったり
リボンついてたりめがねかかったり巨乳だったりしてるのは気のせいですか・・・
え?何々?「キョンをホモしようとする奴は死刑」ですって?
その巨大な拳はなにかな〜アハ☆
あべし
60名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/10(日) 22:39:07 ID:ej6D9p2R0
やっぱりだっこよりおんぶのほうがしっくりくると思うんだ
ttp://night.kamaitachi.info/src/NKfile0293.jpg
61名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/11(日) 00:27:19 ID:PpdnsZ5a0
>>60
ほほえましいな〜こなたのブランチャー・・・え?違う?
62名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/11(日) 00:27:32 ID:GTv6b7470
>>60
改めてこなたは抱っこよりおんぶが似合うと分かりました
ありがとうございます
63名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/11(日) 01:34:28 ID:GTv6b7470
テストも終わったことだし、そろそろなんか書かないとなぁ
まだお題消化してないしなぁ
64名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/11(日) 12:09:55 ID:KcEOLzKWO
おいらも次書かないとな〜
65名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/13(日) 00:01:08 ID:cP5Eis4A0
誰もいない…寝るなら今のうち
66名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/13(日) 03:15:25 ID:uV7jA7Y7O
>>65
今夜は寝かせないぜ
67名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/13(日) 03:17:36 ID:unobEoQ20
今日もキモい人は平常ウンコです
68名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/13(日) 03:34:20 ID:F4ptuEE20
>>66
おい、四つんばいになれよ
69名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/13(日) 18:03:51 ID:DE52n4JUO
週末でも過疎なのはリア充タイムだからか…
70名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/13(日) 19:23:26 ID:c2P7sF9G0
このスレの住人はキョンだらけということですね、分かります('A`)
71名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/14(日) 00:01:14 ID:unobEoQ20
明日になったら本気出すか も
72名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/14(日) 00:19:13 ID:uPNIyleH0
>>71
期待してるぜ
73名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/14(日) 20:58:55 ID:s3K8+/Sk0
そういや制服ってどっち側のなんだろうな
74名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/14(日) 23:08:17 ID:HNzsQwW8O
俺もエスカレーターならよく乗る
75名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/14(日) 23:09:13 ID:HNzsQwW8O
ゴバヌしたすまん
76名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/14(日) 23:10:39 ID:HNzsQwW8O
ゴバク
77名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/14(日) 23:25:31 ID:uPNIyleH0
しすぎだろw
78名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/15(日) 14:49:20 ID:Hu/1Ps+o0
光陽園学院の代わりに陵桜を置けば制服の問題解決だ!
79名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/15(日) 22:03:48 ID:1ujo0pJk0
こなた「ガクランのキョンも、これはこれで捨てがたいものが・・・」
かがみ「同意させてもらうわ」
つかさ「つめえりうにょ〜ん」
みゆき「第二ボタンまではずされることが予想されます。もちろんそのボタンは私g」
3人「 阻  止 」
80名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/15(日) 23:22:32 ID:OFEvScVr0
http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00080.jpg

と、まあ今さら落書きを仕上げたわけです。
協力感謝。
81名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/15(日) 23:46:21 ID:OFEvScVr0
82名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/16(日) 03:11:56 ID:fltjgdVL0
>>80はこなたアタックだが
>>81はこなた両手広げ俯瞰図に見えた俺
83名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/17(日) 02:25:10 ID:a6bynmga0
しかし過疎具合が最近また進んだような気がするな
84名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/17(日) 05:29:05 ID:FPlsU+X8O
ふんもっふ
85名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/17(日) 12:59:14 ID:M0md0ME5O
まったく俺が居ないとすぐこれか
86名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/17(日) 13:10:06 ID:4Pbd3o12O
雑談して過疎にしないのは簡単なんだがそれもなんだよな
87名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/17(日) 13:23:01 ID:M0md0ME5O
携帯からだとかなり投下がかったるいからあまり俺は早さを発揮できんしな…
88名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/18(日) 04:23:03 ID:bcAKa113O
今年も消失の日ですかね
89名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/18(日) 09:28:23 ID:/4iwGQd8O
みなさん、もうクリスマスネタのssは完成しましたよね
90名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/18(日) 15:32:20 ID:1Qvil4Yi0
消失世界にハルヒ達じゃなくてこなた達が居るやつとか?
91名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/18(日) 18:01:20 ID:FDDjP0hU0
>>90
その発想はナカッタワー
92名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/18(日) 20:45:59 ID:XkCoriSqO
新しいトリップで
◆IMO〜みたいのが欲しいかな
93名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/18(日) 22:26:34 ID:xF2EvMS+0
トリップスレで依頼してこい
94名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/18(日) 22:49:05 ID:uqJ5D4Ow0
明後日ゆーちゃんの誕生日だwktk
95名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/18(日) 23:25:55 ID:xF2EvMS+0
見えない聞こえないそんなSSを投下しなくてはいけなさそうな日付なんて
96名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 13:01:41 ID:o+X+1VNbO
投下しないとゆーちゃん泣いちゃうよ
97名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 17:18:04 ID:nBrBLhW8O
ゆたか「いいんだ、お兄さんさえそばにいれば」
キョン「あの〜ゆたかさん…いつのまに腕につかまっておられるのですか」
こなた「ぬおっ!ゆーちゃん何と言う早業!」
ゆたか「だって今日は誕生日、特権力が与えられる日だもん(すりすり)」
キョン「(な…何と言う無茶苦茶な…ていうかこの体勢でそれやめてくれ、小さくてもあたってるとか柔らかいとか色々やばいですからー!)」
ゆたか「あ…あててん…のよ?」
つかさ「なっ!そんな台詞…ゆたかちゃんのくせに〜」
ゆたか「ここはうるさいです、私の特権力を駆使してお兄ちゃんを私の閉鎖空間に」
こなかがつかみゆ「「「「 さ せ る か 」」」」
98名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 18:33:25 ID:2fQskf690
ゆたかかわいいよゆたか


思ったんだけどゆーちゃんってヤンデレ似合いそう
99名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 18:35:49 ID:CcgsB2uQ0
なにを今さら…

つかさに対するかがみ
ゆたかに対するこなた  このように姉・親友・憧れの人が身近にいればヤンデレが似合うのに十分
100名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 19:03:21 ID:2fQskf690
今更ときなすったか

キョンの妹とかはどうだろう
「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない!」的なの
101名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 19:06:21 ID:p18G431rO
みなみに対するみゆき
芋に対する俺
みたいな









俺、ヤンデレだったのか・・・!?
102名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 19:38:07 ID:CcgsB2uQ0
それはハルヒSSが一周年前に通った(ry

待て!芋なら俺が先にデレる権利がある!
103名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 22:57:49 ID:1xgijvdd0
ゆーちゃん誕生日記念の即席SS投下するぜ




 本日、小早川ゆたかの誕生日。

 つい先日、泉によってそのことを知らされた。
 何故俺に知らせたのか、俺に知らせて何を期待したのかは知らないが、俺だって一端の人を祝う気持ちぐらいはあるため小早川に何かプレゼントを買おうと思った。
 ……のだが、ここのところハルヒたちSOS団に対して俺の財布は口を開けっ放しになっていたため俺の財布からはごっそりと中身がなくなっている。
 早い話が、金欠だ。
 よって、小早川に対する誕生日プレゼントが買えないのだ。
 かといって、誕生日という事を知ってしまった以上何かをしてやらないと俺の仁義が許さない、気がするわけで。
 さて、どうしたものか。
104名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 22:58:27 ID:1xgijvdd0
「おはよーございます。キョン先輩」
 考え込みながら下駄箱で靴を履き替えていると後ろから明るい声が聞こえる。
 振り返ると朝比奈さんにも負けぬ劣らぬ天使のようなスマイルを浮かべている小早川がいた。
 これで病弱だから世の中は不思議なものだ。
「ああ、おはよう。小早川」
 そう言って下履きから上履きに履き替え、小早川とともに廊下を歩く。
「そういえば、誕生日なんだってな」
 歩きながら小早川に話しかける。
「あ、ハイ。そうなんですよ。知ってたんですね」
 そりゃ、泉に嫌というほど聞かされたからな。
「すまない。実はちょっと金欠で誕生日プレゼントを用意出来てないんだ」
 そう言うと小早川は、
「いえいえ、プレゼントなんて結構ですよ」
 と謙遜してくれた。うん、やっぱりいい子だ。
「ものは相談なんだが、小早川が俺に何かやって欲しい事があったら今日一日はどんな事でもやってやる」
「そ、そんないいですよ」
 やはりひかえめの態度を取る小早川。
「いや、今日は無礼講だ」
 とこちらもしつこく言っていると、
「わかりましたよ」
 といって納得してくれた。

「それじゃあ、最初のお願いです」
 俺の願いを受け入れた小早川は俺に最初の提案をする。
「今日一日はキョン先輩の事、『お兄ちゃん』って読んでいいですか?」
「ああ、別に構わんが」
 何で『お兄ちゃん』なんだ?
 と尋ねると小早川は少し慌てた様子で、
「そ、それは……私、お兄ちゃんとかいなくて、お兄ちゃんみたいな存在っていいなーって思ってたから……」
 未だに口をモゴモゴさせている小早川だったが、上の言葉だけでも充分納得はいける。
 それに俺にはちゃんとした妹がいながらも『お兄ちゃん』と言われる事がないため、俺としても別に悪い気はしない。
「そ、それでは今日一日お願いしますね、お兄ちゃん」
 小早川は笑顔でそう言うと、
「次のお願いです。昼ごはんの時にお弁当を持って屋上に来てくださいね、お兄ちゃん」
 と言って少し小走りで一年の教室へと走っていった。
 それにしても、相当『お兄ちゃん』が気に入ってるみたいだな。
105名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 22:58:58 ID:1xgijvdd0
 昼休み。
 俺は本来いつも昼食を一緒に食べる谷口と国木田に断りをいれ屋上へと向かう。
 谷口は「女か?女なのか?」としつこく問われ、国木田からは何かを知っているように「いってらっしゃい」と見送られた。
 屋上へ行くと小早川は既に来ており、壁にもたれるように座っていた。
 と言うより、何で屋上は開いているんだ?
「あ、お兄ちゃん。こっちに来てください」
 小早川に言われるがままに足を動かす。
 そして小早川の隣に座り、昼食を一緒に食べる。
 そのときの話も他愛のないもので、SOS団のことやクラスのことを話した。
 それはそれで、中々楽しいものだった。この時期に外で食うのは結構厳しかったが。
 昼食を食べ終え、そろそろ始業のチャイムがなりそうになるため、立ち上がりその場を後にしようとする。

「待ってください」
 と小早川に呼び止められた。
「なんだ?」
 しばらく、静寂が続く。
「……あの、いえ、やっぱりなんでもないです」
 何か言いたそうにしてたようだが、いいのか?
「はい、いいんです……」
 少し俯きながら小早川は答える。
 もう少し問い詰めてもよかったが別にそんなことをする必要もないし、いい加減この寒さは耐え切れないため小早川に一緒に戻ろうと呼びかける。
「……はい、そうですね」
 元気のない声で小早川は返事をした。
106名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 22:59:54 ID:1xgijvdd0
 教室までの道のりを一緒に歩く。
 やはり、気になるのは屋上での会話であって、何かを言おうとしてたのを諦めた小早川に対して、こう言った。
「やらないで後悔するより、やって後悔した方がいいと思うぞ」
 いきなりそう言う俺にキョトンとしている小早川そのまま、俺は話しを続ける。
「小早川だってそうだ。さっき言わないで止めて後悔するよりも、言って後悔した方がいいと俺はおもうが」
 この言葉は俺を殺そうとした宇宙人、朝倉涼子の受け売りでしかない。
 だが、俺だってこの言葉に少しは共感する部分もあるし、今の小早川に伝えても格別悪い事にはならないはずだ。
 その言葉を述べると、気落ちしていた小早川は元気を取り戻し、
「そう……ですね。そうですよね」
 とまた明るい小早川に戻ってくれた。
 戻ったと思えば、
「次のお願いいいですか?」
 と訊いてくる。もちろん、俺は肯定する。
「じゃ、今日は……じゃなくって、今日からは私のこと『ゆたか』って呼んでください」
 ……はい?
 その言葉に戸惑いを隠せない。
「だから、私のことを『ゆたか』って呼んでくださいね」
 何かの冗談かと小早川の顔を見ると、その顔はえらく真剣で、ババ抜きでジョーカーかそれ以外かのどちらかを選択するような顔で俺の方を見てくる。
 その表情で冗談じゃないことに気づき、
「ああ、わかった」
 と肯定の意を示す。
 すると小早川はこれ以上ないほどの、朝比奈さんとは別種の天使の笑みで、
「ありがとうございます。お兄ちゃん」
 と言った。
 果たして屋上で言いたかったのはそのことなのだろうか?

 そのあと、文芸部室で小早……ゆたかの誕生日パーティが開かれ、俺が小早川を『ゆたか』と言っている事と、ゆたかが俺を『お兄ちゃん』と言っている事に対して、皆に疑問を持たれ、その後いろいろ苦労したのは言うまでもない。
107名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 23:00:58 ID:1xgijvdd0
終わりです
まぁ即席だから誤字・脱字・駄文は許してくだせぇ

あと
俺はゆーちゃんヤンデレ反対派でよろしく
108名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/20(日) 23:56:19 ID:5/Kmr+++0
こなた「む、こうなったら私だって、おにいちゃ〜ん」
キョン「お前が言うと問答無用で裏があると想像する、二度呼びでいいから元に戻せ」
こなた「ちぇ(≡ω≡.)」
キョン「(おい!やはりあったのか!?裏あったのかーーーー!?)」

みゆき「お、お兄さん・・・」
キョン「うぐっ!・・・み、みゆきさんのような人にそういわれるのは、その、何だ、
    ちょっと身分違いのような気がするんだ・・・できれば元に戻してもらえるとありがたい・・・」
みゆき「そうですか・・・差し出がましいことをして申し訳ありません・・・」
キョン「(おいっ!なんでそこでそんな悲しそうな顔を・・・)」

かがみ「お・・・お兄・・・ちゃん・・・」
キョン「お、お前までなんだ!?あー、なんだ、お前の場合、何かの罰ゲームのように
     思えてきて居たたまれないんだ、たのむから元にもどってくれ・・・」
かがみ「わ・・・わかったわよ・・・」
キョン「(お前もなんだその顔・・・心が、心がズキズキくるっ!)」

つかさ「お、お兄・・・ちゃん・・・」
キョン「!!!・・・(意外と・・・アリかもしれん・・・)」
こなかがみゆ「・・・・」
キョン「(な、なんですかみなさんそのプレッシャーは・・・)」


ゆたか「お兄ちゃん!」
キョン「何だゆたか」
こなかがつかみゆ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
キョン「(今日はゆたかの誕生日だ、こんな喜ばしい日に危険な状況なんて
     何もないはずだ・・・うんうん、冷たい空気なんて何にもないぞお!!!)」
109名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/21(日) 00:04:04 ID:p18G431rO
美代子「お兄さん」
キョン「どうしたミヨキチ」
こなかがつかみゆゆた「・・・・・・」
110名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/21(日) 09:06:32 ID:678I1NPVO
何この重い空気w
111名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/22(日) 09:43:57 ID:kobsp5waO
>>101-102
お前ら…、人の居ぬ間になにを…







まったくお兄ちゃん達仲良くしないと!
あんまり喧嘩してると…、刺しちゃうよ?
嫌だよねそんな事になっちゃうなんて。
私は嫌だよ、お兄ちゃん達に痛い事するなんて。
だからやめてね? わかった?
112名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/22(日) 12:40:14 ID:5pW2imxEO
キメえwwwww




キメえwwwwwwww
113名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/22(日) 12:41:42 ID:cGOU37dJ0
やだ・・・キモい人がいる……
114名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/22(日) 18:12:22 ID:J/raRrASO
きめぇwww
でもヤンデレ×ヤンデレもいいかも
115名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/22(日) 18:25:34 ID:cGOU37dJ0
既に俺が通った道だぜ!
微妙だったけど
116名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/22(日) 21:23:35 ID:OANZP1oN0
クリt・・・スマスも近づいたことだし、久しぶりに
かがみとハルヒによるキョンの取り合いとか
こな×ゆき(長のほう)とか
キョンが理不尽ハーレムによって幸せな拷問を受けるとか
そういった、このスレの王道が読みたくなった俺。

ああ、だがヤンデレとガチホモだけは勘弁な。
117名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/22(日) 21:52:31 ID:zqWfALy/0
簡単に……簡単に書けたら苦労しないんだよぉ……

ああ、誰かスランプの俺を慰めてくれ……
118名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/23(日) 00:51:41 ID:VtZ2M5Qk0
書きかけで停止しとる話がふたつほど・・・これはよくない兆候
119名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/23(日) 10:09:32 ID:Fa1KL1hkO
>>112-114
お前ら本当に俺が大好きだな


>>117
つアラレちゃん
120名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/23(日) 12:22:44 ID:JYqVzuVh0
>>117
●<僕でよろしければ
121名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 00:07:52 ID:BYSwjlCQO
メリークリスマス………………
122名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 00:58:51 ID:G8wIUlLcO
>>121
やけにはやいな・・・
余程嫌なのか
123名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 15:28:42 ID:dBXRUGK00
キョン「クリスマスはどこに行ってもカップルばかり…目の毒だな」
124名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 17:04:07 ID:NUoIMFiL0
こなた「だったらサ、私と一緒に歩いたらカップルのように見えてカップルも気にならなくなるよ」
125名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 18:13:40 ID:ASmC+o2TO
キョン「カップル? 親子か良いとこ兄妹だろ」
126名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 18:36:04 ID:ASmC+o2TO
8chでらき☆すた神輿がクローズアップワロタwww
127名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 18:43:36 ID:MsHW3c3HO
ちくしょう見逃したぁぁぁああ!!
128名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 18:44:30 ID:8YkKAJAW0
地方だから関係ないな!


はやく都心に戻りたいよう
129名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 18:51:00 ID:Bna4qS66O
>>125
かがみ「じ、じゃあさ、私と一緒にいけば歳相応に見える…から…問題…ないわよね……か、勘違いしないでよね…私も…クリスマスは…何かと…目の毒…というか…」
130名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 18:53:30 ID:8YkKAJAW0
古泉「おやおや…なにやら不穏な空気がただよってますね」
131名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 20:57:29 ID:ASmC+o2TO
みなみ「あ、あのキョン先輩……、えと予定とかは…」
132名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 21:51:02 ID:G8wIUlLcO
キョン「やっぱりこんな寒い日は家のコタツでまったりと過ごすに限るな」
133名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 22:39:25 ID:ASmC+o2TO
クリスマスネタで一応
明日に投下したい俺
キャラでリクエストあるかい?


134名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/24(日) 23:33:41 ID:NUoIMFiL0
>>132
こなた「流石はナチュラルフラグブレイカー・キョンキョンだネ」

>>133
パティ「私でオネガイシマース」
135名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 01:31:57 ID:HpQiYkwq0
>>133
たまにはひよりんとか
136名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 01:51:49 ID:kUpl5BUr0
キョン「やれやれ・・・今年もまた忙しいクリスマスになってしまうのか・・・」
137名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 02:50:54 ID:nqdIqD69O
>>133
岩崎を
138名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 08:19:15 ID:bietJfoOO
>>132
こなた「お、さすがは純日本人キョンキョンだねぇ
ところで、ここに最新対戦ゲームソフトがあるのだけど
どかな?一戦。こたつのお供に(=ω=.)」
かがみ「そ…そだ、キョン君、確か今回の宿題について随分唸ってたよね?
もし良かったら、宿題の答え合わせも兼ねて勉強しにいってもいいかな?
あらかたの範囲教えてあげられるし、私も日本史で聞きたいことあるし…」
139名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 08:58:58 ID:DpTt3l7V0
>>133
ゆーちゃん
140名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 09:28:48 ID:aWaO+7870
みゆきもやってあげて
141名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 11:30:12 ID:SAc+SYYIO
ゆたか、みなみ、パティ、ひより、みゆき

五人……だと………? 俺がやばい
142名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 11:46:51 ID:mVY5i9XOO
>>138
キョン「泉、クリスマスにまで他人の家で過ごすな。親父さんと一緒にいてやれ。柊も気持ちはありがたいが、自分でなんとかしてみるよ。妹の方もお前と過ごしたいと思ってるぞきっと」


>>141
つハーレム
143名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 12:34:38 ID:bietJfoOO
>>142
しかし簡単に引き下がらないのがクリスマスクオリティ
こなた「ん、お父さんは締め切り間近とか言って今頃ホテルで缶詰、
ゆーちゃんもみなみちゃんとこにお泊りだから気を使うことないょキョンキョン」
つかさ「あ、私なら大丈夫だよキョン君」
かがみ「(つかさGJ!)」
つかさ「それよりさ、こたつで食べるのにピッタリな料理考えたんだ
よかったらお姉ちゃんと一緒に作りにいってもいいかな」
かがみ「(つかさお前もかー!でもまあGJ!)そ、そうね、今日は上の姉2人ともデートだし両親も用事でいないしねー」
みゆき「勉強会ですか、いいですね。私も参加したいです。
クリスマスですのでオススメのケーキも持参してまいりますが、いかがでしょう?」
3人「(お前もかー!)」
こなた「ま、まあ、勉強会をかねたクリスマスパーティーってのもいいかもね。妹ちゃんもきっと喜ぶよ〜」
キョン「(なんか…外掘がうめられてるような気がするのは気のせいなのか…)」
144名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 18:36:24 ID:SAc+SYYIO
キョン「……、あ〜、なんか悪いが実は俺、もう予定があるんだよな」
145名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 18:41:06 ID:mVY5i9XOO
>>144
美代子「お兄さんは私と買い物に行く約束をしてたんですよ。1 年 前 か ら 」
146名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 18:45:20 ID:sPQneyp20
朝比奈さん「時間移動の許可が下りました。不幸な事故が起こるかもしれませんね」
147名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 19:06:54 ID:SAc+SYYIO
みなみ、みゆき、ひより、 パティ、ゆたかを一つのメモ帳に続けて書く

…ふぅ、コーヒー飲むか

コンセント、ポーン

バソコンブチッ

俺、アッー
148名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 20:18:13 ID:uvxQNurW0
>>147
あー・・・
が、頑張って!!
149名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 21:48:29 ID:eq3vVXjnO
>>147
全俺が泣いた
150名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 22:07:35 ID:vt2La3Nb0
>>146の言っていた不幸な事故ってのは>>147のことか?
151名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/25(日) 22:51:19 ID:SAc+SYYIO
俺「朝比奈さん……、それは本当ですか?
本当ならソースをください、それが事実なら芋の総力を持って
未来人を潰させて頂きますが」
152名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/26(日) 02:28:16 ID:LoxEfz8P0
キョン「今年はのんびりしたクリスマスだったな」
153名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/26(日) 11:56:16 ID:DLeEv/O8O
何かおかしい。
そう気付き始めたのは、冬休み間近の12月の半ばの日のことだ。


「未来に帰れなくなりましたぁ・・・・・・」

「今回が、一万五千四百九十八回目に該当する。」

「涼宮さんや柊さんはクリスマスを終わらせたくないんでしょう。彼女たちの識いき下がそう思っているのですよ。だから終わらないわけです」

「いったい何をすれば、あいつらは満足なんだ」

エンドレス クリスマス
154名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2008/12/26(日) 21:38:23 ID:+Uxy8h29O
誠に遺憾ながらクリスマスネタを投下するのは
明日になりそうだ、ゴメン
いくら
PCで書く→見ながら携帯で打つ→さらに赤外線で写して投下とは言え
まさか二日イベント日から遅れるなんて……

悔しい…! でも全く感じない……!
155名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/27(日) 08:09:28 ID:TeyWbKV1O
では裸で待っておこう


感じない?
そうは言ってもカラダは正直みたいだぜ
156名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/27(日) 10:28:02 ID:fOBqhMO0O
いや! やめてよ!
あなたのそういう傲慢なところが、……嫌い
157名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/27(日) 11:31:35 ID:DyxpPOg1O
>>155
>>156
妹「キョンくん、この人たちなにやってるのー?」
キョン「見ちゃいけません」
158名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/27(日) 17:50:26 ID:fOBqhMO0O
小さな女の子に見られるなんて……ビクンッ
159名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/27(日) 20:14:13 ID:TURk+jcu0
かがみ「まだよ、まだお正月がある…!」
160名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/27(日) 20:23:11 ID:NbF0AfZy0
こなた「キョンキョンと大みそかの年越しTV見てそのあと初詣行くことに決まったヨー」
161名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/27(日) 21:09:51 ID:lPRPXHzxO
その後姫始め
162名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/27(日) 21:39:47 ID:DyxpPOg1O
キョン「さて、そろそろ実家に帰る準備をするか」
163名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 00:38:35 ID:8eMX6Db20
>>162
待てw
164名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 02:55:52 ID:uwoyimonO


 さて、クリスマス。バレンタインと並んで厄介な外来イベントであることは
まぁ異論を挟む余地の無いことだとは思うのだが。ここしばらくは特にイベント事に
対して素直に楽しめない出来事が間々あり、その傾向が個人的に非常に強まっているため、
冬季の長期休暇とは名ばかりの微妙な長さの休みに対する関心など、期末の結果
と並んでこのイベントの所為でほとんど憂鬱のみが支配している現状。
それでも俺が全て、万事に向かって銜えた匙を投げずにいる理由があるならば、
簡単に単純に純粋に一つ、これは、うん、考えるまでもなく予想がつきそうであるが
、ヒントを一応出しておくとするならば、俺は谷口に対し休暇中のの予定の一つとして
それをあげた際に奇声とともに頬を張られたということだろうか?
 当然理不尽な暴力に対しては正当防衛の名の下に正拳をお見舞いするにしても、
その後クリスマスという年に一回のイベントを当然のように部室で暴れ過ごそうとしていた
団長以下複数の団員にも当日予定が入っておりパーティー日時をずらすか辞退したいと
言った時には、谷口となにやら似たような反応を見せられ、特に暴走特急殿には
『殺すわよ』との殺戮予告を頂くまでに不況を買った訳で。
 とにかく色々あって、部室の使用許可等ど終了式に行われた大勢のミニスカサンタが
参加したパーティーを恙無くこなして本日、イブとは名ばかりの内実本番である24日。
俺は新調したジャケットのポケットに入れたプレゼントを触りながら
待ち合わせ場所についてから計五度目の時計の確認をした。
165名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 02:57:10 ID:uwoyimonO

「……ちと早かったな」

 待ち合わせに一時間早く来るような真似は流石に野外団活動以外ではしないが、
それでも遅れはしたくないと早めに行動し、待ち合わせの予定時刻の十五分前に
つくつもりで家をでたのだが。いやはや、心境変化の賜物か普段は自転車で
二十五分の道程を倍以上の速度(なんと驚き十分で到着してしまった俺)で猛進、
最終的に三十分も早く来てしまうという結果に収まってしまった。
 そうして時間をもてあますとついつい色々と気にしてしまうのが人の常。
服装は変じゃないかとか、プレゼントの中身についてどうたらこうたら、
財布や携帯は忘れてないかとか、そわそわしっぱなしになる俺。
……いいじゃないか。別に、なんか、うん。そわそわで。うん。

 だがそれもここまで、もうすぐ十二時五分前。イコールで予定の五分前。
五分前行動を全てにおいて徹底してる彼女は多分この時計(誕生日に彼女に
買ってもらった奴で、少しデザインの違うペアのものを彼女はつけている。
時間は双方が秒針の単位でカッチリ同じに揃ってる)がジャスト五分前になっ
た辺りでくるだろうと流石に佇まいを居直して彼女を待つ。彼女のその
ピンク色のふわふわな頭髪というのは非常に群衆において目立つため、
こういったイベント日の待ち合わせ場所として定着してる人の多い場所でも
すぐ気付くことができる。……あぁ、えっと、いまさらだが俺がここで待ってるのは
つまるところ、みゆき、だ。高良みゆき。彼女のことをみゆきと呼ぶようになってから
結構立つのだが、まだ若干照れが残ってるのはまぁ御容赦いただきたい。
166名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 02:59:36 ID:uwoyimonO

「…おっ、みゆき!」

 呼ばれて飛び出てという訳ではないだろうが、影が差したのが視界に入ったので
キョロキョロとしている決して小さいわけではない(むしろ局所的には大きい、特大だ)のに
小動物を思い起こす彼女に自分の場所をアピールする俺、やや気恥ずかしいがそこは我慢。
名前を呼ばれて気付いたようで、みゆきはこっちにとてとてと近づいてきて軽く一礼。

「お待たせしました」
「…ん、いや全然待ってない。うん」

 挙動が不振な俺だった。さもありなん。
みゆきのその、なんだろうか……天使? そんな彼女をみたらしかたなかろうて
…いかん、思考が流れてる。落ち着け、アイマイミーマイン、ユーヨアユーユアーズ。

「ふふ、どうですか?」

 なにがどうですかなんでしょうか? なんて聞き返しかかったが、自制。
それに会って直後なら大抵服装か髪型に決まってる。そして感想?
…素晴らしい、の一言だろうか。少し大きめの紺のトレーナーにタイトな感じのスカート
丈は膝と同じくらいで、そこから伸びる足に色っぽい黒いストッキング、もう艶っぽいと言っても可。
167名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 03:00:38 ID:uwoyimonO
そしてトレーナーの上に白いフードのついたフリース生地の上着に俺があげたマフラー。

「可愛いですよ、似合ってる」
「ありがとうキョン君。…それじゃ改めてメリークリスマス」
「ん、メリークリスマスみゆき」

 空は晴天とはいかないまでもそこそこいい天気、今年はホワイトクリスマスという
言葉からは縁遠い感じの空模様。まぁ普段滅多に雪なんか降らない、降っても積もらない
こんな一地域に、クリスマスに狙いをすまして雪なんか降るはずがないのである。
それこそ神様に頼まなくてはいけない。『今年はホワイトクリスマスらしいぞ』と十人単位で
言い聞かせるような感じで頼まなくてはな。

「っと、少しいいかみゆき」
「はい?」

 マフラーに顔を埋めるようにして上目遣いに俺を伺うみゆき
やはり小動物、ハムスターやリスを想起してならない。
なんとなく、そうなんとなくそんな彼女の幾分俺より低い頭をくしょっと撫でてやって、
少し後ろに向かい合ったまま距離をとってポケットのそれを放る。慌ててそれを受け取る
みゆきを、そして俺に問うてから包みを開けていく彼女の一挙手一投足を、
はてどんな表情で俺が見ていたかは定かでないが。しかしその後の

「わぁ…、可愛い。ありがとうございますキョン君! ふふっ、大事にしますね」

 そういって雪の結晶、六方向に伸びた透明に少し青みがかった形の模った
小さなネックレスを首にかける姿をどんな緩んだ顔で見ていたか位は、
流石に鏡が無くても自覚できそうなものであった。

「それじゃ行こうか」
「はい、…キョン君」
「ん?」
「大好きです」
「…俺もみゆきが大好きだよ」
168名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2008/12/28(日) 03:02:10 ID:uwoyimonO
終わる
起きたら、も一つ落とすにゃ
169名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 03:25:35 ID:ItS0YAyuO
>>168


みゆきさんにこんなに萌えるとは思わなかった
170名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:05:33 ID:uwoyimonO


 冬休み、先日終了式をまたもギリギリの成績の書かれた今学期の通知書を受け取り
なんとかその後の今年最後(団長談なので如何程の信憑性もないだろうが)の
団活を過ごし切り、二週間という微妙な長さの休みを享受したもの、なにやら
寒風の中の休暇を持余し気味な俺(18歳男子)。騒がしい妹の所為でいつもよりは遅いものの
結局惰眠を貪る事はできなかったし、朝食を適当に胃に流し込んでからいままでなにを
やっていたかと聞かれても、ぶっちゃけた話なにをしていたわけでもない。
少し後輩とメールで連絡をとっていた程度だ。まったくなにも起こってない。

 そもそも長期休暇は基本的に三段階に期間を分けることができる、
仮に…そうだな、享楽期・慢性期・郷愁期、とでも適当に命名するとしてだ。
最初は学校から開放された直後の数日から夏休みならば二週間程度までがこれに含まれ、
学校で親しい友人と計画を立てて遊び呆ける時期だ、そしてそれらを一通りこなすと
訪れるのが慢性期で、ぐだぐだとタウダにすごして本を読んだり昼寝したり個人の時間に
大半を割くようになる、たまに思い出したかのように遊んだり、休みに慣れてきた時期だな。うん、ゴールデン・ウィーク
等のさらに短い期間の連休になるとこの辺りには学校が再開してるので非常に倦怠感が溢れる。
そして、…えっと? 郷愁期だったか? ―その辺はあれだ、学校が恋しくなる頃合いだな、
教室で同級生達と数秒後には忘れてるような会話に興じたくなる。
ついでに妹はその三段階の一つ目に従順で、ロケット花火さながらに
inミヨキチ家している筈だ。

171名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:06:45 ID:uwoyimonO
 でだ、じゃあ何故俺は初っぱなからここまで自宅でのんびりと、猫まっしぐらなのかと
言うと、別に俺が反骨精神溢れる切れたナイフだからでは当然なく――ピルリピルリ
と、あらかじめ示し合わせていたかのようなタイミングで
鳴ってくれてるMy携帯電話Fmゆたか
…俺は携帯のストラップを掴んでそれを手元に手繰り寄せて
可愛い後輩からのメールをクッションに座ったまま開封
以下、内容。
『じゃあいまからキョン先輩のおうち行きますね〜、ケーキ楽しみに待っててくださいね』

 はい、楽しみです。…なにか?
………いや、言い訳をさせていただきたい、と言ってもなにもないのだが。
とりあえぜ一応弁解というか弁明と言うか少なくとも誤解を減らすための努力はしたいので
ここは一つ清聴願いたい。席をたつのはまだ早い。

 これは単にこなたに教わったばかりの手作りケーキを俺に試食してもらいたいという
微笑ましい彼女のお願いであって、それ以上でもそれ以下でもない。まったく持って違う。
冬休みでケーキという二つから連想されるイベントとは全然無縁の日常であって
町にイルミネーションなんか欠片も無い、イブでもなければ25日でもないし
世界的に最もポピュラーでカッパ頭のおっさんが日本に広めようとした宗教の神様とも
まったくこれっぽちも無関係の一般デーだ、ノーマルだ、フォーマルだ。余裕で年末だ。
きっとそうだ、そうだと思え。思ったか? よしそれでいい。素晴らしい。グッドだ。
172名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:08:22 ID:uwoyimonO

 で、俺は本来なら俺も国木田や谷口とカラオケだったりに行きたかったんだが。
そんな実の妹よりよっぽど妹みたいな。可愛らしく愛らしい後輩の真摯な頼みを
受けたからにはこれは先輩として(あくまでも親しい先輩後輩関係として)無下にするわけにも
いかずに、こうして部屋でまんじりとメールをちまちましてたりするわけだ。
…そわそわ? ――してないぞ。全然。まったくなにをいうのか。
っとメールが来た。以下、内容。
『またまた、先輩ったら〜。…あっと、もう少しでつきますからあとは直接話しましょうね』

 だそうだ、前回のメールとこのメールの間に俺がどんな内容のメールを送ったのかは
完全にシャットアウト、ご想像にお任せというあれだ。定型句で申し訳ないばかりだが
これはダメ、絶対。…とにかくそろそろ人が来るとあっては(それが例えただの後輩だとしても)
いつまでもクッションの上に胡座をかいてる訳にもいくまいて。さて、と俺は立ち上がりきょろきょろ。
まぁ特に問題も無いだろう、季節の変化によって撒かれたシャミの大量の毛もコロコロで
取り除いてあるし、そもそも見られて困るようなものは基本的に俺は持ってないのだ、
本棚の裏にも、ベットの下にも、辞書のケースの中にもな。――辞書はそもそもこの部屋に
存在してないがな、まったく受験生の部屋とは思えない。

 人を上げるに至っての問題点、また頼れる先輩像を壊すような奇怪な物品がないことを
再度確認した俺は、外を歩いてきて冷えた筈のゆたかのためにいままでつけてなかった
ハロゲンヒーター(縦型600W、結構暖かいが近づきすぎると焼ける)のスイッチを入れてから
ケーキなら紅茶でも淹れようと思い立ち、そして同時に鳴るチャイムに
作為的と言うか、都合主義をひしひしと感じつつ聞こえるかわからない
返答をして玄関に向かった。

173名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:10:08 ID:uwoyimonO

「こんにちはキョン先輩!」
「おう、ゆたか。……なにやら可愛らしい装いだな」

 柔らかそうなフェルト生地で作られた赤と白の帽子。
その柔らかさのためにくにゃっと倒れて、先端についてる丸いボンボン(正式名称不明)が垂れている
…が、しかしそれは赤服靴下inプレゼント翁のそれとは似て非なるもので、これを理由に
前述の俺の発言に対しなんらかの苦言を申そうとしても無駄である、残念。

「ん?」

 ここで気付いたことが一つ。俺が玄関口の、若干高い位置の床に立っているため気付くのが
やや遅れたが、気付くとこれは明らかに変だった。なにが変ってゆたかの身長が数センチばかし
伸びてる気がするのだ。靴を脱ぎ履きする場所は砂が上がったりしないように基本俺が立ってる
廊下より数センチ低くなってるため、双方に人が別れて立ってる場合身長差はそれだけ変動する
筈なのだが、しかしゆたかと会話してるときの感覚が普段となんら変わらない訳で。
その理由が冬休みに入って数日で一気に背が伸びたという超常とも取れる現象が起きたのでなければ、
…まぁ足元にあるだろうと見てみたら、ゆたかが身につけるものとしては珍しい
編み上げのブーツを履いていた。ブーツは基本的に元から普通の靴に比べて靴底が厚いので
俺が靴下なのもあわさって差分が埋まったらしい。
174名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:13:01 ID:uwoyimonO

「…」
「…」

 ふと、足元を見て納得し、顔をあげようとしたところでさらに気付いた。
この頭頂部にあたる視線。俺が声をあげて黙ったにも関わらずなにも言わないゆたか。
普段より気の入った服装。俺がじっとそんなゆたかを見回していたこと。
これらを総合して統合して考えるにゆたかは待ってる。なにかを待ってる。
例えば、服装に対しての俺からの感想とか。俺は何事もなかったかのように顔をあげて
ゆたかに微笑みかけて、その冷えた額を人差し指で軽く小突きつつ

「可愛いぞゆたか、それに大人っぽくて驚いた」
「えへっ」

 照れたようにはにかむゆたかを見て一頻り和んだ後、靴を脱いで少し縮んだゆたかを
部屋に案内し、紅茶を淹れてくるので待ってる様にいって再び一階に戻る。
自室周辺はいいのだが居間辺りは暖房もついてないし、フローリングが靴下の足に冷たい。
ファンヒーターをつけてしまいたかったが、灯油が残り少ないため我慢して。たまにしか
使わない紅茶葉(アッサムかセイロンだった気がするが正直曖昧だ。ダージリンだと横から
指摘されたら、あぁそうだったっけか、と思うだろうしアールグレイだと言われても
やはり同じように思うだろう。ただペコではなかった気がする)を使って温かい
ミルクティーを二杯持ってすたこら部屋に戻る。

175名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:15:14 ID:uwoyimonO

‥‥‥‥


 ゆたかは部屋の中では帽子を外していた。それだけ。

「どうですか?」
「ん…、上手にできてると思うぞ。初めて作ったんだっけ? 凄いじゃないか」

 白い無地の薄い紙の箱に入ったそれを見たときに正直ぎょっとした、
べつに箱が潰れてた訳じゃないし、変な匂いが漂ってきたわけでもない
サイズが大きかったのだ。ホールケーキにも色々サイズがあり一人用の小さなものもある。
手作りなのだからカットされた一部が来るとは思ってなかったし、ゆたか自身も
食べるだろうと楽観していたが、これはデカイ。ピザのSとMの中間くらいのサイズ
直径25cm位、ファミリーサイズだ、ファミリーサイズのイチゴショートだ。
まだ切られてないからショートケーキではないが、しかし一番親しみのあるあのケーキだ。

「えへへ…」
「…」

 照れて頬を指でなでる仕草にもいまいち和めない。
甘いのは嫌いではない、むしろ好きだが。体質的には弱い、好きだがすぐ胸焼けする。

「お姉ちゃんが上手に作るコツを教えてくれたんです」
「へぇ…、どんななんだ?」

 ゆたかが取り出した刃のついてないナイフを横目で窺いながら相槌、
紅茶の砂糖をもっと少な目にすればよかったなぁ……
思考が逃避してるとか言わない、聞こえない。
176名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:16:48 ID:uwoyimonO

「好きな人の、食べて欲しい人の事を思いながら作るといいって言ってました」
「…ふぅ、うん?」

 ナイフを握ったまま両手を胸の前で組んで、頬紅でも塗ったかのように
上気するゆたかの表情についつい抱き締めそうになる。
ここで、ゆたかは一体誰の事を思って作ったのか聞きたいが、それは意地悪かね?
しかし聞いてもらうのを待ってるような気配も感じられるが……。
場繋ぎに紅茶を一口含んで数秒時間を作って思案する俺に
さらに顔を紅くさせてゆたかが俯き気味に、一言。

「私が誰を思って作ったかわかります?」
「ん〜、誰なんだ?」
「キョン先輩に決まってるじゃないですか」

 やはりなにがなんでも食べきらなくてはいけないと認識。
もとよりそのつもりではあったがしかし真っ向からこんなこと言われると照れる、
態度がぶっきらぼうにならないように照れを隠すのは至難の技だと俺は知った。

「はいキョン先輩どうぞ」
「おうっ、すまん」

 いつの間にか綺麗に八分の一カットにされてる一角を我が家では見かけたことのない
小さめの皿に乗せられて俺の前に置かれていた。ちょっと長く話をしていたせいか
上に飾り付けられた生クリームが部屋の暖房(ハロゲン)によって溶け始めていた。
177名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:18:27 ID:uwoyimonO

「いただきます」
「はい」

 緊張した面持ちで俺の一挙一動を焼き付けるように、穴でも空けるつもりなのかと
半ば本気で思うくらい真剣に見つめてくるゆたかに自然俺も緊張する。伝播。
そういえばゆたかが一から自分一人で作ったものを食べるのはこれが初めてだった。
皿と同時に受け取ったフォーク(本当に準備がいいが、どうやって持ち帰るのだろう?)
で二等辺三角形の鋭角の先端部分を切り取ってゆっくり味わう。…素直に美味しい。
この前にケーキを食べたのは去年のやはりこの時期だったと思うが。そのときはまぁ

普通の市販のケーキを食べた訳で、それと比べても遜色ないと言うか。自分のために
作ってくれた手作りのケーキを、作った本人と食べてるいま、感想としては
記憶にあるどんなケーキよりもゆたかが作ったこのケーキのほうがずっと美味しいと思う。
そう、思ったままにゆたかに伝えると、彼女は服装を褒めたときよりも
ケーキの外観を綺麗と言ったときよりも嬉しそうに、誇らしそうにはにかむのだった。
誰もいない自宅に呼んで、抱き締めるなんて犯罪チックだとわかっていても
腕が危ういところまで動きそうになった。恐ろしき無意識。実は意識的かもしれないけど無意識。
万一こっそり帰ってた妹に見られたら流石に言い訳が聞かないじゃないか。
そういうイベントはもう少しあとにしたい。どんなイベントかは黙秘するが。

「ゆたかも食べないのか? 俺一人じゃ食えんぞこんなに」
「えへっ、いただきます」

 言って笑顔でケーキをパクつき、イチゴを頬張り、口の端にクリームをつけるゆたか。
女の子と言うものは先天的に甘いものに対して強い抵抗力を持ってるのだろうか?
178名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:20:12 ID:uwoyimonO

羨ましいとは思わないが、単純に凄いとは思う。ケーキバイキングに行ったときには
どこを向いてもみんな皿一杯にケーキを並べてる様が見れて唖然としたものだ。

 で、あの大きなケーキ、最終的に俺は全体の三分の一を食べたにすぎず
その小さいボディにどうやってと突っ込みたくなる量、俺の倍食べたゆたか。
夕飯は大丈夫なのだろうかと見当違いな心配すら浮かんでくる始末で
どうやらあのサイズは自分が食べる分も考えたジャストサイズだったようで
俺の奮迅は儚くも無意味だったと言う。

「ご馳走様」
「また作ったら食べてくれますか?」
「もちろん」

 好きなときに来てくれと、ゆたかだったらいつでも大歓迎だとも付け加えて
照れ喜ぶゆたかで本日何度目かの和みモードをスイッチして雑談。
二杯目の紅茶(甘さ控えめ)を飲みつつ美味しいケーキを馳走になった礼に
今度どこかに行かないかと提案。下心は皆無、当然だ。
俺とゆたかはただの学年の違う友達だからな。素敵滅法。

「それじゃあ初詣…は、お姉ちゃん達も一緒にみんなで先輩のところの神社にいきますから」
「そういやそうだったな、柊も大変だな…」

 巫女さんバイトのあとに連れ回されるのか、ご愁傷様だな。
179名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 12:25:20 ID:uwoyimonO
ハルヒ達は自分の核並みの太陽エネルギーエンジンを他の人間も標準搭載してると
平気の平左で思っていやがるからな。

「じゃあ初日の出、海まで見に行きませんか?」
「いいぞ、寒いだろうから厚着して、それにそのあと連中と合流して直接初詣行くことになるだろうから
 早めに寝とかないと、あいつらと一緒に過ごしたら余裕で日付変わっても付き合わされるぞ」
「あはっ、そうですね。忘年会と新年会を兼ねたパーティーをやるとかお姉ちゃんも言ってたし」
「…それは勘弁願いたいな、アルコール飲まされそうだ」
「えっ!? お酒ですか?」
「あいつは去年も似たことをやって、俺は危うく急性アルコール中毒になりかけたんだ」

 というか、実際長門がいなければなっていた、去年の事から
学ぶということができるなら今年は控えめにすると思うのだが、……どうだろう。
人間は成長するアシモフらしいが、あいつに精神面での成長などこの二年半
ほとんど見られないように思う。ってかアシモフってなんだ。
…まぁ見かけが大人で中身が子供の人間と相対した場合の対処は一つだけ、
こちらが大人になる。……まったく不条理極まりない。

「ま、今年はゆたかや岩崎達もいるし、後輩の手前少しは自重するだろう」

 希望的観測である。現実逃避の研鑽ばかり積んで俺はどうするのだろう?

「良かった、私お酒飲んだことなくて…」
「いや、それでいいんだ。ゆたかはそのままでいてくれ」

 ゆたかと岩崎の二人は俺の交遊関係での希望なのだ。
ギブミー常識人

「キョン……、先輩…」
「なんだゆたか?」

 ふと、俺に密着してくるゆたか。と言っても距離を縮めた位で、
物理的にくっつくことは性格上厳しいのかしてはこなかったけれど。

「来年も、その次の年も、一緒にこうしてすごせたらいいですね」
「…そうだな、そうしたらきっと楽しいだろうな」
「先輩」
「?」
「チュッ」
「なっ……」
「メリークリスマス!」

 不意打ちを決めて天真爛漫に笑うゆたかに、俺は苦笑いを浮かべながら。
悔しさ混じりのお返しに、その指にプレゼントを嵌めてやりつつ。さて、どうしたものかと言い訳を考えるのだった。
180名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2008/12/28(日) 13:00:35 ID:uwoyimonO
と言うお話だったのさ

終われ


って事で、韋駄天短編王ことシスコンANDロリコンな変態紳士。名も無きふかし芋でした


このタイミングでさるは意味分からん
181名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 20:41:51 ID:YUtzXWwWO
そういや、最近芋食ってないな……
182名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 21:34:48 ID:bLkeY3SiO
そういえば最近芋掘りしてないな…
183名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 21:37:15 ID:nQdUpYKe0
芋を掘る……
184名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 22:49:22 ID:uwoyimonO
よし、良い事思い付いた。
お前、俺のケツの中に芋を入れろ
185名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/28(日) 22:55:09 ID:nQdUpYKe0
え……でも、この芋の大きさ尋常じゃありませんよ?
186名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 00:08:23 ID:66/oovteO
>>184
芋の中に芋だと・・・
187名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 00:21:11 ID:Vpo86mQy0
ところでこの芋を見てくれ。こいつをどう思う?
188名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 00:22:11 ID:V3YmOvg0O
すごく…七誌です…
189名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 02:23:20 ID:aMxldQHE0
なんだ、剥けてないじゃないか
190名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 14:12:42 ID:Q19n2khaO
しかし作品投下しても、作品に対する書き込みがここまで無く
しかし無視されてる訳でも無いと言うのは流石に稀有だな


ぶっちゃけ、切ない。
結局投下してもしなくてもやり取りが同じってなんだかなぁ
191名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 14:28:36 ID:C2izftqh0
>>190
確かに、作品に対する書き込みをしないと筆者に対しての書き込みしかしなかったのはすまなかったと思う。
俺も作品投下して返事が無かったら寂しいからな。これからは芋を無視して作品に対する感想を書こうと思う。
今いうのもなんだが>>164-167>>170-179と乙。




話は変わるが一年の学力ってどんなものなのだろうか?
192名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 15:11:08 ID:6CNn6OWRO
じゃあ俺も芋を無視する事にするか…
193名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 15:11:55 ID:lDSaHq1o0
乙すらなしにってのはなぁ・・・確かに義務じゃあないけどさ
ま、俺もまだ言ってなかったし同罪か

というわけで亀だが七誌乙
少し書き方変わったか?

それと>>164-167>>170-179それぞれ題名があれば。
にしてもこの長さの差はなんなんだと
194名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 15:46:26 ID:CIVzHMaz0
正直、書き手と馴れ合いたいなら他所でやれと思う
195名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 16:20:54 ID:y4upnE4YO
その理由でこの板に流された気がするがな
196名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 23:13:44 ID:Q19n2khaO
題名ね…
「雪綺晶」・「TRUE」
で、よろしく


書き方は意図的に変えた、句読点を使わないのは確かに特徴的だし
掲示板の横書き形式なら大して気にならないけど
やはり基本だし、使い方を忘れそうで。


長さの差は、まぁあれだ、色々だな
本当はみゆきの方はもっと長くて、
デート内容からみゆき家でみゆき母とのやり取りまで書くつもりだったが
甘すぎてイラッときた
197名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/29(日) 23:55:49 ID:yTM9nxiE0
甘すぎる?
大好物です
198名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/30(日) 02:28:54 ID:IpCh9FFgO
>>196
作者がイラッときてどうするw
199名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/30(日) 09:57:39 ID:kyS0OUnBO
書いてて恥ずかしくなることはある
200名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/30(日) 11:15:19 ID:CjK8iZioO
>>198
時期がそうさせた
201名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/30(日) 22:20:27 ID:ZA98oNdwO
じ………き…?
まだ正月前だってのに、なにかあったか?
202名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/30(日) 23:04:52 ID:fYOY+B0wO
天皇の誕生日じゃなかったか?
203名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/31(日) 09:36:24 ID:LUaYy6qd0
SS読んでたらいつの間にか日付変わってたっていう
年も暮れだってのに俺は何を・・・
>>196
把握
今からやってくる

それと誤字訂正
>>164
>、ヒントを一応出しておくとするならば、俺は谷口に対し休暇中のの予定の一つとして
行頭に読点があるのと「休暇中のの予定」の部分
読点は上の行の末尾に移動をば
204名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/31(日) 18:57:20 ID:V3MLa3nfO
ののはミスだが
読点は故意。末尾が句読点だらけにならないようにした結果


てかもう大晦日なんだな
205名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/31(日) 22:07:09 ID:Stn0e2WjO
みくるラジオ出演おめ

キャラソンの先陣とは想像しなかった
206名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/31(日) 23:29:14 ID:V3MLa3nfO
ネットラジオか?
207名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/31(日) 23:46:08 ID:kQk3M70J0
なんのことか兄さんサッパリだ
208名無し@18歳未満の入場禁止:2008/12/31(日) 23:58:26 ID:V3MLa3nfO
もうすぐ今年も終わりだな皆さん
来年もよろしくー
209名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/01(日) 00:02:11 ID:QZyUY1+K0
そしてあけましておめでと〜
今年も宜しくお願い致します
210名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/01(日) 00:02:45 ID:3ia0uL3zO
新年明けまして
おめでとうございます

まぁよろしくー
211名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/01(日) 00:08:02 ID:HoPIE2zZ0
あけおめ
今年もどうぞよろしく

>>206-207
今日は一日アニソン三昧のことだろう
みくる唐突だったから焦ったぜ

>>204
故意とな
直した方がいいか?
正直お勧めはできないが
212名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/01(日) 00:15:50 ID:3ia0uL3zO
>>211
アニソン三昧ってラジオ?

まぁ直すのは面倒いからいいんじゃね?
213名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/01(日) 00:20:12 ID:HoPIE2zZ0
>>212
そーそー
NHK-FMでやってる
新年早々絶望先生流すようなカオスな番組
214名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/01(日) 00:28:27 ID:3ia0uL3zO
あったが終わったな
215名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/01(日) 04:11:02 ID:QeScjQzEO
キョン×かがみの恋愛運は・・・
216名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/01(日) 08:56:41 ID:kVBjLVQ6O
キョン「万物が流転した。
太陽のエントロピーは増大した一方で地球のエントロピーは極所的に減少した。
その差によって自然現象が起こり生命は活動した。
そして年は明けた。
西暦換算で2009年を迎えその始まりからおおよそ九時間が経過した。



…少し堅苦しかったか。
こなたにはウケたんだがかがみにはウケなかったな」
217名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2009/01/02(日) 14:27:48 ID:25diuYs90
test
218名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2009/01/02(日) 15:50:09 ID:25diuYs90
久しぶりにPCで書き込みだというのにこの無人地帯
219名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/02(日) 15:50:47 ID:25diuYs90
sage忘れの酉つけっぱなしだった件
220名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/02(日) 15:59:29 ID:gQTqMQYCO
いるけどもう芋には触れないと誓った


実家から帰ったら久々に書こう
221名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/02(日) 16:52:11 ID:j7HXfmvOO
しかし書き込めたのは一瞬
すぐに携帯厨に戻った
222名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/02(日) 18:58:42 ID:5RzfuXGfO
俺も里帰り中だから帰ってから書く予定
携帯からだとだるいな
223名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/02(日) 19:17:38 ID:/gO3sX3c0
じゃあこんどは帰省ネタで書いてヨ
例えばキョンとみゆきさんが実は同じ田舎に帰ってるとか
224名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/03(日) 14:16:53 ID:JLDUn0eZO
>>223

いいですね、そのシチュエーション。
シチュエーションもいいですが、みゆきと、ってのがまたいいです。
みゆきはもっとキョン君と絡ませてもいいキャラのはずなんです。
今回の事をきっかけに急接近する2人、所望致します……









つかさ「何してんだろゆきちゃん…」
かがみ「最近みゆきがやけに積極的ね…油断ならないわ…」
こなた「ぬぬぬ…萌え要素の塊のみゆきさんの直接攻撃とわ…ヲチるべきか参戦すべきか…」
ハルヒ「…」




神人「フックだボディだチンだ」
古泉「畜生一発やりやがったな倍にして返すzギャッグッワ」
225名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 00:20:01 ID:mWmoeC1r0
ふと過去のSS見て思ったんだが、みなみと雨って合うよね
226名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 00:25:39 ID:fgBMyowpO
わかるわかる
227名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:46:47 ID:FWl75h440
どうも。
ここんとこ、1スレに1本のわりあいで長編投下してる者です。
正月休みで長いの書けたんで、行きます。

注意事項
『消失』ネタです。未読の人は後半わけわからんと思います。

んでは。

『消失の柊かがみ』
228名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:47:32 ID:FWl75h440
春のおもいで

「でね、わたしすごく楽しみにしてたんだよ、そのシュークリーム。おいしいって評判のお店ので…」
もう桜の季節も終わり。このあいだまで満開の桜並木だったこの道も、いまは緑に彩られている。
わたしはいつも通り、双子の妹、つかさと通学の途中。
「なのにね、いざ冷蔵庫を開けてみたら、あれっ、無い、なんでー、って探してたら、まつりお姉ちゃんが、それおいしかったよーって。あんまりだよね」
今日のつかさはよくしゃべるなあ。話題は家族のこと、テレビのこと、食べ物のこと…それ自体には何の問題もない、でも。
だんだんと、つかさの口数が減ってきた。これ以上は進みたくないと主張するかのように、歩調もにぶくなってくる。わたしはそれに気がつかないふりをして、一定のペースで歩き続けた。三歩ほど下がってつかさもついてくる。
やがて、わたしたちにとっては最近見慣れてきた立て看板が見えてきた。
『学校法人 陵桜学園 専用通学路 ―― 当校関係者以外の立ち入りはご遠慮ください ――』
その前まで来たとき、ついにつかさの足がぴたりと止まった。わたしのそでをきゅっとつまんでくる。
「お姉ちゃん、あのね。おなか痛い…かも」
ついさっきまで元気に話してたくせに。小学生だってもっとマシな言い訳を考えるわよ。
「あんたの学校は、あっちでしょ」
そう言ってわたしは、おそろしく長い上り坂を親指で指し示した。

数ヶ月前、我が家に二通の封筒が届いた。私立高校、陵桜学園からの受験結果通知。宛先はわたしとつかさ。
わたし宛ての封筒は、中になにか冊子でも入っているらしく、それなりの厚みがあった。いっぽう、つかさ宛てのはぺらぺら。中身はたぶん紙切れ一枚、書いてある内容なんか開けなくたってわかる。
それをわたしに手渡したときのつかさの表情、今でも忘れられない。半分諦めたような、でも半分納得できてないような、複雑な薄笑い。すぐに大泣きに変わったけど。
「あんた友達とかできた? 北校でさ」
わたしたちの第一志望だった陵桜に場所が近い、ただそれだけの理由でいっしょに受験した滑り止め、県立北校。そこでこいつはうまくやっていけてるのかな。
無言のつかさ。ずっとうつむいてる。わたしはやや強引に、そでをつまむつかさの手を振り切った。さすがにこっちを向いてくれる。
そんな顔しないでよ、わたしだって心が痛いんだからね。
「もっと積極的に、自分から話しかけてみたら。いままでつきあいなかった人でもね」
あんたの気持ちなんて、知らないわけがないでしょ。もし立場が逆だったら。望まない学校に行くのがわたしだけだったら、どれだけ心細いことか。
だけど、永久にあんたの保護者で居続けることはできないの。そのぐらい、わかるよね。
「お友達かあ…うん、がんばるよ。ごめんねお姉ちゃん」
つかさは軽く目元をぬぐったあと、わたしに背を向けてとぼとぼと坂道を登りだした。
まったくもう。大丈夫よ、つかさなら。
229名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:48:19 ID:FWl75h440
おはよう、とクラスのみんなにあいさつする。おはよう柊ちゃん、と峰岸が答える。なんてことのない日常。
高校生活に入ってから、すでに一ヶ月近く経過した。中学からの知り合いは、同じクラスには峰岸だけで、とうぜん彼女とはそれなりに仲良くやってるわけだが、最近ではだんだん話す相手も増えてきた。男子にはまだちょっと声かけにくいけどね。
もともとここは女子高で、共学になってからも比率は女子のほうが多いからしかたないか。
まずは女の子どうしで仲良しグループができて、それがくっついたり離れたりという、まあ一般的な人間関係が構築されつつある。ただ一人を除いては。
「おはよう、すず…」
おはよう涼宮さん、と声をかけようとして、途中で言葉に詰まった。普通さ、自分の近くにクラスメイトが来て、おはようとか言ってたら、とりあえずそっちを向くものじゃない? でも涼宮ハルヒは微動だにしなかった。あきらかにわたしが視界に入ってるはずなのに。
正直言ってかなり腹は立ったんだけど、おとなしく席につくことにした。自分だけがシカトされてるんだったらケンカのひとつも始まったかもしれないけど、彼女がああなのは誰に対しても同じだし。
わたしの正体が、実は超能力者や異世界人だというんなら、喜んで話しかけてくれるんだろうけど、あいにく純粋なるホモ・サピエンスであるからして。
今日の彼女は、三つの房に分けた変則的お下げ髪。ってことは、今日は木曜日ね。なんで毎日ヘアスタイルが違うんだろ。
それにしても、この髪質と長さはかなりうらやましい。毎日これ手入れするのは大変だろうなあ、なんて考えていたら、つい口走ってしまった。
「曜日で髪型変えるのは、宇宙人対策?」
ゆっくりとこっちを振り向いた。あれ、反応あるなんて珍しい。
「いつ気づいたの」
いやいや。そんな奇癖、気にされないわけないでしょうが。みんなあえて黙ってるだけよ。
ちょっと前かな、と無難に答えておく。あっそう、とめんどくさそうに返事をして、頬杖をつく。
「曜日によって感じるイメージって、それぞれ異なる気がするのよね」
そして彼女は、何曜日が何色に当たるのかをとうとうと語り始めた。いきなり、なに。まるで話の流れが見えないんだけど。
あ、でも…こういう会話、前に小説かなにかで読んだ気がする。アニメだったか。んー、思い出せない。
突然会話が止まった。頬杖をやめて、こっちに身を乗り出してくる。
「あたし、こんな話を誰かにしてたことない? わりと前に」
知らないわよ、と答えようとして、ややとまどった。わたしも今まさに似たようなことを感じてたんだっけ。実は気が合う?
「そうかもね」
言ったとたんに、担任の桜庭先生が教室に入ってきた。おしゃべりの時間は終わりね。
230名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:48:55 ID:FWl75h440
夏への経過

部活とか、どこか入ってみようかなって入学当初は思っていた。でも結局、わたしは七月になってもどこにも所属せず、幽霊部員ですらないナチュラルな帰宅部員のままだった。
その原因は九割がたあんたのせいよ、わかってる? ハルヒ。
彼女とあるていど仲良くなってからしばらくして、またもや急に、ハルヒが部活に入ると言ってきた。まあご自由に、ちょっとは上級生に揉まれてきなさい、とか思っていたら、無理やり腕を引っ張られて体育館まで連行されて。
最初はバレー部。自分でも知らないうちに、わたしとハルヒが仮入部することにされていた。
バレーか、前にちょっとやってたことはあるけど…うん、スポーツに情熱燃やしてみるってのも悪くないわね、運動にはわりと自信あるし。
などというわたしの淡い期待は、しょっぱなのサーブ練習で打ちのめされた。
先輩が打ったら後輩は玉拾い、ってのが球技系クラブの鉄の掟なわけだが、あいつがそんなルールに縛られるはずもない。いきなり列に割り込んだハルヒの放った、華麗なるジャンピングサーブがコートに突き刺さった。
先輩達の目の色が変わる。もう一回やってみて、と言われて、再度ひとりサーブ。ネットぎりぎりを弾丸のようにかすめたボールが、正確にライン上に着弾する。何度やっても同じ。
「涼宮さん、バレーやってたんだ」
と聞いてみる。ああ、この頃はまだ『さん』付けで呼んでたんだっけ。それに対するハルヒの解答。
「え、初めてだけど。いまのは見よう見まねってやつ」
はあ? どう見たって県選抜クラスの実力でしょ、なんでそんな意味不明な嘘つくのよ。と、その時は思ったものだ。まだハルヒを表面的にしか理解してなかった証拠ね。
彼女は嘘も冗談も言わない。いつだって大真面目なんだから。
そして次の日、ハルヒはあっさりと入部を辞退していた。なんで、って誰だって思う。もちろんわたしもそう聞いてみた。ハルヒ曰く、「あの程度で驚くなんて、ここのバレー部はたいしたことない」だそうで。
先輩部員がわざわざ一年の教室まで来て引き止めたけど、まるで耳を貸そうとしない。やり場を失った怒りの視線がこっちにまで向けられてくる。うう、この空気、『でもわたしは入部します』なんて言えるわけないじゃない。
そしてその放課後、今度は陸上部に連れこまれた。もう好きにして…っておい、女子が100mを12秒台で走るな。
タイム計測後、いっせいに歓声が上がる。部員たちが口々にハルヒを褒め称えるが、本人は『なにがすごいの?』って顔をしている。
部員の一人が全国記録のタイムを告げた直後、ハルヒは言い放った。
「なにそれ。ちょっとがんばれば更新できそうな記録なんて、ねらう価値ゼロね。あたしにムダな時間なんてないの」
さすがにこの時は、わたしがキレた。本当は、怒りを通り越してほとんど呆れていたんだけど、ここで怒ってみせないとこっちまで恨みを買っちゃうでしょ。
「いい加減にしなさいよ。あんたは本気で言ってるんだろうけど、馬鹿にしてるようにしか聞こえないの」
もうつきあわせないで、と念を押してグラウンドを立ち去った。うん、これだけ言っておけばさすがに、もうこんな妙な実験には参加しなくてすむわよね。
231名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:50:00 ID:FWl75h440
甘かった。まるで考えが甘かったと思い知らされたのは、それから約二週間後のこと。
相変わらずハルヒは毎日のように部活破りを続けていて、そんなぶっ飛んだ新入生がいたらとうぜん学校じゅうの話題になる。だけどそれにわたしを巻きこもうとはしなくなったんで、部外者としてながめていられた。
「だめねえ、ここ。まるでろくな部がないじゃない。やっぱ、もとお嬢様学校だったのがガンなのね」
いやはや。彼女を満足させられないクラブと、いま目の前にいる本人と、どっちが癌と呼ぶにふさわしい存在かと言ったら…いや、これ以上考えるのはやめてあげよう。
「だからもう期待しないことにしたの。運動部には」
うん。いま、『には』って言った? 運動部には期待しない、ってことは、次なる標的は。
「で、調べてみたんだけど、文化部ってやたら数が多いのよね。同好会あつかいのとこも入れると、一日一ヶ所として、一ヶ月以上かかっちゃうじゃない」
聞いてて頭がくらくらしてきた。なにその計算、まず前提条件が異常すぎるっての。
「だから、協力しなさい。あんたもひととおり入部して回るのよ。ひとり一日二ヶ所として…うん、今月中にはカタがつきそうね」
ふざけるな。とでも言えばよかったのかもしれない。あるいは単に無視するか。なんにせよ、もうかかわりあいになる気なんてないと態度で示せば、これ以上つきまとわれることもなかったはず。
でも、ハルヒの瞳は真剣そのものだった。心をこめて説得すればきっとわかるはず、そう信じ込んでいるみたいに。
なんだかんだ言って、この子はわたしが気に入ってるらしい。涼宮ハルヒにとって、つまらない、くだらないことだらけの毎日の中で、ただひとり面白いと思える存在がわたしなのかも。
彼女について、あまりよくないウワサがいくつも広がっているのは、わたしの耳にも届いてる。先輩全員にケンカを売ってるらしい、とか、男をとっかえひっかえしてるらしい、とか。
どうも入学以前から今みたいな調子だったようで、同じ中学の出身者にも例外なく避けられている。
だけど、もしかしたらわたしだけが知ってる。ハルヒは別に、注目を浴びたいわけでも、自分の優秀さをひけらかしたいわけでもない。ひたすら純粋に、自分が面白いと思えるものを探してるだけ。人の迷惑なんておかまいなしに。
わたしがここで完全に見放したら、たぶんこいつの味方は誰もいなくなる。いくら並外れて無神経な性格でも、孤立して、無視されて、陰口を叩かれ続けて、それでも学校に来る気になれる?
望みとはまるでかけ離れた高校生活の中で、本当はひとりじゃ寂しいくせに、誰とも仲良くしようとできなくて…そんなハルヒの姿がつかさとダブって見えた。ベクトルは正反対だけど。
やっぱりわたしにはできない。あんたなんか友達じゃない、なんて、そんな残酷な宣言は。
「ああもう! つきあってあげるから、あんまり無茶しないでよ」
ハルヒはまばたきひとつしないでわたしを見つめている。一瞬だけ泣きそうな顔になったあと、満面の笑顔に変わる。
「よろしい。じゃあ決まりね、かがみ」
えーと…とつぶやきながらメモ帳を取り出して広げた。
「あたしは、映画研究会とオカルト同好会を調査してくるから。あんたは化学部と家政部に当たってちょうだい」
それだけ告げて、ぱたんとメモを閉じる。
「え、いまから?」
われながら愚問だった。こいつが『じゃあ明日から』なんて言うはずないじゃない。その無謀さを、ちょっとでいいからつかさに分けてあげたい。代わりにあいつの気づかいをハルヒに移植できれば…
「ぐずぐずしない、状況開始!」
はあ。やっぱこいつにかまうんじゃなかったかな? いまさら引き返すなんて、もう無理よね。
232名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:50:51 ID:FWl75h440
ごはん時。今日は姉さんたちが手伝い当番の日なので、わたしはつかさと、ついでにお父さんと、なんとなーくテレビを見ていた。
学校の部活動、という設定で、お笑いタレントたちがバカ騒ぎを演じている。
「そういえばふたりとも、どこかクラブには入るのかい」
お父さんが唐突に聞いてきた。娘との会話としてはごくまっとうな話題ね。でも今日のわたしにはピンポイントで答えづらい質問なのよ、それ。
「まだ。これからいろいろ見て回る予定だけど」
とりあえず端的に答える。そうよ、友達といっしょにクラブの下見、そう考えたらごく普通のことじゃない、うん。と強引に自分を納得させてみる。
この話題、つかさだって避けたいところじゃないの。
「わたしはねー、えへへ、あのね」
ありゃ、なんだか嬉しそうにしてる。
「わたし、文芸部に入ったんだよ」
文芸部ねえ。本を読み出したらすぐに寝ちゃうあんたが? まあ運動部よりはよっぽど向いてると思うけど。
「そこね、部員が一年生しかいないとこなの。去年までの先輩が、みんな卒業しちゃってて」
「へえ、ならわりと楽しくやれそうじゃない。あ。あんた友達できた?」
学校の友達の話、いままでつかさに振るのは避けてあげてたんだけど、この様子ならもう問題ないかな。
「うんっ。部長のゆきちゃんでしょ、あと、こなちゃんと、りょうちゃんと、わたしが部員でね…」
さらに続けて、その子たちとどうやって知り合ったのかを楽しそうに話し始める。
受験に失敗して以来、ふさぎこんでることが多かったつかさだけど、もうそんな気配は微塵もない。
そう、それがあんた本来の顔なんだからね。
233名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:51:26 ID:FWl75h440
さて、つかさの心配はもう無用みたいだし、もうひとりの厄介さんをどうにかしないと。
運動部めぐりであれだけの騒動を起こしてくれたハルヒが、文化部編ではおとなしくしてくれるなんて、ハナから期待してない。
あまりにも度が過ぎるようなら、もうやってらんないとでも言えば多少の抑止力に…なるかな。ならないような。
あいつにかまったせいでわたしにまで悪評が立つのはできれば避けたいところ。ハルヒを満足させつつ自分の立場を守るには、どうすれば。
半日考えて、ひとつの結論に達した。まじめに取り組めばいい。わたしなりのやりかたで。
そうと決まればまず下調べ。観察対象のクラブについて、過去の活動内容を確認する。この学校における歴史、例年の発表物、いままでの主な功績など。
それから、過去の部員、特に旧三年生である先代部長のプロフィールをチェック。去年までの中心人物だったはずだからね。資料なら図書館にいくらでもある。
実際その部に突撃したら、ここに入部する可能性は低いと始めに正直に明かした上で、先輩にクラブの活動紹介をお願いする。できるだけ失礼のない態度でね。
本当に部員を求めてるクラブだったら、それでも喜んで説明してくれる。逆に、ここでぞんざいに扱われたら入部する価値は低いと考えていい。今の部員で充分ってことだから。
あ、聞いた話はその場で全部メモ、これ大事。あとでハルヒに報告しなくちゃいけないし、あいつは気になったことがあるとやたらしつこく聞いてくるから。
本気でこれをやってみたら、意外と楽しかった。たとえ入部しなくたって知り合いは増える。わたしがどこかのクラブの部長さんと仲良しだったら、そこの部員だってなにかと協力的になってくれるものでしょ。
その日の部活めぐりが終わったら、放課後の教室でミーティング。
「ね、情報技術部ってなにやってた? あやしい電脳生命体とか開発してなかった?」
ハルヒのいつもの妄言は、例によって軽くスルー。この短期間でずいぶんこいつのあつかいにも慣れてきた。
「表向きの部員は多いけど、ほとんど幽霊ね。ただ残りのメンバーはけっこうやる気ある感じ。自作のアプリをネットで公開して、それなりに評価高いみたいよ」
「はあん。ま、保留かな。もういっこ、食文化研究会ってのは」
「んー。部活と称して食べ歩いてるだけみたいね。あと男子部員のわたしを見る目がいやらしかった」
「却下」
「同感」
もうひとつ、思わぬ副作用もあった。運動部ではどう見たってケンカを売ってるとしか思えない言動を繰り返していたハルヒだけど、わたしが協力してからは、当初心配してたような破壊的暴走はあんまりしないでいてくれた。そこは相手にもよるか。
仲間うちで集まってただ時間を潰してるだけのようなクラブなら、あいかわらず向こうがキレるまでけなすけど、それなりの目標があって活動してる所には、その仕事を根源から否定するような暴言は吐かなくなった。
そして、もう驚くにはあたいしないんだけど、あいかわらずハルヒはなんでもできた。手芸部ではミシンよりもすばやく仮縫いを仕上げ、吹奏楽部では見事なトロンポーンさばきで…暴れん坊将軍のテーマを演奏していた。いや、うまいからいいんだけど、なぜ選曲がそれ?
そのことごとくを、たった半日で飽きることができるってのは、まったくどういう神経してるんだか。ありあまるほどの才能を、どうしてだかひとつの分野に使い続けられないらしい。それでプラマイゼロなのかしらね。
そんなこんなで約二週間後、わたしたちはついに全クラブ制覇を達成した。ふう、誰かわたしをねぎらってちょうだい。
で、結局どこに入るの、とハルヒに聞いてみる。いちおう。
彼女の出した回答は、『どこにも入らない』だった。うん、予想はついてたわよ。あんたの望みどおりのクラブなんてものがあったら、そこはきっと部員の過半数が人類以外の種族なんでしょうね。
そしてわたしは、校内一の暴走女とただひとりまともにつきあえる、校内一の酔狂女として、みごと『ハルヒの親友』なる称号を獲得した。
ひとこと言っていいかな?
やれやれ。
234名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:58:07 ID:FWl75h440
秋の記憶・その一

はあ、と息を吐いてみる。さすがに白くはならないか。今日はかなり寒い気がするんだけど、まだまだ真冬にくらべたら暖かいってことね。
「わたしびっくりしちゃったの。すごいんだよ、ゆきちゃんってば」
友達の話になると、つかさは話題がつきないみたい。ホントに仲いいんだね。いちど会ってみたい気はする。
「こーんなに分厚い本を読んでてね、それはいつもなんだけど、どんなお話なのかなって、ちょっとのぞいてみたの。そしたら、ぜんぶ英語で書いてて。英語だよ。わたし、うわわって思っちゃって」
それは確かにすごいかも。その子は文芸部長さんだっけ? なら原書を読むくらいはありか。
「あんたも英語教わってみたら」
「うう、じゃあそのうち」
勉強の話になるとこれだ。まあわたしもこの反応を狙って言ったんだけどね。はしゃいだり、落ち込んだり、つかさのコロコロ変わる態度は見ていて飽きない。
口には出さないでおくけど、あんた陵桜に来なくて正解よ。マジメだけど要領が悪いつかさに、あの鬼のような量の宿題がこなしきれるとは思えないから。
なんて考えていると。
「おーい。つーかーさー!」
後ろのほうから誰かが呼んでる。すばやくそっちを振り向いたつかさは、これ以上ないってぐらいの満面の笑顔になる。わたしも振り向く。長い髪の女の子がこっちに駆け寄ってきた。
「こなちゃん、おっはよー」
おっと、つかさがよく話してる友達ね。わたしにとっては初対面、ちょっと緊張する。
「おんやあ? あ、もしかして、つかさのお姉さん」
こいつが『こなちゃん』か。かなり小柄な子だ。ついでにかなり伸ばしてるストレート。それ、しゃがんだら髪の先が地面についちゃうでしょ。
「うん、よろしくね。いつも仲良くしてくれて、ありがと」
彼女に向けて、つかさの頭をぽんぽんと叩いてみせた。口をとがらせてすねた様子になるつかさ。これを見て、こなちゃんとやらは胸元でこぶしを握りしめた。
「おおっ、そうやって子供あつかいされてもお姉ちゃんから離れらんないつかさ、萌えっ!」
んん。いまこいつ、『萌え』とか言った? つかさから聞かされてた話でそれとなく予想してたけど、やっぱソッチ側の住人かい。
つかさは「なにそれ」と言って笑う。
「いやさ、そういうフィーリングなんだよ。わっかんないかなあ…お姉さんは、わかる人?」
わかるか。てか、いきなりわたしに振るな。なんかこの子からも微妙にハルヒに近いオーラを感じるぞ。もはや宿命か。
とりあえず、いまの質問はあいそ笑いでごまかした。彼女はがっくりと肩を落とす。つかさが心配そうにのぞきこむと、にぱっと笑顔に戻った。
「なーんてね。オタクの道は獣の道さ」
今度は開き直りやがった、なんなのこいつは。でも、つかさが楽しそうにしてるからいいか。
235名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 05:58:59 ID:FWl75h440
「柊さん」
しばらく三人で歩いてたら、またもや後方から声をかけられた。どっちの柊? わたしとつかさは同時に振り向く。
見覚えのない女子がふたりいた。どっちも北校の制服。きれいに切りそろえられたロングヘアの子と、ショートカットで眼鏡をかけた子。
「ふふ、やっぱり。ごめんなさい、試しちゃいました」
ロングの子のほうが、胸元で軽く手を組みながらいたずらっぽく笑う。
「りょうちゃん、ゆきちゃん!」
つかさはまたもや笑顔全開モードになる。このふたりも、それだけ大事な友達ってことね。
「柊さんの、お姉さんですよね。あれ、この言いかた変かな」
そう言って、斜め後ろにいたショートの子に視線を送った。そっちは黙ってうなずく。
「はじめまして。りょうちゃんで通じるの? うん、じゃあそれで」
にこやかに自己紹介してくれた。これが『りょうちゃん』さんね、まだしも常識のありそうな子じゃない。
「柊かがみ。よろしくね。つかさとは双子で、同い年なんだから敬語はいいわ。えっと…」
さっきからひとことも発していない、三人目のつかさの友人と目を合わせた。眼鏡の奥の瞳がちょっとおびえているような。
「ゆき。よろしく」
自己紹介、終わり。って、ほかに言うことないの? 表情もほとんど読めない。これまた強烈なキャラね。
「ゆきちゃんはね、わたしたちの部長さんなんだよ」
「はっ、我々のリーダーであります。無口キャラ、いわゆるひとつの萌え属性であります」
つかさの紹介に、即座にこなちゃんが茶々を入れる。なんで軍人チックな口調なの。その元ネタはだいたいわかるけど、めんどうだから触れないわよ。つかさも少々あきれ顔だ。
「また萌え? ええと、だったらお姉ちゃんは、なに属性なの」
「見た感じ、ツンデレ」
「ツンデレとか言うな」
っと。初対面の相手なのに、つい反射的にツッコミ入れちゃったじゃない。ごめん、とすぐ謝る。
「…来た。つかさ、いまの見た? 一瞬でツンとデレが来たよ。お姉さん本物だ」
なによそれ。ツンツンしまくってる美少女だったら、すでに超弩級のやつがひとりいるから。機会があったらそのうち紹介してあげる。
このやり取りを見て、ゆきちゃん部長はくすくすと含み笑いを漏らしていた。なんだ、笑うとけっこう可愛いじゃない。
「あら?」と、りょうちゃんがまた視線をやると、恥ずかしそうに軽く咳払いをする。なるほど、この子が無表情なのは、自分の気持ちを人に知られたら照れるから、なのかな。
236名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:00:07 ID:FWl75h440
やがていつもの分かれ道に近づいてきた。「おっ」と、こなちゃんが声をあげる。
「そういや、お姉さんって陵桜なんだよね。なんかくやしいなあ」
えっ、とつかさも一声あげた。こなちゃんは気にせず話し続ける。
「いやさ、実はあたしも陵桜受けてたんだよね。わりとがんばったつもりなんだけど、みごとにスパーンと落ちちゃって。まあ、高望みだってのはわかってたけど」
また微妙な話題を。ちらっとつかさの様子をうかがう。わたしとも、友達とも目を合わせず、つかさは唇をかんで斜め下を見つめていた。
あんたまさか、まだ陵桜に落ちたのがトラウマなの?
手をつないであげようかと思って、少し迷ってやめにした。優しくしてあげるのは簡単だけど、いま甘やかすのはこいつのためにならない。
「ならどうして進学コース希望じゃないの? 北校からでも、それなりの大学は狙えると思うけどな」
りょうちゃんが首をかしげて聞いた。
「ほえ。べつに勉強なんてしたくないよ。たださ、陵桜に受かったら、お父さんにパソコン買ってもらう約束だったんだよねー。むう…」
さっきから、ちらちらとつかさを気にしていたゆきちゃんが、遠慮がちにたずねる。
「くやしい、とは、約束のものを買ってもらえなくて?」
「うん」
あっさりうなずいた。
「でもまあ、結果オーライかな」
結果オーライ、ね。パソコンなんかよりずっと価値の高いなにかを、彼女はいまの学校で見つけられたらしい。
つかさは突然立ち止まり、顔を上げた。
「わっ、わたしも。みんなに会えてよかったよ、ホントにっ」
ああもう、なにあわててんの。そんな半べそ状態じゃあ、お友達だって引いちゃうでしょ。と、思いきや。
三人とも、『いまさらなに言ってんの?』って顔をしていた。
「で、いま何時さ」
こなちゃんが誰にともなく言う。ゆきちゃんが時計を見る。
「普段のペースだと、遅刻は確定的」
あ、そうか。こいつらの学校はここからの道が長いんだっけ。ここまでかなりゆっくり歩いてきたわけだし。
「あ、う。お姉ちゃん、またね」
つかさはそう言い残し、みんなのあとを追いかけて坂道をかけのぼって行った。
ふう、と一息ついて、肩の力を抜く。
お調子者のこなちゃん、しっかり者のりょうちゃん、寡黙なゆきちゃん。みんないい友達じゃないの。
つかさは、自分の居場所を自力で作ったんだ。われながら驚きなのは、その事実がちょっぴり寂しかったってことね。
そろそろわたしも、つかさの保護者役からは卒業かな。
237名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:01:06 ID:FWl75h440
「アンケート回収してきたぞ、柊」
と、声をかけてきた男子は、わたしの机に紙束を置く。さて、枚数をチェックしないと。
「四枚足りない。悪いけど、明日じゅうに残りの男子分も集めてもらえる?」
へいへい、とやる気なさげに答えて彼は立ち去った。ったく、きちんと仕事してよね。女子の分はほとんど集まってるんだから。未提出者は、例によって約一名。
「ハルヒー、あんたも考えなさいよ。桜藤祭の学年合同イベント。地球の科学でも実現できそうなやつにしてね」
呼びかけてみてもハルヒは無言。不機嫌な顔で外の景色をながめてる。こんなくだらない依頼、聞く必要もないって思ってるでしょ。どこまで自己中なんだか。
「足りないの…」
なにやらぼそりとつぶやく。「ん?」と聞いてみる。
「いまのあたしには、なにかが足りないの、なにかが」
けっこうな大声でそう言った。いまたぶん、これ聞こえたひと全員が『おまえに足りない物は常識だ』と心の中でツッコんだに違いない。
ハルヒはちょっとわたしをにらみつけて、すぐに視線をそらした。それは、もっとかまってちょうだいってことなの? だとしたら、こいつにしてはわかりやすい態度だけど。
ここのところ、いつにもましてハルヒの機嫌が悪いように見える。文化祭が近くなって、わたしがクラスの仕事で忙しくなってきたからかな。いや、それは考えすぎか。
この秋から、わたしはクラス委員長なるものに任命されていた。
最初は辞退したんだけど、『あの涼宮と付き合えるなら、クラスを仕切るぐらい朝飯前だろ』という理屈によって、満場一致で可決されてしまった。数の暴力よ、それ。
めんどうな細かい仕事がちょくちょく舞い込むし、副委員長の白石君もいまいち頼りないし、もう災難と言っていい事態よね。
だけど、おかげでひとついいこともあった。
「あ、柊さん、もう回収されたんですか」
となりのクラス委員長さんは、わたしの差し出した紙束をていねいなしぐさで受け取った。
「まだ少し足りないけど、それはあとでもいい? 高良さん」
「はい、お願いしますね」
高良みゆきは、にこやかに、かつ品のある口調で答えてくれた。
ああ、この人といるとなんか癒される…ハルヒに飲ませる爪の垢の、第一提供者候補ね。
「本当に助かります。こういうアンケートって、みなさんどうしても期限を過ぎてしまいがちで」
「ホントにね。世の中ってのは、適当なやつのほうが圧倒的に多いんだから」
この話を横から聞いていたらしい、高良さんのクラスの副委員長が、会話に参加してきた。
「別に提出したからといって、さしたる利益もありませんからね。面倒くさがる人が多いのもしかたないのでは」
言いながら、彼は高良さんに手を差し伸べる。
「僕が持ちましょう。レディに力仕事はさせられません」
うわ、さらっとレディとか言ったぞ、こいつ。並の男がこんなクサいセリフを吐いたなら『アホか』のひとことだけど、彼が言うとサマになってるから怖い。
高良さんは、横から見ててもわかるほど頬をぽっと染めている。おーおー、純情ね。
「ではお預けします…すみません、古泉さん」
「お礼には及びません」
アンケート用紙をうやうやしく受け取った古泉一樹は、どこか小洒落たレストランのボーイみたいなしぐさでおじぎした。
彼も強烈にキャラ作ってるわね。ただ者じゃない。でももうかんべんしてあげたら。高良さんが、照れるのを通り越して居心地悪そうにしてるわよ。
238名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:01:57 ID:FWl75h440
「かがみ!」
廊下の向こうから、かなりの剣幕でわたしを呼ぶ人影があった。ああもう、なによ。
ハルヒは、ずかずかと、という表現が似合いそうな歩調でこっちに歩いて来た。
「アンケート」
紙切れを一枚、古泉君の持つ紙束に叩きつけるように置く。彼がちょっとだけよろけた。いくらレディにお優しい古泉君だって、ちょっとこれには怒っちゃうわよ。
「おかまいなしにケンカ売るのはよしなさいよ」
他人にぞんざいなこの態度はいつのもことだけど、今のはさすがにひどい。言ったって無駄なのは承知してるけどひとこと注意したくもなる。
ハルヒは目を見開き、唇を結んでしばらくわたしを見つめた。やがてぎゅっと目を閉じ、振り向いて立ち去っていった。
あれ? 絶対に、言われたことを十倍にして反撃してくると思ったのに。そうしたらこっちもたぶん何か言い返しちゃうし、そんなのあまりこのふたりに見られたくはないから、だからよかったんだけど。
「なんなのよ、もう」
「なにかお気に障ることでもあったんでしょうか。あ、すみません、余計なことを」
高良さんがぺこりとあやまる。いいのよ、そんな気をつかわなくたって。
「あれはいつものことだから。そういえば、あいつなんて書いたの」
ぞんざいなあつかいをされても変わらぬ笑顔の古泉君が、一番上のアンケート用紙をぴらりと見せてくれる。
『珍妙なダンス、へたくそなバンド、意味不明な演劇、くだらないミスコン、ぐだぐだのクイズ大会、以外!!』
この手の学生イベントの定番をことごとく潰してくるとは。あいつの基準に従うなら、回収したアンケートの大半がゴミバコ直行ね。
「不思議なかたですね」
高良さんがしみじみとこぼす。それって、あいつのいままでの奇行を最大限好意的に評価した解釈ね。
「不思議なんてもんじゃないわ、あれは」
わたしは腕組みして嘆息した。ハルヒをひとことで評価するなら…
「もはや異常、ですか」
古泉君がそう言葉を発する、やっぱり怒ってるのかな。わたしは彼のほうに振り向いた。
ハルヒが今日までにやらかした問題行動の数々、たしかに異常に見えると思う。無意味に攻撃的で、傲慢で、ただ底意地の悪い女にしか見えないと思う。
でも違う。あいつには前しか見えてないだけ。暴走以外の歩き方ができないだけ。それもわからない人に、異常だなんて評価はしてほしくない。
239名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:11:02 ID:LxXo5c3yO
寝ようと思ってたらこんな時間に発見支援
240名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:18:21 ID:FWl75h440
「撤回します。今のは僕の本心ではありません」
古泉君は爽やかな笑顔を崩さずに言った。その微笑みは誰か別の女子に向けてあげたら。あんたのファンはけっこう多いんだから。
「試してみたかったんです。あなたの前で彼女を悪く言ったら、どんな反応があるのかと、ね」
は? 言ってる意味がわからない。今のはわたしへのテストってわけ?
「お分かりになりませんか、涼宮さんが不機嫌になっている理由」
唐突に、なに。そこが簡単に読めるようなやつなら苦労しないっての。そんなことわたしに聞いてどうしたいの。
彼は少しわたしの顔色をうかがい、ふいに高良さんに視線を送った。突然見つめられてあわてる彼女。
「わた、わたしですか。ええと、憶測ですけど…不安を感じているのではないでしょうか。柊さんが、ご自分ではないほかの誰かと、仲良くなってしまうことに」
「わたしが、やきもちやかせてるって言うの」
問い詰めると、高良さんは少し肩をすくめた。ありゃ、この言い方はキツかったかな。
「あいつがそんなに繊細なやつとは思えないんだけど」
古泉君はゆっくりと首を横に振った。いちど高良さん目を合わせて軽くうなずいたあと、またわたしを見る。
「涼宮さんが笑顔を見せるのは…柊さん、あなたと共にいるときだけです。僕たちの知る限りでは」
言われてみると、あいつがにこやかに誰かと話してるとこなんて見たことない。
「前からずっと、僕は観察していたんです。あなたがた、特に涼宮さんのことが気になってしまって」
なにそれ。聞きようによっては危ない発言ね。ハルヒが好きなの?
「うまく説明はできませんが、どうしても彼女から目が話せなくて。当初は恋心の一種かとも思ったのですが、それとも違いますね。あなたがたを見過ごしてはおけないという、使命感のようなものです」
そんな告白をわたしにされても。高良さんはどうなんだろ。さっき、なんかふたりでアイコンタクトしてたけど。
「わたしも、以前から柊さんと、涼宮さんが気にかかっていたんです。お二人が仲良くされる姿を、ずっと見守っていたいと、そう感じていて。すみません、急に変なお話して」
身を縮こまらせて高良さんは語った。そんなに恐縮しなくたっていいのに。
「そんな感覚があるのは、わたしだけかと思っていたのですが…古泉さんとお話しているうちに、同じ考えだとわかったんです」
「あなたは違いますか。柊さん」
いつのまにか、わたしがふたりがかりで問い詰められる構図になってきた。ハルヒと仲良くしてるのが、そんなに変?
なおも古泉君が尋ねてくる。
「周囲のかたがたかから、失礼、変人だと思われてまで、彼女と共に行動してきた理由。それを言葉で説明できますか」
なんなの、こいつら。ふたりとも真剣な表情でわたしの回答を待っている。そんなにマジになることかな。
「理由なんて別に。あいつ放っといたらなにしでかすかわかんないじゃない。せめて誰かがついててやんないと、って、それだけよ」
これを聞いて、高良さんはほっと一息ついた。古泉君にも笑顔が戻る。
「なるほど。あなたにとって、誰かの世話を焼くというのはごく自然な行為なんですね。だから、ご自分が涼宮さんに抱いた感情を、さして特別なものとは思わなかった、と。そんな気がします」
はあ。困ったちゃんの面倒をみるのがわたしの習性だって言ってる? 好きでやってんじゃないわよ。
「あの、これからは、何かお困りのことがあったら教えてくださいね。少しでもお力になれたらと、思っていますから」
高良さんが遠慮がちに語る。古泉君もうなずく。まったく、涼宮ハルヒを大いに心配する団でも結成しようってのかしら。
でもまあ、ハルヒのことでなんかあった時、このふたりに相談していいってのは助かるわね。
241名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:24:51 ID:FWl75h440
秋の記憶・その二

ご飯時になる前、部屋で宿題を片付けていたら、ふいにつかさがやってきた。
「お姉ちゃん、文化祭のことなんだけど」
「文化祭? まだ来月だけど。それが?」
つかさは首をかしげた。なに言いに来たの、あんた。
「ん? 陵桜のはまだ先なんだね。そうじゃなくて、北校の。来週なんだよ。で、来れるかなって」
「ああ、そっちの文化祭の話ね。来週の土曜? うん、行ってもいいわよ」
つかさは嬉しそうな顔で部屋に入ってきた。わたしの机に両手を置く。
「でね。あ、お勉強中だよね、ごめん」
残りを終わらせるのに、そう時間はかからない。いいのよ、と答えてシャーペンを置くと、つかさはまたぱっとうれしそうになる。その笑顔を見せる相手でもさっさと見つけたら? 今みたいな勢いなら、たいていの男子は一撃で落ちるでしょ。
「文芸部だっけ、あんたのとこ。そこでなんかやるの」
「うーん。ホントはそうしたかったんだけど、場所も人も足りないし。だからクラスのほう」
部員は四人しかいないんだっけか。それでイベント事ってのは確かにきついわね。
「喫茶店?」と聞くと、つかさは驚き顔になった。
「え、なんでわかったの」
なんでって、定番じゃない。これで違うって言われたら、次は『お化け屋敷』って答えるわよ。
「えーとね、なんて言うんだけ。お帰りなさいませご主人様、っていうやつ」
ぶっ。思わず飲みかけのジュースをこぼしちゃった。うう、不覚。
「メイド喫茶ぁ? よくそんなの許可が出たわね
「そうなの、先生もちょっと反対してたんだけど、どうしてもやりたいって、こなちゃんが」
こなちゃんってのは、あいつか。頼むから、つかさを悪の道に引き込まないでちょうだいよ。
242名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:25:29 ID:FWl75h440
カレンダー上で約一行進んで、北校文化祭当日。特にほかの用事も入らなかったし、顔を出してみることにした。
今日はひとりで来るつもりだったんだけど、なぜか突然。
「なーんかしょぼい学校ねー、県立だから? あ、これ、スチーム暖房っていうのよね。初めて見た」
たしかにわたしも、設備的には陵桜のほうが恵まれてるな、っては感じたけど。それを大声で言わないでよ、在校生のいる所で。
「お待たせしましたぁ。お…おねえさま」
エプロンドレス姿のつかさが、机に紅茶とパンケーキを置く。
お姉さまって、なんじゃそれは。いぶかしんだ視線を送ると、つかさは困り顔で教室の後ろのほうに視線を送った。長い髪のちびっこい女子が、こっちに向けてぐっと親指を立てる。あんたの仕込みかい。
「あ! あんたがかがみの妹ね。ふうん」
いきなりすっとんきょうな声をあげたハルヒは、つかさの頭のてっぺんからつま先までじろじろとながめ回し始めた。おびえるつかさ。ごめん、我慢して。こいつには珍しいものを見ると制御がきかなくなる習性があるの。
「双子ってわりには、あんまり似てないのね。実は、未来から来たかがみの子孫だったりしない?」
するかっての。つかさは、ハルヒに目を合わせようか合わすまいかと迷ってキョドキョドしている。うん、こいつの脳内ストーリーにつき合わされそうになった人って、たいがいこういう反応するのよね。
「そんな面白い事件が起きたなら、まっさきにあんたに報告してあげるから」
「…絶対よ」
さっきまで輝いていた目をとたんに曇らせて、ハルヒはパンケーキをひょいと口に放り込んだ。一枚丸ごとかよ、いくら小さめとはいえ。
誰かが「柊さーん」と呼んだ。思わずそっちを向く。違うか。この学校で、柊なんて名前の生徒は一人しかいないはず。
「あ、うん。お姉ちゃん、お友達も、ゆっくりしてってね」
と言い残して、つかさは教室後方の仕切りの向こうに去っていった。けっこう忙しいみたい。
「ったく、かわりばえしないわねー、文化祭なんて。こんなの楽しいと思ってんのは、やってる本人たちだけじゃないの」
思ったことをずけずけ言えるこいつの性格、うらやましいときとイラつくときがある。今は後者よ。
「そういうもんじゃない、学校行事って。あんたなにしに来たのよ」
問いかけてみたけど、どうもわたしの話なんて聞いちゃいない様子だった。ひとりなにか考え込んでいる。
「タイミング的にはとっくに卒業生よね…でも学祭ぐらいは顔を出してる、かも」
「ちょっと」
再度呼びかけたら、目を合わせてくれた。
「聞いてるわよ。あたしはね、ジョンを探しに来たの、ここに」
は? ジョン?
「あんたには関係ない話」
言いながらがたりと席を立ち、ハルヒは勢いよく人差し指を立てた。
「ついてこないでよ」
それだけ言うと、すたすたと教室を出て行った。食べるの早いわね、あいかわらず。
ホントに、どこまでもマイペースなんだから。たまには普通の友達らしく、いっしょにあちこち見て回ろうと思ってたのにな。
ひとり寂しく――うう、マジで寂しいわよ、あのバカ――、わたしは紅茶の残りを飲み干して席を立った。眼鏡っ子のメイドさんが音もなく歩み寄ってきた。
「お会計を…おねえさま」
「あんたもかい」
そうツッコむと、彼女は恥ずかしそうに目をそらした。むむ、可愛いぞ、これは客寄せになる。
ところでハルヒの分は。あいつお金なんか払ってないわよね。まさか、わたしが出すの?
243名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:26:18 ID:FWl75h440
特にすることもなく、仕方なくひとり校内散策。
この学校はなんだか不思議な感じがする。来たのは入試以来のはずなのに、そんな気がしない。
懐かしい、という感覚ともちょっと違っている。どこにどんな教室があるのか、なんとなく体が覚えている感じ、というか。
一年生エリアはひととおり見て回ったので、二年生エリアに突入。ひとつだけ、なんだかすごい行列ができているクラスがあった。いったいどんな出し物を? 今後の参考のために中を覗いてみる。
ここも、なにやらメイドっぽい喫茶店だった。ひとり、ものすごくかわいい子がいて、滑車を回すハムスターのようにくるくる走り回って働いてる。
もしや、並んでる人たちはみんなあの子目当て? ここもだいぶんカオスな学校ねえ。
なんて考えながら歩いていると。
「やあキミ、どこの子かな」
見知らぬ男子に、突然声をかけられた。誰。
「よかったら、俺たちとお茶でも飲まないか?」
髪をオールバックに撫で付けたその男子は、にっと笑いかけてきた。あんた歯に青ノリついてるわよ、お昼にヤキソバでも食べたでしょ。
これは、あれよね、いわゆるナンパってやつ。ハルヒといっしょに街を歩いているときに、何度かこういう手合いに声をかけられたことはあるけど、わたし単品でってのは初めてかも。
制服から見て、こいつは北高生らしい。自分の学校でよくやるわね。その背後には、こいつの連れらしき男子がふたりいた。一人は苦笑い、もう一人は壁に寄りかかって憮然としている。
はあ。友達の前で度胸試しってわけ? こんなの相手にしてらんない。
「悪いけど、よそを当たってちょうだい」
彼の目の前で手を振ってみた。ナンパ男は一瞬ムッとした顔になったあと、すぐにぎこちない作り笑いに戻り…わたしの手を握ってきた。
「別に変なことしようってんじゃないんだ、ただキミと仲良くなりたくてね」
変なことなら今まさにしてるでしょうが。いいからこの手を離しなさい。
ほっぺたをひっぱたいてやろうと思って、ややためらった。こんなのでもいちおう他校の生徒。もめごとを起こしたらまずいかな。いや、これは正当防衛よ。思いっきりビンタの刑を執行するしか。
「やめろ馬鹿。嫌がってんじゃねえか」
彼の連れらしき男子が駆け寄ってきて、ナンパ男の襟元をつかんで引っ張った。あ、助かったかな。
あんまり事態をおおごとにしたくないし、こいつがナンパを諦めてくれれば、それで問題なし…
「あーっ!」
バカでっかい叫び声が廊下に響き渡った。
244名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:27:05 ID:FWl75h440
ややこしい事態ってのは、すぐに対処しないとさらにややこしくなるのね。うん、学習した。お願いだからこれ以上注目を集めるのはよしてちょうだい、ハルヒ。
わたしの手を握る力が、ぐっと強くなった。ナンパ男は大声のしたほうを見つめて、口をあんぐりとあけている。
「うげ。す、すず…」
彼の目は見開かれ、口角がぴくぴくと引きつっている。握られた手にじっとりと汗ばむ感触が伝わってきた。うう、気持ち悪い。
だだだっと猛烈な速度でハルヒが駆け寄って来る。そのままの勢いで、つながれた手にチョップを叩き込む。やっとわたしの左手は開放された。
ありがと、ハルヒ。だけどもうちょっと手加減してくれてもよかったんじゃない。いまの、わたしもかなり痛かったんだけど。
「谷口! あんたなに、こいつを口説いてたの。本当に進化してないんだから。この類人猿!」
ハルヒがナンパ男に怒鳴りつけた。彼はいまや顔面蒼白、口をぱくぱくさせている。
「う、え、涼宮ぁ? なんで、おまえ、ここに」
「あたしが来てちゃ悪いっての」
しばらくふたりはにらみ合い続ける。ええと、見た感じ、知り合いみたいだけど。中学のときの同級生とかかな。
ハルヒは彼をにらんだまま、わたしの手を取った。両手でぎゅっと包み込むように握る。
「あんたなんかが、あたしの友達に、勝手に触らないでもらえる」
このひとことで、ナンパ男、谷口とやらはふと我に返ったらしい。不思議そうな顔になってわたしたちの手元に目をやった。
「あ? おまえにオトモダチだって。その子が」
彼はわたしの顔を見つめた。その瞳が、さっきまでのいやらしい視線じゃなくて、なんだか憐れみの色を帯びている。
「はあ。そりゃあ気の毒に」
あれ。もしかしてわたし、本気で同情されてる?
ハルヒの両手にぎゅうっと力がこもった。腕がぶるぶると震えてる。ちょっと、痛い、マジで痛いから。
「そんなにおかしい? あたしに…とも…」
ハルヒは半歩だけ前に出た。谷口とやらが、同じ距離だけ後ろに下がる。まずい、ここでこいつに爆発されたら、もうわたしじゃ止められないぞ。
「ぐへっ」
ナンパ男がいきなり情けない悲鳴をあげた。ここからじゃよく見えないけど、どうやら、彼の肩をつかんでいた男子が背中に膝蹴りを食らわせたらしい。
「なにすんだ、キョン…っ」
背後にいた男子は、ナンパ男の頭部をヘッドロックでしめあげて、さらにゲンコツで頭をぐりぐりした。
「悪いな、こいつ馬鹿なんで。できれば気にしないでくれ」
今までの様子をずっとながめていたもうひとりの男子がやってきて、締め上げられたナンパ男のわき腹に、笑顔で肘打ちを入れる。
「ごめんね、すぐに止められなくて」
「ホントにわりい。ほら、行くぞ、おまえの好きなメイドカフェ」
そのままふたりがかりで両腕を押さえ、引きずるように連行してこの場を立ち去ろうとした。
「待って」
ハルヒが男子達を呼んだ。三人ともぎくっとした表情でこちらを振り向く。
「あんた、どっかで…」
このときハルヒが、誰になんと言おうとしていたのか。それがわかるのはしばらくあとのことになる。
「なんでもない」
彼女もわたしに背を向けて、男子達とは逆方向に歩き出した。
「あ、んもう、待ちなさい」
ハルヒに駆け寄って、その肩に手を置く。長い髪に隠されて表情はよく見えない。
「さっきはよくも食い逃げしてくれたわね。今度はあんたがおごる番よ」
245名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 06:37:11 ID:JNFE8XUwO
投下発見支援
246名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 07:23:18 ID:FWl75h440
冬・一日目

はあっと息を吐きかけると、窓ガラスは白く曇った。すぐに蒸発して元に戻る。もう一回、はあ。うーん、これじゃ落書きする暇もないわね。
「なにやってんの、子供みたいよ」
ひとつ後ろの席から声をかけられた。う、今のを見られてたか。
「え、いや、ちょっとね。いいじゃない」
「そうね、どうでもいい。あーあ、つまんない。退屈って、あたしが一番嫌いな感情なのよね」
うん、知ってる。
あいかわらず、ハルヒと言葉のキャッチボールをしても大暴投の剛速球しか帰ってこないんだけど、いまさら怒る気もしないのはなんでかしらね。
もう慣れたから、あるいは、すべて諦めてるから。それもあるけど、一番の理由は、ハルヒが本気でわたしを馬鹿にしてるわけじゃないとわかってるから、かな。
「そんなにつまんない? 世間様はクリスマス前で盛り上がってるころよ」
ここであえて、こいつの嫌いそうな俗世間の浮かれ騒ぎの話題をふってみる。はん、と鼻で笑うハルヒ。
「なに、あんたも『イブは彼氏と過ごしたーい』なんて思ってるクチ?」
ちょっとすねた感じで聞いてきた。
「まあ、相手がいるに越したことはないけど、そういう話もまるでないわね。今年はいつも通り家族とかな。うちの妹のケーキ、おいしいのよ」
まだわたしが話してる途中で、ハルヒは頬杖ついてぼーっと教室内をながめ出し始めた。
普通なら「聞けよ」と言って怒るところね。だけど、こう見えてハルヒはかなりの地獄耳なんで、聞いてないように見えても話はちゃんと耳に入っているらしい。
「ん、あんたの家、神社だっけ。クリスマスはあるんだ」
お父さんの仕事が神主だって話すと、たまにそういうこと聞かれる。ハルヒからこんな普通の質問が来るとはかえって驚きかも。
「あー、普通にツリーとか飾ってたけど。どうなんだろ、広い意味でお祭りだからいいのかなあ」
「古くから伝わる怪しい儀式とかないの。こう、イケニエをささげて、宇宙的ホラーな何かを召還したりとか」
ない。こいつ神道と密教がごっちゃになってない?
ハルヒはすぐこの話題に興味を失って、また不機嫌退屈モードに戻った。まったく、あんたの望む異変なんて、そうほいほい起きるものじゃないのよ。
昨日までと同じ世界、これからも変わらぬ毎日。そのなかにわたしたちは生きているんだと、このときは疑う余地もなかった。
本当はどっちもおおまちがいだったんだけど。
247名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 07:23:51 ID:FWl75h440
放課後。なんとなくすぐ帰る気になれなくて、教室でこの前買って来た小説を読んでいたら、携帯にメールが入った。
つかさからだ。無題で、本文は『今どこ?一緒に帰れる?』
とりあえず返信。『いいよ。分かれ道の所で待ってる』
どうしたんだろ。入学したてのころは毎日のようにつかさと帰ってたけど、最近ではほとんどない。たまに帰り道であいつを見かけるときは、いつも楽しそうに友達と歩いてたのに。さてはケンカでもしたな。
学校を出て、毎朝つかさと分かれるポイントに到着。あいつが学校からメールしてきたんだとすれば、ここにつくまでにまだしばらくかかるはず。とりあえずさっきの小説の続きを読むことにした。
フェンスに寄りかかって黙読。最近は特に日が落ちるのが早いから、かなり字が見づらい。つい本を顔に近づけてしまう。こういうの目に悪そうね。やっぱ帰ってからにしようかな。
「ほほーう。お姉さん、ラノベ読むんだ」
どこかで聞いた口調で呼びかけられた。あわてて文庫を閉じる。女の子がかがみこんで下から表紙を覗き込もうとしていた。
「あ、あんた。こなちゃん、だっけ」
「お、覚えててくれたんだ。おねいさん、オラ感激しちゃう」
某アニメの、永遠の幼稚園児そっくりの声まねで体をくねくねさせる彼女。うまいけどやめい。
「つかさ、すぐ来るよ。詳しいことはあとで本人に聞いたげて」
あ、うん。聞いたげて、ってことは、やっぱりなにかあったか。
それだけ言って、彼女もわたしのとなりに寄りかかった。しばらく無言。微妙に気まずいわね。けっこうフレンドリーに接してきてくれる子だし、なんか話しかけたほうがいいか。共通の話題もそれなりにありそうだし。
「あんたもよく読むの? こういうの」
本をカバンにしまう前に、表紙をちらっと見せて聞いてみる。
「うんにゃ、あたしはマンガ専門かな。字ばっかりの本って苦手だし」
「ふーん…って、ちょっと、文芸部員」
「アハっ☆」
笑ってごまかすな。『マンガ専門の文芸部員』ってどうなのよ。うちの『読んだら寝ちゃう文芸部員』とタメ張れる存在ね。
「あ、でも、あたしの部屋に一冊だけラノベあるよ」
「へえ。なんてタイトル?」
話のとっかかりとしてはそこか。わたしの知ってるやつだといいけど。
「んー、のいぢ絵だった」
は? そんな作品あったっけ。
「だから、絵師が」
「絵師、って…さては本文読んでないわね」
「あたしにとっちゃラノベは、ちょっと添え書きが多い画集だね」
ダメだこいつ。ここからどう話を持ってけばいいの。
「たしか、借り物だったと思うけど。誰に借りたんだっけかなあ…」
返せ。すぐ持ち主に返してやれ。
「あ、来た来た。おーい」
こなちゃんは、フェンスから離れて坂道の上に手を振った。そっちのほうから、つかさと、その友達ふたりが降りてきた。
「お姉さん、無事だったよ。いやー、そのへんの茂みに押し倒されてなくてよかった」
なにを言い出すかと思えば。いや、そんな事件も珍しくはないんだろうけど。この子の発想にはついていきがたいなあ。
248名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 07:24:38 ID:FWl75h440
駅で電車待ち中、つかさはやや口数が少なかった。落ち込んでるというよりは、何かを心配してる感じ。
「お姉ちゃん、キョン君って人、知ってる?」
「さあ。知らない、と思うけど。誰それ」
「あ、ええとね、りょうちゃんのクラスの、そういうあだ名の男子なんだけど。あれ、本名なんていうんだっけ」
おいおい、そんな人をわたしが知ってるわけないでしょ。
「今朝ね、そのキョン君が、りょうちゃんとケンカしてたんだって。けっこうひどいこと言ってたみたいだよ。『なんでおまえがここにいるんだ』とか」
それは、いわゆる痴話ゲンカのたぐいってやつ? つかさがりょうちゃんって呼んでる子はかなりの美人だし、そういう話の一つや二つ、あってもおかしくないかも。
「それで?」と聞いてみる。ただ友達が男子とケンカしてたってだけじゃ、つかさがこんな顔する理由にはならないはず。
ちょっと話しにくそうにしていたつかさだが、問いただすとぽつぽつ言い始めた。
「放課後なんだけど、文芸部室でね、キョン君がゆきちゃんのことを、こう…」
つかさはカバンを床に置き、わたしの両肩に手を当てて押すふりをした。
「壁にね、押し付けてたの」
恥ずかしそうにしてぱっと手を離す。
「ええと、それって、そういう関係だから? それともムリヤリ?」
「んー、関係のほう、かな。あ、でもゆきちゃんかなり困ってたし、どうなのかな」
見知らぬ男子が、いきなり暴行におよんできたってわけでもないのね。つかさのとこは仲良しクラブだと思ってたけど、男がからむとそういうドロドロした話になっちゃうのかな…なんて、わたしはそんなのんきなことを考えていた。つかさの次のひとことを聞くまでは。
「それでね、キョン君ったら、わたしにすごく変なこと聞いてきたんだよ。かがみはここの生徒か、って」
え、わたし?
「それで、え、なに、違うよって思ってたら、今度は、かがみはおまえの姉だよな、って聞かれて」
つかさは小刻みに肩を震わせていた。こいつの心配事の正体がわかった。つかさはいま、なにかにおびえている。たぶんそのキョンとかいう男子に。
「それで、キョン君すごく怒ってて。違うかな、なんかすごくあせってるみたいで。ゆきちゃんも泣きそうだったし、ちょっと怖くて。だからお姉ちゃんのこと黙ってたら、りょうちゃんが、もう帰ろうっていうから、みんなで帰ってきたの」
なんなのよそいつ。このあいだのナンパ男といい、北校男子はケダモノか。
「でね、お姉ちゃんに聞きたかったんだけど。ハルヒっていう人、誰だかわかる?」
つかさの口からまたもや意外な人名が出た。ハルヒまでからんでるの、この件。
「ええとね、そのキョン君が、す…なんだっけ、なんとかハルヒって人を探してるみたいでね。あと、もうひとり、古泉みゆきさんって人と。ん、そっちは別人なのかな、古泉って人と、みゆきさんって人を」
立て続けに、つかさが知っているはずのない人物の名前があがっていく。背筋をぞくっと嫌な感じが走った。思わず爪をかむ。
「それ…みんな陵桜の、わたしの友達よ」
「え、そうなの」
なんで。どこで知ったの。ハルヒとその周りにいる人間を、ピンポイントで狙ったような人選じゃない。
「今度そいつに何か聞かれても、答えちゃダメだからね。変なことされそうになったら、すぐに先生を呼びなさい。いなかったらそのへんの人でも、警察でもいいから」
得体の知れない男が、密かにわたしやハルヒのことを嗅ぎまわっている。そう思うとなんだか寒気がしてきて、わたしはつかさの手をとり、ぎゅっと握った。
249名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 08:09:25 ID:fgBMyowpO
支援
250名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 09:16:08 ID:FWl75h440
冬・二日目

お昼休み。
「ああもう、つまんない。つまんないつまんない…」
いつものように自席でお弁当を食べていたら、背後から地獄の亡者の呪いのごときつぶやきが聞こえてきた。ちょっとハルヒ、いまあんた完全に危ない人と化してるわよ。わたし以外に聞こえるところではやめてね。
朝からかなり虫のいどころが悪そうだったけど、今日はイライラがマックスに達しているらしい。かまってあげるべきか、放置しておくべきか。
そうね、昨日のこともあるし。
「ねえ、今日はいっしょに帰らない?」
唐突なネタ振りではあるけど、友達どうしとしてはごくごくまっとうな提案。このぐらいなら、なんとか会話が成立するラインよね。
「うるさい」
ううっ。機嫌悪いのわかってて話しかけたこっちもあれだけど、ほかに言いようってもんがないの。キャッチボールのつもりが、バットで打ち返された気分よ。
はあーっ、とハルヒは深くため息をついた。
「今日は話しかけないで。絶対ひどいこと言っちゃうから」
おや。いまこいつ、わたしに気をつかった? 自分がいつも以上に機嫌悪いことを自覚していて、わたしとのいさかいを回避するために、先手を打って警告したってことよね。
以前のハルヒなら無警告で発砲していたと思うけど、ちょっとは成長したんだね。無差別テロが予告テロになった程度には。依然として、言葉のテロリストであることに変わりはないけど。
あとでもう一度、いっしょに帰れるか聞いてみよう。いや、断りを入れる必要はないわね。たとえ無視されても、ここしばらくはこいつについていかないと。不審人物に狙われてるとわかってるのに、ひとりになんかさせておけないじゃない。
お昼を食べ終わったあと、わたしはとなりのクラスに向かった。そこで古泉君と高良さんに昨日のことを話したけど、キョンなんてあだなの男子は知らないし、思い当たる人もいないという答えだった。
高良さんには古泉君がついててくれるという話になったので、こっちは問題ないかな。

放課後。なんとなく帰る気になれなかったらしいハルヒは、しばらく自席に突っ伏して憂鬱な顔をしていた。
とりあえずわたしもそばにいて、なにを話すでもなく小説の続きを読む。
たぶんハルヒは、わたしがしびれを切らして帰るのを待っていたんだと思うけど、やがてすっくと立ち上がって教室をあとにした。
「ねえ」
早足で歩くハルヒ。わたしもそれについていく。
「話しかけるな、とは言われたけど、やっぱり気になるじゃない」
無反応。一定歩調。ちょっと進んで斜め前に回りこんでみた。むすっとした顔でアスファルトの地面に目を落としている。
「あんたになに言われたって、今日は忘れたことにしてあげるから。なんでそんなにイライラしてんのか、教えてくれてもいいでしょ」
やや歩調がゆるくなった。よし、効いてる。
「あんたはなんで、いつもそんなに…」
「ん?」
表情をのぞきこむと、ぷいっと顔をそむけた。
「理由なんてないの。あったら言ってる」
はあ、そりゃ手ごわいなあ。人生すべてに嫌気がさしてるって顔してるし。
「前に言ってた、何かが足りない、って感覚。まだ続いてる?」
「そうね。こんなつまんない世界じゃなくて、もうちょっとマシな世界に生きていたはずなのよ。本当のあたしは」
うわあ。本当の自分、とか言い出したぞ。それって現実じゃダメダメな人の常套句じゃない。こりゃあ処置なしか。
あんたは、ちょっと生き方を変えれば人の何倍も輝けるはずなのにさ。ったく、もったいない。たとえ『アイドルデビューする』とか言い出したって、わたしは応援するよ。というかハルヒなら本当に人気が出そうだ。
なんてことを考えながら、いつもの分かれ道にさしかかったとき。
「おい」
北校の制服を着た男子が、わたしたちの行く手をふさいでいた。
251名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 09:16:53 ID:FWl75h440
「なによ、なんの用?」
男は、まっすぐわたしたちを見つめている。
「ていうか誰よあんた、あたしは知らない男から、おい、なんて呼ばれるすじあい――」
ハルヒは矢つぎばやに、拒絶の意を表明する言葉を並べ立てた。普通の男子なら速攻で退散する勢いね。だけどこいつはハルヒに罵倒されながら…嬉しそうにしているように見えた。うわ、キモ。
ちょっと涙ぐんだ目で、男はわたしに視線をうつした。
「おまえとも、はじめましてになるのか」
なによ、わたしを前から知ってるような口ぶりで…あ、いや、こいつ見たことある。北校の、男子。そうか、文化祭のときにわたしをナンパしてきたやつの連れ。
「初対面でもないけどね。おまえ、なんて気安く呼ばないで」
あっ、とハルヒも声をあげた。
「バカ谷口の、アホ仲間!」
このひとことに、男は目を輝かせた。あちゃあ、餌をやっちゃったかな。
「知ってるのか、会ってたのか、こっちの俺に」
ハルヒはじっと男を見つめ、一歩前に出た。顔はよく見えないけど、その目にそうとうな怒りのオーラがこもっているのは間違いない。普通はびびるよね。でも彼は、負けじと自分も一歩前へ進んだ。
「ハルヒ」
ぴくっとハルヒが頬を動かす。
「誰に断ってあたしを呼び捨てにするわけ、なんなのよあんた」
そのまま口論、というかハルヒの一方的な言語的暴行がはじまる。あらん限りの語彙をつくして罵倒するハルヒと、何かを決意したような瞳ですべて聞き流す男。うーむ、ハルヒの精神攻撃にここまで耐えたやつは初めてね。ただものじゃないのは認めてあげる。
だんだんとギャラリーが集まってきた。見せ物じゃないっての。ああもう、どうしたらいいものやら。
「行きましょ」
さすがにしゃべり疲れたのか、ハルヒは男の脇にそれて通り過ぎようとした。
待ってくれ、と言って男がハルヒの肩をつかむ。
「放しなさいよ、しつこいわよ」
言いながらハルヒはすっとしゃがみこみ、流れるような動作で正確に男のくるぶしにケリを見舞った。今のは効いたぞ。
だけど、男はなおもハルヒに取りすがった。その根性はどこから沸いてくるの。こんな出会いでなければ、ハルヒのお守り役はあんたにゆずってあげてもよかったかも。
「ひとつだけ教えてくれ。三年前の七夕を覚えているよな。あの日おまえは、中学校の校庭に忍び込んで――」
男は涙ながらに、ていうかホントに半分泣きながら、自分とハルヒの愛の思い出を語りだした。
ああ、やっぱりどうしようもなくかわいそうな人だったのね。はい、110番、110番。ちょっと震える手で携帯を取り出す。緊急通報なんてするのは初めてよ、けっこう緊張する。
わたしが、110番の『11』まで押したとき。
「あんた、名前は」
ハルヒは男の襟首をおもいっきり締め上げていた。ちょっと、リンチはまずいでしょ、日本は法治国家なんだから。
「ジョン・スミス」
なめてんの。ここで本名を名乗りたくないのはわかるけど。
「ジョン・スミス? あんたが、あのジョンだって言うの?」
252名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 09:17:42 ID:FWl75h440
驚いたことに、ジョンなる男が語ったハルヒとの三年前の思い出とやらは、ほぼ真実だったらしい。
中一のとき、深夜の校庭に宇宙文字を書こうと思い立った(おい)ハルヒは、そこでかわいらしい女の子を背負った(おいおい)ジョンに出会い、意気投合して宇宙人へのメッセージを完成させたそうな。
ねえ、この話どこからツッコんだらいいの? このふたりを引き合わせたら、混ぜちゃいけない洗剤を混ぜたときの化学反応が起きちゃいそうよ。
ハルヒといっしょに連れ込まれた、正確には、ハルヒがほいほいついていくのでわたしもつきあった喫茶店で、ジョンは静かに語りだした。
「俺の知ってるおまえは北校にいて、入学式のあとにこんなことを言ったんだ…」
彼の、バカバカしいこと極まりない話を要約すると、こうなる。
・この世界は本当の世界ではなく、誰かに改変された世界だ
・本当の世界では、わたしやハルヒは北校に入学していた
・ハルヒには不思議な存在を呼び寄せる力があるらしい
・わたしは別の地球からその世界に召還されてきた異世界人だ
・そのほかにも、宇宙人や未来人や超能力者がハルヒの力に興味を持っている
・そいつらはハルヒを団長とするクラブに所属して、日夜世界の不思議を追い求めている

はあー。
もはやどこを突いてもツッコミ所、いちいち指摘する気にもなれない。
何よりも気持ち悪いのが、こいつが自分の話を100%真実だと信じきっていること。わたしたちをだますための作り話なら、どこかでうそっぽい態度を見せるはずだと目を光らせていたけど、そんなそぶりはまるでない。
そして、何よりも残念なのが…ハルヒがとても楽しそうにしていること。ジョンが『本当の世界』のことを話すたびに、目を輝かせ、話題に食らいついていく。
わたしが今まで、ハルヒとのあいだに築いてきたと思ってた友情、ハルヒにとっては想像の翼の余計な重しでしかなかったのかな。
「これを見てほしい」
そう言ってジョンがカバンから何か取り出す。見たくもない。けど、ハルヒを説得する何かの材料になるなら。
『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。小説と漫画。最終期限・二日後』
紙製のしおりに、とてもていねいな字でそう書いてあった。
「これは長門が…そいつは宇宙人なんだが、最後にこの世界に残して行ってくれたヒントなんだよ」
「宇宙人! なに、キャトルミューティレーションとかする連中?」
「いや、どうだろ。殺されかけたことはあったけどな、朝倉と名のる、別の宇宙人に」
このジョンとかいう男、明らかにハルヒを狙ってる。ハルヒの妄想癖につけこんで、こいつが喜びそうなSF的設定をこしらえて、しかも自分自身すらそれを信じ込んで。そのための準備を三年も前から仕込んでいた。普通じゃない。
253名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 09:18:40 ID:FWl75h440
「鍵ってのはなに、この、小説とマンガ? そろえるとどうなるの」
「わからん。が、たぶん世界を元に戻せるんだろう。そう考えないとやってられん」
やってられんのはこっちのほうよ。こいつ、つかさの言ってた危険人物と同じやつよね、間違いなく。さあ、どうやってとっちめてやろうか。
「ただそろえるだけでいいの? どこか、特別な場所に持ってかなきゃいけないとか」
「それだ。思い当たる場所はひとつしかない。北校の文芸部室」
北校の、文芸部。つかさのみつけた居場所。
わたしについて歩くことしかできなかったあの子が、自分だけの人間関係を、産まれて初めて作り出した場所。
ジョンとやらが、自分の妄想に引きこもりたければ好きすればいい。どの道こいつは手遅れっぽい。
ハルヒがそれにどうしてもつきあうというなら。満たされない現実よりも、満ち足りた夢の中のほうが居心地いいと結論するなら。悲しいけど止めはできない。
だけど、それにつかさを巻き込むなんて。あの子と、大切な友達との居場所を、こいつの勝手な思い込みでひっかき回すなんて、わたしが許さない。
「あんた、ジョンだっけ? 北校では、別のあだ名で呼ばれていたんじゃないの」
反撃開始。
「あ、ああ、そうだ。仲間うちでは、キョンって呼ばれてる。なにか思い出したのか、かがみ」
胃がムカムカしてきた。なにがどうあれ、こいつは自分の都合がいいようにしか解釈できないらしい。
「ありもしない記憶を、どうやったら思い出せるの。あんたのことはつかさから聞いた」
そうか、と言って、ジョンは視線をわずかに逸らした。見逃さないわよ、その挙動。
「へえ、自分が女の子に乱暴したって自覚はあるんだ」
ハルヒが眉をひそめる。ジョンの視線が宙をさまよいだす。
「あれは、ああ。この世界にいきなり放り込まれて、気が動転していて…あいつらには前の記憶なんてないのに、悪かったと思ってる」
しどろもどろの釈明を聞いているうち、キーンと耳鳴りがしてきた。あ、いわゆるプッツンするって、これのことをいうのかな。脳血管が二、三本切れたのかもしれない。怒りで。
「女の子に、『どうしてここにいる』なんて怒鳴りつけることが? 無理やり肩をつかんで壁に押し付けることが? あんたの中では『悪かった』のひとことですむ問題だっての」
ジョンは絶句した。彼を見つめるハルヒの瞳には、もはや疑いの色が浮かんでいる。
わたしは千円札を一枚取り出し、テーブルにたたきつけた。グラスが揺れて、水がこぼれる。
二人分、五百円ずつで足りるかな。いいや、多少こいつにおごらせたって問題ない。
「出るわよ」
ハルヒの腕をつかんで、やや強引に引っ張る。まだ迷ってるみたいだったけど、とりあえず席は立った。
「待ってくれ」
追いすがるジョン。みっともない。あんたの脳内論理に従って、まだわたしたちを説得できる材料があるっての? 言ってみなさいよ。
わたしは視線に精一杯の怒気を込めて彼をにらみつけた。引きつった表情で動きが止まる。
もうジョンは何も言ってこなかった。ハルヒもわたしに抵抗しない。その手を引いて、わたしたちは席をあとにした。
店内のお客さん全員がこっちを見てる。入り口付近にいた中学生ぐらいの女の子が、驚いた顔でわたしを指差した。うう、視線が痛い。
怒りが引いたら急に脱力感が沸いてくる。やっちゃったなあ、とうぶんこの喫茶店は出入り自粛ね。でも、自分の行動に後悔はしてないから。
254名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 09:19:22 ID:FWl75h440
帰宅。あの男のくっだらない妄想につきあわされたせいで、今日はじゃっかん門限オーバー。お父さんのお小言を神妙に聞いて、帰りが遅れそうなときはもっと早く連絡することを約束させられた。あんな珍事、もう二度と起きないと期待したいわね。
夕食後、姉さんたちがお風呂に入っているあいだ、つかさの部屋に行ってみた。
「うーっす、入るわよ」
ちょっと元気のない返事が返ってくる。そういえば、ごはん中もつかさはほとんど話しかけてこなかった。なにかわたしに言いづらいことがあるんでしょ。それがなんなのかもだいたい予想がつく。
つかさはベッドに腰掛けて枕を抱えていた。わかりやすいな。その横にわたしも座る。
「今日、例の分かれ道で、キョン君とやらに会ったわよ」
つかさがぎゅっと枕を抱きしめる。
「う、やっぱり…えと、どうだった?」
「最っ低なヤツ」
うう、とうめいて、つかさは顔の下半分を枕にうずめた。背中をぽんぽんと叩いてあげる。
「べつに怒ってるわけじゃないから。あの男がさ、まるでわけわかんないこと言い出して、それで怖くてわたしのこと教えちゃったんでしょきっと。あれは刺激しないほうが正解よ」
つかさの背中がぴくっと震える感触があった。ゆっくりと顔を上げて、横目でわたしを見る。
「違うよ。たしかに、キョン君の言ってること、全然わけわかんなかったけど。でも…悪い人じゃないと思うの」
はあ? と問い詰めると、つかさはまた枕に顔をうずめた。ありゃりゃ、びっくりさせちゃったか。
「なんなのよ、あいつ」
今度は優しく問いかけてみる。
「うん…昨日は言わなかったんだけど。わたしも、ゆきちゃんも、キョン君に助けてもらったことがあるの。ちょっとしたことなんだけど。本人も覚えてなかったみたいだし」
なんとまあ。それも三年越しの仕込みのうち? 本当に気の長いやつ。
「わたしも信じてるわけじゃないよ。世界が変わってどうこうとか、ありえないよ。でも、キョン君すごく、すごく困ってるみたいだったから。それで、ハルヒって人は、陵桜のお姉ちゃんのお友達だって言っちゃったの。約束、破ってごめん」
はあ。困ってる人は放っておけないのがこいつの性分だしね。そこにつけこまれちゃったのか。
わかった、と言って立ち上がる。つかさが半べそかいてわたしを見つめた。だから、そんな顔されたらもう責められないじゃない。
「あんたがどう思おうと、あいつが危険人物なのは変わりない。あんまり近寄っちゃダメよ」
つかさはうなずいた。まだ納得はしてなさそうだったけど。自分の部屋に戻ろうとしたら、つかさの部屋のドアがかちゃりと開く音がした。
「あ、あ、お姉ちゃんごめん、いっこ忘れてた」
駆け寄ってきて、わたしに一冊の本を手渡した。カバーがかかったままの文庫本だ。
「これね、こなちゃんが、お姉ちゃんに貸してあげるって言ってたの。自分は読まないからって」
はあ、あの子が? まあいいけど。
255名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 09:19:56 ID:FWl75h440
お風呂から上がって、今日の宿題を片付けて。さあ寝るかと思ってベッドに入ったけど、まだ明かりを消す気にはなれなかった。今日はなんかいろいろあったし。
机の上に、つかさから渡された文庫が置きっぱなしにしてある。これって、こなちゃんが一冊だけ持ってる借り物のラノベってやつよね。それを人にまた貸しするか? ったくあの子は。
手にとってカバーをはずしてみる。そのタイトルを見てわが目を疑った。何度かまばたきする。背表紙も見る。見まちがえなんかじゃない。
なによ、『涼宮ハルヒの憂鬱』って。
表紙はセーラー服の女の子。どう見たって北校の女子制服。マンガチックに書いてはあるけど、これハルヒよね。
ばっと裏返す。裏表紙には作品の概略が書いてあるものだ。
『「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら――』
ハルヒの、いまや伝説となった入学初日のあいさつそのまま。
最初の数ページはカラーイラスト。人気の出そうな絵柄ね。どう見たって、素人が描いてみましたというレベルじゃない。
わたしは引き込まれるように本文を読み始めた。

小説を一冊、最初から最後までほとんど休憩なしで読んだのは久しぶりかも。
『涼宮ハルヒの憂鬱』を読みきったとき、すでに、明日は寝不足確定のシャレにならない時間になっていた。
うん。わりと、いやかなり面白かった。内容的には文句なし…単に、こういうお話だと思って読むのなら。
だけどなんで、夕方にキョンとやらが語った妄想そのままの世界設定なのよ。
主人公があいつ、ヒロインがハルヒ、ラストが異空間でキスってのは、やつの願望そのものよね、きっと。
これの作者はあいつ? だとしたら今すぐプロ作家としてデビューできる。
巻末のあとがき、解説、広告、発刊者の仰々しいお言葉まで含めて、わたしがよく読んでるレーベルを完全再現してる。
わたしの理性が、ありえない、ありえないと繰り返し叫ぶ。
あいつは、プロ並みの腕を持つ作家兼イラストレーターで。かつ、実在の文庫そっくりのダミー本を個人出版できるほどの暇人で金持ちで。つかさの友達のこなちゃんもこの陰謀に一枚かんでいる。それが、ただひとつの合理的結論。
だけどわたしの感性は、まったく別のことを訴えていた。
――わたしは、別の世界でこの本を読んだことがある――
別の世界。ハルヒの存在が、単にライトノベルのキャラクターであった世界。そこからわたしは来た?
喫茶店で見せられたしおりに書いてあった言葉、『鍵をそろえよ。小説と漫画』。これがその鍵のひとつなのかな。
寝よう。もう寝よう。きっとわたしは疲れてるのよ。
たとえハルヒが世界の神だとしても、明日はまた日が昇るし、わたしは学校に行かなくちゃいけないんだから。

……

(やふー)
毎朝の光景。
(おっす、こなた)
わたしたちは通学バスに乗って。
(かがみん、見た? 第二話)
つかさがわたしに寄りかかって居眠りしてて。
(ハルヒだよ、ハルヒ。これは今期の本命確定だね。第一話はちょっと微妙すぎたけど)
こなたが嬉しそうにアニメの話をして。
(あー、アニメのほうも始まったんだっけ)
わたしも嫌々つきあうふりをして。
(そーだよー、かがみんも原作好きで読んでたじゃん)
でも実はけっこう乗り気で。
(まあ、普通に名作だと思うけど。こんど貸したげる)
そんな毎日が永遠に続くと思っていた。
256名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 10:41:19 ID:NPEXJqwoO
さるったか
257名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 10:44:59 ID:36sbGoDR0
支援
258名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 10:55:11 ID:FWl75h440
冬・三日目

びしっと六時には目が覚めた。
実質の睡眠時間は…うわ、絶望的。こりゃ絶対に授業中に反動が来るわね。
顔を洗って、着替えて、お弁当を作る。わたしのぶんと、つかさのぶんと。ついでにお母さんと朝ごはんの手伝いもしてみたりして。
「おふぁよー。ふわ、お姉ちゃん早い」
「ほら、さっさと着替える」
いつもよりちょっとだけ早く家を出る。爽やかな朝の日差し、冬の空気。わたしは自分の両頬を軽く叩いた。
「よし」
認めよう。
理解も、納得もしがたいけど、でも確かに…この世界は、改変されている。
今日一日でわたしが行うべき仕事を考え直してみる。あ。あれが必要ね。
「ごめん、つかさ。忘れ物しちゃったから先に行ってて」
本当はもうひとつ、こいつに断るべきことがあるんだけど、まだ内緒。備えあれば憂いなしだよね。

いつもの教室、いつもの席で、ハルヒは自席に着くなり机に突っ伏して寝始めた。よかった。今日は来ないんじゃないかとちょっと心配だったから。
ハルヒが話しかけてくる様子はない。ホントに寝てるのかな、いやきっとふりだけね。どう対応していいかわからないときは、怒るか無視する。それがこいつだもの。
今日はいつになく授業に集中できた。ほとんど寝てないはずだけど、心配していた眠気も襲ってこない。人間、せっぱつまるとなんか変なスイッチが入るのかも。
これもう意味あるのかな、と思いつつも真面目にノートをとりながら、もうひとつ別のことを考えていた。この世界で、わたしが知っているはずの本筋のストーリー。特に、今日この日に起きるはずのイベントを。
授業の合間も、お昼休みも、ハルヒは無言だった。ひたすら何かを思案している。まあいつものことだから誰も気にしない。ときおりちらっとわたしのほうを見たりしてるんだけど、そこはスルー。
で、放課後。
授業終了と同時に、ハルヒはがたんと席を立つ。そしてわたしをじっと見つめた。何かを決意した瞳で。
「あたし、行くから」
それだけ言って背を向ける。あ、ちょっと。
「ひとこと相談があってもいいんじゃない。いちおう聞くけど、どこに」
ハルヒは降り向かない。やや斜め上を向いている。
「わかってるなら聞かないで。ジョンのところよ」
肩を震わせて、少しうつむいて、そして振り向く。
「あんたは、ただあいつの妄想だって言うんでしょ。たぶん、その通りなんだと思う。それでも」
ここで言葉を区切った。ハルヒの瞳が揺れている。
「確かめなきゃいけないの、あたしが、なにをどこまで信じたらいいのか」
また背をむけて、ゆっくり歩き出す。
ああ、そうか。ハルヒが知りたいのは、ジョンの言葉が本当かどうかじゃない。ジョンを、キョンを信じるという行為が正しいかどうかなんだね。
「うん、じゃあ行こうか」
はっと息を呑む音が聞こえた。あんた、いま動揺したでしょ。
「わたしには、あんたを止められないし、放っとけない。ならついてくしかないじゃない」
かすかなささやき声で、「勝手にすれば」と言ったのが聞こえた。なんかこいつが可愛く見えてきたぞ。
「でもちょっとだけ待ってちょうだい。いっしょに行かなくちゃいけない人たちがいるから」
259名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 10:55:52 ID:FWl75h440
となりのクラスに向かう。まだ帰ってないよね、あの二人。あ、いた。
わたしの姿を見つけた小泉君が駆け寄ってくる。
「柊さん、聞きましたよ。涼宮さんが昨日、北校の男子と乱闘騒ぎを起こしたとか。それが例の男ですか?」
やっぱりもう噂になってるのね、しかも尾ひれまでついて。この学校でのハルヒの注目度を考えたら仕方ないか。
「うん。それも含めて、ちょっとお願いがあるんだけど」
高良さんもこちらに来る。
「詳しい話は、ごめん、あとで。いますぐ来て、ハルヒがしびれを切らす前に」
二人を連れて廊下に出る。案の定、ハルヒは自分だけずんずんと向こうへ進み始めていた。待てと言って待つやつじゃないわよね。
すぐ追いかけてと二人に指示して、わたしは自分の席に戻り、今朝うちから持ち出した荷物を回収した。もう、忙しいったら。
「涼宮さんっ」
「なによ、あんたら」
廊下では口論が始まりかけてる。ハルヒにとってはほとんど面識ない相手だしなあ。
お待たせ! と叫んで三人に追いつく。
「いっしょに行くって、こいつらと? なんで」
「あんたは知らないでしょうけど、この二人もわたしと同じ気持ちなの、あんたを放っとけないって」
ハルヒは眉をひそめる。ちなみに小泉君も同じ顔をしてる。
「申し訳ありません、行く、とはどこに」
「北校」
そっけなくハルヒが答えると二人の顔色が変わった。小泉君がわたしの耳元でささやく。
「彼女を止めてください。学校間のもめごとになったら、もう僕たちでは」
うん。常識的な発想ね。わたしだって、きっとハルヒに同じことを言って止めようとしたと思う。昨日、あの本を読んでいなかったなら。
でもいまは、その常識をぶっ飛ばすような事態が起きてるの。それをいますぐこの二人に理解してもらうには…んー、無理かなあ。
高良さんは唇をかんであごを震わせている。何を言うべきか、あるいは何も言うまいか迷ってる。そんな感じで。
「たっ」
高良さん、と呼びかけようとして、言葉が止まった。違う。前の世界でわたしは、彼女をそんなふうに呼んだりはしてなかった。
「みゆき!」
名前のほうで呼びかけると、みゆきはびくりとして、はいっと答えた。
昨日、ハルヒは極限までイライラしていた。触れる相手すべてにケンカを売らずにはいられない様子で。そんなあいつに声をかけなきゃいけなかったキョンも災難よね。
だけど、そんなハルヒの心をいっぺんにわしづかみにしたキーワード、それが『ジョン・スミス』。
なにかない? わたしたちにとってそれに匹敵する、なんでもないけど、でも印象的な言葉。
「あんたさあ、チョココロネって、どうやって食べる?」
は? という顔をされる。みゆきも、古泉君も。なんとハルヒまで。
「チョココロネ、ですか?」
わたしの瞳を呆然として見つめるみゆき。空中で何かを持ってちぎるようなしぐさをする。
「細いほうをちぎって、余ったチョコを、つけて…あっ」
みゆきはその場にうずくまってしまった。両手をぎゅっと胸元に押し付けて震えている。小泉君があわてて駆け寄る。
すぐに起き上がり、またわたしを見つめる。まぶたいっぱいに涙があふれて、こぼれ落ちた。
「かがみさん、チョココロネは…どちらが頭だと思いますか」
ほとんど泣き声でそう問いかけて、わたしに駆け寄り、抱きついてきた。
うん。入学当初、そんなどうでもいい話してたよね。こなたが言い出して、わたしとつかさと、それからあんたと。
わたしたち四人が共通の話題で盛り上がったのって、思えばあれが初めてじゃない?
「どうしてわたし、いままでずっと、大切な、お友達のこと…」
肩をぽんぽんと叩くと、上気して赤くなった顔をあげた。いまちょっとドキッとしたぞ、女同士なのに。
つかさの笑顔が必殺兵器なら、みゆきの涙は大量破壊兵器として通用するわね。
「あいつらなら、ちゃんと北校にいるわよ」
そう言って聞かせると、みゆきはこくりとうなずいたあと、わたしの肩からぱっと手を離して恥ずかしそうな顔になった。やっと自分の体勢に気がついたか。
小泉君がにっこりと笑って、みゆきに真っ白なハンカチを手渡した。この状況でよくそんな対応が取れるわね。
「もう説明は求めません。それより彼女を」
彼女? あわてて振り向くと、ハルヒの姿が廊下のかなり向こうに見えた。あんにゃろ、他人のドラマには興味なしかい。
「行くわよ」
一声かけて、わたしたちはハルヒを追いかけた。
260名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 10:56:29 ID:FWl75h440
陵桜の専用通学路を抜けて公道に出たとき、つまりは昨日キョンに出会った場所で。
「ハル…古泉? みゆきさん?」
キョンだ。昨日の今日でまた待ち伏せなんて、本気で警察呼ばれちゃうわよ。
「さあ、ジョン。案内しなさい、文芸部室とやらに」
わたしたちの先頭を、肩で風を切って歩いていたハルヒは、彼の姿を見つけるやいなや指令を飛ばす。
「ああ、もちろんそのために、来たんだが…」
キョンはややとまどった視線をわたしたちに送る。
みゆきは軽く首をかしげていた。どうやら、思い出せたのはつかさとこなたのことだけらしい。
小泉君はあごに手をやって、「あなたは…」とかつぶやいた。彼の場合、本気で何か思い出しかけてんのか、それともただのポーズなのかわかんないのよね。
わたしと目が合ったとたん、キョンはあわてて視線をそらした。もしかして怖がられてる? 昨日はいじめすぎたか。
「はい、キリキリ歩く!」
ハルヒはキョンのそでをつかんで、元気よく坂を登り始めた。
「北校に入り込むのはいいけどさ、その格好じゃさすがに目立つぜ」
キョンが服装の心配をし始める。そろそろころあいかな。
「どうせそんな話になると思ったわよ。古泉君、それ、開けてもらえる?」
今は小泉君に持ってもらっている、わたしが家から持ち出したバッグを開けてもらった。中身は北校のジャージ上下、三着。
「つかさのを借りてきたの。サイズ的にきついかもしれないけど。あ、小泉君はどう考えても無理なんで、彼のを借りて。学校に置いてるでしょ」
ハルヒとキョンが、ぽかんとした顔でわたしを見る。
「あんた、初めっからこのつもりで?」
「自分で言うのもなんだが…昨日の俺の話、どこに信じる余地があるんだよ」
正直に答えるなら、話の筋を思い出して展開を先読みしたから、なんだけど。それを言ったらまた別の質問が飛んできそうなんで、ここは手短かに。
「ちょっと状況が変わってね。ついたら話す。それより、あんまり人目につかない場所、ある?」

北校生になりすまして、すんなりと校舎に進入する。朝比奈先輩はハルヒとキョンが拉致ってくるはずなんで、わたしたちは一足お先に文芸部室へ。
室内からは、わいわい雑談する声が聞こえる。今のわたしは完全に部外者なのよね。なんだか入りづらいけど…ここがつかさの部屋だと思えばいいか。軽くドアをノック。
「入るわよー」
「あ、うん、おね…ええっ、お姉ちゃん、なんで」
四人分の驚きの視線が突き刺さる。あせっちゃだめ、平常心で。
「わたしもあいつの人探し、手伝ってあげようかと思ってね。お邪魔してもいいかな、部長さん」
目をまんまるくしてわたしを見つめていた文芸部長さんは、視線を落としてほんのわずかにうなずいた。
いいって、とまだ廊下にいる二人に声をかける。部員たちには顔見知りのわたししか見えてなかったはずなんで、ちょっと詐欺くさい気もするけど、まあ許して。
「紹介するわね。友達の、みゆきと古泉君」
みゆきは、つかさとこなたの顔を見たとたんに口元を押さえて、深く頭を下げた。小泉君は四人に軽く礼をしたあと、部室内をみまわす。
「あ、キョン君が探してた人? え?」
つかさから、わたしを不審がる視線が向けられてくる。昨日と今でやってることが180度逆だし、しかたないか。
「おー。なんていうか、おーってしか言いようないんだけど」
こなちゃん、泉こなたは突然現れた二人を好奇の目で見てる。見知らぬ、しかもそこらにはいないレベルの美男美女にいきなり引き会わされたら、そりゃ驚くわよね。
ゆきちゃん、長門有希はわたしたちを見ておびえていた。そういえば、わたしと初めて会ったときもこんな顔してたなあ。今の彼女にとって、見知らぬ他人はみんな恐怖の対象なのかも。
りょうちゃん、朝倉涼子はさほど驚いた様子ではなかった。わたしに対して、冷たく、静かに…怒りの視線を向けているように見える。
261名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 10:57:16 ID:FWl75h440
背後でドアがノックされ、さらに三人の招かれざる客が文芸部室に入ってきた。
力強く自己紹介し、部員一人ひとりに声をかけて回るハルヒ。パニックにおちいってほとんど泣きそうになる朝比奈先輩。所在なさげに立ってるキョン。
総勢で十名。さすがにこれは狭苦しいわね。
「どういうつもり? 他校生がいきなり四人も押しかけてくるなんて。先生を呼んでもいいかしら」
朝倉が腕組みして、憤りを隠せないといった口調で発言した。
当然の、常識的な、筋の通った主張ね。でも。
今日の授業中、わたしは必死で思い出そうとしていた。前に読んだ、『涼宮ハルヒの消失』のストーリーを。
彼女がキョンに襲いかかったとき、なんと言ってたっけ。たしか、あなたは長門さんを苦しめた、みたいなセリフがあったと思う。
「朝倉さん。あんたは事情を知ってて、隠してる。そうでなくちゃおかしい」
キョンはびくっとして、朝倉から離れる方向にあとずさった。あ、ビビッてる、ビビッてる。
彼女からの反論はない。話を続けることにした。
「世界を元に戻すには、二冊の本が必要なのよね。そのうち一冊はわたしが持ってる」
バッグから『憂鬱』を取りだして机に置く。まっさきにハルヒが寄ってくる。
「なんであんたがそんなもん…え。はあ?」
手にとってぺらぺらめくり始める。しばらくは黙読中か。
「こなた。それは昨日あんたに返してもらったやつよ。あたしが買って、あんたに貸して、それっきりになってた」
別の世界でね。そこは言ってもしょうがないんで黙っておく。
「ほえ、あたしが? 言われてみるとそんな気も…うん、かがみんに借りたやつ…え、でもいつ?」
困惑顔で頭を抱えるこなた。心配そうに寄り添うつかさ。

「なんだか知らんが、助かった。」
キョンが机に自分のカバンを置いて、かちゃりと開ける。
「もうひとつの鍵、マンガのほうは俺が持ってる。どうみても奇っ怪なシロモノだ」
そう言って、やや大判のコミックを机に置いた。女の子三人がゲームをしてる表紙。タイトルは『らき☆すた』。
中を見てみる。ちょっと独特な絵柄の四コママンガ。女子高生らしき登場人物の平凡なやりとり。だけど。
「これ、わたしたち…だよね」
キャラクターはかなりデフォルメされてるけど。わたしなんて髪が紫色だったけど。
そこに書いてあるネタは、どれもこれも見覚えがある。わたしの思い出の中の、みんな同じ学校に通っていた世界での光景。
「どうなってるの。そのへんで買った、ってわけないよね」
キョンにたずねると、眉間にしわを寄せてうなずいた。
「昨日おまえらが帰ったあとに、あきら様、とかいう女の子に会ってな。その子にもらった」
誰それ。すでに混沌としてきた記憶をたどってみても、思い当たりはまるでない。
「正体はわからんが、その子も世界が変だと知っていた。元の世界に戻ったら、またいっしょに仕事したいやつがいるんだとさ」
こなたとつかさは、マンガを読んでおーっと歓声をあげている。ハルヒは小説をぱたんと閉じて小泉君に手渡した。困り果てた表情できょろきょろする長門の手を、無表情の朝倉が握っている。そして。
ピポ。
古めかしいパソコンの電源が勝手に入った。
262名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 10:58:44 ID:FWl75h440
YUKI.N> これをあなたが読んでいる時、わたしはわたしではないだろう。

まっさらな灰色の画面に音もなく文字が現れていく。世界が変わる前の長門有希が残したプログラム。
キョンがまじまじと画面を見つめる。ちょっと、あんたの頭に隠れてよく見えないんだけど。まあいか、これは彼が読むための説明書だし、わたしはそれ、すでに内容を知ってるわけだから。

YUKI.N> このメッセージが表示されたということは、そこには涼宮ハルヒの憂鬱、らき☆すたおよびそれらの主要登場人物が存在しているはずである。

「どういう意味、なんの仕掛けなの、説明してよ」
ハルヒがわたしの胸元をつかんで問い詰める。あの、ちょっと苦しいんだけど。
「帰るのよ。あんたが言うところの、もうちょっとマシな本当の世界に」
めいっぱい目を見開いている。わたしがそんなこと言い出すなんて信じられない?

YUKI.N> これは緊急脱出プログラムである。起動させる場合はエンターキーを、そうでない場合はそれ以外のキーを選択せよ。

「今までごめんね。いつもあんたの言うこと否定してばっかりで」
「馬鹿じゃないの。なんで謝るの。いつだってあんたは…」
さらに何かを言いかけたハルヒは、唇をゆがめてぷいっと横を向いた。わかりやすい照れ隠しだなあ。

YUKI.N> このプログラムが起動するのは一度きりである。実行ののち、消去される。非実行が選択された場合は起動されずに消去される。Ready?
263名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 10:59:20 ID:FWl75h440
ふう。やっとここまでたどりついたか。
もともとキョンは元の世界に帰りたくてわたしたちを集めたわけだし、ちょっとは悩むかもしれないけど、ここでエンター以外を押す理由がない。
わたしとキョン以外は事情が理解できてない、というか、できるはずもないけど、戻りたいって気持ちはたぶん同じだから…
あ。違う。ひとりだけ、明らかに世界を戻したくない人物がいる。
「相反するいくつもの意識、かあ。人はよく、子は親に似るというものね」
朝倉はそう言って、ゆっくりとパソコンのある席に近づいてきた。キョンがぎょっとした目でそちらを見る。一度ちらっと長門のほうを見てから、また朝倉に視線を戻した。なにきょろきょろしてんの、いまはあんたにしかできない仕事があるでしょ。
「どうしてっ」
朝倉は叫び、長門をにらみつけた。眼鏡の長門はびくりと縮こまり、まるで理解できないという表情になる。
「え、なんなの、朝倉さん」
「なんでみんな集まるように仕組んだの。なんでこんなものを用意していたの。あたしは、あなたを守るためによみがえったんじゃなかったの」
突如として激しく長門を問い詰める朝倉。みんなぽかんとしている。
「りょうちゃん?」
「どったの、りょうタン」
特につかさとこなたはショックを受けているみたいだった。朝倉が激怒する姿なんて初めて見たのかも。
「はあ。今のあなたに言ったってしょうがないか。うん、わかってる。でも、それでも…」
気がつくと、朝倉はパソコンまで約1メートルのところに迫っていた。その位置からじゃエンターキーには手が届かない。でもキーボードの反対側、いちばん端のエスケープキーになら。
朝倉が手を伸ばす。
「させない」
わたしはとっさに朝倉の右腕をつかんでいた。彼女の指先は、キーにあと数センチのところまで迫っていた。
狂気じみた怒りの視線がわたしに向けられる。いくら美人でもだいなしね。
「決定権はあんたにあるの。選びなさい、キョン」
まだ自由な朝倉の左手が、モザイクみたいに変形してすぐ元に戻る。そこには一本のナイフが握られていた。ヤバい、早くして。
「俺は、SOS団員その一だ!」
キョンは指を伸ばし、エンターキーを押し込んだ。

強烈な立ちくらみが襲ってきた。視界がゆがむ、耳鳴りがひどい。すべてがまっくらになって、その中をどこまでも落ちていく。上下の区別もつかない。
わたしは星空のトンネルの中を流されていた。いくつものビジョンが頭の中に飛び込んでくる。
若い夫婦、幸せそうに二人の赤ちゃんを抱いている。
転んで泣いてる女の子と、手を差し伸べる女の子。これ、つかさとわたしか。
遠足、家族旅行、修学旅行。あるいは、いつともつかない平凡な日々。泣いてるつかさ、あやすわたし。笑ってるつかさ、いっしょに笑うわたし。
記憶のすみずみまで掘り返して、埋めなおされるみたいな感覚。
そして、今までわたしが通ってきた場所が一本の道だとするなら、ここから先は無数に枝わかれしていた。
クモの巣よりも細かく、まるで巨大な樹のように。そのひとつひとつが、それぞれ別のわたしの人生だということが見て取れた。
記憶の枝がたばになってわたしの脳に突き刺さり、絡まりあって、渦巻いて、詰め込まれて…ちょっとやめて、これ無理、パンクする!
急に世界がノイズで満たされて、ブツンと電源が落ちた。
264名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:26:30 ID:LxXo5c3yO
これ見おわったら寝ようと思ってて寝ちまったが、起きたらまだやってたので結果オーライ支援
265名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:44:33 ID:FWl75h440
冬・∞+四日目

気がつくと、わたしは見知らぬ建物内の廊下にいた。
革張りのソファー、車輪つきのベッド、かすかな消毒薬の匂い。ここ、病院かな。
立ち上がって、すぐそばの病室のネームプレートを見る。キョンの本名が書いてあった。そうか、『消失』のラストシーンね。
とりあえずドアをノックしてみる。しばらくして、「どうぞ」と落ち着いた声で返答された。
病室内には、点滴につながれてベッドに眠るキョンがいた。ちょっと苦しそうな寝顔。
足元に何かがぶつかりそうになった。見ると、ハルヒが寝袋にくるまって横たわっている。
そして目の前の質素なパイプ椅子では、無表情の長門有希が読書中だった。
「ええと…具合、どう?」
とりあえずそう聞く。あのあと、脱出プログラムとやらが作動したあと、キョンは何をしてたんだっけ。
「打撲自体は軽度と聞いている」
そっけなく答える長門。
「打撲? 刺し傷じゃないの。タイムスリップ中に朝倉に刺されて…あ、それで結局は、階段から落ちたことになってるんだっけ」
長門はわずかに目を見開き、高速で何かをつぶやいた。え、なに、ちょっと。
「タスクログチェック…エラー要因解析…中断」
こいつがなに言ってんのかはよくわかんないけど、謎呪文でわたしをどうこうしようって気はないらしい。
聞きたいことはいろいろあるんだけど、聞いたからって簡単に教えてくれるとも思えないし、どうしたものか。
とりあえずは。
「それで、キョンはいつ目を覚ますの」
長門は一度だけ機械的にまばたきした。
「約三十分後。さらに十分後には涼宮ハルヒが覚醒する」
そこまでわかってるんだ。頼んでもいないのにハルヒの分まで教えてくれたし、もっと聞いてもいいのかな。
「結局、いまどういう状況なの。話せるぶんだけでいいから教えて」
無機質な瞳でわたしを見つめる長門。文芸部長のゆきちゃんだった頃のはにかみは、かけらも感じられない。
「緊急脱出プログラムによる世界の修復が完了したのは、約三分前」
三分前って。わたしがついさっき、廊下で目を覚ました時点からこの世界が始まったのね。
しばらくわたしの表情をうかがってから、長門は解説を再開した。
「そのさい発生した予期しないエラーにより、あなたに対する記憶改変は不完全に終わった」
ここで言葉を区切り、じっとわたしを見つめる。「それで」と、うながすと話を続けた。
「プログラム起動時、あなたは記憶多重状態にあった。複数の記憶に対して同時に改変が試みられた結果、負荷増大によってあなたの人格が破壊されるおそれがあったため、記憶改変タスクが強制中断された」
は? いきなりそんな矢つぎばやに説明されても。飲み込むのにちょっと時間がかかる。
「簡単に言うと…わたしの記憶が戻りかけてたせいで、うまくいじれなかったってこと?」
長門はうなずいた。ったくもう。やめてよね、ひとの脳内に変なものインストールするのは。
266名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:45:41 ID:FWl75h440
まだわたしを見つめている長門が、不意に言い出す。
「あなたに質問がある」
質問? いまの長門にもわかんないことなんてあるんだ。
「プログラム中断時のログは不完全にしか残っていない。現在のあなたが、どの平行世界のあなたを主体としているのか、わたしには判別が困難。あなたの自覚している『柊かがみ』とは、どのような経歴の人物であるのか、教えて」
はあ、と間の抜けたため息しか出てこない。
「自分でもわかんないわよ。あんたたちに出会ってなかった世界のわたしと、みんなとSOS団で遊んでたわたしと…それから、あんたが普通の女の子だった世界のわたしと、もうぐちゃぐちゃ。なんとかしてよ」
恨みのこもった視線で長門をにらんでみる。そのぐらいでどうにかなる相手じゃないのはわかってるけど。
「強制的統合は可能だけど、推奨できない。あなたの記憶の順序構成に異常をきたす可能性が高い」
「じゃあいい。これ以上いじんないで」

もう長門のほうから聞きたいことはないみたいだった。手元の分厚い本に視線を落としている。こっちはまだ消化不良なんだけど。
「わたしからもひとつ、いやふたつみっつかな、聞きたいことがあるんだけど」
無言、無反応。せめてイエスかノーかぐらいは教えてよ。しかたない、返答を期待しないで聞いてみるか。
「あの世界はどうなったの。暴走とやらを起こしたあんたが変えた世界。ただの夢だったっていうの」
わたしとハルヒが分かりあえた、つかさが自分で友達を作れた、あの思い出。全部この長門がでっちあげて、むりやり植えつけた物語だったの?
長門はひたすら読書中。答える気はさらさらないってことらしい。もう怒るのもバカバカしくなって、彼女から目をそらしたとき。
「イエス、だけどノー」
無意味きわまりないお返事、どうもありがと。こなた流に言うなら『日本語でおk』ってとこかしらね。
「端的な説明はできない。あなたに理解してもらえるかも不明。それでもよければ聞いて」
おっと。もしかしてこいつ、無視してたんじゃなくて説明を考えてた? ああもう、わかりづらい。
「暴走を開始したわたしは、涼宮ハルヒの意識体を一部拡張して、現実世界に酷似した閉鎖空間を創造した。そこに、いままで彼女とかかわりあったすべての人物の記憶を、時間軸を一年分巻き戻してアップロードした」
うん、それで? 言葉には出さず、軽くうなずいてみせる。
「もしも涼宮ハルヒになんら特殊な能力がなかったなら、という仮定のもと、時間軸を圧縮して世界のシミュレーションを行った。
 擬似空間における内部時間が、現実時間に追いついたタイミングで、シミュレーションデータをもとに現実世界の構成情報を書き換えた。それが約三日前」
わたしはしばらく考え込んだ。長門をじらすためじゃなくて――じれるとも思えないけど――自分の考えを整理するために。
「わたしとつかさが別の学校に通ってた、ここ一年で起きたこと…あれ全部、あんたの作った閉鎖空間の中の話だったのね」
長門はうなずく。そっか、こいつは即答できる質問じゃないと返事ができないんだ。
「客観的にはすべて偽りの記憶。だけどその中にいた者にとっては事実。だから先ほどの回答は、イエスであり、かつノー」
はあ。この子の話は理解するのにエネルギーがいる。もしキョンやこなたが同じことを聞かされたら、『わかんないけどわかったからもういい』とか言い出しそうね。
だけどまだ。飲み込めないことが多すぎる。
267名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:46:17 ID:FWl75h440
「昨日、なのかな。文芸部室にキョンが持ってきたマンガ。らきすた、だっけ? あれはなんなの。あれをキョンに渡した女の子ってのも」
わたしとつかさ、こなた、みゆきとで遊んでた記憶。北校が、SOS団が存在すらしてなかったあの世界。そこでのどうでもいいような日常が、密かに誰かに見られてた?
わたしが今こうやって長門と話している瞬間さえ、実はどこかの誰かに観察されているような気がして、少し寒気がしてきた。
「プログラム起動の鍵として設定した二冊の書籍は、異なる外部観測世界において発行されたもの」
わたしの不安感を見透かしたのか、長門はしばらく言葉を続けなかった。掛け時計の秒針がちくちく刻まれる。
「ひとつは、あなたが本源的に存在していた世界。そこでのあなた、ならびに泉こなたは、われわれの世界に対する外部観測者であった」
そうか。わたしも涼宮ハルヒシリーズの読者として、キョンの心の中まで覗き見してたわけで。これだって、本人が知ったら『気持ち悪いからやめろ』って言われそうな話よね。
「通常、外部観測世界と観測対象世界は交差しえない、それは宇宙の破綻を招くから。しかしあなたたちの本源世界は奇妙。世界内部に存在するキャストが、同時にその世界の観測者でもあることが許容されていた」
ここで長門は、ベッドに横たわるキョンにふっと視線を移した。
「彼に鍵を渡した人物も、そのような多面観測者の一人。あの漫画は、観測者としての彼女が個人的に所有していたもの。多面観測者に対しては情報統合思念体も興味を持っている。いずれまた会う」
できれば出会いたくないなあ、そんな怪人物なんて。ハルヒ並みにぶっ飛んだやつだったらどうしよう。

「なんだってあんたは、そんな怪しげなアイテムをキョンに集めさせようとしたのよ」
「必要だったから」
うん。それはそうよね、無駄だったらあんなヒント残さないでしょ。聞きたいのはそこじゃなくて…とか思ってると。
「あなたに理解してもらう必要があったから。彼の話は、無根拠な妄想などではないと」
ん? たしかに。『ジョン』の話を聞いてた時点では、キョンのことを悪質なストーカーかなんかだと思いこんでた。
「鍵についての具体的な記述は、本来なら蛇足。彼が、わたしたちを文芸部室に集めた時点でプログラムが起動するはずだった」
『本来』ってのは、原作どおりの展開なら、ってことね。そりゃそうでしょ。聞きたいのは、なんで原作とは鍵が違ってたのか。
「改変された世界において、涼宮ハルヒは容易に彼の話を信じるはずだった。また、わたしも彼を信頼し、見知らぬ人物を部室に入れることを受け入れるはずだった。暴走したわたしの中の、改変をよしとしない部分の意識にとって、それが最後の期待であった。でも」
長門はわたしを見る。
「あなたの存在が予定を変えた。あなたは彼を危険な人物と考え、涼宮ハルヒ、ならびにわたしを彼から遠ざけようとする可能性が高かった。また、実際にそうした」
「う。だってありえないじゃない、キョンの言ってたような話。常識で考えたら」
長門の冷徹な瞳に責められてるような気がして、つい口調が荒くなる。
「そう。だからあなたにとっての常識を揺さぶる必要があった。鍵とした書籍のどちらかを読めば、あなたの強固な現実認識にショックが与えられ、本源世界の記憶が取り戻されるのではないかと期待できた。そこに賭けた」
268名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:46:56 ID:FWl75h440
「椅子、借りるわよ」
病室内にひとつ余っていたパイプ椅子をひっぱり出して腰掛ける。ふう、と一息つく。
ただでさえ記憶が混乱しててどうにかなりそうなのに、そこに長門の宇宙的解説を詰め込まれたもんだから、頭がくらくらしてきた。
「それで。話が戻っちゃうんだけど、いまはどうなの」
言ってから気がついた。こいつにこういう質問の仕方しちゃダメなのよね。具体的にイエスノーで答えられるやつじゃないと。
「いま、とは」
ほら来た。
「わたし以外の記憶操作はうまく行ったのよね。あんたが作った世界のことはみんな忘れて、無かったことになってるのよね」
長門の反応は予測できてる。たぶん軽くうなずくだけ…ほらやっぱり。
わたしがジョンにキレた理由。それは、わたしが大切に思っていたものを壊されそうだったから。ハルヒとの関係を、つかさの成長を、台無しにされてしまいそうだったから。
でも初めから、そんなもの夢だった?
本当のハルヒはただワガママなだけのやつで、本当のつかさはわたしがいないと何もできないやつで。それをなんとかできたなんて、ただのわたしの妄想で。
もう一度長門の顔を見つめる。無表情、無感動。
「なんであの時キョンは、エンターキーをなかなか押せなかったんだと思う?」
「わからない」
そこは即答か。人間ごときの感情なんか知りようがないって?
「なんであの世界では、あんただけ大幅にキャラが変わってたの」
「暴走したわたしがそう望んだから」
まるでひとごとみたいに。
「なぜそう望んだの」
しばらく沈黙。
「答えられない」
ふうん。わからない、とは違うのね。わたしには言えないってこと? わりと人間っぽいじゃない。でもね。
「わたしは、いまの人形みたいなあんたより、つかさの友達のゆきちゃんが好き。あの子はどこにいったの」
一拍、間をおいて。
「ここにいる」
「ここにいる? 本人なんだから気にすんなとでも言いたいの? そうは見えないから聞いてるんじゃない」
つい感情的になってしまう。こいつは自分の都合で世界を作って、書き換えて…ううん、問題はそこじゃない。
たとえニセモノの世界でも、そこに確かにあった思い出を、努力の結果を、もういらなくなったからって簡単に消してしまえることに腹が立つ。
長門はただ黙ってこっちを見つめている。なに興奮してるんだろ、わたし。つい立ち上がってしまった席について、呼吸を整える。
「説明させて」
まだ言いたいことがあるっての?
「わたしの対人コミュニケーション能力には欠陥があり、時に他者に不快感を与えることも自覚している」
「わかってるんなら直しなさいよ」
「試みた。それがもうひとりのわたし。蓄積されたエラーによって異常動作したわたしが、こうありたいと望んだ自分自身」
どうしてそう難しい言いかたするんだか。蓄積されたエラー、ね。普通の日本語で言うなら『悩み』じゃないの?
対人関係の悩み、それからたぶん、恋の悩み。普通ならそこで『自分を変えよう』って思うはずのところが、こいつは『変わった自分』のいる世界を丸ごと作っちゃったわけだ。暴走にもほどがある。
「もうひとりのわたしの記憶と行動原理は、現在のわたしの中に展開されている」
「見えない」
「外面的判断は難しいかもしれない」
「証拠でもあるっての」
「間接的になら」
「見せてよ」
長門はしばらく押し黙り…突然、例の高速謎呪文を唱えた。今度はなに?
「いま呼んだ。約十秒後に到着する」
呼んだ? 到着? 誰を。
この長門有希が、なにやら宇宙的テクニックを使って呼びつける人物とは…なんか、いやーな予感がする。
病室のドアがノックされる。長門が答えて、ドアが開く。
「まったくもう。人づかい荒いんだから」
ドアの向こうから朝倉涼子が顔をのぞかせ、笑顔でわたしに手を振った。
269名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:47:44 ID:FWl75h440
「あさっ…ちょっと、こいつ、あんたが消したんじゃ」
タイムスリップ中――この世界での三日前――キョンを刺した朝倉は、もっと未来の長門に消された、原作どおりならそのはず。でも現に朝倉はここにいる。わたしが筋書きを変えたから?
「あーあ、嫌われちゃったかなあ。そうよね、当然よね」
彼女は本気でしゅんとなって落ち込んでるように見えた。これが普通の人間だったら、わたしも『まあまあ』とか言って肩のひとつも叩くとこだけど。
「あんた、わたしを殺す気まんまんだったでしょ」
世界が元に戻る寸前の、こいつの血走った目と凶悪なナイフ。当分は忘れられそうにない。
「あの時は、ついカッとなっちゃって。いまは反省してるわ」
なにその酔っ払い暴行犯みたいな言い訳は。朝倉は上目づかいでわたしを見る。外面上は可愛いよ、それ。見た目だけなら。
長門がすっと席を立った。
「わたしの異時間同軸体は、彼女を消去しなかった」
「それが、間接的証拠ってやつ?」
長門はうなずき、朝倉と目を合わせた。朝倉がわたしを向く。
「当初の予定だと、あたしはそれほど長門さんと親しくなるつもりじゃなかったの。影からたまに見守る程度、かな」
それは知ってる。
「でも予定通りにはならなかった。柊さんと泉さんが、長門さんのお友達になったから。あたしが保護者役の使命を果たすためには、彼女たち以上に長門さんと仲良くしなくちゃいけなくなったの」
「それで、あっちの世界の文芸部にやたら部員が増えたわけね」
宇宙人二人が同時にうなずく。動きがシンクロしてる。今度は長門が説明する。
「その結果、もうひとりのわたしは朝倉涼子に対して全幅の信頼を置くようになった。おそらく、柊つかさがあなたに対して抱く感情に近いほどに」
思えば、記憶の中のゆきちゃんは、りょうちゃんとほとんどセットで登場してたな。
「その記憶が今も残ってるから、朝倉…さんを消せなかったと」
「詳細な理由は不明、同期を拒否されたから。だけどたぶん、そう」
こいつらにだって、誰かを大切に思う気持ちはあるのね。ただ地球人とはちょっと異質なだけで。さっき長門を人形みたいだなんて言ったこと、少し後悔する。
「前の世界に影響されてるのって、あんただけ? つかさは、ハルヒは」
ふと足元の、寝袋にくるまってるハルヒを見てみる。さっきから近くでけっこううるさくしゃべってるはずなのに、まるで目覚める気配なし。
「現在、情報統合思念体は涼宮ハルヒの放つ情報波を解析中。今回の世界改変の前後で、明らかに波形が変化している。きっかけは、あなた」
「こんな方法があったなんて、思いもよらなかったな。旅人のコートを脱がすには、北風より太陽のほうが有効なんだっけ?」
淡々と語る長門、にこやかに語る朝倉。表情からまるで真意が読めないってのは共通してるのよね。
270名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:48:18 ID:FWl75h440
長門は持っていた本を小脇に抱え、さっきまで座っていた椅子を壁際に寄せた。
「彼の覚醒まで、あと十分」
それだけ告げて病室を立ち去る。ようやっと、もう話すことがなくなったらしい。
どうせなら目を覚ますとこに立ち会えばいいのに。顔が合わせづらいんだっけ? 自分の暴走のせいでキョンがこんな目にあったから。
「あ、長門さん…もう、呼ぶだけ呼んどいて」
朝倉がぼやく。いまの仕草だけならごくごく普通の女の子なんだけどな。こいつの完璧な演技力が、なんで長門にはかけらもないんだろう。
「じゃあ、あたしも帰るわね。彼がショック死しちゃうといけないし」
あんたもまたひとごとみたいに。
「こいつを病院送りにしたのは誰よ。そんなにキョンが嫌い?」
朝倉は人差し指を唇に当て、小首をかしげて思案する。
「そんなことないわよ。どっちかといったら、好き、かな」
長門とは別の意味でイライラしてくる態度ね。わざとやってんの。それともそういう行動パターンしか取れないの。
「こいつを刺したとき、どんな気分だった?」
つい意地悪なことが聞きたくなる。うん、わたしは意地悪のつもりで言ったのよ。だけど朝倉は…ちょっとうつむいて、恥ずかしそうな顔になった。
「え、やだ。そんなこと聞くの?」
おい。その反応がわからん。わたしはこいつに、人を刺した感想をたずねたんだけど。
「これ、言おうかな、どうしようかな。あなたぐらいにしか、話せそうにないし…」
まるで友達に恋の相談をしようか悩んでるみたいにして。
「いちおう聞いてあげる」
朝倉は、恥じらいながらも「うん」とうなずいた。
「前にね、彼を殺そうとして、逆に長門さんに消されちゃったとき。体がどんどん分解していって、あーあ、これからあたし消えちゃうんだあ、って思ったら…すごくゾクゾクしちゃってね」
は? ゾクゾク?
「意識が別のレベルに変化して、これが人間のいう『快感』ってものなんだ、って理解できて。でも今回のあたしは、長門さんには逆らえないように作られちゃってるから、大好きなあの子にもう一度消してもらうには、どうしたらいいかなあって考えていたの」
なんなのこいつ。わたしの頭が理解を拒否してる。
「そうしたら、彼ったらあたしの長門さんに物騒なもの向けてるから、急に頭がカーっとしちゃって、つい、こうグリグリっと。だから刺したときの気分は、うーん、期待で胸いっぱい、かな」
変態、としか言いようがない。おまわりさーん、いや、無駄か。国連軍を総動員したってこいつは止められないぞ。
「それなのに、長門さん…未来のあの子のほうね、すごく悲しい目をしてて、何も言わないであたしをぎゅうって抱きしめてくれて。そうしたら、涙が止まらなくて、呼吸も難しくなって」
夢中で話し続ける朝倉。なんだか視線がはるか遠くを見ている。こういうの、前にもどこかで…そうだ。中学のとき、峰岸が『柊ちゃん、わたし好きな人ができたの』とか教えてくれたときと同じ目をしてる。
「柊さんや泉さんといっしょにいたときのこと、ぐるぐる思い出しちゃって。あのころは本当に幸せだったなあって、もう手が届かなくなってからわかっちゃったの。それで、あたしなんて悪い子なんだろうって思ったら、消してもらったときよりずっと気持ちよくて」
もはやわたしは機械的にうなずき続けることしかできなかった。うん、うん、わかった。わかりたくもないけど。
朝倉は両手で頬を押さえてうつむいている。すごくいじらしいよ、態度だけなら。これが普通の恋の相談なら全力で応援させてもらうんだけど。
「はあ…これ、誰にも内緒よ。お願いね」
わたしを殺そうとしたときとはまるで別の、でもやっぱり尋常じゃない目線で見つめられる。
「あ、うん、わかった。約束する」
ここで『イエス』以外の返事、できるわけないでしょうが。わたしだって命は惜しいわよ。
絶対よ、と念を押して、朝倉も病室を去っていった。
271名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:48:59 ID:FWl75h440
で。
お見舞いのリンゴをむいたりしているうちに、長門の予告どおりの時間にキョンが目を覚ました。
いろいろ聞いてくるんで、さっくりと答えてあげる。もちろん朝倉については隠しておいた。
やがてハルヒも目を覚ます。起きるなり罵倒の嵐をキョンに浴びせる。まあ『照れ隠し=怒り』の方程式が成り立つ女だしね。
わたしの顔をちらっと見て。
「あんた…意外と落ち着いてんのね。あんな大げさに心配してたくせに」
「え。んー、絶対目を覚ますってわかってたから。来るべき時が来ただけよ」
ハルヒはまたキョンにぶちぶち文句を言い始めた。とりあえずこれでごまかせたらしい。
キョンが寝込んでいたことになってる三日間の記憶、わたしにもないのよね。
たぶん長門は、キョンが事故ったという設定で三日分のシミュレーションをして、それを現実世界に上書いたんだと思う。
その世界のわたしはどんな反応してたんだろ。あとでつかさに聞いとこう…あいつも心配してるんだろうし、状況を教えてやるか。
いったん屋上に出てメール。無題で『キョン起きた』っと。
病室に戻ってみると、朝比奈先輩がベッドに取りすがって大泣きしてた。お通夜じゃないんだから。
小泉君もいる。いつものハンサムスマイル。あいかわらず表情が読めない。
つかさとこなたがいっしょに来た。
キョンの顔を見るなり、いきなり床にへたり込むつかさ。そこ入り口だよ、邪魔だぞ。
すべりまくる冗談を飛ばすこなた。空気読め。ん、いまこいつ目元をぬぐったぞ。よーく顔を見せてみ…あ、逃げられた。
ところでみゆきは? いた。廊下で静かに涙を拭いてる。あんたは空気読みすぎ、入ってこーい。
あんまりドタバタしすぎたんで、わたしたちは病室からつまみ出された。キョンの家族も来たんで、今日のところは解散。
結局長門は来なかったけど、二人であとで話したいことでもあるんでしょ。
つかさと二人で帰り道。むやみにはしゃぐつかさの話を適当に聞き流しながら、自分がここ三日間どんな感じだったのかをそれとなく聞き出す。
どうやらひたすら落ち込んで、イライラしてて、話しかけてもヒステリックな反応しか返ってこないんでみんな放置してたらしい。みっともないなあ、わたし。
それにしても。

知ってしまった。
ハルヒが世界の中心であることも、SOS団が人類史上まれに見る奇天烈集団であることも知ってしまった。
ついでに、ハルヒシリーズの読者として、これから数ヶ月以内にSOS団に襲いくるであろう珍事件の概要も知ってしまった。
問題はここから先、原作どおりには行かないだろうってこと。
わたしはハルヒを放っておけないし、長門の言葉を信じるなら、この世界のハルヒもわたしを放っとかないだろう。
普通人が触れちゃいけない領域のあれこれを知ったからって、わたし自身がどう変わるわけでもなく、一歩間違ったら命の危険すらありうる騒動に、わたしがこれから巻き込まれるであろうことは確定しており。
でもまあ、そういう難しいことを考えるのは、ハルヒとクリスマスパーティーをしてからでも遅くないわよね。
272名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:50:39 ID:FWl75h440
以上です。
時期的にクリスマスに間に合わせたかったんだけど、ぜんぜん無理でした。
では。
273名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 11:58:40 ID:LxXo5c3yO
オツー
ここまで長いのは久しぶりですなあ
274名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 12:03:09 ID:JNFE8XUwO
O^2
ようやく家に帰れるからなんか書けそうだ
275名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 13:52:19 ID:36sbGoDR0
>>272
GJ!!
いやー、よかった。面白かった。
それしか言えない
276名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 17:00:13 ID:jwfxHPHZ0
>>272

久しぶりに大長編キタコレ
しかもキョンギャルゲじゃない。
いい感じにそれぞれのキャラを生かしてて超GJ!
277名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 18:06:52 ID:NxeLWyvI0
キョン子みたいな女体化ってありだっけ・・・
急に神様がこなた×キョン子という電波を送ってきたんだが
278名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 19:16:57 ID:jwfxHPHZ0
>>277
俺は新参でここの暗黙の了解がどうなってるかよくわからんが
俺はアリだと思っている。むしろオネガイシマス。
279名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 19:44:42 ID:w2eeoPhk0
最初に注意書きみたいなのを書いておけば大丈夫だと思う
280名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 22:11:48 ID:36sbGoDR0
279の言うとおり、注意書きさえしてりゃ基本的に何書いても無問題のはず。
俺も以前キョン子ネタやったことあるし。
・・・まぁ今思い返せば回線切って首吊りたくなるような代物だが
281名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/04(日) 22:43:11 ID:8+ZeMnwE0
>>272
乙。久々に長いの読ませてもらった。
余談だが、『泉こなたの奮闘』の人だよな?

消失ネタかぁ……
俺も消失ネタ書いてたんだけど途中で「これじゃ本来の消失に私たちが入っただけだよネ?」と脳内でのこなたの指摘があって以降書くの止まってるなー
282名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/05(日) 01:15:14 ID:kOMGu4/Z0
長編作者です。(次また書くかも未定なので、名無しのままで)
御支援、御感想、多謝です。

>>281
ハルヒの代役、こなたの奮闘に続く3作目です。(いちおう、ひとつながりの世界の想定)
共通点は、「本筋が終わってから長門が解説を始める」こと。
さすがにワンパターンなんでどうにかしたかったんだけど、
・せっかく考えた設定を捨てるのが惜しい
・本筋展開中に解説してるとダレる
・長門以外に解説役がいない
という事情により、似たような構成になってしまいました。

ちなみに、書いてて楽しかったシーンは、
・谷口フルボッコ
・ジョンフルボッコ
・へんたいあさくらさん
283名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/05(日) 01:41:30 ID:kOMGu4/Z0
追記:
執筆の合間に、冬コミでゲットしたキョン子本を読んでました。
以前のキョンTSも面白かったです
284名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/05(日) 03:53:21 ID:Ng3sH28gO
>>282
フルボッコシーンが好き・・・さてはドSだな・・・
キョン×キョン子が俺の夢
書くのは俺には無理だけど
285名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/05(日) 06:46:20 ID:kOMGu4/Z0
>>284
「自分だったらどういじめてもらいたいか」を基準に書いてます。
286名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/05(日) 21:37:47 ID:mkBilHtyO
意外!! それはドM!!
287名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/06(日) 01:37:53 ID:Q1oKFx4A0
SSのネタが思い浮かばないから久しぶりに絵に逃げてみた
http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00082.jpg

背景・こなたらしき人物・かがみらしき人物は
どう見ても手抜きです。
本当にありがとうございました
288名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/06(日) 07:29:23 ID:Oc1NXPnC0
それで手抜きとか言ってたら俺が浮かばれないので勘弁してください
289名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/06(日) 22:47:00 ID:jeHMqDEZ0
こなた一瞬分からんかったwww
つかかがみ見切れ過ぎだwwwww
290名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/07(日) 23:58:18 ID:jq5zQ8em0
まとめの人では無いのに勝手に編集させてもらったんだが、いいのだろうか?
291名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 03:26:00 ID:1v60Am8S0
アレな電波が脳に突然振ってきたので、投下します。
タイトルは、古泉語り、で。
292名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 03:26:40 ID:1v60Am8S0
おや? もうお目覚めですか。
僕としてはもう少しあなたの寝顔を拝見していたかったのですが…そんな顔しないでください。
まずは、なぜいまこのような状況に置かれているのかを知っていただきたいのですが、構いませんか。
…お返事がないようなら、イエスの意味だと判断します。
要は、なぜあなたはこれほどまでにモテるのか、ということなんです。
失礼ながら、女性心理にあまり明るいといえないあなたでも、現在のご自分を取り巻く人間関係、さすがに異常だと感じているのではありませんか。
いまさらシラを切ろうというのは、少し虫が良すぎです。

無論、あなたは数多くの美点をお持ちのかたです…皮肉やからかいで言っているのではありませんよ。
涼宮さんの力と、自分が彼女に選ばれた存在だという事実を知りながら、それでもなお、自分が特別な存在だなどと思い上がったりはしていない。この一点のみでも、賞賛すべき人柄です。
あなたの公正さ、心優しさ、決断力すべてが、僕にとっては憧れと呼べる領域に達しているのです。
おや、もしかして照れていますか。

あなたに対して特別な好意を持っているかたがた、そのひとりひとりの心の流れは自然です。
たとえば、そうですね、朝比奈さん。
あなたもすでにお気づきかとは思いますが、彼女は自分の使命についてほとんど知らされていません。僕たち現代人に余計な情報を与えないために、あえて権限を持たされていないのでしょう。
彼女たちのテクノロジーに比べたら、現代の科学なんて江戸時代のレベルと大差ないはずです。そんな未開の地にひとり放り込まれ、まるで意味がわからないまま、極めて重要な任務を命じられて…しかしあなたは常に彼女の支えであろうとし続けた。行動的にも、精神的にも。
そんな状況下で、あなたを好きにならないほうがどうかしています。

あるいは、長門さん。こう言ってはなんですが、僕は彼女のことを「よくできたロボット」程度にしか思っていませんでした。
…そうカッカしないでください。この認識が誤りだと気づかせてくれたのは、あなたです。
いまではわかっていますよ。彼女にだって人間にも理解可能な感情がある。ただ、自分の感情を認識して、それを表現するスキルが与えられていなかっただけなんだと。
彼女という存在自体、ヒューマノイドインターフェースに人間の行動原理が学習できるか、という実験であったのかもしれません。
あなたは彼女を人格ある存在としてあつかった。彼女の中のささいな感情の発露を見抜き、それを喜んだ。
人間には、「損/得」という価値判断のほかに「快/不快」という行動原理があるといわれます。あなたはそれを、身をもって彼女に教えたのです。
おそらくいまの彼女にとっては、あなたを喜ばせることが「快」であり、あなたを苦しめることが「不快」なのでしょう。
293名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 03:27:28 ID:1v60Am8S0
どうやらいまひとつ、僕の意図が飲み込めてもらえてないようですね。面倒かもしれませんが、もうしばらくおつきあい願えませんか。いきなり本題に入っても、たぶんあなたは混乱するだけでしょうから。
それでは、泉さんはどうでしょう。彼女の人柄についてどう感じていますか。いたずら好きで、たまによくわからないことをおっしゃいますが、いつでも明るくて、元気で…
あまり納得されていませんね。あいつはそんなに単純なやつじゃない、とおっしゃるんですか。
彼女がよく親しい人間に対して、害のない悪ふざけをくりかえしたり、理解されないのを承知で趣味の話をしたりするのはなぜでしょうね。
僕が思うに、あれは人間関係の距離を計測しているんです。
どこまでなら相手が許してくれるのか、常に確かめていないと気がすまない。ついうっかり踏み込みすぎて、自分が嫌われてしまうことを極端に恐れている。そんな感じがします。
だとしたら、彼女の普段の明るい態度は、みなコンプレックスの裏返しですね。
本当は深く気に病んでいるのでしょう。
小学生と言っても通じそうな体格のこと、周囲の理解を得づらい趣味に没頭していること。
彼女のお母様が、病の身をおして自分の出産に踏み切ったせいで寿命を縮めてしまったこと。
父親以外の男性を知らないこと…おっと、どんな意味かはご想像にお任せします。
しかしあなたは、彼女の心のどこかに影があると気づいていながら、それをまるで気にしなかった。
責めているのではありませんよ。逆です。あなたのその大らかさが、きっと彼女にとっては救いだったのです。
家族の前でも、親友の前でも、明るく元気な自分という仮面をかぶって踊り続けてきた彼女が、本当の自分をさらけ出してもいいと思える唯一の相手、それがあなたなのでは。
294名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 03:28:12 ID:1v60Am8S0
ちょっと長話になりましたか。なんだかのどが渇いてきました。失礼…
あなたも飲みますか。ただのミネラルウォーターですよ、変な薬品なんて入ってません…必要ない? そうですか。
ここまでお話したんですし、どうせならひととおり行きますか。
柊さんについてはどうです? と言っても、おふたかたいらっしゃいますけど。
ことあるごとにお姉さんを頼るつかささん。それをまるで拒否しないで、むしろ喜んでいるかがみさん。
うるわしき姉妹愛といえばそれまでですが、悪く言うなら互いに依存しています。
完全に一卵性の双子でしたら、もっと対等な関係が成り立っていたのでしょうね。しかし彼女たちのような二卵性の双子は、生物学的に見れば単に同時に生まれた兄弟です。どうしたって遺伝子レベルで能力のばらつきが発生します。
そして彼女たちの場合、知能的にも、運動能力的にも、優れていたのはかがみさんでした。何をするにしても自然と、かがみさんが先導して、つかささんがあとを追うという関係が構築されます。
本来なら彼女たちは、成長のどこかの段階で共依存関係に見切りをつけて、独立した自己を確立しなくてはいけなかったのです。
しかし皮肉なことに、柊家は幸福なご家庭でした。家庭環境的にも経済的にも、問題らしい問題は見当たりません。彼女たちは、ご家族に守られてさえいれば、自分自身のために何かを決断する必要なんてなかったのです。
かがみさんにも、つかささんにも、これといった恋愛経験がありません。中学校時代まで、つかささんが軽度の男性恐怖症だったからです。
きっかけはありふれたことです。小学生の男子というものは、ありていに言って…馬鹿ですから。特に男兄弟しかいない子の場合、ひどく乱暴な、される側にとっては屈辱的な悪ふざけを、ほんのあいさつ代わりに仕掛けるものです。
同年代といえば自分の姉たちしか知らず、父親に手をあげられたこともなかったつかささんにとって、同じ年頃の男子というのは正体不明のモンスターに等しい存在だったのでしょう。
小学校時代、および中学時代前半を通して、かがみさんの使命は、大切な妹をモンスターたちから遠ざけることでした。
高校に入学してからも、彼女たちは女友達しか作ろうとしませんでした。しかし、泉さんにひっぱりこまれる形で僕たちSOS団と親しくなり…つまりは、あなたに出会ったのです。
これは僕にも少々責任があるかもしれませんね。涼宮さんの監視役という立場上、ほかの生徒さんと一定以上に親密になることは避けてきましたから。
わかりますか。柊姉妹にとってあなたは、生まれて初めて出会った「恋愛対象にふさわしい男性」なのです。
しかし、彼女たちはお互いの気持ちについてきわめて敏感です。
かがみさんには、大切な妹の好きな人を独り占めなんてできません。
つかささんには、大好きなお姉さんの好きな人を横取りなんてできません。
決して好きになってはいけない人への恋心、これ以上に燃え上がるものがあるでしょうか。
295名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 03:29:09 ID:1v60Am8S0
なにやらお疲れのご様子ですが? すみません、でもあなたには知っていただきたいんです。もう少しですから。
では。泉さん、柊姉妹ときたら、お次は高良さんでしょうか。
控えめなかたですよね。なんにつけてもそうですが、あなたの前では特に。
ところでご存知ですか、彼女にはお兄さんがいらっしゃるとか。
僕たちはいままでに何度か、彼女のところの豪邸にお招きいただいたことがあるわけですが…そんな人物、いましたっけ。
そもそもあのお宅からは、まるで男っ気が感じられないと思いませんでしたか。
うすうす察しがついたかとは思いますが、すでに離婚されているんです、彼女のご両親。お兄さんはそのとき父方へ引き取られました。
われわれが彼女の経歴を調査した際、機関のメンバーが…あなたもご存知の田丸さんですが、そのお兄さんへの接触に成功しています。彼のお勤め先の取引相手、という名目でね。
何度かお酒の席にお誘いして、昔話を聞き出してもらった結果、興味深いことがわかりました。
ひとつが、まだご家族一緒に暮らしていらしたとき、妹がとても懐いていたのでよく相手をしてあげていた、と。
もうひとつが…高良さんのお母様ですが、ちょっと不思議なかたですよね。若々しいというか、子供っぽいというか。
とにかく家事をしたがらないかただったので、よくお兄さんが代わりにしていたと。そのほかにも、突拍子もないわがままを突然言い出すことが多々あって、そのたびに振り回されて大変だった、と語っていらしたそうです。
この関係、どこか似ていませんか。そう、あなたと涼宮さんに。
きっと高良さんは、あなたを見ていたらどうしたって思い出してしまうんですよ。大好きだったのに離ればなれになってしまったお兄さんのことを。
そして同時に、自分があなたに対して抱いている感情は、失った思い出の代償に過ぎないとも自覚しているはずです。彼女は聡明なかたですから。

ところで、一番肝心のかたを抜かしていましたね。もちろん最後にとっておいたわけですが、涼宮さんです。
彼女があなたに好意を抱く理由は明確。おもしろいからです。
あなたというかたがこの町に生まれ、いまの人格を持つあなたに育ち、そして彼女に出会った。それらすべてが、彼女にとってきわめて都合のいい偶然です。
僕や朝比奈さん、長門さんのような存在が、そろって涼宮さんのそばにいることもまた同様。彼女の望む環境を作り出すべく調整された偶然、つまりは宿命と呼んでさしつかえないでしょう。
ただ、いま僕が問題にしたいのはそこではありません。
彼女、目立ちたがり屋に見えますよね。自分ではそんなおつもりないんでしょうけど。
思い起こしてください、ビラ配り、映画撮影、そして彼女がたまに口にする言葉、「SOS団を世界に広げる」。
ようは、多くの人々に認めてもらいたいんです。自分自身がではなく、自分が大切に思っている存在を。自分が好きなものは、世界中の誰もが好きなものであってほしい、そう考えておられるのです。

やっと話を戻せました。脱線が過ぎるのは僕の悪い癖ですね。
もうおわかりですか、なぜあなたは人気者なのか。
なぜあなたの周りにはこれほどまでに都合よく、すばらしくチャーミングで、あなたに好意を抱く理由が充分ある女性たちが集まってくるのか。
そう。涼宮さんから見て好ましい男性であるあなたは、ほかの女性から見ても好ましい男性でなくてはならないのです。
それらの女性は、みなそれぞれに魅力的で、かつあなたの存在を心から求めているかたがたでなくてはならないのです。
そして、誰を選ぶかの決断をあなたにゆだねた。彼女のそういうところ、僕には驚きなんですがね。
誰が選ばれても不自然ではない状況を作り上げておいて、その上で勝負がしたかったのかもしれません。結果が誰にも予測できない、勝っても負けても納得がいく、そんな全力の戦いを。

しかしあなたは逃げた。自分への好意に気がつかないふりをして、結論を先延ばしにして、ただ彼女たちの期待だけを膨らませた。
その結果、どうです。彼女たちのあいだにあった友情も、信頼も、いまや見るも無残な状態です。
僕にとってもわりあい居心地のよかった人間関係は、もはや修復不能なレベルにまで破壊されました。
不思議ですね、これまでに何度となく世界の運命がかかった判断をせまられ、そのたびに正解を選択してきたあなたが…こと恋愛に関しては、ここまで優柔不断だったなんて。
296名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 03:29:46 ID:1v60Am8S0
そうそう、ついでに僕の話もしておきましょうか。
僕が自分の同性愛的傾向を自覚したのは、中学に入ったころでしたかね。
クラスの男子が、道端で拾った成人向けコミックを回し読みしていて、まあ僕もちらっと見たわけですが…それのどこがそんなに面白いのか、まるで理解できなかったんです。
そんなものよりも、グラウンドを走る運動部員の体操服から伸びた腕や脚のほうが、よほど魅力的に映りました。
普通ならそこで、女性に欲情できない自分は異常なのではないか、と悩むところなのでしょうが、そんな暇はありませんでしたよ。ほぼ同時期に、超能力者としての覚醒が始まってしまいましたから。
青い巨人が灰色の町を破壊する幻覚を、昼夜関係なしに突然見せられてしまうのです。もちろん当時は、神人のことも閉鎖空間のことも知りませんでしたが、あれを放っておいたら世界が破滅する、ということだけは直感できました。
その後、僕が機関に発見してもらえるまでの数ヶ月間のことは、あまり思い出したくありません。ただ恐怖におびえる毎日でした。
自分の使命を知って戦いに参加できるようになったあとも、とても平穏な日々ではありませんでした。
だけどある日、とても奇妙な任務を命じられました。涼宮さんと、そのパートナー…あなたの監視。人選に深い意味はありません、消去法で考えてこの仕事に一番向いているのが僕だった。それだけです。
その後のことは、まあくどくどとお話しする必要もありませんね。あなたもご存知の通りですから。
ただ、誰にも言えない心境の変化はありました。かつて僕は…あなたのような存在でありたかったんです。
本当は、こんな力は必要なかった。毎日当然の義務として学校に行くような、平凡な生活が送りたかった。でも、この世界には秘密があるという事実まで忘れてしまいたくはないんです、つまらない好奇心ゆえですね。
あなたに嫉妬してないと言えば嘘になります。では、僕があなたの立場だったら? 必要最低限の情報しかなしに、常識のまるで通用しない怪事件に次々と遭遇したら?
悔しいですが、僕にあなたと同じことができたとは思えません。もしこのゲームの主人公が僕であったなら、何回ゲームオーバーになっていたでしょうね。
いままでのように、あなたの友人のふりをしてあなたのそばにいられれば、それでわりあい幸せなんだと気がついたのです。
何をするでもなく放課後の時間を潰して、たまにあなたに何か相談されたり、たまに迷惑がられたり。人知を超える事件が起きたときには頼りにしてもらったり。そんな毎日が、この上なく幸福でした。

もうすでに長門さんあたりから聞いているかもしれませんが…いま現在、閉鎖空間は広がり続けています。おそらく今夜じゅうに全世界を飲み込んで、作り変えるでしょう。
不思議ですね、どうして僕はこんなおしゃべりをしていられるんでしょう。以前なら、世界を救わなくてはならないという使命感に突き動かされて、いてもたってもいられなかったはずですが。
それ以前に、どうしてあなたは今回、涼宮さんのもとにご招待されていないんですか。
なんてね。わかりきったことを聞いてしまいました。彼女はもう、あなたに幻滅しています。いまさら抱きしめてキスなんかされたって、それであなたを信じることなんてできないのです。
あなたへの失望は、すなわちこの世界への失望です。あなたはそれだけ大きい存在だったのですよ。もっと早く気づいていただけると思っていましたが。
どうしました。もう抵抗しないんですか。それとも僕を油断させようという作戦ですか。
駄目ですよ。いまあなたの両脚を自由にしたら、きっと走って逃げてしまうでしょう? あなたの両腕を自由にしたら、つかみかかって抵抗するのでしょう?
あなたの口を自由にしたら、僕を口汚くののしるのでしょう? どれも耐えられません。
思うのですが、涼宮さんはまだ、完全にあなたを諦め切れてはいない。少なくとも、あなたをほかの女になんか渡したくないと思っておられるのでは。
同時に、あなたへの好意を表現することすら許されなかった僕に、少し同情してくれているのかもしれません。
あとは、そうですね。あなたなんかひどい目にあってしまえばいい、と考えておられることは確実です。
さあ。これから僕は、いままであなたにしたくてたまらなかったことをしますよ。そちらにとっては不愉快としか思えないことでしょうが、まあ我慢してください。どのみち今夜限りです。
では、いただきます。
297名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 03:31:55 ID:1v60Am8S0
以上。最低なオチですが、まあ勘弁してください。
298名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 04:28:40 ID:5w37nW7RO
>>297
頼むから>>1のルールにしたがって注意書き入れてから書き込んでくれないか。

読んじまった…orz
299名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 10:23:19 ID:1v60Am8S0
>>298 すみません。ホモネタ注意と書いとくべきでした…
300名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 11:18:40 ID:AhtOwXQbO
>>296
乙ー
そこまで注意するような酷い終わり方でも無い気がするがなあ

俺がホモだからか
301名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 11:19:35 ID:AhtOwXQbO
sage忘れ
302名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 13:03:10 ID:RT7Kp7cX0
まあ、具体的にアッー!なシーンの描写はないからぎりぎりセーフかね( ゚∀゚)
キョンがちょっと可哀想だが('A`)
>>296
303名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 20:40:19 ID:jCEPITXO0
乙っしたー
俺は予想外ではあったが楽しめた
だがまぁ、耐性のある人ばっかりじゃないからねぇ
しゃーないさ。そういうもんだ


>>290
むしろ感謝感謝

そういやところどころ古泉が小泉になってるとこがあったはずだが
修正してしまっていいのだろうか
それにどっか誤字があったはずなんだが・・・どこか分からんようになってしまった
誰か知ってたら教えてくれー
304名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 23:22:47 ID:1v60Am8S0
長編作者です。
推敲漏れ、申し訳ないです。直していただけると助かります。

あと297さんはナイス変態。
305名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 23:30:12 ID:1v60Am8S0
NOOOOOO!!!
自作自演カコワルイ!余計なこと書くんじゃなかった!てか日付が変わるまで待て!
すみません、回線切って首吊って氏んできます。
306名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 23:36:02 ID:QbY5diH0O
>>305に萌えた俺は変態
307名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/08(日) 23:42:49 ID:5xpm/cfVO
>>305
しゃぶれよ
308名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/09(日) 00:01:58 ID:pLrK1fDT0
>>305
四つんばいになれよ
309名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/09(日) 00:25:56 ID:6JW3h8qDO
>>305
にぎれよ
310名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/09(日) 02:01:52 ID:TFPB383o0
>>305
やらないか?
311名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/09(日) 14:44:53 ID:tyf4CUyg0
すみません、ほんの出来心で…
恋愛要素のまるでない長編を書いてた反動か、キョンを巡るドロドロした九角関係がやりたくなって…
できたはいいけど内容がアレすぎるんで別人のふりして投下して…
「でもひとことぐらい感想ないと不自然かな」とか思って、つい余計な一行を…
あれですね、魔が差したというか、言い訳すればするほどみっともないと言うか…

みなさんに可愛がって頂いて昇天したら、俺だけのこなたがいる世界に旅立ってもいいですか…
312名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/09(日) 22:18:40 ID:T3hPE+Jb0
まあ酉があっても敢えて伏せたまま投下する職人さんとかもいる事だし問題ないんじゃね?
それに微笑ましいものを見せてもらったしwww


それにしてもこの7時間半の間どういう心境だったかを
想像するとゾクゾクするね!

あと小泉→古泉の件、完了しましたと一応報告。
313名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/09(日) 23:58:18 ID:uTZs9skuO
相変わらずこのスレ変態が多くてワロタww
それにつけても投下乙です。久しぶりに長いの読めて嬉しかった
314名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/09(日) 23:58:57 ID:siJN7HRQ0
このスレで小泉っていうと
(=ω=.)だしなあw
315名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:37:00 ID:e7pWKnFk0
こんな夜分遅くにSS投下するぜ
316名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:37:22 ID:e7pWKnFk0
 ある晴れた日のこと。
 魔法なんてものはこの世に存在しないことなんざとっくに知っていた俺は、新しく入学する事になったこの高校でも、特にこれといった期待は無く、至って平々凡々な生活
に思い馳せながら入学式に出席した。
 そもそも総合選抜での入学のため、進学しても見知った連中は結構いるわけだし、それほど俺自身人見知りする性格でも無いため苦労することはないだろう、と軽い気持ち
でこの学校に来た事を後悔する事になるとはこの時はまだ思ってなんかいなかった。

『First contact』

case1 柊かがみ

 入学式後のホームルームで各自自己紹介を始める。
 俺も自己紹介を終え、まぁ悪い印象は与えなかっただろうと安堵の溜息をつき、後ろのやつの自己紹介に耳を傾ける。
「東中学出身。涼宮ハルヒ」
 ここは普通だった。ここは。
「ただの人間には興味ありません。この中に、未来人、宇宙人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
 その以上とも言える発言に流石に振り向いた。周りの皆もそうだった。
 長いさらさらの髪をして、黄色いカチューシャをつけているそいつ、後のSOS団創立者である、涼宮ハルヒは紛れもない美女であった。
 そしてその仰天発言に呆れかえっている柊かがみも、後のSOS団に入る部員の一人であり、俺もその一人なのである。
 その後、しばらくほかの人の自己紹介があり、柊の出番が来た。
「柊かがみです。えっと、家は神社をやっています」
 この発言に後ろのハルヒが少しピクッと反応したのを俺は今でも覚えている。
「それから四人姉妹で私は三女で、四女の双子の妹もこの学校に入学しました」
 さらにハルヒの机がガタッとする。このときはハルヒが怖くて後ろを見られなかったのだが恐らく柊を凝視していたのだろう。柊がこっちを一瞬見たと思うとすぐに視線を
逸らし着席した様子からハルヒの目つきが恐ろしかった事が窺えるね。
 薄い紫色をした長髪のツインテール。正義感が強く真面目そう。それが柊かがみの第一印象だった。
317名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:37:43 ID:e7pWKnFk0
 入学当初、自己紹介での珍妙発言がありながらも容姿端麗なハルヒにお近づきになっておきたいと言う今の俺には考えられない思考を持ってしまい、ハルヒに話しかけてし
まった俺がいた。誰が責められよう。
「なぁ」
 第一印象が大事だと思ったため、さりげない笑顔で後ろの席へ振り返る。
「しょっぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったんだ?」
 この言葉を言った時に周りの目線に気づくべきだった。
「自己紹介のアレって何」
 ムスッとした顔で尋ねるハルヒ。
「いや、だから宇宙人がどうとか」
「あんた宇宙人なの?」
 大真面目な顔で訊いてきやがる。まさかここまで本気だったとはね。
「……違うけどさ」
「違うけど、何なの」
「……いや、何もない」
「だったら話しかけないで。時間の無駄だから」
 見事一蹴。何であの時の俺はこの会話でハルヒとの会話を諦めなかったんだろうね。
 そのときの周りの視線が今でも痛いほどに思い出せる。

 高校生活が始まって数日、その間ハルヒには様々な変動が見られた。
 髪型が曜日によって変わったり、休み時間は専らどこかへ行き、更にはこの学校にある全部の部活に仮入部しておいて結局何の部活にも入らなかった事だとか。
 ハルヒは運動神経抜群だからどの部活へ行ってもレギュラーぐらい取れたろうにね。
 前の会話で懲りていなかった俺はそのような事をネタにしようと、再びハルヒに話しかけようと試みていた。
「曜日で髪型変えるのは宇宙人対策か?」
 その言葉にハルヒは反応し、無表情、と言うよりは怒ったような顔でこちらを見る。
「いつ気付いたの」
「んー……ちょっと前」
 この返事は顔色を伺って言ったのではなく俺が本当に忘れていただけである。普通誰もそんなの覚えていないだろう。
「あっそう」
 また一蹴。かと思いきやハルヒは頬杖を付いて話し出す。
「あたし、思うんだけど、曜日によって感じるイメージってそれぞれ異なる気がするのよね」
 初めて俺とハルヒの会話が成立した時である。
「色で言うと月曜は黄色。火曜が赤で水曜が青で木曜が緑、金曜は金色で土曜は茶色、日曜は白よね」
 何処となく共感できるものである。
「つうことは数字にしたら月曜がゼロで日曜が六なのか?」
「そう」
「俺は月曜は一って感じがするけどな」
「あんたの意見なんか誰も聞いてない」
「……そうかい」
 そう呟くと、俺が何か癇に障ることでも言ったのか、ハルヒは俺の方をじっと睨みつける。
 しかしそれは単なる思い違いらしく、
「あたし、あんたとどこかで会った事がある?ずっと前に」
 と訊いてきた。
「いいや」
 俺がそう答えると担任の岡部が入ってきて会話は終了となった。
 この会話が今となっては後悔しようのない、SOS団結成への第一歩だったのかもしれない。
318名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:38:22 ID:e7pWKnFk0
 次の日、ハルヒは長い髪の毛をばっさりと切ってきた。黄色いカチューシャはつけたままで。
 ハルヒは「別に」と言って特に理由を教えてくれなかったが、俺との会話が関係してるようにしか思えなくてどうも気になる。
「ねぇ」
 と授業中の合間の休み時間。呼ばれる声がしてその方を振り向くと、そこにいたのは柊だった。
「なんだ?」
「あんた、涼宮さんになんか言ったの?」
 やっぱりそうなるか。仕方がないと思うが。
「髪型のことか?」
「そうよ。昨日涼宮さんが話してるのは珍しいなって思ってたら、今日ばっさり髪を切ってきたじゃない。なんかあったんじゃないかって思ってね」
 正義感の強いというかこいつは気になったことがあったらすぐに調べるタイプだな。
「いいや。特に悪く言った事はないが」
「それじゃあさ、どんな会話をしてたの?ただでさえあの喋らない涼宮さんだもの。普通の会話だったとしても気になるわ」
 そう言われ俺は昨日の話を説明する。説明し終えると柊も少し悩んだ表情で、
「そんな会話じゃ次の日髪をばっさり切られても困るわね。キョン君は関係無いのかな」
 と俺に非は無い事を改めて確認させてくれた。それより、あんたも俺のことをキョンと呼ぶのですか。
「いいじゃない、皆呼んでるんだし」
 微笑みながら俺にそう言う柊。
「それからあんたの言ってた月曜日は一って言うの、私もそうだと思うわ。それじゃ」
 そう言って柊は俺の席から離れ、二人の女子、日下部と峰岸に話しかけに行った。
 笑顔で喋る柊を見て、こういうのが普通の女子高生なんだなと、ハルヒが以上なんだよなと再確認した。

 言っておくが、今回はSOS団結成の前にあった出来事を思い出しながら述べているのだ。
 誰に述べているのか、どういった目的でかというのは、各自で考えておいて欲しい。
 
 ある日、昼食を買おうと食堂に並んでいた時の事。列に並ぶと俺の前の人物は小学生かというぐらい、小柄な少女だった。
319名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:39:03 ID:e7pWKnFk0
case2 泉こなた

 青く、入学当初のハルヒぐらいの長い髪をしたその少女はなにやら財布の中を漁っており、どこかしら焦っている様な気もする。
 列が短くなるたびにその焦りは強くなっていき、しばらくして探すのを諦めたのか列から退こうとした。
「おい」
 ここまで並んでおいて急に退くのも変だと思い、俺はその青い髪の少女に声をかける。
「何でしょーか?」
 う、見るからに顔に覇気が無い。覇気の無い顔にも関わらず、その少女は端正な顔立ちをしていて、もう少しスタイルがよければハルヒともいい勝負ができるんじゃないか
と思うぐらいの美少女だった。
「何でいきなり列に並ぶのをやめたんだ?」
 そう尋ねると青髪少女は、
「いや、お金が足りなかったんだよ……」
 と言ってトボトボ歩き始めようとした。
「ちょっと待て」
 その言葉で糸目少女は足を止めこちらを振り向く。
「いくら足りないんだ?」
「ざっと二百円」
「なら貸してやるよ」
 流石にあそこまで並んでおいてもうすぐ手に入るって言うのに結局手に入らないんじゃかわいそうである。だったら今日は少し多めに持ってきてるわけだし貸してやっても
いいだろう。返してくれる保証はないと思うが。
 そう言うとその少女は目を開き、
「いやいや、それは悪いって」
 と拒んでくる。そりゃそうだろうな。いきなり初対面の男子に金を貸してやるとか言われても困るだろう。俺も拒む。
「嫌がるのも分かるが、俺はあんたに何も求めはしないさ。ただ困ってる人がいたら助けるのが普通だろ」
 自分で言っといてかなりクサかったと思う。少女もその言葉にクスッと笑い、
「ギャルゲーみたいな展開だネ」
「ギャルゲー?」
「あ、こっちの話。んじゃお言葉に甘えちゃおっかなー」
 と再び目を糸目に戻し俺の前へと並びなおす。
 俺はその少女に二百円を渡し、お互い欲しい物を購入した。

「チョココロネと牛乳だけでよかったのか?」
「うん。最初からそのつもりで来たんだもん。そしたら財布にお金が全然入ってなくってサ。最近使い込んじゃってたからネ」
 食堂からの教室までの廊下、俺はその少女と肩を並べて歩いていた。とは言っても俺の肩とこいつの肩じゃ高さは曖昧三十センチほどあるがな。
「もうすこし栄養バランスを考えた方がいいぞ」
 俺が言えた言葉じゃないのだが。
「いやー、いつもこういうわけじゃないよ?自分でお弁当を作ったりする時だってあるんだからネ」
 そうやって胸を張る少女。それにしてもこういうのもアレだが、見た目のわりに自炊ができるとは凄いな。
「そりゃぁネ。だってお母さんは若いうちに亡くしちゃったから」
 え?
「だから、お母さんは亡くなっちゃってるの」
 少し場の空気が悪くなる。だが当の本人は至って普通の顔をしていて、俺の気まずそうな顔を見るなり、
「大丈夫だよ。私自身気にしてないしネ」
 と言い俺は慰めの言葉を貰った。
 そして一年五組の教室の前で足を止める。
「俺はここなんだが、あんたは何組だ?」
「六組だよ。あ、そういえば名前を聞いてなかったネ」
 本来の名前を言うべきか、それとももう定着してしまった例の呼び名を言うべきか。
320名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:39:25 ID:e7pWKnFk0
「キョン君よ」
 と言ったのは俺では無い。ふと横を見ると柊が腕組みをしてこちらを見ていた。
「うおっ、かがみん!」
 わざとらしくリアクションを取る少女。
「幽霊みたいに言うな」
「まぁまぁ。それにしてもキョンって変な名前だね」
 呼び名だ。本名はまた別にある。
「あんたたちそんなに仲良かったの?」
 少しにやけ面でそう言う柊。
「いや、初対面だが」
「そうそう。ちょっと食堂でお金を借りてたんだよ」
「お金を借りただけであんなに仲睦まじく出来ないと思うけどね」
 相変わらず疑ってらっしゃる。疑り深い性格なんだな。
「それよりあんたは柊と仲がいいのか?」
「あんたって……そういやまだ名前言ってなかったね。泉。泉こなただよ」
「私とこなたが仲良くなったのは、そうね、入学当初の自己紹介の時につかさ、妹の事話したでしょ?」
 確か双子の妹さんでこの学校に在学してたんだっけか。
「そう。私の妹とこなたが仲良かったからその繋がりで私とも仲良くなったってわけよ」
 そうだったのか。昼休みはどこかへいなくなると思ったら六組へ行ってたのか?
「まぁそんなところよ」
「それじゃ早くしないと昼休み終わっちゃうから、じゃあねー。また今度お金は返すヨ」
 と言って泉と柊は六組へと歩いていった。

「いいご身分じゃねーか。キョン」
 教室に入るなり、谷口が俺にそう文句を飛ばす。どういう意味だ。
「しらばっくれてんじゃねーよ。いつからあんなに柊かがみと仲良くなったんだ?それに泉こなたも一緒だったじゃねーか」
 机を三つくっつけ国木田の隣で卵焼きを箸に掴みながら、パンを持って席についた俺に言う。
「見てたのか」
「見てたのか、じゃねーよ。一体食堂行ってる間に何があったんだよ」
 別に、金が足りないっていってたから貸してやってただけだが。
「本当にそれだけか?」
「それだけだ」
「まぁ信じてやる。それにしても、俺の美的ランク、Aランクプラスの柊かがみとAランクマイナーの泉と仲良くなるとはなかなかだな」
 まだランク付けしてたのかよ。
「二人ともAランクなんだね」
「おうよ、柊かがみは性格が少しきついが容姿はいいからな。泉ももう少しスタイルがよかったら確実にAAランクはいってたな。あの身長は惜しいぜ」
 何がどう惜しいのか、大体谷口が女性を判断する権利はあるのか、などいろいろと問いただしておきたいがあえて何も言わないでおく。
「まっ、二人とも涼宮に比べたら性格は月とスッポンのようなものさ」
 この場合、どっちが月でどっちがスッポンなのだろうかは言うまでも無いのだろうな。
「お前も、涼宮を諦めてそっちに行った方がいいと思うぞ」
 別にハルヒを狙ってたわけじゃないし、柊たちを狙ってるわけでもないのだが。
「ところで、何で谷口は柊さんのことフルネームで呼ぶのさ」
 弁当に入っているふりかけの袋を開け、ご飯にかけながら国木田は尋ねる。
「決まってんだろ。双子の区別をつけるためだ」
 さっきもそんなことを言っていたな。
「柊かがみの妹、柊つかさは美的ランクだとAAランクマイナーだな。聞いた所によると性格は柊かがみとは正反対でおっとりした感じらしい」
 訊いてないことをベラベラと喋るやつだ。白飯を一掴みし、口に含み飲み込んだあと再び話を始める。
「性格だけじゃなく、見た目も全然似てないんだよ。似てるといえば髪の色ぐらいか。双子で似てないの何ていうんだっけ」
「二卵性双生児じゃない?」
「そうそう、それだ。それなんだと思う。まっ、どっちにしろレベルは高いって事だ」
 俺も国木田も谷口の話はそんなに真剣に聞いておらず、昼食を食べている。
「ああ、俺もそんぐらいのレベルの女子とお近づきになりたいぜ」
 谷口はそう言った直後に、箸を床に落とした。
 この分じゃ到底お近づきにはなれないだろうな。

 また別の日。俺は体育で足を怪我をしてしまい、保健室へ行く羽目になってしまった。
 保健室のドアをノックすると「はぁい」という若々しい、どう聞いても先生の声には聞こえない声が返ってきた。
321名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:39:58 ID:e7pWKnFk0
case3 柊つかさ

 保健室のドアを開けると、そこにいたのは先生ではなく俺と同じく体操服を着ていた女子であった。
 となると、彼女が返事をしたのか。何故?
「……天原先生は?」
 とりあえずこのままだとしんどいのでイスに座り、その少女に問いかける。
「あ、えっと、確か湿布を取りに行ったよ」
「そうか」
 さすがに見知らぬ男女二人での保健室は気まずいものがある。二人とも何も発せずにだんまりを決め込んでいる。
 改めてその少女を見ると、薄紫のショートカットで頭にハルヒとはまた違ったカチューシャをつけている。
 薄紫の髪、谷口の言っていた柊の妹かもしれない。
「なぁ」
「はい?!なんでしょーか」
 いきなりの問いかけに驚く少女。
「もしかして、柊さんか?」
「え、はい。そうですけど……」
 少し顔を赤らめ恥じるような態度を取る柊妹。
「あー、俺はキョンって言ってあんたのお姉ちゃんと同じクラスなんだが」
「あ、あなたがキョン君?」
 聞いた事でもあるのだろうか?
「うん。この前、こなちゃんにお金を貸してあげたでしょ?」
 こなちゃん……多分、泉の事なのだろう。そういえばまだ金を返してもらってないな。別にいいが。
「ああ、確かに」
「それで、その事をお姉ちゃんとこなちゃんでずっとお昼ご飯のとき喋ってたんだよ」
 可愛らしい笑顔で話す柊妹。うん、谷口がAAランクマイナーと言うのも分かる気がする。
「それで、あまりにも楽しそうに喋るから一度会ってみたいなーって思ってたんだぁ」
 あまりに楽しそうって、俺を笑いのネタにでもしていたのだろうか。
「あ、そういえば自己紹介がまだだったね。私の名前は柊つかさ。よろしくね、キョン君」
 またしても一点の曇りも無い笑みでこちらを見る柊妹。
「よろしくな。えっと、柊」
 うーん、さすがに二人とも苗字だと何か分かりづらいし、どうしたものか。
「私のことは『つかさ』でいいよ?」
「いや、俺が気になるんだが」
 それ以前に、今日初めて会ったばっかなのにいきなり下の名前で呼ぶのには抵抗があるはずだろう。
「私は気にならないもん。昔からずっとお姉ちゃんと一緒だったから呼ばれるときは下の名前ばっかだったんだ」
「そうか。なら、『つかさ』でいいんだな?」
 そう言うとつかさは満足した様子で「うん」と笑顔を見せた。
「ところで、何でさっきは返事したんだ?」
「それは、何というか返事しといた方がいいかなーと思って」
 恐らく、つかさは天然なんだろうな。と俺は思いながらその後は柊や泉の事などをいろいろ聞きながら、先生が来るのを待っていた。
322名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:40:21 ID:e7pWKnFk0
「キョン君。足大丈夫?」
 保健室から帰った後の休み時間。柊が俺に尋ねてくる。
「ああ、湿布も張ったしバッチリだよ」
「そういえば、私の妹が居たはずだけど」
「居たぞ。結構話しやすかったな」
「でしょうね。あの子、かなり天然はいってるから」
 少し溜息交じりに話すかがみ。だが決して嫌そうにしているわけでないらしく、親が世話のかかる子供の話をしているような感じである。
「それと、つかさから色々お前達の事も聞いたからな」
「なっ、つかさのやつどんな事喋ってたの?」
 少し顔を赤らめながら俺に尋ねてくる。
「俺がこの前泉に金を貸したとき、楽しそうに俺のことを話していたらしいな」
 別に怒ってはいないのだが、どんな内容だったが気になったりはするもんだ。そんなもんだろ?男子は皆、女子の評価が気になるのさ。
「あ、それは、いや、まぁ……」
 少し恥ずかしそうにしてこめかみ辺りを軽く指でなぞる。
「そんなのいいじゃない?」
 俺としては良いような良くないような気がするが。と思っていると、
「それより、私のことも『かがみ』って呼んでいいわよ。つかさと区別するためにもね」
 話を変えられたような気もするがまあいいとしよう。
 それにつかさの時にも言ったのだが、それは恥ずかしいというか、何というか。
「あら、だったらなんでつかさのことは下の名前で呼んでるのかしら?」
 ニヤケ面で俺の痛いところを突いてくる。
「わかったよ」
「わかったならよろしい」
 かがみはニッコリと笑い、その場を立ち去った。

「キョーン」
 かがみとの会話を終えた後、肩に何かがのしかかる。
 後ろを振り向くと谷口が恨めしそうに俺の方を睨んでいた。
「なんだ」
「なんだもパンダもねーよ。柊かがみと柊つかさを二人とも下の名前だけで呼ぶとは、中々やるじゃねーか」
 何をどうやるのか知りたいところだが。
「お前だけは、お前だけは裏切らないと信じてたのに」
 裏切るって何だ。そもそも、お前の仲間になった覚えすらない。
「ぐっ、酷いことを言いやがって。覚えてろよ」
 そう言った後、谷口は教室の外へと駆けて行った。とうとう発狂しやがったかあいつ。
「谷口もかわいそうだね」
 走っていく谷口を見ている国木田。谷口が見えなくなると視線をこちらにやり、
「キョンは昔は変な女性が好きだったのにね」
「昔っから好きじゃねーよ」
 そう答えると国木田はクスクスと笑い、
「ハハハ、そうは思わないけどね。ま、頑張りなよ」
 頑張れって何をだ。

 ハルヒが部活を作ろうと言い出し、俺はその書類やらなんやらをやらされる事になってしまったわけだが。
 その書類集めの時にも、ちょっとした出来事があったわけだが。
323名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 03:40:45 ID:e7pWKnFk0
case4 高良みゆき

 ハルヒから頼まれた、というより命令された書類とやらを取りに行く最中、廊下を曲がると、階段の前に可愛らしい財布が落ちていた。
 手に取ると、中々の重量感がしたので、中身は結構つまっているに違いない。
 かといって俺はネコババをするような卑怯な人間ではないし、そんなもの俺の良心が許さないのでそっと元の場所にでも置いておこうかと思ったのだが、もしこれを他の人
が見つけたらそれこそネコババされてしまいそうな気がする。
 財布の中身を見ると、そこにはカードも入っておりそのカードを見ると名前がしっかりと書かれていた。
『高良みゆき』
 果たして何年生なのか、どのクラスなのかも分からないが、お嬢様っぽい人なのだろう。これだけの重い財布なのだから。
 この学校の女性の事なら谷口に聞くのが手っ取り早いのだろうが、谷口に頼むのは何か癪に障るので、自分で何とかしよう。
 とは言っても、分かるのは名前と性別だけ、容姿や学年なども分からないのをどうやって探したらいいのだろうか。

「あれ?キョン君じゃん。どうしたの?」
 と呼ばれ後ろを振り向き少し下のほうを見ると泉が立っていた。
「むー、そこまで首を下向けないと見えないかナ?ところで、何してたの?」
「いや、財布を拾ったもんでな」
 財布で思い出したが、まだお金を返してもらってないような。しつこいようだが、俺は別にいつ返してもらってもいいのだが。
「あ、お金は今度払うから。今月ピンチなんだよネ」
 ハハハといいながら糸目の少女は手を後頭部にやる。
「ところで、ネコババでもする気?」
「誰がするか」
「うん。キョン君はそんな事しないと思ったヨ」
 何の自信だ。
「ところで、名前とかあるの?」
「カードには『高良みゆき』って書いてたが」
 といきなり糸目少女が目を輝かせた。
「おお、みゆきさんのだったのか」
 みゆきさん?知り合いだったのか。
「うん。同じクラスだヨ。美人で頭も良いから結構人気あるんだけど、ちょっと天然な所があるんだよネ。キョン君みゆきさんの事知らなかったの?」
 生憎、あんまりそういった事情には詳しくないものでな。谷口はそういったのは詳しいだろうよ。
 だがまあそうだったら話が早い。これを高良さんに渡しといてくれよ。
 すると泉は少ししかめっ面をして、
「こういうのは男子が届けに行くからフラグが立つのに」
 と呟いた。フラグって何のことだ?
「気にしないでくれると嬉しいよ。んじゃ私が渡しておくネ」
 ちゃんと渡せよ。いくら今月がピンチだからって中身を抜き取るんじゃないぞ。
「わかってるヨ。バーイ」
 そう言って泉は元来た道を帰って行った。何しにここを通ったんだろうか、あいつは。
324名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 04:00:44 ID:e7pWKnFk0
 その日の放課後、ハルヒが俺を文芸部室に引き連れ、長門と出会い、放課後毎日ここに来るように命令され、死刑を免れるために仕方なく毎日来る事を約束し、とりあえず
帰ろうとすると、下駄箱で見覚えのある小さい人物と、見た事の無いグラマーな人物が居た。
「泉じゃないか」
 そう、見たことのある人物とは泉の事で、その隣に見たことの無い薄い桃色の長い髪をした眼鏡をかけた女性が立っていた。
「紹介するよ。この子がみゆきさん」
 そう言って彼女の方に手をやる泉。泉に紹介されるとそのみゆきさんとやらは軽く会釈をしながら、
「初めまして。高良みゆきと申します」
 と、自己紹介をした。
 ところでなんで高良と泉がこんな所にいるんだ?
「いやサ、財布をみゆきさんに届けたあとその経緯を話したら是非みゆきさんがお会いしたいって言ったもんだからネ。ところでこんな遅くまで何してたの?」
 そこは聞かないでくれ。説明が面倒だ。
「あの、キョンさん」
 あなたもその呼び方ですか。
「あ、すいません。嫌だったでしょうか?」
 上目遣いでそう訊かれる。こんな顔をされると嫌とは言えまい。
「いえ、別にいいですよ」
 そう答えると高良はホッと溜息を一息つき、
「そうですか、ありがとうございます」
 と言って微笑んだ。うーん、実に可愛らしい。
「その、財布を拾ってくださってありがとうございました。もし拾ったのがキョンさんじゃなくほかの人だったら悪用されてたのかと思うと……」
 別に気にする事はないですよ、と必死に謝辞を述べる高良を慰める。
 高良も落ち着いたのか、フゥと一息入れる。
「キョンさんの事はかがみさんや泉さんから聞いていたんですよ」
 俺はとっさに視線を泉の方へとやる。泉はとっさに視線を逸らし、口笛を吹いている。
「でも、悪い事ではなく、良い事ばかり聞いてるんですよ」
 具体的には、どんな事を言ったんだ。泉やかがみのやつは。
「かがみさんはキョンさんは良い人だと。泉さんもキョンさんに助けられたと仰ってましたし、あまり責めないであげてくださいね」
「そうだヨ。責めちゃ駄目だヨ」
 高良が言うのには納得いくが、お前が言っちゃ駄目だろ。まぁ、許しておいてやるが。
「あ、ではこれから歯医者がありますので先に失礼しますね」
 と言って高良は走るように下駄箱を出た。

「とまぁ、俺たちが初めて会った時だ」
 俺は放課後の部室でお茶を飲みながら説明を終える。
「ふーん。どうりでかがみはともかくこなたたちとあんたが仲が良いわけね」
 俺が説明をしていたのは涼宮ハルヒであり、今はSOS団結成から結構な月日が経っている。
 もちろん、上の話では出てこなかった微笑んでいる古泉やメイド服を着た朝比奈さんも居るし、それぞれが宇宙人、未来人、超能力者であることも俺は既に知っている。
 ハルヒは古泉たちSOS団メンバーを俺を含め五人集めた後、新に四人追加したのだ。
 それが、泉、かがみ、つかさ、高良である。
 元はかがみとつかさが『巫女で双子である』という事を不思議だと捉えて、SOS団に勧誘(というよりは脅迫)したあと、自然と残りの二人もついてきたのである。
 そしてハルヒは新しく入ってきた四人と俺がやたらと親しい事に対して疑問を抱いていて、上のような話をしなければならなくなってしまったのである。
 全く、面倒なやつだね。
「ま、仲が良い事に越した事はないけどね」
 だったら何で訊いたんだ。俺の過去の話なんかしてもお前には何の面白みも無いだろうに。

 本日もまた晴れ。雲ひとつ無い快晴なり。
325名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 04:03:21 ID:e7pWKnFk0
これで終わりなんだぜ
何か長編作者の後だと駄文っぷりがより一層際立ってるなぁ
一応お題の「キョンとこなたたちの初遭遇」だったかをクリアしたつもりなんだぜ
最後はマフラー頑張るぜ
326名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 11:13:36 ID:eWdINILDO
>>325
乙ー。
こうやって見るとやっぱキョンはプロのフラグ建築士だなぁ
マフラーも期待してまっす
327名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 23:16:32 ID:NNBEMb+T0
>>325
乙乙、いい感じのsnegですぞよ。

>最後はマフラー
1年後、毛糸編み物に包まれ過ぎて汗だくになるキョンの姿が・・・
328名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 23:41:35 ID:RH66WhOKO
>>325
GJ。マフラーも楽しみにしてるよ

>>327
日ごとに違うマフラーをして、あげたマフラーをつけられてない人の圧力を毎日感じるキョン
という電波を受信した。
329名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 23:53:07 ID:NNBEMb+T0
キョンという人は、一度そのマフラーで首絞まって殺されればいいと思います。
330名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/10(日) 23:54:22 ID:NNBEMb+T0
>>329だが
ありゃ、名前に「某オールバック」といれたはずなのにできなかった、超失敗orz
331名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/11(日) 01:19:02 ID:XzOvqKFsO
>>330
しゃぶれよ
332名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/11(日) 02:10:32 ID:/Ip9qih+O
お前ら、今日はかがみ開きだ!
333名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/11(日) 05:03:47 ID:NDS0Cp6fO
かがみ「私のss祭りね」
334名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/11(日) 07:35:03 ID:h37aqanu0
>>332
かがみ開きってなんかエロいと思った
中学生か俺は
335名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/11(日) 10:38:20 ID:NDS0Cp6fO
>>334
大丈夫さ
みんなそう思ってるけど
書き込まないたけだから
336名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/11(日) 11:52:38 ID:/Ip9qih+O
>>334
大丈夫、去年と全く同じこと言ってる俺の方がよっぽど中学生だ
337名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/11(日) 23:56:37 ID:hxaqUV0M0
・・・・orz

キョン「嘆くな、書き遅れているだけかもしれないじゃないか」
338名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/11(日) 23:58:25 ID:OqQVRufR0
ごめん…俺こなた派だしさ……
339名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 00:02:36 ID:35yCme0d0
俺も俺も

こな×キョンが好きです、でもこな×ゆきはもっと好きです。
340名無し@18歳未満の入場禁止 ◆KoizumiXMI :2009/01/12(日) 00:42:19 ID:77mbMNge0
名前がこなた派だと示している通りこなた派だしさ…
てか凄まじく久し振りに酉入れた気がする。
あと1月17日にロダが初期化されるらしい。


やっぱこなキョンだね!ラフだけどね!
http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00083.jpg
341名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 01:50:20 ID:35yCme0d0
>>340
こなたがプンスカしてて、キョンが困り顔なのがなぜなのか、気になるところですw

「(こなたの奴、なにそんなにむくれてるんだろ、俺何かしたかなあ・・・)」
「(ったく、マフラーわざわざ揃いのをプレゼントしてやったのに、
  今日の日を狙ってポニテにしたってのに、
  友達としてのプレゼントとしか認識しないなんて、
  筋金入りのエロゲニブチンだよキョンキョンはっ!!)」
342名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 05:06:13 ID:qldMYn3nO
かがみ「こなた開きだと・・・!!?」
343名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 08:59:07 ID:77mbMNge0
「…」
「…」
この気まずい沈黙は一体何ごとなのだろうか。
いつもなら時折耳をふさぎたくなるほどやかましいのに今日に限っては静寂がうるさすぎて逆の意味で耳をふさぎたいぐらいだ。
俺の不安を象徴するかのように空は曇天。
心なし湿ってきているので、もしかしたら雨が降るのかもしれない。
「なぁ」
「……」
…こなたは何を考えているのだろうか。
先ほどから声をかけても無視されたままだ。
無言のまま二人並んで歩く姿は傍から見て喧嘩中のカップルにでも見えるのだろうか、時折すれ違う人の視線が痛く刺さる。
静かなのは嫌いじゃないが、こういう静かさは好きでは無い。
それにふくれっ面で、うつむいて、静かで、そんなお前はお前らしくない。

(……)

いや、まぁ、原因(?)には気づいてはいるんだが。
ポニーテールが似合ってるなんて褒めるのは、俺のキャラではないだろう?

http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00084.jpg
344名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 15:32:54 ID:35yCme0d0
>>343
さすがだなあ、>>341をこれほどまでに発展させるとは、
やはり○○×キョンをやるからには、
キョン並みの随筆能力がないといかんのでしょうなあ。




2日後、とてもうれしそうなポニテアホゲ少女に絡みつかれるキョンの姿が・・・

昨日の人「私の日のはずなのに、私の日のはずなのに・・・orz」
345名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 19:20:25 ID:3y7s8mu3O
キョン「おい、かがみから放たれている負のオーラはいったい何だ」
346名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 19:54:21 ID:k3sjg3WSO
かがみ「…知りたいなら教えてあげましょうか?」
347名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 19:56:52 ID:77mbMNge0
348名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 19:57:31 ID:77mbMNge0
誤爆した
349名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 20:24:40 ID:3y7s8mu3O
キョン「まぁ、その、なんだ。とりあえず元気出せって。なんならメシ奢ってやるからさ」
350名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 21:16:59 ID:35yCme0d0
>>349
かがみ「(表情がぱあっと明るくなる)そ・・・そう?(髪をいじる)しょうがないわね・・・
     あんたがどうしてもっていうなら、つ、ついてってあげなくもないわよ?」

こなた「(さすがキョンキョン!すぐさまアフターケアして壊れかけたフラグ修理するとは!
     そこにしびれる憧れる!そしてむかつくっ!!)」
つかさ「(おね〜ちゃん、いいな〜私もいきたいな〜)」
みゆき「(私も連れて行って欲しいです・・・何なら、私がおごってさしあげますから・・・)」
351名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 22:55:04 ID:MymCkMdC0
>>350
キョン(とは言ったものの、今月ピンチなんだよな)

かがみ「どうしたの?ほら、さっさと行きましょうよ」

キョン「あ、ああ……」
   (かがみはかなり期待している。どうしたものか……)

こな&つか&みゆ「……」

誰か……続きを……グフッ
352名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/12(日) 23:16:41 ID:3y7s8mu3O
佐々木「やぁ、キョン。久しぶりだね」
353名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/13(日) 01:28:13 ID:hI28mhlo0
佐々木「おや?そちらの人は友達かな?美人さんだねえ?
     そんな人を連れて歩いているのにその複雑そうな顔は
     一体どういうことかな?」
かがみ「え?ええっ・・・?」
キョン「・・・」
佐々木「まあ君のことだ、あまり機嫌がいいとはいえなかった
     友達を気にかけ、何気なくお茶に誘ってみたはいいけれど、
     財布を見たら持ち合わせが事の外少なくて窮地に陥っている、
     と推測するけどどうだろう?」
キョン「んなっ!?」
佐々木「ふむ、ビンゴのようだね」
かがみ「・・・・(キョンを見る)」
キョン「あー、その、えっとだな・・・この人は俺の中学時代の・・・」
佐々木「親友だ!」
かがみ「・・・・・・・・・」
佐々木「そこでだ、一つ提案がある。
     3人で一緒にお茶というのはどうかな?
     安心したまえ。友達の分は僕がだすことにしよう。
     財布具合が不安なら全員分僕が出すことにしてもかまわないのだが」

みゆき「ちょっ・・・ちょっとまってくださいっ!」
3人「!?」

つかさ(ゆ・・・ゆきちゃんっ!?)
こなた(み・・・みゆきさん、なんという大胆な・・・出遅れて悔しいけど・・・
     なぜなのっ!ヲチ本能がうずいちゃうっ!)
354名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/13(日) 03:47:01 ID:G6NJboOI0
お?リレーか?
355名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/13(日) 04:42:06 ID:NHBWZkyBO
 さて、現状。
唐突すぎる流れについていけない俺がなぜ説明役、現場検証を行わなくては
いけないのか、一向に不明ではあるが。不承不承ながら課せられた義務に
従って愚考させて頂く。が、しかしながら元より語り部を引き継ぐつもりのなかった俺、
どうにも不明瞭な文面になってしまってもご容赦してもらいたい。
今回の登場人物は、多分上記の通りだ。これ以上増えて貰っては困る、
と言っても俺は予知能力には如何ほどの自身もないので断言はしないでおく、
もしかしたら更に、先程の佐々木の様にいきなり現れるかも知らんからな。

 で、道端。かがみと佐々木とみゆきの三人がもしょもしょと少し離れた位置で談合していて
俺は一人寒風吹きさらされている。切ない。
そもそもとしては、柊かがみに対しご機嫌伺いの食事に誘っただけの筈が……。

「……わからん」

 素直な発言。ビバ本音。
人通りの少ない道、だからこそ目立ってしょうがないし、
通り過ぎる通行人の視線が容易に察知できる。
なにやら右側からガンガンと気配が……

「キョンキョンも大したもんだね」
「おぅ!? ………こなたか…」

 気配も何もあったもんじゃなかった。

「道を歩けば女の子が集まる求心野郎ですな〜」
「いや、なにを言ってるのかイマイチわからんが」
「かがみんと二人で食事する予定がものの数分で別校の友人に遭遇、直後にみゆきさんまで参戦
いやぁ、いくら行動範囲が狭くて被ってる学生だからってなかなかなっしょ」
「……、お前は何のようだ?」
「パパラッチ、ついでにつかさもいるよ」

 腕を組んで、えっへんと言った感じに言い放つこなた
…いや、本当俺にどうしろと?
356名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/13(日) 11:56:39 ID:bTKafq2QO
こなた「やふー皆の衆、打ち揃ってお食事会かな?わらわもまぜてたもれー」
つかさ「え、えへへ…ついてきちゃった…」
みゆき(はうっ!こなたさんいつの間にそこに…)
かがみ(つ、つかさまでなんでそこに!?)
佐々木「ほお…綺麗所さらに2名追加か、クックッ…相変わらず君って人は…」

キョン(何でだろう、人数が増えれば増える程、
本来機嫌をとるべき約1名の機嫌が、ますます下降していくのはなんでだろう…
こなた、ニヤニヤするのはもう止めん。
だが背後に黒いオーラを纏いながらってのはさすがに勘弁願いたいんだが…
佐々木よ、ほんと楽しげだなお前。うらやましい。実にうらやましい。
ここで困惑しているみゆきとイマイチ場に入りづらそうなつかさが正直救いだよ全く…)
357名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/13(日) 12:43:45 ID:NHBWZkyBO
 と、ここで気付く。気付いてしまった。
……俺、このままだと相当財布ヤバい、と言う事にだ。
依然として平行を保ったまま、しかし角度は確実に地に近付いているこの流れに
任せてしまったら、俺はキットこの場に居る全員に飯を奢る羽目になる。きっとなるに
決まっている。それはいま同時に全員ではなくても(例えば、今日の目的はかがみと
なので、他の方に御遠慮頂くとする。すると今度は彼女達のご機嫌伺いのために後日
しっかりと奢る羽目になるだろう)結果的に俺の財布は可哀相になる。
俺は財布が可哀相になるのを防ぐため。しいては自分が可哀相になるのを防ぐため
「まぁまぁ」と場を収めにかかって見る。

「まったくお前らは少し周りの目に気を配るべきだ」
「んにゃ〜、周りの如何ほどの目よりも、キョンキョンの目をどれほど独占できるかが問題なんだょ」
「は?」
「なんでもな〜いよん♪」

 なにやら上手い事言って上手い事煙に巻かれたようだ。
いくら相手がこなたとはいえ流石に少々うろたえてしまった。まったく。

 ……ん? なんだ静かだな。ってかなんでお前らこっちに射殺す様な
恐怖の視線を送ってるんだ、止めろ、穴が空いてしまう。むしろ穴を掘って隠れたい。
ヘルプこなた!

「ん? ……うふっ♪」
「おぅっ!」

 ダメだ。アイコンタクト失敗。SOSの視線に対しぶりっ子笑顔を返して
来やがった。狙ってやったとしか思えん、視線が文字通り痛い。毛穴がチクチクする

「あわわわ……」

 つかさはつかさのままだった、ありがとうつかさ。フォーエバーつかさ。

「せいっ!」
「おぅ!」

 と、ここでふくらはぎを蹴っ飛ばされる。星はこなた、一瞬に敵にまわりやがった、何故?

358名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/13(日) 14:54:50 ID:bTKafq2QO
「おや?どうしたんだいキョン。そんな取り調べられ中の過失犯みたいな顔して。
もしかして財布のことを気にしてるのかな?
ならば心配御無用。今日は僕がおごるって言ってるじゃないか」
助け船出してくれるのはありがたいが佐々木よ、「今日は」ってのが凄く…気になります…
「そうですよ。私も協力させていただきます」
みゆきも、その申し出大変ありがたい。金に関しては本当に見返りはいらなさそうだしな。
だが、何と無くその微笑みに圧迫を感じるのは気のせいか?
「及ばずながら私も協力するよ、いつも不思議探索ではお世話になってるしね〜
にゅっふっふ、さてキョンキョンや…
こんな萌え要素揃いにここまで言わせておいて、
まさか帰るだなんて言わないよね〜≡ω≡.」
ローによる直接牽制の次は言葉による牽制かこなた…
その糸目をやめてくれ…正直押し潰されそうだ。
つかさが涙目で、かがみがより一層暗い目でこっちを見ている
…ごめん、正直、たまりません、それ…罪悪感を、持て余す…
359名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/13(日) 16:40:05 ID:NHBWZkyBO

「いや、その申し出は確かに有り難いんだが…」

 手を軽く振って、牽制球を投げ回すこなたを放置し
金銭的援助を掲げる友人`S(複数形)になるだけ慎ましく辞退を告げる。
確かに有り難かったし、金欠続きの俺と佐々木やみゆきじゃ経済格差も目に見えてるが……
しかし確実に情けないじゃないか、そもそも俺が奢ると言う話しなのに
男として、そんなヒモ紛いの行為は認められん。

 まぁさらに言えばこれ以上、かがみの機嫌を損ねないようにとの
判断でもあるのだが、置いておこう。

「なんだい、遠慮はよくないよキョン」

 そりゃ遠慮もしますよ。無茶言うな。

「いや、二人で食いに行ったらそりゃ奢って貰うのもたまにはいいさ
そんなものまで遠慮する様な間柄じゃないからな。だが佐々木とこっちの面子はそう親しくないだろ?
だから、今度の機会にしてくれないか? みゆきも」

 身振り手振りを加えて大袈裟気味に訴えて見た。隣りの腕を組んで細目を
さらに細めて超然と佇むこなたが気になるが無視、それよりもかがみの視線が
幾分柔らかくてなった事を喜んでおこ……

「……」

 あれ、なんだこの雰囲気? かがみの機嫌がよくなった代わりに
佐々木とみゆきの機嫌が暴落……?

「さぁて、どうする?」
 どうしましょう…ね?
360名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/13(日) 20:25:40 ID:hI28mhlo0
いつにもまして浮き沈みが激しかった。
今日の私はいやおうにもそれが認識できるほどであり、
そう認識してなお、その感情の動向が調整できないでいた。
原因は、「かがみ開きの日だというのに私が優遇されない」という
今にして思えば、なんとも理不尽で子供じみたもの。
彼のフォローによって精神を持ち直し、そのお陰で自分を振り返ることができ、
そして、なんと恥ずかしい理由で心を振り回されてるんだ、と
今頃になって恥ずかしさがこみ上げてくる私がいた。

ここで突如として、視点が彼から私に移るのはなぜか、という疑問は
あえて持たないでもらえると甚だ助かる。
そうね・・・気分が一時的に上昇した関係で周りを冷静に
見ることができたから、とでも解釈してもらえるといいと思う。

そうして、周りを見ると、なんともいえない空気が漂っていた。
私の気分が上がったその代わりに、と言うべきか、2人の機嫌が下降している。
とりわけ、さっきまでハイテンションだった佐々木さんとやらは
そのギャップも相まってことさら険悪にすら見える。
こなたはもうイジリモード全開、つかさは涙目モード。
うっわ・・・こりゃあキョン君、四面楚歌だわ、誰もフォローしてくんない。
しかもキョン君、恐らく今「あれをたたせばこちらがたたず」状態。
こうなったら彼、マイナスの意味で「てこでも動」かせないモードになってしまう。
あーもう!しょうがない!ここは一つ・・・!

「あーもう!キョン君。おごるおごらない言う前にさ、お金ないんでしょ!
だったら早くいいなさいよ。そのくらいで気にするとでも思ってたの?」

そして、あっけにとられている彼を見ながら、私は、大きく息を吸い込み、こう叫んだ。
「今日くらい、私におごらせなさいよ!キョン君!」
361名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 01:26:05 ID:giIvAbZ2O

「…はい? ちょっとかがみ、なんだそれは?」

 言ってやった、みたいな一種清々しいまでの気分で私は周りを見遣る。
みな一様に、趣が違うまでも同様に動揺(あっ、もしかして上手い事言った?)
してる様子が見て取れる。そもそもの発端であり、キョン君が一番立たせようとしてくれ
(今となっては明瞭に自覚できる)、またこの悪いムードも私のおかげ、あるいは所為で
もしくは原因でなりたっていたために起こった、ある種のパラドックスだ。
特にキョンは私が発言した提案、それによってだろう一番困惑しているようだった。
まぁ、先程迄の自分を振り返れば納得も行くし、私がキョン君に対して発した言葉は
主客逆転。彼のこの場での行為の意味を無くしてしまう様なものなのだから。
だって私の機嫌が悪いのを意識して誘ってくれた(冷静に考えればなんと図々しい…、猛省)のに、
私が勝手に機嫌直して、さっきまでと逆の事を口走って居るのだからたまらない。

「だから、今日はいいってば。それにこの後みんな置いて二人でってのも…、ねぇ?」
「でもお姉ちゃん…、いいの?」
「なにがよ? 私が提案したんだからいいも悪いも無いんじゃない?」

 ねぇ? と再度念を押す様に問う。

「……ふぅ、いや僕もまったくらしくなかったかな。醜態を見せたねキョン、済まないと思ってる。
でも、僕がその程度熱くなる位に僕は君との数少ない偶然を大事にしたいのは
わかってくれるかな」
「お、おぅ」
362名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 01:27:03 ID:eLZxDpZbO
…じれったかっただけ。
何時までもしどろもどろしてるキョン君がじれったかっただけ。
理由なんてそれだけで、今日くらい私に奢らせなさいと言った。
…まぁ確かに大声で叫んだかもしれないけど、みんななんでそんなに私を見つめるのよ?
好きな男子への告白を目の当たりにしたような目で…
は、恥ずかしいじゃない…

「…で、でも本来なら俺が奢るはずだっただろ?」
「まぁまぁまぁまぁ、いいじゃないっスか」
相変わらず糸目のこなたが口を挟む。…嫌な予感がする
「ツンデレかがみんがせっかくデレてるんだからぁあっ!?」
ツンデレ言うな…と叱りながら拳骨をしておいた。
「っつぅー…キョンキョンや、あまりかがみんを怒らせないほうがいいんじゃないかい?」
「…………」
悩む顔をするキョン君。だけど、もうほとんど諦めてるみたいで…「…分かった。すまないが今日の所は頼む。次こそは必ず奢るから」
キョン君に頭を下げられ、皆から生温いような生暖かいような微妙な視線を浴びた…なんだか複雑な心境になっていると…

「私チョコレートパフェ、チョコたっぷりね」
「私は…シフォンケーキにしましょう」
「僕は紅茶でいいよ」
「えっ…と、トロピカルマンゴーってどんなのだろう…」

次々と注文が決まっていく。
キョン君じゃなくても財布が寂しくなりそう…
363名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 01:27:09 ID:giIvAbZ2O

 ん。それなりに私の読み通りに流れてるかな? 佐々木さんは流石に一番に
状況を飲み込んで、溜め息混じりに肩を竦めてキョン君に謝罪をする。
私はこのタイミングを逃さず

「じゃあ偶発的とは言え、知り合いが集まったんだし、さっきまでのは流して
みんなで今日は一日遊ばない? 勿論食事はワリカンだけどね」

 互いに目配せ、とまで積極的ではないものの、まぁ様子を伺いあってから
さらに一拍置いて。みゆきが一言

「私はそれで構いませんよ」
「僕も賛成だね、このまま別れてもお互いしこりが残りそうだしね。一番の選択だと思うよ」
「はいはい、私は面白ければなんでもいいよん。で、キョンキョンは?」
「……いいのか?」

 つかさと似た様な発言をしながら、私に真正面から聞いてくるキョン君。
まったく、誰のための発言だと思ってるのかしら?

「同じ事二回も言わせないでよね」
「ん、すまん。なら俺に反対意見は無い」
「じゃあ、ちょっと決断までに時間がかかったけど行きましょ」

 ニッと笑ってから一人みんなを置いて先走り。



「ほら! 早くしないと遅くなっちゃうわよ!」
364名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 01:30:16 ID:eLZxDpZbO
うーわやっちまったよ
被ってしまった…申し訳ない
365名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 01:31:54 ID:giIvAbZ2O
ヒャー! 被ってるなぁ!


……すまん、どうしよう?
366名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 01:38:24 ID:aMSa7U+QO
>>364-365 ケコーンオメ
367名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 01:48:35 ID:/G8kHgBx0
>>360ですが

>>361>>363>>362 ケコーンおめでとす
私の収束展開から、2タイプのエンディング、ありがとうございました
一応これで、このリレーは終結、ということになるのかな?
「かがみ開き」リレー参加者の方々、GJでごわす(≡ω≡.)b

〜〜〜〜〜〜〜蛇足的エピローグ〜〜〜〜〜〜〜
「ひさしぶりだねえ、こうやって大勢で和気藹々やるってのも」
「ん、そかもー、ささちゃん」
「さ・・・ささちゃん!?!?」
「お、つかさが初対面の人に一日で打ち解けるとは珍しい」
「くすっ、さすがはつかささんです」
「これもまた、キョンキョンの人徳のなせる業かねぇ」
「ちょっとまて、今の、俺何か関係あったのか?」
・・・まあ、色々あったが、雨降って地固まる、というのは
こういうことをいうのかね、やれやれ

5人 {もちろん、あきらめたわけではない(からね)(ですよ)(だぁよ)}

うん、平穏無事に終わったはずだ、何にもない、寒気なんて何にもないぞお!!


〜陰から
某オールバック「おのれキョンめ・・・今日も今日とて、あんなにAランク以上に囲まれて
           まだあんな顔を・・・贅沢野郎、やっぱり一編殺す!」
某貞モード「・・・・」

〜閉鎖空間から
某ガチ「ギャッ!グッワ!」
368名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 01:55:39 ID:giIvAbZ2O
いやぁリレーと聞いたら黙ってられなくてな
携帯から頑張ちゃったぜ♪


>>364
ケコーンだそうだが……
どうだ? 今晩、俺と過ごさないか?
369名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 02:28:38 ID:aMSa7U+QO
俺の馬鹿な発言からこんなリレーが生まれるとは思わなかった

職人皆々様GJ乙でした
370名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 02:48:21 ID:giIvAbZ2O
久し振りのリレー

それで思い出したのは、俺と小泉の人のドキッ! 二人だけの朝までリレーの事
まだやって無いなぁとふと思った
371名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 02:53:13 ID:KENVnKwg0
 、        ヽ
 |ヽ ト、  ト、 ト、 、.`、
/|l. l. | |l l | | l |l.| |l. l
/' j/ ノ|ル'/レ〃j/l |
-‐7" ヾー---┐|_.j
 ̄   ./゙ニ,ニF、'' l _ヽ
::   ,.,. |ヽ 」9L.` K }.|
    l'  """  l ) /
  h、,.ヘ.      レ'/
          レ′
 r.二二.)     /  
  ≡≡    ,イ
.       / !
\   /  ├、
::::::` ̄´   /  !ハ.
372名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 02:57:14 ID:giIvAbZ2O
   ;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_,  や 公 帰 そ
 ,、,、,ミッン、,._        _,、-'゙_,、-'゙.   っ 園. り ん
 、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙  __,  て の 道 な
 }; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_|  来  ト に わ
 ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_   た イ  あ け
 ,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴  ''"_|_|  の. レ る で
  └i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴  ''"_|_   だ に
    |エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴  __.|_|_
    |エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
    |エ | ニエ, |[8] _エ ┴ └‐_|_|__l__,|⊥ |__
    |エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
    |エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
    |エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
    |エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__
  -,-=''┷━━|┬ニエ ┬--  .|__|__| _|_|_
   ''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
  二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
  二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_       |⊥ |__

373名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 03:00:17 ID:KENVnKwg0
人. だ 描 .俺 |  / つ ホ よ
間 ら い は |  l い イ か
な け て 最  !  〉 て ホ っ
ん て な 近 |  | き イ た
だ る い 絵 |  | て    の
ぜ   で し |  ヽ       か
ヽ        か !   l \    /
ノ!\__     /   |  〃''7´
  {  l ̄`ヽ(  ヽ ! / ,;〈
     j| /     `ヽ;;,,   ヽ
  / / l!        ',;    ',
  / /         |
  /   l          !    l
,.イl!    l!         /,    l!
ゞ{l       , , ,;;;ノ、,,,
r''l      ' ' ' ' ''l;;;''''''
、 |           |;;
.ヽ!   !         |;
__」   l        |ヽ
<!  ヽ      | ヽ
374名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 03:09:51 ID:giIvAbZ2O
        ,....::::::::.. ..          き  み 僕
      ,..::::::::::::::::... ..        で  た 、
     ,.::::::::::::::::::::::... ..    .:  す い 小
   ,.'::::::::::::::::::::::::::::::... ..    : か な 泉 
  /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::... ..  ら 人  さ
  /,::::ヾ,:iヾ;:::ハ,;:::::::!;::::ヾ;::::::::::... ..        ..::: 好  ん 
  !!;;〃i::i' `i:::i、ヾ;:::::!;:::i, ヾ;:iヽ;:::i,':::::::::::::........ ....::::
. !! ;l| i:i,  'i:i、  ヾ;;i.ヾi  ヾi ヾiヾ;::::::::::::::::::::::::::
 .i; ;;|  ヾ、 ヾ、 ヾ!||;i;i;i;i;i;i;!!!!!!!ヾ ヾ;::::::;'´_ '';:::
  !!;;〃i::i' `i:::i、ヾ;:::::!;:::i, ヾ;:iヽ;:::i,':::::::::::::........ ....::::
. !! ;l| i:i,  'i:i、  ヾ;;i.ヾi  ヾi ヾiヾ;::::::::::::::::::::::::::
 .i; ;;|  ヾ、 ヾ、 ヾ!||;i;i;i;i;i;i;!!!!!!!ヾ ヾ;::::::;'´_ '';:::
  ! |l;i;i;i;l;l;l;l|ヾ     〃;杰i"ヽ.   i:::/ ,' i. ';::
    ヽ,〃杰i|     .,_ヾシ__ ,    i/ ,''^'; ', ;::
     i ヾツ|   ,,,.  ,,,;;////""    ^i ! ;::
      | ,//|///"             /  ,::::::
      !  i'                 .,::::::::
     |  ヽ-='"            ,‐''';;;:::::
      !    _           /   '';
       !、  ヽ___`二ン        ; 
.       !、   ,,, ,,,,,      ..  ; 
         !、    ̄      ,.: 
         ヽ        ,.:::: 
           !、     _,.::::::: 
            ー‐=Ξ:::::::: 
                i::::: 

375名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 03:12:56 ID:giIvAbZ2O
正直、携帯でレビューなしに拾って来たばかりの
巨大AAを編集するのは無茶だった、いまでは反省している
376名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 03:15:10 ID:KENVnKwg0
まぁ今日は無理なんで明日か明後日余裕があるなら…
べ、べつに期待なんかしてないからねっ///
377名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 03:20:34 ID:giIvAbZ2O
わ、わかってるって! まったく…もっと素直になれば俺だってもっと……
あ、いや! なんでもない! 明日か明後日な、わかったよ

……ただ、お前がなんと言おうと、俺は楽しみにしてるから! それだけはわかってくれ
じゃっ!
378名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 08:53:24 ID:b81CB8QfO
>>376))377
この二人見てたら俺もムラムラしてきた・・・
379名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 10:11:57 ID:/jp5zo1o0
>>378

 書 か な い か
380名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/14(日) 19:55:02 ID:oEzzS+pJ0
>>378
うほっ!いい書き手…
381名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 00:04:08 ID:giIvAbZ2O
さて、いい時間だな…
382名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 02:37:52 ID:WD/Ph5A8O
寝るか・・・
383名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 07:42:07 ID:I6j9MS7K0
ああ…普通にダウンしてた……
384名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 15:07:03 ID:I6j9MS7K0
誰かいたら一応始める前にアンケート的に聞いておきたいんだが明るいのとか暗いのとかシリアスとか要望ちっくなものはあるかな
385名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 17:07:45 ID:QoeBpT6p0
らき☆すたっぽいやつ
386名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 17:20:35 ID:dGowvQOwO
古泉×つかさ
387名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 18:06:34 ID:gY0eevo/0
コメディ的な
388名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 19:41:43 ID:EeNHtZVq0
ここはあえて
谷口×つかさ
を推すことにする

誰かの作品だったか「ちいらぎ」と「ぐっちー」という呼び合い方が
俺的にむっちゃツボった
389名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 20:19:00 ID:I6j9MS7K0
谷口×ひより派参上
390名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 21:34:40 ID:WD/Ph5A8O
ゆたか×キョンの妹×キョン
391名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/15(日) 22:28:28 ID:xDZrXCK4O
あげ
392名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/16(日) 00:44:05 ID:WsOrGHLd0
はやく・・・
来ないと・・・
寝てしまう・・・
393名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/16(日) 01:57:50 ID:WsOrGHLd0
来ないと・・・
見て・・・
寝る・・・
394名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/16(日) 02:09:44 ID:M+cLFQrr0
たまにはみゆきさんやひよりんにも出番を…
395名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/16(日) 21:56:19 ID:nozyMPEZ0
もう……ゴールしても、いいよね……
396名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/16(日) 21:59:31 ID:CKHda0bDO
決まった!!
ゴオオォォォォルウゥゥ!!
397名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/16(日) 22:17:21 ID:WsOrGHLd0
1−0!

1−0でアジアカップ決勝!

日本ッッッ! 優ッッ勝ォォォッッッ!!!!!!!!!!!!!!!
398名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/17(日) 01:57:54 ID:0YxayKzw0
芋こない・・・
俺は・・・
振られたのか・・・
399名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/17(日) 04:45:16 ID:B9Gb72a8O
>>398
芋こない・・・
俺は・・・
掘られたのか・・・





に見えた俺って・・・
400名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/17(日) 12:16:01 ID:zc6d6sX30
>>399
俺もそう見えた
401名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/17(日) 14:16:57 ID:2OMZYnb+O
>>399
奇遇にもそう見えた
402名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/17(日) 22:43:48 ID:yftXKXrHO
>>399
不覚にもそう見えた
403名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/18(日) 01:54:54 ID:nl7rWo5W0
1月25日は桜庭先生の誕生日だ
覚えておくよーに
404名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/18(日) 02:07:17 ID:2cfzgkmG0
きょうも いも は こないでしょう ・・・

桜庭先生はゲームの印象が強すぎてふゆき以外に振り向きそうにないと思ってるのは俺だけじゃないはず
405名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/18(日) 14:34:33 ID:IOedvE5PO
どうも、ゲマズでらき☆すたブランケットを買ったばかりの芋です
406名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/18(日) 14:49:27 ID:Wn+6NHsSO
>>405
変態だーーーー!!(AA略
407名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/18(日) 18:10:42 ID:jTjm2jYl0
ちょっと芋掘りでもするか
408名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/18(日) 20:18:39 ID:tAyXHwe1O
>>407
よし、その掘った芋を俺が食べる
409名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/19(日) 15:15:50 ID:PnzwdFcL0
ゲマズで思い出したがアニメイト店長とその仲間の杉田とかカエルあんまり見ないな
410名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/19(日) 18:52:00 ID:ubM3KLIqO
ハルヒちゃんとらきすたのボックスが売ってたな
411名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/19(日) 22:17:18 ID:2eT2gW9J0
>>410
ハルヒちゃんとらきすたが好きなら買い
らきすたが好きなら買い
ハルヒちゃんが好きなら買わなくてよし
412名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/20(日) 10:53:25 ID:KBcRD0NuO
>>410
俺の言ってるらき☆すたブランケットは正にそれ
結構可愛い
413名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/21(日) 01:35:26 ID:BbLc3zMsO
「こなた」

 くしゃみをした。
小さな身体に似合ったくしゃみを漏らし、長い髪の毛を揺らす。
俺が鼻を擦る彼女に並んで笑うと、彼女は不満そうに眉をしかめて
「むぅ……、ひどいよ」と肩を落として呟いた。
ストレートの髪の毛、その感触を確かめる様に手を髪に埋める。
くしゃくしゃと整髪剤を使ってない素のままの髪を乱す。
鳥の巣の様な状態にされながら、しかし頭を撫でられる感覚が心地よいのか
黙ってなすがままにされてる彼女、目を、細める。

 ポンと、アナウンス。
のちにバスが停まり人が乗る。
最後部座席に座っていた俺達は、それに合わせて端に詰める。

「…!」

 不意に悪戯心。窓を少し開けてあごを枠に乗せる彼女の脇に手を入れ抱き寄せる。
慌てる彼女を狭いからと言って膝の上に乗せ、目的地迄後三駅。
膝から胸までに触れる彼女の身体と体温、そして珍しく付けてる柑橘のコロンの香り。
「い、いやったまにはいいかな〜って。……へん?」指摘すると、そう照れながら
膝に乗っても尚高い俺の顔を見上げる様に問う。

「合ってる、好きだな俺は」

 上目に見てくる彼女の髪と頬に顔を埋めて、軽くキスをする。
青い髪と対照的に紅くなっていく姿に苦笑する。
照れてバタバタと動かす足が脛に当るが気にならない。
ポンとアナウンス、目的地迄後二駅。俺と彼女の最終駅が老衰の死であればと思う。
「ねぇねぇ」ふと呼ばれて視線を落とす。

「なんだ?」
「あのさ〜、さっきみたいにちゅーとかはどこでも恥ずかしげも無くするのに
えちぃ事は全然しないよね? なんで?」

 バスの中で聞くことではなかったと思う、が、とりあえず質問に応じると
「なんとなく」と言ったら脛を踵で攻撃された。
ので、したいのか? と聞いたらさらに強くなって帰って来た。ジャック。

 ポンとアナウンス。
次で降りないといけない。いけない事はないが少なくとも目的地には行けない。

「ねぇ…、人も降りたしそろそろ膝の上じゃなくても良くない?」
「ん〜、嫌だ。次だしいいじゃん」

 あと隣りに座ってた人達降りた訳じゃなく、前方に退避した訳だが。…。

「…ねぇ」
「ん?」
「…もっとギュッとして」
「……こうか?」
「えへ〜♪」
「…変な奴」

 ポンとアナウンス
目的地、チャベル到着。
414名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/21(日) 15:34:54 ID:4lx2Usyt0
ヤバい すごく甘い
415名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/21(日) 17:28:16 ID:kQgJGJj1O

やっぱこなキョンが一番人気かな
416名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/21(日) 21:22:07 ID:tMKGoMpe0
乙25日は忙しいので先に貼っておく

「ただしキョンは嫁に入るとする」
http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00001.jpg
417名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/22(日) 17:38:01 ID:qiTCJON6O
喜緑「朝倉さんを知りませんか?」
418名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/22(日) 22:57:22 ID:cXVMHAW70
417 :名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/22(日) 17:38:01 ID:qiTCJON6O
喜緑「朝倉さんを知りませんか?」

 ゲマズ巡りの疲れたからに休息を求めて市立図書室へやってきたあたしは、寡
黙な知り合いとその前に立つ知らないお姉さんを見つけた。
 そして冒頭の台詞。
 どうやらこのお姉さんは人探し(朝倉って人?)の最中みたいなんだけど……。
 ゆっきーはザ・無反応。
「……ねえねえゆっきー。ゆっきーに聞いてるみたいだけど?」
 あたしがゆっきーの小柄な体を揺すりながらそう聞くと、彼女は卵を割ったら
殻がお椀に入ってしまっていたくらいの薄い反応で
「知らない」
 尋ねてきた美人のお姉さんにそう答えた。
「そうですか……ありがとうございました」
 丁寧に頭を下げるお姉さん、ガチホモでもここまで露骨な無視は出来ないって
レベルのスルーでゆっきーは手元の本に視線を戻した。
 凄い……ここまで徹底してると、もしもこれがキャラ設定を遵守してるとして
も尊敬しちゃうね。
 あたしとゆっきーはたまに話すくらいの友達でしかなかったんだけど、その垣
根を一気に飛び越えたくてあたしはまた話し掛けていた――あんたねー、少しは
空気を読むとかできないの? ――空気、何それ美味しいの? って、脳内まで
突っ込まないで欲しいんだけど。
 ……おほん。
「ねえ、何でいつもそんなに静かなの?」
 警戒されないようになるべく笑顔で聞いてみたんだけど……ど……どー!……
……はぁ。
 やっぱり無視……あ、違う……かも?
 あたしの言葉に対して一欠けらのリアクションも返さないゆっきーだけど、そ
の目の光は僅かに揺らいでいたのさ。
419名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/22(日) 22:58:04 ID:cXVMHAW70
「もしかして、考えてたりする? 何て返事をすればいいか」
 続いた私の言葉に
「そう」
 おおおおお! 返事があった!
 たった二文字のその返事が嬉しくて、思わず舞い上がったあたしは周囲の視線
も気にせず話はじめていた――こなちゃんはいつもそうだと思うよ?
「あのさ、実は何を隠そうあたしも高校デビューした人でさー、中学時代は暗か
ったんだって本当」
 自分で言うのもなんだけどねー。
「そう」
 また「そう」! きたよこれ!
「でもねーやっぱり楽しい方がいいじゃないって思うようになってさ! 今では
毎日楽しいんだ〜。ゆっきーもこうやって一杯喋ってたらもーっと人生楽しくな
るよ?」
 ……おお、迷ってる。
 寡黙な美少女(同い年だけど)が迷ってるよ!
「でも、何を話せばいいのかわからない」
「何でもいいのさ〜。楽しい事や苦しい事、何でもあたしに打ち明けちゃってよ
さあ!」
 ――人生何があるかわからない。
 ゆっきーの薄い桃色の唇から紡がれたのは……なんとも奇想天外、そのまま電
撃大賞小説部門に投稿したほうがいいみたいな貴重なプロット、じゃなくて物語
だったよ。
 宇宙人、未来人、超能力者〜。そんなの居るわけねー……でも少しは居て欲し
い……。
「なるほどねぇ……」
 うんうんと肯く私をゆっきーはじっと見つめている。
 あたしがゆっきーの話を信じたのか? と聞かれたらそりゃもう即答するしか
ないでしょー。
「うん、あたしは信じる。寡黙な眼鏡っ子が現在したんだもん、宇宙人くらい居
なきゃおかしいよ!」
 親指を立てて決めポーズを取ったあたしをゆっきーは嬉しそうな顔で見ていた。

 >>417に便乗 おしまい
420名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/23(日) 00:37:47 ID:UgsAYJEQ0
うん!こなキョンもいいけど、やっぱりこなゆきだねっ(≡ω≡.)b
421名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/23(日) 00:48:03 ID:QG6UdjfD0
>>413>>419も乙
こなキョンもこなゆきもイイネ

朝倉は何処に行ったんだろうね……
422名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/23(日) 18:53:09 ID:E9BXwAxFO
>>419
あれ?書いたはずなのに書いてなかた

gj
あの一言でこのレベルの粉雪が創造出来るなんて天才か
423名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/23(日) 19:48:14 ID:GrqRddBhO
うんうん、粉雪いいねっ!

ただ惜しむらくは、こなた→長門の呼び方は「ながもん」として欲しかった。

「ユッキー」はつかさが呼ぶのが似合うと思うんだ。
424名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/24(日) 12:04:16 ID:Ivq0n9iN0
>>423
あ、そっちの方が違和感ないね
今後の参考にします
425名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/24(日) 13:57:55 ID:3erZ1FYnO
近々修学旅行なのに風邪引いちまった……

このままだと修学旅行より桜庭先生のSSが書けない
426名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/24(日) 17:05:34 ID:sEUKCQMG0
差し入れだ
つネギ

ほら、四つんばいになれよ
427名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/24(日) 23:41:32 ID:aDcS+ItoO
ネギをケツに入れると風邪に効くってまじ?
428名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 00:13:25 ID:aRvDD43C0
さて、風邪引いてたがそんなもの>>426に貰ったネギで回復させたので桜庭先生のSS投下するぜ
429名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 00:13:58 ID:aRvDD43C0
「はぁ……」
 これで今日三度目の溜息。
 最近、ふゆきがおかしくなっている。
 おかしくなっている、と言うのは変かもしれないが、私の部屋に来てもいつものように私と談笑したり、掃除したり、食事を作ってくれるわけでもなく、
常に上の空状態で時々溜息をつく、と言った状態なのだ。何か悩み事でもあるのだろうか?
 こういう時、私が何とかしてあげないと誰がするんだ。そう自分に言い聞かせ私はふゆきに話しかける決心をした。
「なぁふゆき」
「……」
 返事は無し。ただの屍のようでは無いが。
「おーい、ふゆき?」
「あっ、はい。どうしました?」
 ようやく我に帰り返事をするふゆき。これ程までとは。
「何か悩み事でもあるのか?」
 そう尋ねるとふゆきはそんな事無いと否定をする。
 だがそれも嘘だと言い、ひたすら問いただすとついに口を割った。
「桜庭先生は……恋をしたことはありますか?」
 ん?今何て言った?
「だから、恋をしたことはありますか?」
 オーケイ、私は疲れているようだ。何か変な幻聴が聞こえるらしい。
「んもう、からかわないで下さい。だから言いたくなかったんですよ」
 どうやら幻聴ではないらしい。良かった、私の耳もまだ健全だ。
「本気か?」
 そう問うとふゆきは顔を紅潮させ俯きながら縦に一度だけ頷く。
 どうやら本気らしい。
 となると次に気なるのが恋の相手なわけだが、まさかふゆきが恋をするなんて、思ってもいなかったぞ。

「で、誰なんだ?」
「はい?」
 私の質問を理解できなかったのか、それとも単に聞き取れなかったのかはわからないが、再び訊いてくるふゆき。
「その恋の相手は誰なんだ?」
 単刀直入にそう言うとふゆきは紅潮させていた頬を更に赤らめ、
「その、あまり言いたくないって言うか」
 ともったいぶる。
「もったいぶらずに言えよ」
 緊張しているふゆきに対し、私は至って無頓着を装う。と言うよりかは娘に彼氏が出来てその相手が誰なのか気になるが父親の威厳としても中々率直に聞けず、
興味ないけど一応訊いておくよ、といった感じでふゆきに答えを急かす。
 例えが長すぎたがまあいいだろう。
「禁断の、恋なんです」
 禁断の恋?どういう事だ?もしかして私を好きになったとか。いや、そんな事無いか。
「どう言う意味だ?」
 思ったことを素直に尋ねる。
「……生徒のことが好きになっちゃんったんです」
 ふゆきがこの言葉を発した瞬間、赤くなっている顔は更に赤みを増していくのが見える。
 それにしても、好きな相手が生徒ねえ。そりゃ確かに禁断の恋だな。
430名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 00:14:30 ID:aRvDD43C0
 そろそろ本格的に人物の探索を始めようか。
「学年は?」
「三年です」
 ふむ、一応担当学年だし顔はある程度知ってるな。三年で良い奴といえば、古泉一樹とかか?
「違いますよ」
「んじゃクラスは?」
「……なんか、楽しんでません?」
「いんや」
 実際は楽しんでいるけどな。
 自分は人一倍色恋沙汰に縁が無いために、人の色恋沙汰に人一倍興味を示す。そう言うものさ。
「クラスは、よくわかりませんね」
 クラスが分からないんじゃ、特定しようが無い。
 私の探偵遊びもこれで終わり。
「名前を教えてくれ」
 少し率直過ぎたか。最初は戸惑ってたふゆきだったが、流石に腹を括ったのかポツリと短い言葉を呟いた。

「キョン君です」
 ふゆきの顔の赤さは更に上がる。もうこれ以上赤くはならないだろうと言うほどである。
 キョンか。あいつ本名なんていったっけか?皆があだ名で呼ぶもんだからすっかり名前を忘れてしまったな。
 あいつはあんまり頭も良くないし、顔も至って普通なのにな。何処が好きになったんだ?
「そうですね、性格でしょうか?」
 性格?ふゆきはキョンと親しかったのか?
「ええ、ある程度は。小早川さんは知ってますよね?」
 あの病弱でよく保健室に来る私よりちっこい子だな。
「はい。あの子がSOS団に入ってるのも知ってますよね?」
 キョンも入ってるあのお騒がせ団体の事か。
「お騒がせと言うのはどうかと思いますけど。それでよくあの子の付き添いとして保健室に来るんですよね」
 それは初耳だ。
「桜庭先生のいないときですから。それで、小早川さんがベッドで休んでいる間ずっと保健室に残って小早川さんの体調が良くなるのを待ってるんですよ」
 優しい奴だな。授業中はいつも机と睨めっこしているくせに。
 いつの間にか私の立場がお父さんではなく普通に一友人としてなっているのは気にしないでくれ。
「その間ずっと私とお話してて、それで好きになったと言うか」
 私は恋愛の事をよく知らないが、そんなので好きになれるものなのか。
 それに私が見てるキョンのいつも周りには泉や涼宮といった女子勢がうろついている風に見えるのだが、ふゆきもその一人になったのだろうか。
 いや、もしかしたらキョンは天然のフラグメーカーなのかもな。
431名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 00:15:00 ID:aRvDD43C0
 さて、ここで問題がある。
 この恋を応援するか、生徒との恋愛は原則禁止なわけだし諦めさせるべきか。
 本来なら前者を選択するのだろうが、なぜか私は後者のほうがいいと思えた。
 ふゆきが恋愛に夢中になり私の相手をしてくれなくなるのが怖いのだ。ましてや、その恋愛が成就したら私との関係が余計疎遠になる。
 こんなのはただの独占欲だし、わがままでしかない。人の恋路を邪魔するなんてのは最悪だ。
 さっきは父親のようにと言ったが、実際はふゆきが私の母親のようになっていて、いつも家事やらなんやらしてもらってたんだ。
 それなのに、母親が再婚すると言った時反対するのはどうかしてるな。まあふゆきは再婚するわけではないが。
 私がいつもふゆきに纏わり付いていたせいでふゆきにも縁がなかったわけだし、せっかくふゆきが好きになったんだ。生徒も先生も関係無いさ。
 ……私も、そろそろ親離れが必要なのかもしれない。

「まあ、私も応援してやるよ」
 私がそう言うとふゆきの表情が少し明るむ。
「本当ですか?」
「ああ。その代わり、高校卒業するまでは待てよな」
 流石に在学中に生徒と先生の恋愛などばれてしまうと大変な事になるからな。
「もちろんですよ」
 全てを吐き出して楽になったのか、さっきまでのリンゴのような赤さとは違い、いつものふゆきの表情で笑顔を見せる。
「怖かったんですよ」
「なにが?」
「桜庭先生に相談すると、反対されそうな気がして」
 私の思ってたことを、ふゆきも思っていたのだろうか。
「そんな事するわけないだろ」
 心の中では思ってたくせに、つい見栄を張ってしまう。
「ふふっ、そうですか。これからも、よろしくお願いしますね」
 そういってふゆきは私にいつも以上の笑顔を見せる。
「こちらこそ」
 私も滅多に見せない笑顔をふゆきに向けた。

「これから、敵が増えるぞ」
 私は青年の肩をポンと叩きながらそう呟いた。
「敵?どういう事ですか?」
「まぁ、主に男性だな。岡部先生とかにも気をつけろ」
「はあ……」
 とても気だるそうに私に生返事をするキョン。
 やはり、この言葉だけでは理解しがたかったか。けど、今の私に出来る彼への助言はこれしかない。
 ふゆきのキョンに対するアピールを面白半分に見るために、私は今日も放課後、保健室へと足を運ぶ。
432名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 00:16:11 ID:aRvDD43C0
以上で終わりです
まぁいつも通りの超短編なわけで、誤字脱字あればご指摘願います
題は『桜庭ひかるの親離』でお願いします
433名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 01:00:40 ID:1I0BndM4O
>>432
オツーそしてgj
桜庭ひかる視点は初めてじゃないか?
キョンみたいなモノローグだから読みやすいな。






しかしらき☆すたをあまり見ない俺は桜庭先生とふゆきって人の顔や性格がわからない・・・
あとで調べよう
434名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 01:24:54 ID:Xix3lYZd0
一応>>416が桜庭先生の外見だな
調べればわかるが口癖が結婚してくれ(注1)で趣味が禁煙
元らっきーちゃんねるのアシスタント
三年生の担当だったがクラスが違ったので出番はほぼ無し


注1…言う相手は天原ふゆき(注2)のみである
注2…保険医であり、おっとりほのぼの系。男子教員に人気があるがいつも近くに桜庭先生がいるのでなかなか接近できない。
435名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 05:31:04 ID:1I0BndM4O
>>434
ありがとう
眼鏡か・・・なるほど
436名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 13:25:47 ID:aRvDD43C0
http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00002.jpg
↑はそれぞれのキャラの参考にまで
左から天原ふゆき、桜庭ひかる、八坂こう
ふゆきとひかるが教師で、こうはこなたたちの一学年下でらき☆すた内ではひよりと同じアニ研に入ってる設定
437名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/25(日) 14:02:56 ID:1I0BndM4O
>>436
ふゆきかわええwww
こうって人初めてみたな
438名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/27(日) 15:26:03 ID:EIfg1Sv00
アニメには出てこないからね
わりと好きなキャラだったから残念だったよ
439名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/27(日) 23:33:18 ID:RgXs+8hIO
ってか最近漫画読んだけど
パティの出番が無さ杉で泣いた

何故
440名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/27(日) 23:34:23 ID:qYGo1Cc40
>>439
元々パティはゲーム用に作られたキャラで
美水はキャラデザを担当したくらい

いわばやまとみたいな感じ
441名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/28(日) 01:20:18 ID:Yso8gQZfO
畜生………っ! 畜生っ!
442名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/28(日) 02:15:30 ID:BsBdzZh30
やまとが出てくるSSってまとめにあったっけ?
443名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/28(日) 21:17:20 ID:KrzbfunTO
閻魔刀
444名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/28(日) 22:22:21 ID:JYLe5mWWO
やまとやまと……
「なんてったって☆憂鬱」に出てたような……
勘違いならすまん
445名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/29(日) 23:18:06 ID:WLSC0KEEO
普通に書いたつもりのあやのがヤンデレと言われた
どうした物かと先達に聞こうと思う
446名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/29(日) 23:23:59 ID:1pnSKdsC0
多分>>445にとっての普通が一般ではヤンデレなんだと思うよ
あとID凄いな

それにしても最近過疎ってるな
447名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/29(日) 23:28:27 ID:QGzAI4FE0
>>445
私ヤンデレ好きだけど
ヤンデレってのは愛が常識を吹き飛ばした一種の形だと思う
448名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/29(日) 23:39:45 ID:WLSC0KEEO
最近意図せずにヤンデレになることが多々あるんだ
特にあやの、あとはみなみとかゆたかも
そんなつもりないのに。
449名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/29(日) 23:44:39 ID:QGzAI4FE0
                 |
  . |               ||
   ||              |.|
   ||              | |
    ||         /( (・゚)) | |
  . |:|       //      |. |
 . | |       | |      | |
  | |        |. |      |. |    ヤンデレとは愛情表現の一種
  | |      / |     | |     愛のある生物…なんとすばらしい
  | |      /  |     /| |
  | |      /.   |   / ||  |
  | ||     | -‐-|   / ||  |
  | ||\   /   /   / /|. |
  | :| \ \/    |   / /  | |
  | |  \      ゝノ /   |. |
  | |  /)       /    | |
 . .|| / /       |    | |
   | (_/       \    |.|
     /   /⌒\  \  ||
    (___/    \__) |


というか二ヶ月ばかり暇になったぜやっほい
ひさびさにSSでも書くか
450名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/29(日) 23:51:56 ID:WLSC0KEEO
  アババ  ヤンデレ  アババ
____
          /ノ   ヽ、_\
        /( ○)}liil{(○)\
       /    (__人__)   \
       |   ヽ |!!il|!|!l| /   |
       \    |ェェェェ|     /
     , -‐ (_).ヽ   ー‐    ィヽ
      l_j_j_j と)          i
       ̄`ヽ     ノ    | l
       /´  ヽ        | l
       l    |       ヽ_⊥-‐ 、
       ヽ  _,l- 、      ̄/     l
        ヽl´   |_  / ̄ `l_-‐ ´
         `-‐´   ̄ヽ --‐'

451名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/29(日) 23:57:35 ID:Db6LoVsfO
ヤンデレが好き過ぎて病んでしまいそうだ
452名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/30(日) 00:01:39 ID:FspxSxHkO
>>451
病んでしまいそうだと思ってる時、すでにお前は病んでいるんだね
453名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/30(日) 11:05:54 ID:60SKDPSAO
古泉×つかさで何か小説を書こうと思っているのだが…いいネタが思いつかん
454名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/30(日) 12:54:58 ID:Mxc0CO/E0
古泉とつかさにはヤンデレが似合うってエロい人が言ってた
455名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/30(日) 16:09:07 ID:1M7EzQA00
じゃあ古泉がヤンデレに
456名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/30(日) 16:49:07 ID:60SKDPSAO
すまん。
ヤンデレは専門外なんだ…
457名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/30(日) 20:12:21 ID:iuPkfjGSO
書いた人がヤンデレでもいいんじゃないか
458名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/30(日) 22:27:50 ID:r2jEaKxQO
古泉ものは嬉しいね。つかさ、みゆき、みなみ、ひより辺りが合うと思う
459名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/30(日) 22:36:26 ID:1M7EzQA00
>>456
ねぇどうして? どうして書いてくれないの?
専門外……? 大丈夫だよ、ちゃんとわたしが教えてあげるから。
だからその椅子から動いちゃダメだよ? あは、ロープで縛ってるから動けないか。
……ん、どうしたの? ああ、助けを求めても無駄だよ?
この部屋は防音がしっかりしてるからどんなに騒いでも声は漏れないし、肝心のあの人も助けにこないよ?
ふふ。どういうことだ、って判らない? ほら、こういうことだよ。
この人も首だけになってダイエットの必要もなくなって嬉しいんじゃないかな。持ち運びにも便利だよ。
ね、あなたの執筆を邪魔するやつはみんなみんな壊してあげるからね。
なにか食べたいものはある? 時間はたっぷりあるから。
460名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/31(日) 14:09:43 ID:6/GMHbz1O
「っと、こんな感じ?」
 ふっと笑みをいつもの柔らかなそれに戻して聞く彼女。
俺は少し目を閉じて考えてから

「完璧だよ、かなた! モチベーションあがってきた!」
「ならいいけど…、なんでこんな小道具あるの、そう君?」

 そう言って持っていた生首(作り物)を不思議そうに眺めるかなた。

「いや、等身大フィギュアの頭」
「……またそんな物買って…」


 ある日の出来事でした
461名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/31(日) 17:45:59 ID:YFxX5Lbr0
>>460
色んな意味でありがとう
462名無し@18歳未満の入場禁止:2009/01/31(日) 18:02:41 ID:6/GMHbz1O
>>461
いえいえ大した事をしたわけじゃ……
463名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/01(日) 20:23:29 ID:ZLF4cbnI0
くそっ!俺はなんて事をしたんだ!
せっかく一日中休みだって言うのにその大半を寝て過ごしてしまったなんて……
畜生!誰かこんな無様な俺を叱ってくれ……
464名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/01(日) 20:32:45 ID:ZfoXSOmkO
>>463
この雌豚ッッ!!!
罰として便器でも舐めてな!!
465名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/01(日) 23:52:52 ID:ZLF4cbnI0
sasasasage忘れ〜

>>464
すみません!私ははしたない雌豚です
お詫びと言っては何ですが、SS投下しておきます
466名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/01(日) 23:54:03 ID:ZLF4cbnI0
 こんな時期になると爬虫類は冬眠を始めるというのに、爬虫類の様に、いや爬虫類以上に凶暴な涼宮ハルヒは元気が有り余っているらしく今日も不思議探索で足を軽やかに
運ばせている。
 なんで哺乳類は恒温動物になったんだろうね。爬虫類のように変温動物だったらこの寒い外を出歩かず家の中でずっと眠っていられるのに。
 それにしても本当にこの時期になると寒くなってくる。ここらへんの地域は時々雪は降るとはいえ積もりはしないため東北地方とかに比べるとまだマシかもしれないが、そ
れでも生まれから育ちまでここの俺にとっちゃ沖縄にでも行かない限り寒いと言う感情は捨てきれないだろうね。
 軽やかなステップで先を行くハルヒを前に俺ともう一人、柊つかさもさぞ寒そうにポケットからカイロを取り出し手袋越しに寒さを凌いでいるのが見える。
「今日はまた一段と冷えたね〜、キョン君」
 白い息を空に撒き、その行き先を眺めながら俺にそう言うつかさ。
「そうだな」
 と相槌を打ち、俺もつかさの吐いた白い息の行き先を見る。
 白い息が完全に消えつかさの方を見ると、つかさはじっと俺の方を見つめていた。
 ピンクのボンボン付きのニット帽にマフラーと言う可愛らしい完全防備の服装である。
 かくいう俺は帽子もマフラーもしておらず、防寒具といえばコートと手袋、それからポケットに忍ばせてある貼らないカイロぐらいである。
 帽子は似合わないしマフラーもあるにはあったのだが、以前シャミによって無残な姿になってしまった為、今はもう使い物にならない。
 そんなことよりも俺はさっきからじっと見つめてくるつかさが気になるわけで。
「どうした?」
「はうぅ!な、何でもないよ」
 俺が不思議そうに尋ねると急に我に帰り慌てふためくつかさ。
「本当か?」
 俺が問いただすと、
「あ、えっと……その」
 とつかさは答えを渋らせる。
 そして何か次の言葉をつかさが発しようとしたところで、
「何してんのよ。さっさと来なさい!」
 といつの間にかはるか五十メートルほど前にいる団長様の号令によりその会話はあえなく終了となった。

 次の日の放課後の活動からつかさに変化が表れる。
 普段ならかがみや高良、朝比奈さんと会話をしたり、ボーっとしたりしていたのだがここ最近はずっとせっせと指を動かし何かを編んでいる。
 必死に本を見ながら作っており、分からない所は所々朝比奈さんに聞いたりして再び編み続けているのだ。
 恐らくマフラーかミトンなのだろう。だがつかさは両方持っていたし、誰かに上げる物なのだろうかね。
 はて、つかさも一端の恋でもしたのだろうか。
 そんなつかさを見て俺もマフラーを買わねばならんなと思った。
 以前言ったとおり俺の前のマフラーはシャミの所有物となってしまったわけだし、この時期になるとマフラーがないと首元が寒くてやってられんからな。
「どうしました?」
 そんなことを考えていると俺の前方から古泉が声をかける。
「いや、なんでもない」
 そう言って古泉から奪い取った飛車を敵陣の中心部に置く。
「王手だ」
 そう言いながら俺は天井を仰いだ。
 古泉は将棋盤をじっと見つめながら、
「投了ですね」
 と微笑みながら言った。
 やれやれ、古泉はいつまで経っても強くならんな。
「こう見えても努力はしているのですが」
「その努力は結果となって表れていないがな」
 そう言うと古泉は肩をすくめて言った。
「全くです」
467名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/01(日) 23:54:38 ID:ZLF4cbnI0
 また別の日俺は念願のマフラーをようやく購入し、学校へと着けていった。
 あの長い長い坂を寒いながらも上りながら校門をくぐり、下駄箱へと向かう。
「あっ、キョン君」
 と後ろから声がし、振り向くとそこにはつかさがいた。
「つかさか。おはよう」
「うん。おはよう」
 そう言ってつかさは笑顔を見せたかと思うと、今度は少し俺の方をまじまじと見て、
「マフラー買ったんだ」
 と訊いてきた。
「ああ、流石にこの時期に無いと厳しいからな」
「そうだよね」
 つかさの方を見るとなぜかつかさは悲しそうな表情を浮かべていた。
「どうした?」
 そうつかさに尋ねるとつかさは笑顔を作り、
「な、なんでもないよ」
 と言って走って下駄箱を抜け教室へと向かっていった。
 一体どうしたというのだろうか。

 その日の活動から、つかさは編み物をしなくなった。
 別に完成したわけでもなく、俺の記憶ではそろそろ仕上げといった所だったのに何故だろうか。
 それだけではない。つかさがずっと落ち込んでいるように感じるのだ。
 ボーっとする事なら多々あったが、これほどまでに落ち込んでいるのは珍しい。
 やはり、何かあったのだろうか。
 気にはなるのだが、尋ねようがない。見たところ泉や高良も原因が分かってなさそうだし、もはやお手上げ状態である。
「ちょっとキョン君」
 肩をとんとんと叩かれ、かがみが俺に耳打ちをしてくる。
「活動が終わったら少し付き合って」
「何でだ?」
「いいから」
 かがみなら何か知っているかもしれない。そう思い俺は快く了承をした。

 活動終了後、かがみは泉たちを先に帰らせ部室には俺とかがみだけとなった。
 なんか、女子と二人きりで学校にいるというのは朝倉の事やらあの忌々しい事件やらであまり良い思い出がないな。
「で、何のようだ?」
 俺は帰り支度を済ませ、泉たちを見送りドアをパタンと閉じたかがみにそう尋ねた。
「うん。つかさの事なんだけど……」
「つかさの事か。最近おかしいと思うんだが、お前は何か知らないのか?」
「私がそれを聞いてるのよ」
「生憎だが、俺にもわからん」
 その言葉を聴いたかがみはハァと溜息をつき、
「キョン君でも分からないならお手上げね」
 と言った。
 どういう意味だそれ。
468名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/01(日) 23:55:06 ID:ZLF4cbnI0
 その後俺とかがみはつかさに元気が無い理由を考えた。
 するとかがみは俺を見て、こう言った。
「あんた、マフラー買ったの?」
「ああ。寒いもんでな」
 その言葉に対し、かがみはまたしても溜息をつく。
「はあ、ようやく原因が分かったわ」
 分かったってどういう意味だ?俺のマフラーが何か関係しているのか?
 かがみはあきれ返ったように俺に説明を始めた。
「あんた、つかさが前まで何してたか知ってるわよね?」
「何か編み物をしていたな。だがここ最近は編んでいる様子がないが」
「あれはね、マフラーを編んでたのよ」
 マフラー?
「それまた何故だ」
 かがみはまだ意味を理解できていない俺に対し、本日三度目の溜息をつく。
「これだけ言ってもわからないのね。相当鈍いわよ」
 好きで鈍いわけじゃない。分からないものは仕方がないだろう。

「つかさは、あんたのためにマフラーを編んでたの」
 俺の中にハテナマークが量産され始める。
「俺のために?何故だ?」
「ちょっとは自分で考えようとしなさいよ」
 つかさが俺のためにマフラーを編んでいた。いつ編もうと考えた?
 この前の不思議探索の時か。
 あの時マフラーをしていなかった俺に対してつかさは編もうと考えたわけか。
 理由はわかったが、なぜ俺がマフラーをつけてきただけであれ程までに落ち込んだんだ。
 そのマフラーを自分用のためにでも作り直せばいいのに。
「そんなの、ちょっと考えればわかるでしょ」
 みかねたかがみが話を再開し始める。
「あんたが好きなのよ」
 俺のことが……?
「そ、あんたの事が。この前何で編んでるのか訊いてみたのよ。そしたら『キョン君のために』って顔を高潮させながら言うんだもん」
 それだけじゃ俺のこと好きと言う事には直結しないぞ。
「あの時のつかさの顔は面白いぐらい乙女だったわ。からかってやろうかとも思ったけど、あんなに真剣なつかさは見たことが無かったから、やめといたわ」
 そんなに一生懸命編んでいたのか?
「それぐらいあんたの事本気なのよ」
 そういった後かがみは鞄を持ち、
「これを聞いてどうするかはキョン君次第よ。振るのもよし、付き合うのもよし」
 ドアの前まで行き振り向きながら、
「けど私としてはつかさを落ち込ませないでほしいけどね」
 と言葉を残してかがみは部室を出て行った。
 落ち込ませないでほしい、か。そうなったら選択肢は一択じゃないか。
 そう思いながら俺は部室の鍵を手に取り、部室を後にした。
469名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/01(日) 23:55:47 ID:ZLF4cbnI0
 次の日の放課後、俺は部室に行く前に教室につかさを呼び出した。
 未だに元気が無いつかさに俺は自分の持っていたマフラーを差し出した。
「どうしたの?」
 理解できていないつかさに俺は、
「そのマフラー、やるよ」
 とだけ答える。
「いいよ、別に自分のあるから」
「だったら、俺はこのマフラーを捨てる」
 そう言うとつかさは驚き、
「そ、そんなことしたらキョン君のマフラーが無くなっちゃうよ」
 と言った。
「つかさは俺のためにマフラーを編んでくれてたんだってな」
 俺がそう言うと慌てていたつかさの表情が一変し、赤くなり、
「うん……」
 と縦に頷きながら言った。
「悪かったな。そんなことに気づかずに自分でマフラーを買っちまって」
「そんな事無いよ」
 俺は持っているマフラーをグイとつかさに近づける。
「だから俺はこのマフラーをつかさに渡す。それで、つかさは俺にマフラーを編んで欲しいんだ」
 少しわがまますぎたか。そう思い、俺はマフラーを自分の方へ戻そうとした瞬間、つかさが俺のマフラーを掴んだ。
「これってプロポーズ?」
 上目遣いで尋ねてくるつかさ。
「ま、まあそうなるのかな」
 その言葉を聞くと、つかさは朝比奈さん以上のスマイルを放ち、
「こちらこそ、よろしくお願いします」
 と言った。

 数日後、俺は白いマフラーをつけ、学校に登校する。
 つかさから作ってもらったものであり、シャミにボロボロにされないよう大事に保管している。
 同じくつかさも、マフラーをつけて登校している。
 だが、そのマフラーは俺の渡したマフラーではなく、つかさの手編みマフラーなのだ。
 つかさ曰く「お揃いが良い」との事らしい。俺もその方が良いしな。
 今は人間が恒温動物であったことを嬉しく思いながら、俺は白いマフラーをつけ急な坂道を上って行く。
470名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/01(日) 23:59:36 ID:ZLF4cbnI0
これで終わりです。
まぁいつも通りの超短編ということで。
お題だった「マフラー」もクリアしたし、これでお題は全部消化したと思います。
題名は『すれ違い』でお願いします。

2月3日は八坂こう、8日は黒井せんせー、14日はあきら様の誕生日なんだぜ。
覚えておくよーに。
471名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/02(日) 02:09:40 ID:EJjY1u7P0
いいなーこの王道。
つかさのけなげさと控えめさがよく出てるとおもいますた。
そして、キョンのフラクラっぷりもwww



残り3人分のマフラールート分岐の消化もして欲しい、
と言うのは贅沢ですか?(≡ω≡.)
472名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/02(日) 15:02:42 ID:j1CuJPD5O
>>470
乙!
便器舐めろなんて言ってしまってすまん・・・
俺が舐めてくるわ






誕生日に向けてまたお題募集なんてどうだろう
473名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/02(日) 15:55:48 ID:n7+G7v/x0
小野大輔と杉田智和がラッキーチャンネルに出てくる
474名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/02(日) 19:16:37 ID:2MLOusdi0
>>473
kwsk
475名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 00:22:04 ID:73y3Ow/h0
黒井センセーの誕生日と聞いて突発的に描いた後悔はしていない
http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00003.jpg
476名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 00:50:57 ID:q+ofAFUKO
黒井センセーはまた一つ歳をとられたのですか
477名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 00:54:12 ID:e/BeufqCO
>>475
うまい!gj!
が、今日は八坂こうって人の誕生日じゃ・・・
478名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 01:22:40 ID:73y3Ow/h0
>>477
はて…そのような人物がおりましたかどうか…私は存じ上げませぬ……
479名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 16:37:03 ID:4c/EZAgy0
八坂こうの消失
480名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 19:22:01 ID:T1ZX3vjm0
節分ネタは無しか…
481名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 21:13:12 ID:vYo0ZH720
今から書き始めて間に合うのかどうか……
482名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 22:20:34 ID:e/BeufqCO
>>481
成せば成るかもしれない
成さねば成らないかもしれない
何事も
483名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 22:21:21 ID:73y3Ow/h0
君ならいける!
484名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 22:40:59 ID:8QEmUZPgO
節分ネタ……
いまからやるか…


携帯だけど…
485名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 22:46:30 ID:vYo0ZH720
すまんな。遅くなったが今から投下するぜ。
題は『豆撒き』で。
486名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 22:47:24 ID:vYo0ZH720
 さて、皆さんは今日が何の日か既に知っているだろう。
 節分の日である。
「節分とは、本来各季節、立春や立冬の前日を指すのです。江戸時代以降は主に立春の前日が『節分』と言われるようになっていき、毎年三日、閏年の日は四日が節分となっ
ているのですよ」
 と部室で高良が泉やつかさに知識を披露している。
「節分と言えば豆撒きですが、東北など地方によっては落花生などを撒かれる所もあるそうです。他にも、米、麦、かちぐり、炭なども使用されていたのですが、豆が一番収
穫しやすく、鬼に当てた時の音や、豆自体の粒の大きさが適当だったため、大豆が一般的に使用される事になったそうですよ」
 感心する俺とつかさ。ちなみに、ハルヒ率いる朝比奈さん、かがみ、古泉らは買出しに行っている。
 差し詰め豆でも買いに行ったのだろう。
「いやー、凄いねみwikiさん」
 今泉の発音が変に聞こえたのは気のせいだろうか?
「そんな情報何処で仕入れているの?」
「Wikipediaです」
「やっぱりネ」
 何がどうやっぱりなのかはいまいち分からないが、そんな会話をしているうちに、
「たっだいまー!」
 と半開きとなっていたドアを壊れるのではないかというぐらい勢いよく開け、ハルヒたちが帰ってきた。

「ふぃー。疲れた」
 そう言いながらずっしりと中身の詰まったスーパーの袋を机の上に置くハルヒ。さっきまで持ってたのは古泉だがな。
「おい、こんな荷物どうしたんだ?」
「買ってきたのよ」
 憐れな子羊を見るような目でこっちを見るハルヒ。
「そうじゃなくてだな。こんな荷物、一体何に使うんだ?」
「豆撒きよ豆撒き。今日は二月三日、節分の日よ」
 そんなことは知っている。さっきまで高良たちとその話をしていたのだからな。
 しかし、ハルヒたちが買ってきたその荷物は豆撒きのためだけに買ってきたとは思えないほど重そうになっており、スーパーの袋の持つ手を持ったら袋が破れてしまいそう
なほどである。
「何が入っているんだ?」
「豆よ」
「こんなにも豆があるって言うのかよ」
 袋の中が全部豆だとしたら全部撒くのに一時間以上はかかるだろうよ。とんだ豆撒きだな。
「誰が全部豆って言ったのよ。あんた、何のために豆を撒くか知ってるの?」
 福を呼び込んだり、厄を払うためにするものだ。
「わかってるじゃない」
 足し算の計算が出来た小学三年生を褒めるような態度であしらうハルヒ。少し馬鹿にしすぎだろう。
 いくら年中行事に興味・関心が無い俺といえど、一端の常識ぐらいは弁えているものだ。
「だから、これも買ってきたわよ」
 そう言って袋の中を漁るハルヒ。
487名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 22:47:44 ID:vYo0ZH720
「じゃじゃじゃじゃーん」
 ハルヒが袋から取り出したのは鬼の面である。
 それも幼稚園児や小学生がつけて遊ぶようなデフォルメされた鬼ではなく、本当にどこぞの匠が作り上げたかのようにリアルな顔立ちをしている面である。
 朝比奈さんはこのお面が出てきた時点で怯えている。うーん、怯えてる姿も可愛らしい。
「どこ見てんのよ。で、このお面、二枚あるんだけどどういう意味かわかるわよね」
「なるほど、キョンキョンとかがみんがつけるんだね」
 唐突に糸目少女がかがみの方を見てニヤニヤしながら言った。
「何で私なのよ」
 とかがみ。どうやら俺であることはもう決まっているらしい。
「いやーだってかがみんは鬼のように凶暴じゃん」
「誰がだ!」
 とまあいつもの会話がありながらも結局女子に豆を投げるのは抵抗があると言う古泉のジェントルマンな発言により鬼の仮面は俺と古泉がつけることとなった。
 はあ。何で俺の鬼役はは絶対なのだろうか。

「鬼はー外。福はー内」
 もしここにいるSOS団メンバーが全員、つかさや高良、かがみのように思いやりがあり、優しく豆を投げてくれる人だけだったらどれほど良かったか。
「滅びろ!」
 などと、なにかのゲームの言葉なのかは知らないが、そう叫びながら思いっきり豆を投げる泉や、
「鬼はー外ー!福はー内ー!」
 と野球選手顔負けの速度で豆を投げてくるハルヒ。
 長門は豆を投げずにそのまま食べているし、朝比奈さんに至っては鬼のお面に怯えてまともに豆も投げれていない。
 それにさっきから不服なのはつかさや高良は古泉だけに当てていて、それだけ見れば非常に微笑ましい風景なのだが、俺はと言うと泉やハルヒにだけ狙われる始末である。
 時々かがみが緩い豆を投げてくるが、それ以外の豆は全力投球。投手が投げたいように投げているだけで優しさのかけらもあったもんじゃない。
 塵と積もれば山となる。いくら豆でもこんなに多く投げられていると俺の痛点も活動しだし、痛いのである。
 それにしてもいつまで続くのだろうか。本当にあの袋全部に入っている豆を全部使うつもりなら、無くなった頃には俺は生きているかどうかすら不明だ。
 死ぬ前に遺書ぐらい書いておきたかったな。
488名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 22:48:11 ID:vYo0ZH720
 それかだ数分たった後、流石にもう厄払いは充分だろうと満足したのか、それともただ単に飽きたのかは知らないが豆が結構残ったまま豆撒きは終了した。
 どうやら俺も無事らしい。
 古泉のほうを見ると、笑顔でつかさたちと談笑している。今日ほど古泉に腹が立った日は無いぞ。
「キョン君」
 と俺がお面を取り、それを机に置いた瞬間朝比奈さんが俺の元へと駆け寄る。
「とっても、怖かったです」
 ウルウルとした小動物のような目で俺の方を見る朝比奈さん。うん、やっぱり可愛らしい。
「いやー。仲がいいネ」
 俺と朝比奈さんの間にニュッと泉が顔を出す。
「でもさ、朝比奈さんにも鬼のコスプレとかさせたらいいと思うんだよネ」
 そう泉が言った瞬間、朝比奈さんの顔がビクッと、ハルヒの顔がニヤッとなった。
「それもいいかもしれないわね。こなたの案採用!」
「どうもー」
「ふぇぇ」
 芸人のようなノリをしたのが泉で、可愛らしい反応をしたのが朝比奈さんである。
 こころなしか泉が少し怒っているようにも見えるが気のせいか?
「そんな事無いヨ」
 泉は糸目のまま否定する。
 まあ俺としても朝比奈さんのコスプレが拝めるのは嬉しいけどな。
「しまった!逆効果だったか……」
 何か泉は独り言を呟いているが気にしないでおこう。

 その後、俺たちは豆の掃除をして、帰ることとなった。
 何で俺は撒いていないのに掃除をしなくてはいけないのだ。
 けどそんなことも気にせず家に帰ったら妹や家族と豆撒きでもやろうかなどと考えながら、俺は余った豆を少し貰い、それを家に持って帰った。
489名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 22:49:18 ID:vYo0ZH720
これで終わり。
やっぱり短いのは許してくれ。俺は即席でも推敲しても超短編しか書けんのだ。
こうの誕生日SSも書きたいが、気力が……。
490名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/03(日) 23:33:44 ID:e/BeufqCO
>>489
gj乙!
朝比奈さんとみwikiにもちゃんとスポットが当たってていいね!
491名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/04(日) 06:49:23 ID:4mOC7XGrO
谷口「…え、俺の出番は…?」(鬼の面装備)
492名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/05(日) 06:22:05 ID:e9Fn2A4c0
ああ…次は14日だ…
493名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/05(日) 11:35:05 ID:EUQ0dj6K0
そういえば今月と来月は13日の金曜日があるな
494名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/05(日) 16:02:53 ID:cnJWt2SY0
キョンにチョコレートを渡すための壮絶な駆け引きがあるバレンタイン
495名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/05(日) 22:07:44 ID:rXVWb2JzO
>>493
13日の金曜日に生き残った者がバレンタインにキョンにチョコを渡す権利を得るわけか
496名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/05(日) 23:07:48 ID:PrjHnrrt0
>>494
こんな感じ?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1月は正月だ酒がのめるぞ、と、酒を飲まんとする為、
全ての月においての様々な行事にこじつけ唄われている歌の如く、
己が商売を繁盛させんがため男と女を結び付ける行事を
恐れ多くもキリストゆかりの日にこじつけ、大いに謳われる祭。その1つ。
そう、今日は2月14日。バレンタインデーである。
そしてそれは、その祭りにおいての最重要アイテム、チョコレートの数によって、
男の優劣が決められてしまい。劣の側に位置する圧倒的大多数の男性が大いに嘆く日でもある。
もちろん俺もまた、そのようなものに恵まれるはずもなかろうことは明らかであり、
当然嘆きの側にいるであろうかと思えば、実はそれほどでもないのである。
まあ、小学中学を通し、そのようなイベントに全く出会わず、
最重要アイテムを親族友人から「義理」という名目で渡されていくうちに、
俺の中で、ああバレンタインというものはこういうものなんだなという
達観および認識が予め組み込まれていったからだと思われるが。
そんなわけで俺は、劣の側に位置しようとも、
周りの妙に色めきだった空気に同化することもなく、いつも通り平々凡々と過ごすのである。
そりゃあ、下駄箱を少し長めに伺うとか、机の中を見てしまうとか
オトコノコゆえのある種漫画的なお約束動作は行うにしても、だ。
結果、ないからといって、某オールバックのように青ざめたり、愚痴をいいつづけたり
そのような失態に及ぶような馬鹿さ加減など持ち合わせようもないのである。
まあもっとも、先述の漫画的お約束をハルヒの奴に見られ、
そのことを侮蔑的かつ嘲笑的になじられ続けるのも、これまたお約束なわけで。

そんなこんなで昼時間。
谷口のおかしいこんなはずではいやいやまだ昼と放課後がある的発言を聞き流しつつ昼食を終え、
俺は一人廊下を歩いている。なぜといわれてもそうしたくなっただけなのだから仕方がない。
決して谷口のように何度も下駄箱を覗くようなまねをするためではない。断じて。
ただの腹ごなしのため普通に歩き、中庭でゆったりと過ごすためである。
途中、廊下の角で青い影とか、紫の影とか、桃色の影とかが走り去るのを見た気がしたのだが、
それに伴い、角を曲がるたびに、あの朝に感じていた色めき立った空気やら、
妙に冷たい空気やら、その他色々を感じたのだが、まあ俺には関係のないことだろうね。

中庭にきてみると、先客がいたようだ。
497名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/05(日) 23:11:30 ID:PrjHnrrt0
チッ、土曜日か、では不思議探索バージョンでも書いてみるかね('A`)
498名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/05(日) 23:40:13 ID:hT7NzmxQO
かがみ「あっ、あくまでも義理よ!義理だからね!」
谷口「うぉっ!サンキュー♪」
かがみ「あっ、あくまでも義理よ!義理だからね!」
キョン「悪いなかがみ」
なぜだろう。同じセリフなのに意味合い全く違うように取れるのは
499名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/06(日) 00:29:51 ID:xp3RYfhoO
さて、今年のキョンはいくつチョコを貰うのか・・・
軽く二十個は行くかな
500名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/06(日) 00:48:07 ID:u5yWENbB0
>>499
「ふむ、今年は随分もらったな、みんな義理だとはいえ、ここまでくると、男として有頂天にもなるわな
いつも大量のマジチョコをもらう古泉には、まあ到底及ぶまいがな」





「なんなら、替わって差し上げましょうかマジで#####」
「どうした古泉、筋肉で笑ってるぞお前」
501名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/06(日) 13:40:43 ID:3aj9RntwO
キョンがバレンタインにチョコを貰うであろう異性リスト

ハルヒ・長門・朝比奈さん・朝倉・喜緑・鶴屋さん・キョン妹・ミヨキチ・佐々木・橘・周防・阪仲・こなた・つかさ・かがみ・みゆき・あやの・みさお・ゆたか・みなみ・ひより・まつり・パティ・ふゆき・ひかる・こう・ゆかり・ゆい・みき・ななこ・あきら

…合計32個
(まだいるかもしれないが)
502名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/06(日) 13:46:35 ID:3aj9RntwO
訂正
31個でした(チョコ貰う数)
503名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/06(日) 14:50:34 ID:YCsfv/a10
>>501
本命と義理の内訳は?
504名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/06(日) 14:57:05 ID:7lkkvLUeO
>>503
OLL本命
505名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/06(日) 15:13:14 ID:xp3RYfhoO
>>501
古泉は?
506名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/06(日) 18:45:08 ID:QA5x8EJ+O
「阪中…なのね」
507名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/07(日) 00:37:51 ID:WUqv4p/QO
>>501
森さんに殺されるぞ・・・
508名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/07(日) 00:42:52 ID:4+5JL8fU0
バレンタインの話題からいやと言うほど話が逸れるが、
>>472の言うとおり黒井センセーとあきら様の誕生日SSのためにお題募集しておく。
もしかしたら無理かもしれないからそのつもりで。
509名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/07(日) 14:36:47 ID:WUqv4p/QO
>>508
誕生日かー
じゃあ「ラッピング」で
510名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/07(日) 18:09:48 ID:J1XwkVDb0
>>508
リボンで
511名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 05:50:42 ID:pVMK0SkIO
>>508
「パーティー」
512名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 15:59:24 ID:6BoZ0nnT0
黒井「個人授業」「今日という日に限って補習」
あきら「楽屋にて」「特別ゲスト」
513名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 16:23:42 ID:xAO/vw9T0
>>508
「思わぬところでばったりと」
514名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 17:57:49 ID:XxeYdDpR0
ぬ……多いな
けどまぁ頑張れる所まで頑張るぜ
515名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:33:27 ID:XxeYdDpR0
ふぅ、休憩とか挟みまくったせいで大分時間がかかったけどようやく終わった。
今から投下しようと思う。
題は『髪留めとポニーテール』で。
516名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:33:57 ID:XxeYdDpR0
「キョン!お前は後で職員室に来るように」
 と帰りのHRにおいて黒井先生に呼び出しをくらってしまった。
 先生にまで呼び名で言われるのは気にしないでくれ。俺は気にしてるが。
 しかし俺はこれといって悪い事をした覚えもないし、逆に良い事をした覚えもない。
 ハルヒに「あんた何かしたの?」と問われたり、泉に「ムフフー、キョンキョンやっちゃったネ」と糸目のままからかうように言われても俺は「知らん」としか答えようが
無かった。
 仕方なく放課後職員室に行くと、俺はその理由を知らされることとなった。
「キョンのこの成績やと危ない事になるぞ」
 と入室して黒井先生に会うなり、第一声がそれだった。
 真面目な顔をしてそう言う先生に俺は、
「はい?」
 としか答えられなかった。
「せやから、このままの成績やと欠点になってまうで」
 俺はこの前のテストもいつも通り赤点スレスレのところで通り抜けてきたはずだったのだが。
「それが危ないっちゅーこっちゃ。次のテストも前まで見たいに赤点スレスレにおったら大丈夫かも知れんけど、一歩でも間違えてみ、確実に欠点は免れへんで」
「今回のテストはもっと頑張った方が良いって事ですか?」
 そう言うと先生はしばらく悩んだあと、
「まあそう言うことやねんけどな、一人で勉強できるならこんな成績とらんやろ?」
 うっ、いくらフランクな先生でもここまで堂々と言われるとなんか切なくなってくるな。
「ウチかて言う相手ぐらい選んどるわ。こんな事言えるんはキョンや泉ぐらいやからな」
 そう言って笑顔になり八重歯を見せた後、表情を変え、
「それでウチに提案があるんやけど、どうや?」
 その提案ってどんなのですか?

「補習を受ける事や」
 いまいち意味が分からなかったので、もう一度尋ねる。
「補習や補習」
 二回言われた。どうやら本気らしい。
「そうでもせんと、キョンは勉強できんやろ?」
 まあ確かに一理あることはありますけど、それだったら俺より成績の悪い谷口とかはどうなるんですか?
「ウチはキョンやから言えるねんで。さっきも言うたやろ、相手は選ぶって。谷口なんかに言うたってするはずがないやろ」
 それはつまり、俺だったらすると言う意味ですか?
「まっ、そう言う事や。先生は期待しとるで。どうする?」
 と期待の眼差し百パーセントで俺を見つめる黒井先生。
「けど団活が」
「団活?……ああ、SOS団の事か。それなら構わんて。それが終わってからすればええ話や」
 俺は半日ぐらい学校にいなければならないのでしょうか?
「何言うとるんや。文化部とか室内運動部は日が暮れても練習する所はするで」
 そういった後先生は不敵な笑みを浮かべて、
「学校が嫌なんやったら、別にウチの家でもええねんで」
「なっ……」
 先生の発言に俺が言葉を失った後、
「ハッハッハ。冗談に決まっとるやろ」
 と先生は声を上げて笑った。
「ま、キョンがその方がええっていうなら話は別やけどな。で、どっちがいいんや?」
「学校で」
 即答をする。すると黒井先生はニヤリと笑い、
「言ったな。キョン今のは補習を受けるという意味やな」
 と言った。
「なっ、ちが……」
「じゃ明日から早速始めるからな。ちゃんと教科書とノート持ってくるんやで」
 と先生は俺が反論する暇も無くそう言うと俺を職員室から追い出した。
 先生は職員室から俺を追い出す間際に、
「この事、泉たちには内緒やで」
 と言っていた。何故言ってはいけないのだろうか。
 別に言ってもいいと思うのだが、言ったら言ったで先生に何をされるか分からないので言わないようにしよう。俺は心にそう誓った。
517名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:34:39 ID:XxeYdDpR0
 職員室を追い出され、部室へ行くといつも通り皆が皆したいことをやっていた。
 ハルヒはネットサーフィン、長門とかがみは読書で、つかさと高良と朝比奈さんは三人で談笑、泉は古泉とゲームをしていた。
「あ、キョンキョン。どうだったの?」
 俺が部室へ来たのを気付くと泉はそう尋ねる。
「特に何も無かったぞ」
「嘘だー」
 明らかに俺を信じていない泉。まあ嘘なのは事実だが。
「別に何かあったからといって、お前に言う必要は無いだろ」
「ひどっ!キョンキョン冷たい……」
 少し言い過ぎたか?と反省したのだが、泉はうなだれるように机に突っ伏したあと、
「キョンキョンは私を捨てたのネ」
 と言ってきたので反省はするだけ無駄だったなと思った。
「そうそう。知ってる?」
 机から体を起こし、古泉とオセロをしながら泉は言った。
「何がだ?」
「八日は先生の誕生日なんだヨ」
 先生って誰の事だ?
「黒井先生だヨ。この前ネトゲのチャットでそう話してたんだよネ」
 そうだったのか。だったら今度何かプレゼントでも渡すべきなのだろうか。
「何でそんな事今言ったんだ?」
 そう言うと泉はきょとんとした表情になり、
「何で言ったんだろ?」
 と自問自答していた。アホなのかこいつは。

「泉は何か渡すのか?」
「まあネ。ネックレスだヨ」
「ネックレス!?」
 そんな高価な物を渡すのか。いや、泉はバイトもしているわけだし買えないものでもない……のか?
「まぁネトゲの世界のだけどネ」
「そっちかよ」
 この日も至って平和な日だった。
518名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:35:06 ID:XxeYdDpR0
 次の日。俺はいつも通り団活を終えた後、教室へ向かう。
 教室には既に先生が来ており、俺が来るなり笑みを見せた。
「遅かったな。毎日こんなに遅いんか?」
「ええ。まあ」
 と適当に相槌を打つ。
「なんや、物凄い嫌そうやな」
 俺はそんな勉強に好意的になれる出来たやつじゃありませんよ。
「まあそれが出来たらここにおらんっちゅう話やな」
 全くです。
「早速始めようか。教科書とノート出しや」
 俺は教室の一番前の真ん中の席に着き補習、と言うよりかは個人授業が始まった。
 専ら内容は普段の授業と変わらないのだが、何分相手が俺だけしかいないからなのか先生の喋り方がいつもより更にフランクとなっている。
 言うなら「ここは〜やねんで」が「ここは〜こういうこっちゃ」となっているような感じである。
 それに俺も本気で授業を聞いてみると結構分かるものである。今まで理解しようと言う気持ちが無かっただけかもしれないが。
 先生も俺の飲み込みの速さに驚いている様子だった。
 因みにこの補習は一週間続くらしい。となるとこの補習が終わるのはちょうど先生の誕生日である八日となるのである。
 なら感謝の印も含め何かプレゼントを買ったほうがいいのだろうな。
 さて、何を買おうかと思い補習が終わった後家までの帰り道ずっと考えていた。

 翌日、俺は黒井先生の身なりの変化に気がつく。
 いや多分誰でも気がつくと思うのだが、後ろ髪をゴムで括っていないのだ。つまりはさらさらストレートヘアーである。
 その事を補習の際に尋ねてみると、
「いやー、それが無くなってもうてな。代えも無いし、しばらくはこのままで言いかなーおもっとるんや」
 と言った。
 この日、俺の渡すプレゼントが決まった。嬉しい事に、これだと俺の財布にも優しいしな。
519名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:35:49 ID:XxeYdDpR0
 補習最終日。今日で今まで授業で習った範囲は全部終了するのである。一週間でこれだけ学習したっていうのは俺としては凄いほうである。
「ふぅー。よっしゃこれで終わりや」
 先生も流石に一週間すると疲れたのか、溜息をつく。
 ちなみに、髪の毛はストレートのままである。
「それにしても、意外とキョンも勉強できるねんな」
「日本史は好きですから。それと同じ要領でいけば世界史も出来るって事だと思いますよ」
 そうかもせんなーと八重歯を見せながら笑みを見せる先生。
 先生相手にかわいいと思ってしまった俺がいる。
「先生。渡す物が」
 そう言って俺は鞄からラッピングされた小さな袋を取り出す。
「ん?なんやこれ」
 袋を開け、中身を確認する先生。
「髪留め……か?」
「はい。以前先生が髪留めを失くしたと言っていたので買ってきたんですよ。それに今日誕生日ですよね?」
 そう言うと先生は驚いた様子で、
「誕生日の事、誰に訊いたんや?」
 と尋ねてくる。
 俺は素直に「泉です」と答えた。
「そうか。ありがとうなキョン」
 黒井先生はそう言って俺に微笑んでくれた。

「それじゃあ早速つけさせてもらおかな」
 そう言って先生は俺の渡したゴムで髪を括る。
 と、その際に俺の中の何かが起動した。
「先生。ポニーテールにしてもらえませんか?」
「ポニーテール?」
 きょとんとした顔でそう尋ねる先生。
「はい。ポニーテールです」
「なんやお前ポニーテール好きかいな。しゃーないなあ」
 そう言いながら先生はゴムを使い髪型をポニーテールへと変えていく。
「どや?」
 八重歯を見せながら俺にそう尋ねる先生。
 俺は「凄く似合ってます」としか言いようが無かった。
 そして「これからもそれでいてください」と無意識の内に頼んでしまった。
 その頼み事に対し先生は笑顔で了承をしてくれた。

 次の日から本当に先生はポニーテールで学校に来てくれた。
 ゴムも俺が渡したやつそのままである。
 みんなに俺の世界史の成績が上がった事と先生がポニーテールになった事を不思議がられたのは言うまでもない。
520名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:37:14 ID:6jpJxQ4K0
こっそり支援
521名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:39:14 ID:XxeYdDpR0
終わりです。
いつも通り誤字・脱字があると思うし文章滅茶苦茶だけど気にしないでくれると嬉しい。
黒井センセーとキョンをくっつけても良かったかなって思うけど、
俺の中で先生と生徒の関係は許し難かったからやめといた。

一応お題の『リボン』『個人授業』はクリアしたつもり。
『ラッピング』と『今日という日に限って補習』はクリアできてないでしょうか……?
522名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:39:50 ID:6jpJxQ4K0
ギャー
523名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 22:40:17 ID:XxeYdDpR0
>>522
何かスマン
524名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/08(日) 23:18:35 ID:xe191xkvO
>>521
お疲れさん!
俺もキョンと黒井先生はこのくらいの関係が好きだなー



あきらも頑張れ期待してる
525名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/09(日) 16:14:34 ID:G+3IlpCr0
というか最近投下してるの俺ばっかだから自重した方が良いかなと思うんだが
526名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/09(日) 21:58:56 ID:PrB4IGFWO
>>525
え、俺は全然ウェルカムカモンなんだが
527名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/09(日) 22:01:22 ID:qpmJx1OA0
むしろ俺はウェルカモンなんだが?
528名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/09(日) 23:07:38 ID:dvN5aMTy0
こなた「何何それ?ながもんの親戚とかなにか?」
長門「・・・・」
529名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 00:11:48 ID:0MadPRE1O
たまにSS書きたくなるが
厨二に毛が生えた程度&携帯専の俺には無理だ…

で、結局ただのROM専
530名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 01:45:21 ID:U1uR1y8bO
>>529
お前は俺(ry
531名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 03:36:38 ID:F6JyEyPc0
いろんなssを読んでかきたてられて
書いてはみてるが すごくむずい

職人はすごいと思う今日このごろ
532名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 10:50:43 ID:WWQoAoJ2O
文章なんて、たくさん読んでたくさん書けば上手くなるなり

絵なり文章なり、なにか作ってれば黒歴史の一つや二つ………
533名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 11:31:45 ID:HM7/VzxAO
>>529
我は汝
534名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 18:22:51 ID:zXQgT57/0
ここでいろいろ投下していろんな人の意見を聞いて成長するのもいいと思う
書こうと思う気持ちが大切だ。



と、職人でもない俺が言ってみる
535名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 18:40:50 ID:0MadPRE1O
うーん…
それなら黒歴史作るつもりで一つ書いてみようかな…

……ネタ無いが
536名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 19:39:24 ID:EWafBiTb0
ネタならちょうど良い日がもうすぐじゃないか


煮干しの日
537名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 20:14:18 ID:Md04iVdXO
閃いた!
まな板の上に梅干しを二つ乗せれば、ほら貧にゅUおや、チャイムの音が
538名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 20:19:57 ID:asJaz7aR0
俺だって最近投下してるけど、駄文だしそんなに上手じゃないから皆もどんどん投下したらいいと思うんだ。
黒歴史なんか作ったって良いじゃない。
539名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 21:17:26 ID:0MadPRE1O
「キョンキョン!」
「なんだ?」
「明日が何の日かは、さすがのキョンキョンでも知ってるよね?」
「明日?明日は2月14日か…」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…あぁ。煮干しの日か」
「…は?」
「何なのよ?それ…」
「2月14日は煮干しの日だって、昔佐々木から聞いたんたが、違ったか?」
「あのねぇ…」
「でもなんで煮干しの日なんだろう?…に、いし?あれ?」
「それは…なんでだ?」
「それは、数字の1の棒のような形から来ているそうですよ。1を棒にして、にぼうし、にぼしという語呂合わせだそうです」
「なるほど…」
「さすがゆきちゃん」
「みWikiの名は伊達じゃあ無いね!」
「……(で、なんでこんな話をしているのかしら?)」
「……(何故だ…何処からか殺気が…気のせいだよ…な?)」
540名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 22:15:29 ID:kGPYDIrCO
>>539
まぁ、その殺気の1つは俺なわけだが
主に羨望と嫉妬の意味で





俺も小ネタやってみるかな・・・
541名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/11(日) 23:43:35 ID:rENNwhn1O
>>531だが
なんだかんだで書き初めてはみたが・・・
あまーいの作ってるつもりがありきたりなラブコメになってる・・・
こんなんでいいんだろか

だ・・誰かもれに・・ア・アドバイスを・・・
542名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/12(日) 00:11:30 ID:qr30mYIJ0
>>541
イインダヨ
543名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/12(日) 02:26:50 ID:9SxzEcXX0
グリーンだよ

恥ずかしながらボツにした短いのを落としてみる

あー
タイトルは日常会話で

544名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/12(日) 03:18:56 ID:9SxzEcXX0

〜遠くから二人の会話を見ているこなた〜
かがみ「・ ・ ・ ・ ・ え?」
キョン「・ ・ ・ そうか」
かがみ「・ ・ ・ ・もう・ ・ キョンの・ ・ ばか」

こなた(あーあ・・またやってるヨ・・・)
   (フラグクラッシャーの名はだてではないネェー)
すかさずキョンのもとへ

こなた「もーキョンキョン・・ 少しは乙女心をだネェー」
キョン「はぁ?俺にそんなの求められてもな」
こなた「ギャルゲーだったらなんだよ、本当は」
キョン「なんなんだよ・ ・ ・それにギャルゲーって・ ・ ・おい」
こなた「ううん、なんでもない、こっちのことさ」
きょん「ったく何なんだよ。雑用係だからってみんなして、嫌がらせかよ」
こなた「わかってないネェー、キョンキョンは」(ボソッ)
きょん「何か言ったか?」

キョンと入れ替わるようにかがみがこなたのもとへ
かがみ「なんなよアイツ、ありえないわよ本当に」
こなた「まっ、それがキョンキョンの持ち味でもあるんだけどねー」
かがみ「イライラしちゃうわよ、まったく」
こなたは下から覗き込むように
こなた「もしかしてかがみんはキョンキョンを独り占めしたいのかなぁー」
かがみは顔を真っ赤にしながら
かがみ「なっ、だっ誰がそんなことをっ」

そんなたわいのない会話で今日も一日が過ぎていく ・ ・ ・ 





545名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/12(日) 03:39:35 ID:9SxzEcXX0
こんなのでいいんだろうか
ありきたりで
やっぱりむずかしわ

職人はやっぱすごいわ
夜中にサーセン
546名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/12(日) 11:30:41 ID:YSfemaVKO
>>545
お疲れさまー

こうして人は成長していくのか
547名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 03:55:58 ID:gfe3A85J0
こんな夜ですが、作品を投下したく思います。
一日早いですが、お題は『バレンタイン、それぞれの義理』で。
548名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 03:58:18 ID:gfe3A85J0
1.こなたの義理

「やふーキョンキョン、こんな日でもチミは相変わらずかね?
 まさか今日という日が何か、忘れてたりするのかね?
 それとも、あきらめながらもしかし律儀にも、
 下駄箱や机の中を一度は覗き込む位のことはするのかね?
 そんな超然もしくは諦観の境地にたどり着きそうなチミに朗報だよ。
 はいっ、これ。
 そうそう、説明するまでもない代物だよ。
 あー、言うまでもないと思うけど義理だからね、勘違いしないでよねっ。
 別にアンタのためだけに用意したわけじゃないんだk・・・
 はいはいツンデレツンデレって・・・いうじゃんよキョンキョン
 にゅふふふ、流石はキョンキョン、伊達に私の話と付き合ってるわけじゃないねぇ。
 あーって、ねー、あきれんといてー、サーセンっしたー、調子こいていましたー。
 んまあ実際、義理というからには、古泉君や白石やその他にもあげてるんだけど、
 実は、キョンキョンには特別上乗せ大サービスしてるのだよ。
 ・・・これはね、お礼も含んでるんよ。
 こんなふうに、あきれながらも私の話に付いてってくれるのって、
 考えてみたら、男子ではキョンキョンだけだからね〜。
 だから、私のスペシャル義理、心して受け取りたまへ〜。
 あ、お礼?いいっていいって、何度も言うけど、これは日ごろの気持ちなんだから。
 気がすまない?こんな豪華なものに・・・?一応、誉めてくれてるんだキョンキョンwww
 いやぁ〜特別大サービス加えた甲斐があったというものだよ、うんwww
 じゃあ折角だからホワイトデー期待しちゃおっかな〜。
 ああ、大丈夫だよキョンキョン、3倍返しだなんてそんな某神様みたいなこと言わないからwwww
 そいじゃ、確かに渡したからね、ちゃんと味わいなよ。
 妹ちゃんとかにあげたら呪われるぞよ〜〜〜www」

 はぁ〜・・・一晩かけた特別版とはいえ、ココまでフォローしたからねぇ・・・
 あの鈍感キョンキョンのことだ、義理と判断してくれるっしょ
 でもね・・・少しは感づいてくれても、バチはあたらないんだよキョンキョン・・・
549名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 03:59:56 ID:gfe3A85J0
2.つかさの義理

「あ・・・キョン君、はいっ、これ。ハッピーバレンタイン!
 ・・・え?もちろん義理だよ。ええっ?そんなに豪華かなあ・・・
 ・・・勘違いされる?ああ、それ、こなちゃんにも言われたよ〜
 だからね、他の人にあげてるときも、もちろんちゃんと義理っていってるし、
 古泉君のような、よく見知ってる人にしか、基本的にあげてないしね〜。
 ああ、もちろん男子だけじゃなく、こなちゃん達にもあげてるよ。
 ・・・え・・え?あ・・・ありがと・・・そんなに誉められちゃうと
 なんか照れるよぉ・・・えへへ・・・。
 キョン君には、いつも私がドジってるときとかに助けてもらってるし、
 これくらいは同然だよぉ・・・え?お礼・・・そんな!いいよ!
 え?ホワイトデー?あ・・・うん、それなら、楽しみにする!
 じゃあ、またねキョン君!」

 ・・・実は、キョン君にあげたのって、他のより(ちょっと)増量してるんだよね・・・
 デコレーションも(ちょっと)豪華にしちゃってるんだよね・・・
 はぅ〜こんなこと初めてだよぉ〜・・・今までこんなことなかったのにぃ〜
 どうしてなんだろ・・・いつものチョコ手渡しに比べて、
 こんなにドキドキしてるの・・・。
550名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 04:01:54 ID:gfe3A85J0
3.かがみの義理

「あ、いたいた!
 はいっ、これ!何かって!?チョコレートに決まってるじゃないの!
 ごめん冗談・・・って・・・ほんとにもう・・・
 どうせ私は不器用ですよ・・・ああ・・・そんな頭下げてあやまらなくても・・・
 分かった分かった・・・あーもうー・・・あ、一応言っておくけど義理だから。
 どうせこなたたちに比べて見劣りするだろうけ・・・え・・・
 一口・・・何も今ココでなんて・・・
 え・・・え・・・そんな・・・・美味しいって・・・?無理とかしてない?
 マジ・・・?そんなに・・・?あ、その、そこまで言われると、うれしいな・・・
 一応こんなんでも、苦労はしたからね、甲斐があった、ってことかな・・・。
 えええ?そんなお礼だなんて!!こんなものに!!
 え?キョン君目マジ・・・あ・・・こんなもの、じゃないよね・・・ゴメン・・・ありがt・・・
 ・・・ああホワイトデーね・・・わかった、期待しないで待ってあげる。
 あーそんな顔しないの、冗談!ちゃんと期待してるんだから!
 じゃあねキョン君!!」

 ・・・っしゃあああああああああ!!キョン君に誉めてもらった〜〜〜〜!!!
 どうせ義理だとしか認識してくれないだろうけど、今日の私はこれでJust Do It!!
 あ、他の人の分、すっかり忘れてた、まあいいや、えへへ・・・。
551名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 04:04:00 ID:gfe3A85J0
4.みゆきの義理

「あ、キョンさん。これ。聖ヴァレンタインデーのチョコです。
 ヴァレンティヌスの没日として有名な日でもあり、
 世界的には、女性が男性にプレゼントをして愛を誓う、そんな日ですね。
 もっとも、プレゼントをチョコと限定する習慣をつけたのは、日本が最初らしいですね。
 ・・・あ、ごめんなさい、いつもの癖が・・・
 ・・・えと、もちろんこちらは、義理、とよばれるものですよ。
 いかがでしょうか、お気に召していただけましたでしょうか。
 一応、洋菓子店を色々廻って見て土台となるチョコを購入いたしまして、
 飾りつけなど色々アレンジしてみたのですが・・・。
 そ、そんな、豪華すぎとか、そんなことはないですって・・・そんなに恐縮なさらなくても。
 ご、ごめんなさい、私のほうこそ差し出がましかったでしょうか・・・
 ・・・
 ・・・え?キョンさん・・・?
 ゴメンって・・・?そんな、いつも世話にって・・・そこまで言ってくださるのですか・・・?
 そんなことおっしゃるなら、私だっていつもキョンさんにはお世話に・・・。
 私がぼーっとしてて、つい失態をしてしまったときとか・・・
 随分助けていただいて・・・そうですね・・・お互い様、ですね・・・クスッ。
 お礼・・・?そんな・・・結構です、日ごろのお礼・・・ああ、
 お返しの日、ですね、そして、お互い様、ですね。
 分かりました。楽しみにさせていただきます。
 では、失礼します」

 はぁ・・・困ってしまいました。
 どきどきが、止まりません・・・
 キョンさん・・・あなたは・・・優しすぎます・・・
 はぁ・・・義理・・・ですか・・・。
552名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 04:07:03 ID:gfe3A85J0
以上です、こんな所でしょうか、
とりあえず、オチはありませんw
キャラ1人1人が、実際に義理になってない義理チョコを渡すときって、
どんな感じになるのかな、というのを、俺なりの解釈で書いてみたかった、
というのがコンセプトですので・・・。
そして、キョンハーレムというお約束も、大好きなもので・・・w
553名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 10:22:01 ID:lB6MVaLg0
>>552

やっぱりキョンはハーレムが一番お似合いだw

俺もそろそろバレンタインSSとお題のあきら様SS書かねば……
久々の休みだし、この前みたいな失態は犯さんぞ
554名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 19:08:07 ID:lB6MVaLg0
白石の一人称って「僕」でおk?
555名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 19:48:33 ID:T+Jk2PRa0
俺じゃね?
TVアシとかのときは僕だけど
556名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/13(日) 22:09:18 ID:mD/HFDk3O
>>552
乙〜
相変わらず罪な男だキョン
557名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 03:31:20 ID:1/n8heww0
(=ω=.) 「さあ、戦争の始まりだ」
558名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 11:50:42 ID:/ESrGavj0
佐々木、橘、九曜

だれか一人選んでくれ↓
559名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 12:03:20 ID:87NciS++O
橘×古泉
560名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 12:21:34 ID:/ESrGavj0
SSじゃなくて最後のキャラを誰にしようかと悩んでたんだ
http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00004.jpg
561名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 13:51:59 ID:2IitTOZu0
>>560

キョン「なんかやけに騒がしいな、バレンタインと何か関係でもあるのか?
    ま、俺には関係のない話か、知ったこっちゃねーや
    おや?誰か来たようだ」
562名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 21:35:34 ID:UoQ7eS030
>>561

古泉「どうも、古泉です」
563名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 21:41:52 ID:2IitTOZu0
キョン「いきなりなんだお前は」
古泉「まさか、今日という日をお忘れですか?(フフフ)」






古泉「おや、誰か来たようだ、それも大勢、しかも何気に殺意が・・・明らかに僕に向けられています・・・」
564名無し@18歳未満の入場禁止 ◆KoizumiXMI :2009/02/14(日) 21:42:47 ID:/ESrGavj0
よっしゃ(一応)終わったー
最近SSを全く書いてないが見逃して欲しいんだぜ

http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00005.jpg
565名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 21:54:32 ID:v/+KcXw8O
>>564
乙ー
今更で悪いんだが、今年のバレンタインはいつもと逆で男が女にチョコを渡す日って聞いた
566名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 22:06:01 ID:/ESrGavj0
とある悪の組織が金を手に入れるためにその噂を流したってじっちゃが言ってた
567名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 22:46:21 ID:4dnIqFs60
どのみちチョコをくれるような人もあげるような人もいないけどな
568名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 23:20:07 ID:UoQ7eS030
遅くなったけどあきら様誕生日SS投下しておこうかなと思う。

題は『義理と本命』で。
569名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 23:20:38 ID:UoQ7eS030
「はぁ……」
 溜息が僕の耳にこだまする。これで今日何度目だろうか。
 あきら様は収録を前にして憂鬱になっている。
 理由はわかる。今日の日付を考えればすぐに分かる事だ。
 二月十四日。俗に言うバレンタインデーであり、あきら様の誕生日でもある。
 恐らく、あきら様をメランコリーな気分にさせているのは前者なのだろう。
 今日という日に限って『らっきー☆ちゃんねる』の収録があるのだから。
 チョコを渡したい人にも渡せず、メランコリーな気分になっているのだ。
 チョコを渡す本命、それは僕でも察しが付く。その相手は、キョンだ。

 以前、僕の学校に遊びに来たあきら様は涼宮に目をつけられ――キョンと出会った。
 その頃はあまり意識していなかったのだろう。出会った当初の彼に対する態度はそっけなく、彼ともそれほど接点は無かった。
 しかし、しばらく僕の学校に顔を出していくうちにあきら様の目的はだんだんと変化していった。
 初めはオープンハイスクールのような感覚で来ていたのだろうが、後に僕とはそれほど関わりの深くないSOS団に顔を出す事が多くなっていった。
 目的はキョンである。
 一度、僕もSOS団にあきら様と一緒にお邪魔させてもらった時、あきら様のキョンに対する態度が明らかに出会った頃と違っていた。
 キョンと話すときのあきら様の顔と態度は明らかに「乙女」だった。
 僕にも見せた事のない、初めて見る顔だった。
 あの紅くリンゴのように染まる頬、キョンの顔を見たくても見れないもどかしそうな表情は、今でも鮮明に記憶に残っている。
570名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 23:21:08 ID:UoQ7eS030
 っと、少し回想が長引いてしまった。
 我に帰ったときには既に本番が迫っていた。
 ふと気になりあきら様の方を見ると、依然上の空状態。
「あきら様、もうすぐ本番ですよ」
 呼びかけるもしばらく返事が無い。が、しばらくして、
「ん?わ、わかってるわよ。そんな事」
 と言って収録の準備を始める。
 やはりと言うか、当然、あきら様の返事にはいつもの元気良さが無かった。
 このままじゃあきら様は後悔する。そう思い、僕は例の人物に電話をかけ、本番に臨んだ。

 収録が開始してもあきら様の上の空状態は直る事は無かった。
 とは言っても、この番組のプロデューサーも誰も撮影をやめようとしないのは、こういったあきら様の情緒不安定(こう言うと失礼だが)な部分は慣れているのであるし、充

分絵にもなるのだろう。
 その為、今回も例にならい僕が番組を仕切り、番組を締めるといった感じで収録を終えた。
 収録を終えた後、僕は例の人物の到着を待った。
 間に合うのだろうかと不安げに思っていると、ドアがノックされる音がした。
「どうぞ」
 その呼びかけに対しドアを開け中に入ってきたのはあきら様だった。
「どうかされましたか?」
 あきら様に対し僕はそう尋ねた。するとあきら様は、
「あんた、今日が何の日か知ってる?」
 と、逆に質問された。
「今日はバレンタインデーですよね」
 そう笑顔で返事をするとあきら様の目つきが一気に変わった。
「あはは、冗談ですよ冗談。今日はあきら様の誕生日ですよね」
 そう答えるとあきら様の目つきは一気に緩む。とは言っても落ち込んでいることに変わりはないのだが。
「そうよ。で、ちゃんと渡すべき物は用意しているんでしょうね?」
 どうやら落ち込んでいてもプレゼントは欲しいらしい。ま、普通と言えば普通なのだが。
「あのー、それが用意できなかったんですよね」
「なんだって!?」
 あきら様の怒号が飛ぶ。
「ま、また今度用意しますから。安心してください」
 そう言うとあきら様は「あっそ」とだけ言った後、自分の鞄の中を漁り、あるものを取り出した。
「はい」
 あきら様が差し出したのはチョコレートだった。
571名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 23:22:07 ID:UoQ7eS030
「これは……?」
「見ての通りチョコよチョコ。今日はバレンタインデーだから、一応渡しておくわ。義理だからね」
 そう言って渡されたのは透明な袋越しに見える、少し形が歪なチョコだった。
 そのチョコからはあまり普段は料理をしないと言っていたあきら様が一生懸命、自分なりに頑張って努力をしたのだというのが良く見えた。
 僕には分かった。――これは本来義理では無いものなのだと。実際は別の人、つまり本命に渡す予定の物だったのだと。
「すいませんが、これは受け取れません」
「ああ!?なんだって?」
 再びあきら様の表情が変わる。しかし僕はそれに動じずに話しを続ける。
「これは本来僕に渡す物じゃありませんよ。本当に渡す人がいるはずです」
「ばっ、そんなことは……」
「嘘をつこうとしたって無駄ですよ。だてにあきら様のアシスタントはやっていませんから。それに、あれほど普段は料理をしないって言っていたあきら様が手作りのチョコ
を義理相手に作るはずがありませんよ。僕はこのチョコを貰った時に、あきら様がどれほどまでに一生懸命作ったのか容易に想像が出来ました。本命に対する思いは、本気な
んだってね」
 言いたいことを言い終えるとドアがノックされた。
「はい」
「はいるぞ」
 その声と共に入ってきたのは僕が呼んだ電話相手、キョンだ。
「なっ、何でキョンが?」
 あまりのことに驚くあきら様。その様子を見ながら僕は持っていたあきら様が作ったチョコをあきら様に返した。
「これを本来渡す相手が来たじゃないですか。さ、これを彼に渡すんですよ。これが、彼を呼んだ事が僕のあきら様へのバースデープレゼントじゃ、駄目ですかね?」
 そう言って僕は立ち上がり、部屋を出ようとする。
「おい、俺を放っておいて何処へ行くんだよ」
「ちょっと、トイレだよ」
 そう言い残して僕は長い長いトイレへと行った。

 僕はあきら様がちゃんと事を成し遂げるのかと不安に思っていたのだが、思っていたことは杞憂で済んだらしい。
 次の日からのあきら様はいつものように、いや、いつも以上に明るくパワフルになっていた。
 そして、その日に僕はれっきとした市販の義理チョコを貰い、最後にこう付け加えられた。
「お返しは三倍返しだから。……あと、昨日はありがとう」
 その言葉を聞いた僕は、笑顔を隠せなかった。
「アシスタントとして当然ですよ」
 その言葉を聞いたあきら様も笑顔を浮かべた。
 今日も楽しい収録になりそうだ。
572名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 23:26:29 ID:UoQ7eS030
うお、>>570にへんな改行が出来ちまった。何とか見逃してくれ。
とりあえず、いつも通り超短編なのは許しておくれ。
誤字・脱字があったら指摘お願いします。

あと、訊いといて何なんだけど結局白石の一人称は「僕」にしといた。
なんか「俺」だと書いてて違和感があったから。質問したのに、スマン。

お題の「楽屋にて」と「思わぬところでばったりと」はいけたと思う。
それ以外のお題は……正直スマン。俺の文章能力じゃこの程度が限界なんだ。許してくれ。
573名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 23:27:46 ID:2IitTOZu0

白石いい奴だ、いい奴だよ白石
574名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 23:29:35 ID:v/+KcXw8O
>>572
乙〜
なんか白石の優しさに少しウルっと来てしまった
年かな俺も
575名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/14(日) 23:33:55 ID:/ESrGavj0
いつかキョンが刺される運命が決定しているようにしか最近思えなくなってきた乙
576名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:00:18 ID:t1CyxIjmO
 二月十四日。
 今日は朝から空が灰色で、今にも雨が降りそうだ。
 この時期には珍しく、お日様が奮起して最近は晴れ続きだった。
 そのお日様が隠れているせいか、視覚的にも寒さを感じる。

 そんな状況にも関わらず、街には人が溢れていた。
 寄り添い歩く男女が目につく。

 それもそうだ。何故なら今日は、聖バレンタインデー。
 恋人同士が幸せを分かち合う日でもあり、女の子が好きな異性に
告白する日でもある。

 でも、私には関係無い。いつもと変わらない。
 恋人どころか、チョコを渡す異性も居ない。

 でも、私が街を徘徊しているのは、やはりチョコを買う為。
 親や近所の先輩、友達に渡す為にここに居るのだ。

 そう、それだけの筈だった。

「よう、奇遇だな」

 この人に話しかけられるまでは―――
577名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:07:22 ID:t1CyxIjmO

 聞いたことのある声に、耳と俯けていた顔が反応する。
 顔を上げて前を見ると、そこには見慣れた先輩の顔があった。

「あ…こ、こんにちは」

 顔自体は何度も合わせてはいるけど、それ程会話を交わした事がない。
 その先輩に話し掛けられるなんて、思いもよらなかった。
 何より、顔見知りと会うなんて予想外だ。

「こんな所で何してんだ? ゆたかちゃん達と一緒か?」

「あ、いえ…その…」

 弱った…チョコを買いに来ただなんて言えば、変に勘ぐられるかもしれない。
 なんて言えば…

 言葉を詰まらせて目を泳がせていると、先輩は何かを悟った様に笑
った。


「ああ、チョコを買いに来たのか」

「違っ――わない、ですけど…」

「俗に言う友チョコってやつか?」

「え…? あっ、そ、そうです…」
578名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:10:45 ID:2XLBI7BpO
 私は一人で何を焦っているんだろう。
 少なからず私を知っている人なら、私が異性にチョコを渡すタイプ
の人間じゃないと知っていても、おかしくないのに…

 私がなんで慌てているかが分かったのか、先輩は苦笑している。
 早く立ち去りたい……が、意地悪としか思えない言葉が、この場に
足を縫い止めた。

「それにしても、ちょうど良かった」

「え…?」

「いや、俺もチョコをせがまれてな。まったく、逆チョコなんざ
 誰が提案したのかね」

「はあ…」

「そう言うわけで、チョコ選びに付き合ってくれるか?」

「わ、私がですか?」

「おう。妹ならまだしも、同年代の女子が求めるチョコなんざ、俺に
 は分からんからな」
579名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:11:47 ID:2XLBI7BpO

 ――歩きながら聞いた話をまとめると、どうやら涼宮先輩の指示ら
しい。
 お菓子業界の企画を、大いに活用するのだとか。
 それはちょっと意味が違う気が…

「ったく…こういった物は催促するもんじゃないだろうに」

「そうですね…」

「ま、海外じゃバレンタインデーには、男が女性に贈り物をするのが
 デフォルトらしいしな。感謝の意味を込めて、他の奴らにも渡そう
 と思ってる」

 そう言った先輩の顔は、半ば投げやりだ。
 先輩の周りで考えつく人数を思うと、確かに懐が寒くなりそうだ。
 律儀、と言うより難儀な人だ。

「ん? なに笑ってんだ?」

「いえ。大変ですね」

「ああ、やれやれだよ」
580名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:13:10 ID:2XLBI7BpO

 それから、なるべく安くて凝ったチョコを探し歩き、駅近くに見つ
けた洋菓子店に入った。
 私もそこでプチチョコケーキを買い、互いに満足のいくプレゼント
を用意する事に成功。
 数が数だけに、先輩のチョコの総額は大変な事になっていたけど…

「まぁ、なんだ…諭吉さん一人で済んでよかったよ」

「先輩達も、きっと喜んでくれます」

「はは、そうじゃなきゃ困るな」

 今日は本当に予想外の日だ。
 紛いなりにも男性と一緒に行動を共にし、友達以外と笑いあえるな
んて、思ってもみなかった。
 それに……相手が相手だけに、ちょっとした優越感もある。

「では、そろそろ帰りましょうか」

「ん、そうだな。送ってくよ」

「え? ですが…」

「どうせあちこち回らなきゃならないからな。送らせてくれるか?」

 …本当に、律儀な人だ。
581名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:14:22 ID:2XLBI7BpO

「――今日はありがとな。助かった」

「いえ、そんな…」

 家の前まで来ると、先輩に柔らかな表情でお礼を言われた。
 言い方は悪いけど、誰にでも同じ様な対応をするからこそ、先輩達
も惹きつけられたのかもしれない。
 人当たりが良いのだろうと、何となく思う。

「っと、そうだ…」

 自分なりに先輩を分析していると、先輩は手に持っていた洋菓子店
の袋を探り、透明なビニールの、小さな袋に詰められたチョコを取り
出した。

「これ、貰っといてくれ」

 そう言って私の手をとると、袋を手のひらにポンと置いた。

「そんな、だってこれは…」

「今日は世話になったからな。その礼だ」

 期待してなかったわけじゃない。
 貰えるんじゃないかとどこかで思っていた。
 でも…実際に貰ってみると、その嬉しさは想像以上だった。
582名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:15:50 ID:2XLBI7BpO
「あ、あのっ」

「ん?」

「私も、受け取ってほしいです…」

 気づいたら口が勝手に動いていた。
 気づいたら体が勝手に動いていた。
 気づいたら、ケーキの入った紙袋を突き出していた。

 先輩は面食らった様に、袋と私の顔を交互に眺め、それから弱った
といった感じに笑った。

「あー…それ、俺が貰って大丈夫なのか? ちゃんと渡す相手がいる
 んだろ?」

「いいん、です…」

 何より、出した手前引っ込みがつかない。
 自分の衝動的な行動にも驚いてるくらいだから…

「なんか悪いな…値段の釣り合いとれてないし」

「い、いえ…普段ゆたかがお世話になっているようですから…」

 無理やり理由を探し、あくまでチョコを貰った嬉しさからだとは悟
らせない。
583名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:16:41 ID:2XLBI7BpO
「普通、そこはこなた辺りが言うべきセリフだろうがな」

 先輩は、そう笑いながら冗談を飛ばすと、ようやく袋を受け取って
くれた。

 この瞬間、私の人生で初めて、バレンタインデーが意味を成した。
 それが本当の意味で成立したのかは、自分でもよく分からない。
 でも、これが一歩だと思う。
 普通の女の子が進む道の、第一歩だと思う。

 だから私は言う。
 今日という日の繋がりを切りたくないから。


「あの、先輩…」

「なんだ?」

「ホワイトデー、楽しみにしてます」

「あー……はめられたか」
584名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:18:03 ID:2XLBI7BpO
 呟き、沈痛な面持ちを作ると、先輩は片手で額を押さえて顔を振る。
 もちろん、本当にチョコを受け取った事を後悔しているわけじゃな
いと思う。
 その証拠に、口元は既に笑っている。

「――あれ…?」

 その時だ。
 先輩が頭を支えていた手を下げると、それに合わせる様に、小さな
白い粒が視界に入った。

「おっ、雪か」

 今年初めての雪。
 先輩も気づいたようで、曇った空を仰ぎ見る。

「もうこの冬は降らないのかと思ってたな」

「雨じゃなかった…」

 通りで寒いわけだ。
 でも、今は寒さより、だんだんと数を増す雪に意識を奪われていた。
 そして、それは先輩も同じ。

「綺麗だな」

「はい…」

「でも、もう家に入った方がいい。風邪ひくぞ」

「先輩も帰るんですか?」

「ああ。チョコを配りがてら、な」
585名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:19:24 ID:2XLBI7BpO
 大量のチョコが入った二つの袋を揺らし、軽く手を挙げると、先輩
は家から離れていく。
 すぐそこの高良先輩の家に向かうのを確認し、私も家へと帰る事に
した。

「――あ…」

 しかし、その途中で思い出してしまった。

「ゆたか…」

 チョコを買った帰りに、そのまま寄るつもりだった予定を、すっか
り失念してた。

「い、行かなきゃ…」

 なんとなく先輩に見つかると恥ずかしいため、先輩が居ない事を確
認してから、全力で門から飛び出し走る。

「チョコ、買い直さないと…っ」

 気が動転してたとは言え、なんで袋ごと全部渡してしまったんだろ
う…?
 筋違いかもしれないけど、若干先輩を恨みそうです…


ーおわりー
586名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 00:58:09 ID:u1CFm0XEO
>>572
白石がこんなかっこよく見えるなんて…

>>585
やっぱり岩崎は可愛いな

二人ともGJだぜ
587名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 01:04:28 ID:2XLBI7BpO
結局間に合わなかったし猿だし

>>572
乙!
白石が男前すぎて濡れた
588名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 01:15:05 ID:SfQ9vD4U0
>>587
乙。やっぱりみなみはかわいいね。
589名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 01:23:57 ID:i0EI1D/TO
>>585
乙ー
さてキョンは何個チョコを貰ったのかな
まだまだ貰いそうだが
590名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2009/02/15(日) 01:50:44 ID:hY2MEpEuO

 怖かった。
 ハルヒが、じゃない。
 神人でも狂乱宇宙人でも謎の敵対組織でもない。

 怖かったのは雰囲気だ。
この教室、いや学校中に広がる圧倒的な高揚感と期待感、谷口の屍。
どこからか香る甘い匂いとそれに混じる苦い絶望、谷口の屍。
幾度も机や靴箱を覗く男子に挙動不審な女子、谷口の屍。
普段通りの会話の合間に行われる牽制、殺伐とした睨み合い、谷口の屍。

 正直に白状すると俺は登校直後に帰ろうかとすら思った。
こんな物がロマンチックの代名詞、バレンタインデーなのか――
チョコなんかいらない、俺は家に無事に帰りたいとひたすらに祈った。

「あっ、先輩見つけた!」

 しかしそれを妨げたのは皮肉にも普段俺の疲弊した精神の癒しであるはずの
可愛らしい、外観小学生の後輩だった。
当然と言うと自惚れの度合いが強まるが、やはりその手には小さな紙袋が握られていて。
俺が声をかけられると同時に周囲の気配がこちらに対し牙を向いた気がした。

「ど、どうしたゆたか? 早くしないと遅刻だぞ?」

 いたって普通に返事してみた、どもったが。

「えっと先輩…。あのこのチョコ、私が一人で作ったんです。貰ってくれますか?」

 俺が死んだ。少なくともこちらに意識を向けていた男子の脳内で俺は死んだ。
が、後輩にそう照れながら渡された紙袋を払いのけることなどできるはずもなく。
俺は背中に矢を受けながらも、そのチョコを受け取りゆたかの頭を撫でてやり。

「ありがとうゆたか、家で美味しく食べるさ。ホワイトデー、なにがいいか考えて置いてくれ」

 そう言って、逃げる様にその場を離れた。


 そうして決死でたどり着いた教室は上記の通り。
そこで渡される新たなチョコ。



591名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2009/02/15(日) 01:52:15 ID:hY2MEpEuO

「はいこれ、勿論手作りだよ?」

 とこなたに渡された空色の包装紙で包まれて薄黄色のリボンの巻かれた四角い箱。

「えへへ〜、私もキョン君にチョコ作ったんだー」

 と思いっきりハートの形をしたチョコレートがピンクの包装紙で包まれつかさから。
どうやってハートの谷間のラッピングをしてるのだろう?

「甘い物ばかりでは胸焼けしてしまいますからね、血糖値も上がってしまいますし…
だからクッキーを作って見たんですけど…、なにぶん勉強不足で」

 いびつですみません、と中身の見える透明な袋の中には綺麗なハートや星の美味しそうな
クッキーが詰まっていて、紅いリボンで結ばれていた。

「はい、義理」

 と、ハルヒが前述の三つを受け取り戦々恐々席についた俺に
円盤状の厚さ5センチはある板を投擲してきて。

「あっ、おはようキョン君。はいこれチョコ、ハッピーバレンタインね」
「キョン君これあげる」

 後頭部が割れてないかと擦っている俺に坂中と朝倉が高いだろう、
疎い俺にもわかる銘柄のチョコをくれて。
谷口の屍。


 すでに俺の鞄は、教科書を置き勉してて空だったにも関わらず飽和状態で。
教室のどこよりも甘い匂いを発していて、俺はクラスメートが普通に俺と会話してくれるまで
一体何日かかるのか早々に考えるのを辞めた。

592名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2009/02/15(日) 01:53:26 ID:hY2MEpEuO
>>591

 それから、四時間目の世界史が終わると同時に

「キョン、これやるわ。どうせ大量に手作りもろとるだろうからビターチョコやで」

 と、黒井先生から(一応バレンタイン用として売られてる)市販のチョコを
そのまんまで渡されて、ついでに丈夫そうな紙袋を頂き。


 ついで昼休みには、

「こ、これあげるわ。ほら、つかさがあげて私があげないってのもアレだし、
普段世話になってるからね。義理よ! ド義理!」

 そう言って、火傷痕に絆創膏を貼った手でかがみから
不器用に包装されたチョコを(丁寧にメッセージカードにもでっかく義理の文字)貰い。

 案の定その後昼休みは飯を含めて孤独に過ごして、午後の授業に移行。
その際消しゴムをちぎったのが飛んで来る苛めに合う。時々クシャクシャの紙。
そしてその紙には呪いの言葉。仕方ないので窓から呪いの言葉を撒く作業に授業中没頭。

593名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 01:54:38 ID:hY2MEpEuO
>>592

 そして放課後。

「あの、先輩……これ…」

 みなみから薄い緑の紙に包まれた、まるい箱を頂戴し。

「日本のバレンタインはチョコを送るなんて面白いネ!
と言うコトでわたしも日本の習慣に習ってチョコ作って見たよ! モチロンほんめーデス」

 意外な器用さが見え隠れする大きなほんめーチョコをありがたく貰い。

「私こういうイベント苦手なんですよね…。
まっ一応ハッピーバレンタインんス、キョン先輩」

 困った様に頬をかくひよりからは、なんとチョコパウンドケーキを授かった。
この時点で黒井先生から貰った紙袋と鞄の両方が許容量一杯になった。



 廊下を針の筵状態で部室に向かう。
扉を開けるなり古泉が笑顔で俺を迎える。
指定席に座り鞄と紙袋を置き朝比奈さんにお茶を貰う。と同時に

「はい、キョン君チョコレートです」

 朝比奈さんから、至上の微笑みとその御手で作られたチョコを頂く。

「チョコ」

 それを見ていた長門が、調理用のでかい板チョコをくれる。
一瞬自分のキャラを際立たせる演出かと思った、もしくは長門一流の冗談。谷口の様に。


 そして古泉から―――は、流石に貰ってない。勘弁してくれ。
そうじゃなくて、名誉会長。鶴屋さん。
ハルヒと爆笑の渦を起こしていた彼女も、わざわざ俺と古泉にチョコをくれた。
高そうなチョコで、実際高いんだろうなぁ。
俺は自分からチョコの匂いが消えるまでどれ位かかるだろうのか考えてみて早々に考えるのを辞めた。
………デジャブ?

594名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 01:55:14 ID:hY2MEpEuO
>>593



 パタン、と長門が本を閉じる音で解散するのがパターンのSOS団。
今日もそれに従い解散する。
助かった事に下駄箱に果たし状の山は無く、すんなり帰れそうだとほっとしたのも束の間。


「あっ、やっときたわねキョン君。放課後すぐに教室に行ったらいないんだもん。
靴があるから待ってたけど、こんなに待たされるとは思わなかったわ。上履きで帰ったのかと思っちゃった」

 少し怒った様に頬を膨らませるあやのからチョコとクッキーを貰う。
栗色の蝶々結びされたリボンが可愛らしい。


「んで私も付き合って待ってたんだぜー
ほれ、義理チョコなー」

 ついでにみさおからも貰う。どうやってもって帰るか思案する。
 思考放棄。
二人にとりあえず部活で遅れた事を説明し謝罪、後帰宅。
ラストスパート、途中で委員会で遅れた喜緑さんに遭遇。

「まさかこんな帰り道で会えるとは思いませんでした、
これ手作りではないですけれどよかったらどうぞ」

 と、穏和な笑みと共に箱を受け取り、数秒眺めて。
「これ本当に手作りではないんですか?」と聞こうとしたら、先回りして
聞かない方が身のためと言われる。
ひきつった笑みでそれに答え、そのままなんとなく一緒に下校する。

595名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 01:55:40 ID:hY2MEpEuO
>>594




「キョンくーん、おかえりー!」

 帰宅と同時に愛すべき妹がすてみタックルを敢行。
両手をチョコで防がれた俺はそれを腹で受け止め、痛みに耐える。
抱き付く妹を引き剥がして、靴を脱ぐ。最後の最後で加害を受けたが
無事家にたどり着いたと嘆息し、靴を脱ぎ、見慣れた我が家以外の靴を発見。

「こんにちはお兄さん、………たくさんチョコ貰ったみたいですねぇ?」

 ミヨキチがそう顔を哀しそうに歪めて、背中になにかを隠す。
それを見た妹がまず

「はいこれキョンくんにチョコ!」

 不可思議な茶色いオブジォを寄越し、
「ミヨキチと二人で作ったの!」と言った。
ミヨキチはそれを受けて、おずおずと先刻隠した
妹の物と同じ素材でできてるのか不思議なほど見事なチョコを俺に差し出した。
俺は今日何度目になるかわからない「ありがたくいただくよ、
ホワイトデーになにが欲しいか決めておいてくれ」と言う台詞をはいて。未来の自分の破産する姿を描きながら本日最後のチョコを受け取った。
596名無し@18歳未満の入場禁止 ◆7SHIicilOU :2009/02/15(日) 02:04:43 ID:hY2MEpEuO
終われ

ぶっちゃけ携帯でこれは死ぬ
やっつけ仕事万歳、いまからでも間に合うと言う言葉に乗せられた

音夢い
597名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 03:53:13 ID:4uOyIyWN0
乙乙

やはりキョンには、このハーレム生き地獄のまま
延々と平凡な針のムシロな日常を生きて欲しいわけですよ。ウケケ。

数日後、責任感からか全て自分で食ったため
鼻血と食中毒で三日三晩苦しむキョンの姿が・・・
もちろん、見舞いに行ったメインキャラたちによりさらに針のムシロなキョンの姿が・・・

そして一ヵ月後、白い日の為にバイトしまくるキョンの姿が・・・
もちろん、客として行ったメインキャラたちによりやっぱり針のムシロなキョンの姿が・・・wwww
598名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 07:51:46 ID:i0EI1D/TO
>>596
乙ー
やっぱキョンすげぇや・・・
バイトがんばってね(ノд<。)゜。
599名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:36:47 ID:MQ5rX9+v0
バレンタインネタじゃないけど、投下させてもらいます

前回までのあらすじ
・キョン、教師として稜桜学園に赴任
・こなた、新生SOS団を結成
・みゆきは宇宙枠、つかさは超能力枠、あとは……?
600名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:37:56 ID:MQ5rX9+v0
教師キョンキョン物語 第8話


 柊つかさの悩みを聞いたその翌日、俺は谷口と飲みに行った。好き好んで選出したわけじゃない。
 うまくアドバイスできなかった愚痴を遠慮なく聞かせられる相手は谷口ぐらいしかいなかっただけだ。
 まあ、もともと聞き上手な奴ではないし、向こうも鬱憤を抱えていたようだから傷の舐めあいになっちまったがな。
 そんな二人が寄り集まれば流れは自然と昔話になり、二割増しで美化された思い出が肴に。
 このままだと帰宅した後も「昔は良かった」と独りごちてしまいそうなテンションの中、ケータイが鳴った。
『もしもし、ちゃんと教師やってるかい?』
 立て続けに懐かしい奴から連絡が来るというのは、どんな巡りあわせかね。
「佐々木か?」
『なかなか連絡をよこさないからこっちから電話してしまったよ。女を待たすのは感心しないね』
「お前は俺に女として接してないだろ」
『久々だというのにいい切れ味だよ、キョン』
 何年経っても、こいつの言葉遣いは変わらない。くっくっと喉の奥で鳴るような笑い声もだ。
『それより、ちゃんと教師やってるかい?』
「ああ、ぼちぼちな」
『そうか、僕もだ』
 ……なんだって?
『今は、北高で教鞭を振るっている』
「教師になったのか、佐々木」
 佐々木はハルヒと同じ大学に進学した。
 何か意図があったかは知らないが、奴の学力にはちょうどいいレベルの大学で、特に苦労はしなかったようだ。
 高校時代の一件以来、ハルヒと佐々木の仲は急速に良くなっていったので、俺は何も心配しなかった。
 何か心配することがあるのか、と問われたら答えに窮する。当時も今も、わからないことは意外に多い。
 事実、佐々木が教師になったことも知らなかった。そして現在進行形でわからないことといえば、
「で、今日は何の用だ」
『用がなければ電話さえしてもいけないというのかい?』
「久々に聞いたぞそのギャグ。で、何かあったのか」
『ん……ちょっと、気になることがあってね』
 ここにきて、佐々木節が少し鈍った。
『キョン、涼宮さんとは連絡をとっているかい?』
「ハルヒと?」
 そういえば、ここのところはさっぱりだ。もともと頻繁に連絡し合っていたわけではないが。
『していないか。なるほど』
「自己完結するな。何のために電話してきたんだ」
『いや何、ちょっと老婆心が働いただけさ。涼宮さんが寂しそうだったからね』
「え? ハルヒも同じ職場にいるのか?」
『いや、彼女は大学院に残っているよ。僕はただ、君よりは頻繁に連絡を取り合っているだけさ』
「……仲良いな、お前ら」
『お蔭様で、ね』
 結局のところ「早めに電話でもしてやれ」という所に話がまとまり、通話を切るとまた谷口との馬鹿話が始まった。
 そういや、佐々木との連絡もご無沙汰だったことをようやく思い出した。
601名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:40:25 ID:MQ5rX9+v0
 カップから立ち上る白い煙。それが天井まで届くのを俺は見届けていた。
 暦の上では夏とはいえ、雨がしとしと降る六月だ。湯気だって勢いづく。
「もしかして、熱いのは苦手でしたか?」
「いえ、少し香りを楽しんでから、と思いまして」
 天原教諭の気遣いに軽口で返しつつ、淹れたてのコーヒーに口をつける。
 そこまでは我ながら決まっていたと思うのだが、すぐ「熱ッ」と悲鳴を上げたのはいただけなかった。
「あっ、大丈夫ですか」
「すみません、いまいちしまらなくて……」
 あまりの動揺に、つい内心を吐露してしまう俺。
 天原教諭が「私は気取っているより、面白い人の方が好きですよ」とフォローしてくれたのが救いか。
 お察しの通り、ここは保健室だ。しかし俺は桜庭教諭とは違うのでさぼっているわけではない。
 職員室は、間近に迫った中間試験の問題作りで大わらわだ。
 もとが歴史好きの俺と黒井教諭は、勤務時間外を試験の打ち合わせに費やすことも苦ではなく、結果として早めに終わった。
 仕事のない者が忙しい場所にいるのは申し訳ないと思い、こうして自らを隔離したのである。
「学生のころは考えが及ばなかったけど、実は先生も大変なんですね」
「昔の方が良かったとお思いですか?」
「そう思うこともありますが、この時期にピンポイントで戻るのはごめん被りたいです」
 天原教諭は、俺のつまらん冗談にいちいち笑ってくれるいい御仁だ。
 しばらく世間話をした後、コーヒーの礼を言って保健室を出た。ずっと入り浸っているわけにもいくまい。

 次に訪れたのは、新生SOS団暫定部室。今日の放課後もここで、彼女らの勉強会が開かれる。
「平和なもんだな」
 思わず一人ごちた。別に平和が嫌ってことではない。そう聞こえたとするなら、生来の口の悪さの賜物だ。
 初めて連れて来られたときは、高校時代のような、てんやわんやを繰り広げるのかと危惧していたものだが、
「蓋を開けてみれば、ただの仲良しグループだった」
 途中、宇宙人に取り憑かれていたり、超能力に目覚めたりした者もいたが、大きな混乱はなかった。
 事件らしい事件も、あの黒井教諭宅での一件以来、何も起こっていない。俺が熱を出したのをノーカウントとするなら。
「力になると気張ってみたものの、当分することはなさそうだな」
 平和が嫌いなはずがない。ただ、しかし。
「肩透かしを食らった気分だな」
 妙な、感じだった。
 佐々木から電話をもらってから、結局、一度もハルヒとコンタクトをとっていない。
 それどころか、思い起こせば稜桜学園に赴任してから、一度も、だ。
 ハルヒのことを忘れていたわけではない。忘れられるわけがない、俺の世界を変えたトンデモ野郎だ。
 泉こなたたちに関わるようになってからは、尚更だ。
「そうだ……ちょっと、忙しかったから、な」
 忙しかったから、何だ。新しい玩具が見つかったから、古いのにかまっていられなくなったってか。
 俺は泉たちを、ハルヒの代わりとして、見ているのか。力を失ったハルヒの代わりに。
602名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:43:22 ID:MQ5rX9+v0
「こらこなた! 一番まともに勉強すべきあんたが何さぼってんだ!」
 柊姉が怒鳴るが、その程度で萎縮する泉ではない。
「平気平気。いざとなったらヤマ張るもーん」
「こなちゃん、そのときは私にも教えて!」
「当てにしない方がいいわよつかさ。てか、博打すら他人に頼るってどうなんだ」
「ゲン担ぎを他人を頼ることに含めれば、けっこうよくある話ですよね」
「確かにね。でも、こなたは縁起物じゃないわ。むしろ対極よ」
 ……まじめに勉強する派のはずの柊姉が、一番喋っているな。
「いやしかし、平和だな白石君」
「先生、何でいきなり軒先で茶を啜ってるオーラを醸すんですか」
 白石少年のツッコミは実に芸人臭い。だが、初期の隅で縮こまっていたころに比べればだいぶ喋るようになった。
 さすがにあの四人の中には入っていき辛いのか、専ら俺の相手をしているのは仕方の無いところか。
「だめだよキョンキョン。もとから老けてるんだから」
「言ってくれるな泉。だが、ローテーション具合ならお前も負けてないだろ」
「フッ。私は見た目の若さがそれを帳消しにしてくれるからいいのサ」
 したり顔で胸を張る。だが、お前のは若さではなく幼さだろうが。
 そのツッコミは柊姉が済ませてくれたので、俺は「やれやれ」と見守るだけに留めた。
 一度は情報を与えないための防衛ラインを張ったものの、泉と白石少年に対する警戒も薄れつつあった。
 前にも思ったことだが、泉は周りの環境に不満を抱いているとは思えない。
 仮に……仮の話だ。泉がハルヒと同様の「神様」だったとしても、世界をまずい方向には動かさないだろう。
 もう一つの可能性、白石少年だとしたら……。
「まあ、ないな」
「何が無いんスか?」
「白石君だしな」
「だから僕だと何が無いんスか!?」
 この調子なら、大事にはならずに、ことが収まるかもしれない。
 神様もでしゃばらず、未来人にも出くわさず。あとは朝倉をさっさと追い出せば……
「……キョンさん?」
「え? 何だ、みゆき」
「いえ……その、ちょっと具合が悪いのかな、と思いまして」
「さすがみゆき、よく気が利くわね」
「私たちにできないことを平然とやってのける! そこに痺れる憧れるゥ!」
 柊姉の茶々と泉のボケのせいで有耶無耶になったが、今日の俺はすこぶる健康で具合が悪いなんてことはない。
 俺のことは大体わかると豪語していたみゆきが言うからには、そんな風に見えた、のは本当なのだろう。
 いったい、俺はどんな顔をしていたんだ?
603名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:46:22 ID:MQ5rX9+v0
 そして、今日も部活(正式には発足していないが)が終わり、それぞれが帰路につく。
 全員を追い出したあと、俺も帰ろうとしたとき、
「先生、ちょっと時間いいですか?」
 戻ってきたらしい白石少年に呼び止められた。俺は承諾し、場所を移すのも難なので部室(仮)で話すことに。
「あのときは、ご迷惑おかけしました」
「あのとき? えーと、すまんが、いつのことだ?」
「六年くらい前のことです」
 ちょっと待て。俺は白石少年とは今年会ったばかりだ。
 六年前といったら高二で、佐々木や異世界人とあれこれやってたころだぞ。

「申し遅れました。僕、あのときの『異世界人』です」

 異世界人が現れたのは、確か高校二年の終わりごろだったか。
 ハルヒの消息が途絶えるという事件が起きた。存在が抹消されたとかトンデモパワー関連でなく、現実的に。
 そこから、再集結した佐々木団をも巻き込んだてんやわんやが始まった。
 すべてが解決した後、異世界人どもは『外側』へ帰っていき、それっきりだと思っていたのだが。
「……それは、冗談ってわけじゃなさそうだな」
 俺は白石少年には、トンデモ関連の情報は一切教えていない。にも関わらず、
「異世界人なんて名乗るなんてな。マジか?」
「えらくマジです」
 そう断言した瞬間から、俺の瞳には敵意が宿っていたと思う。正直、やつらにいい印象はない。
 連中は、無数にある『世界』を観測する存在で、便宜上異世界人と称していたが厳密にはどの世界にも属さないと言っていた。
 介入は極力控える主義とのたまっていたが、俺たちの世界が、他の世界を過剰に引き寄せる性質を持つと気づくと事情が変わり、
 調査の結果、原因は涼宮ハルヒにあると知ると、『禁じ手』を使ってまで、ハルヒを直接消そうととち狂いやがった。
「その節は、本当にすみませんでした。あれは一部の過激派が勝手にやったことで」
「言い訳は六年前も腐るほど聞いた。今思い返してもどうかしてるぜ、まったく」
 禁じ手とは、特定の――この場合は俺たちの世界の住人として、存在を『確定』すること。
 代償としてその世界に永住し、観測者には戻れなくなるらしいが、そうまでしてやったことが誘拐および殺人未遂ではな。
「だが、その後ハルヒの力の発現を利用して、存在の確定は取り消されてもとの立場に帰れたはずじゃなかったのか?」
「さっきも言いましたが、あのとき『確定』して行動を起こしたのは過激派だけで、お蔭様で彼らは全員戻ってきました」
「じゃあ君は何なんだ」
「あの……言いにくいんですが」
 演技ではなく、本当に言いにくそうな白石少年。
「実は、気がついたらこっちの世界に『確定』されていたんです」
「……それは、ありのまま起こったことを話しているのか?」
「はい。何が何だかわからないでしょうが、僕もよくわからないんです」
 いっそ、彼が黒幕でいてくれた方が良かった。何もわからない奴に来られても困るぞ。
604名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:49:10 ID:MQ5rX9+v0
「まあ……事情はわかった、ということにしておく。で、君はこれからどうしたいんだ?」
「確定を取り消して、もとの観測者に戻るってのがベストです」
「できるのか?」
「以前のように、強大な引力を持つ者……涼宮ハルヒさんのことです。その方の力を借りれば、おそらく」
「ハルヒにもうそんな力はない」
「でも僕は引力でこの世界に確定された。涼宮さんでなくとも、他に誰かいるはずなんです」
 他の誰か。
「……泉こなた、か?」
「少なくとも、僕はそう思っています。つかささんに、キョン先生のところへ連れて来られた、あのときから」
「名指しできたか。俺はずいぶんと期待されてるんだな」
「それはもちろん。で、キョン先生を見込んで教えるんですが……」
 白石少年はたっぷり間を置いてから、声を潜めて言った。
「何となくですが、先生が泉さんにキスすれば力が発現する気がします」
「……何となく、で言われても困るんだが」
「だって、六年前はそうし」
「わかった黙れ。俺の中ではあれはノーカンになっている、ハルヒにとってもだ」
 どうして、非日常側に位置する連中は、揃いも揃ってアホらしいことをさせようとするのだ。
 キス一つでどうにかなるなんて、世界ナメられすぎだろ。



 ベッドの上で寝返りを繰り返しながら、今まで起こったことを考えていた。
 考え事をしていると眠れないという。明日の仕事に差し障るから早く寝たいが、そうもいかない。
「懸案事項、プラスワンか……」
 白石少年を帰すためには、世界改変レベルの、宇宙人的に言えば情報爆発が必要。だが、泉にそんな気配はない。
 俺がアクションを起こすべきなのか? もちろん、教え子に手を出すなんてのは御免だが。黒井教諭にも釘を刺されたし。
 では、いったいどうすればいい……。
「そういや、泉にあれこれ指示してたのって、白石だったのか?」
 何もわからない割には、自己紹介とか、団結成とか、朝比奈さんの決め台詞とか、細かく仕込んでくれるじゃないか。
 柊妹に連れて来られるのも、きっと計算のうちだったのだろう。何らかの手段で超能力に働きかけて、
「……って、これじゃあ柊妹の懸念は丸当たりだったってことじゃないか」
 無い知恵絞ってケアしたというのに……面目丸潰れじゃないか、どうしてくれる。
 あまりにも力が抜けたので、いい機会とばかりにこのまま眠りにつくことにした。
 なあに、明日がある。また明日考えればいいさ。
 そう、明日。
605名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:52:17 ID:MQ5rX9+v0



 翌朝、俺はあくび交じりに稜桜学園への道のりを歩んでいた。
 そろそろ慣れてきた、と思っていたはずの道が異様にきつく感じられる。
 だらしないのは自覚しているが、やっぱり休み明けというのはどうしようもない。
 出掛けに、母と妹にも笑われてしまった。
「おはようございます、キョンさん」
 途中で、我がはとこの高良みゆきと合流する。身内なんだからそんなに畏まらないでもいいのに。
 俺としては、一緒に登校しても提供できるのが四方話ぐらいなので申し訳ない限りだ。
 そんなくだらない話でも、みゆきは楽しそうに笑ってくれるので、いつも通りいい気分のまま学校に到着した。
「まずはクラスを確認しないとな」
 クラス表が貼られているであろう掲示板には、すでに人だかりができていた。
 その中に見知った顔を二つ見かけた。彼女らは俺たちに気づくと、人の波を逆行してくる。
 片方、ツインテールの方が負のオーラを出しているのでモーゼの十戒よろしくな光景を拝むことができた。
「さては、また柊姉だけクラスが別だったか」
 俺は図星を指したらしい。たちまち柊かがみは凶暴になり陰謀説を唱え始めた。
 妹の柊つかさは、
「見てきたよ〜。ゆきちゃんっ、今年も同じクラスだよ!」
 と、跳ね回りそうな勢いでみゆきと手を合わせていた。
 ひとしきりはしゃいだ後、笑顔のままでこちらに振り向き、
「もちろん、キョンくんも同じクラスだよ!」
 そう告げてから、「よかったね、ゆきちゃん」と再びみゆきに話を振った。

 俺が稜桜高校に入学してから、二度目の春であった。


<つづく>
606名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:56:28 ID:MQ5rX9+v0

 らっきー☆ちゃんねる


あきら「……」
小野「……」
あきら「……はっ! あまりの衝撃でおは☆らっきーを忘れていました!」
小野「そ、そうですね。また半年ほど空けたと思ったら、急展開でくるとは……」
あきら「そうじゃなくてですね!」


あきら様「白石がいきなりでしゃばってるのはどういうことだァァァ!」
小野「いや、そこは喜んであげるべきところでは」
おきら様「今まで散々モブで通してきやがったくせに! 急にメイン浮上だとォォォォ!」
小野「あのままモブで通すのもどうかと」
おきら様「それより! 私の出番は!? 本編出演はまだかァァァァァ!」
小野「ちょ、カメラ止めてください!」


<ガッシ!ボカ!
<ギャッ!グッワ!


あきら「ふー、びっくりした。教師から生徒にまさかのジョブチェンジですからね!」
にゃもー(代役)「……」
あきら「これで手が出しやすくなりましたねー……ってもう! 何言わせるんですか!」
にゃもー(代役)「……」
あきら「というわけで、約半年ぶりに戻ってきたキョンキョン物語。今度こそ休みなしで完走を目指します!」
にゃもー(代役)「……」
あきら「ではではっ、ばいにー☆」



小野「……白石君、今帰ってきてはダメだ……逃げ」
607名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 10:58:38 ID:MQ5rX9+v0

 次回予告


パティです。

サンタクロースをいつまで信じていたかなんていうのは、セケンバナシにもならないくらいのどうでもいいようなハナシ?
ノゥ! ビリーブ・オア・ノットビリーブではなく、サンタさんは「いるもの」なのデース!
毎年クリスマスにはサンタさんを探知するために、組織がビッグなマネーをユミズのように注いでいるんデスよ!
バット、アメリカとニホンではバックボーンが違うのでシカタナイことみたいデスネ。
あ、ちなみにシカタナイというのはニホンのユニークなワードデス。アメリカにそんな概念はナッシング。
え? 私、本編に出てない? そんなスモールなこと気にしてはいけまセーン!

では、オープン・ユア・アイズ・フォア・ネクスト・キョンキョンストーリー!
第9話『マスクドティーチャー』――カミング・スーン!





キョン「通りすがりのカメンティーチャーだ!」
こなた「そこはキバっていきなよ。声的に考えて」



というわけで、今度こそサボらずガンバっていきます orz
608名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 20:35:26 ID:4uOyIyWN0
>>607
乙乙GJ

何気に続きがすごく気になる。そして急展開。
引き続き頑張ってくだせ〜
609名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 22:31:03 ID:SfQ9vD4U0
>>596>>607
二人とも乙

最近は職人も多くにぎわってて嬉しいな
610名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/15(日) 22:31:59 ID:06aYZLK7O
>>596
バレンタインか…いい思い出がないな… 面白かったぜ。芋乙!

>>607
待ってたんだぜ乙乙。あんまりキバらずにやってくたされ。いつまでも待つから
カメンライドゥーキョキョキョンキョン
611名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/16(日) 00:32:59 ID:AdzDspb/O
注意・替え歌ネタです。
・キャラクターが崩壊しています。勝手な妄想も含まれています。

めっがーね↑スペクタクル
「私が姿を見せなくても、お話は成り立つのです。はぁ、困ったものです……」
「みなさんは私の事を空気キャラだと思い込んでいます。これは、ちょっとしたいじめですよ?」
どこから説明しましょうか 変わりゆくお話の中で
私が出ているコマさえ 数カットだけなら
うしろめたくないくらい 暗黒化してみても
悪い事にはならないでしょう Just a spectacle!
小神あきらさんよりは お似合いですよね
ときにコスプレ姿の私は 過激でしょうか?
消失は止めたいのです 人気みてると
「考えてもみて下さい、オタク少女やツンデレツインテール、エロゲキャラ似の妹キャラが都合良く一同に会するかのように登場するでしょうか?」
「私の仕事はそれらの人達からの日常の疑問に正確に答えること」
「私はブルーハワイの事は忘れません。ずっと悔んできました」
612名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/16(日) 00:37:30 ID:AdzDspb/O
>>611
どこまで納得出来ますか
不都合な立場が続く
誰にも秘密にしながら
毎日恨むのは
私だけの思惑とちょっぴりの好奇心
虫歯は癖のような感じですよ
see the dentist every day
出来る限りの歯磨きは しても良いでしょう
そして博学メガネさえも意味を失うべきなら
普通安堵するでしょうか 心配なのです
「私は今、博学メガネだからという理由で存在しているのですよ?」
「博学メガネは銀河の歌姫になる可能性を秘めている」
「一番の謎はあの腐女子です」
「メガネキャラが二人もいるんです」
「メガネキャラを一人にする必要がある」
悪い事にはならないでしょう Just a spectacle!
小神あきらさんよりは お似合いですよね
ときにコスプレ姿の私は 過激でしょうか?
消失は止めたいのです 人気みてると
心配なのです 困っています
「黒井先生が教師になれるくらいなら私でも簡単になれます」
「好きじゃなくてもいい、ただ私に人気票をくれれば良いのです」
「御察しのとおりドジッ子です。そう呼んだ方がいいでしょう。めっがーね↑」
キョン「……」
みゆき「お粗末様でした(ペコリ)」
おわり?
613名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/16(日) 00:55:22 ID:AvIBP5S3O
>>612

最後の行を見るまで誰だか思い出せなかったぜ・・・

おや、だれかきたようだ
614名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/16(日) 00:58:11 ID:jAc6ULPa0
みWikiさああああん・゚・(ノД`)・゚・。

俺は本来ペタ主義でこなた主義だが、
みゆきさんも愛してるぞおおおおおお

何故誰もみゆきさんを書かないのだ。と、
あらゆるらきすたサイトまたはその関連サイト等々色々見てきてつくづく思う。

やはりあれか、誰かが言っていた通り、
萌え要素を色々備えすぎると、かえって逆効果なのか?

それにしても、だ
おっぱい星人よりな嗜好をもち、ポニテ主義で(※)しかも困った人はほっとけず、
勉強関連で助けになってくれる人には最大限の感謝を惜しまないキョンが、
みゆきさんを、放っておく筈はないと思うのだが、どうでしょうねそこらへん。
(※)みゆきさんは普段ポニテでないが、いざ結うと似合う人




長門「彼は、眼鏡属性は、無いと聞く、だからなのでは・・・?」
みくる「おっぱい星人?・・・最近キョン君、私をかまってくれませんが何か・・・?」
615名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/16(日) 17:43:16 ID:vexdXvpU0
これだけ職人が多いと嬉しいのだがまとめの人はいま不在なのだろうか?
8日以降更新されていないのが気になる……
616名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/18(日) 07:29:07 ID:yqPayQW/0
おお、いつの間にか更新されてた。ありがとう

ただわがまま言うならまだ編集されて無いSSもあるんだが
617名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/18(日) 10:11:39 ID:7KDXItnaO
ちょっと!チョン
618名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/18(日) 13:02:48 ID:WHTLA8KVO
チョンてだれだよww
619名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/18(日) 15:02:56 ID:tsD4btb7O
きょっと!チョン!
620名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/19(日) 02:42:54 ID:wHZFRX2x0
かるひ「ちょっと!はがみ!」
621名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/19(日) 09:58:38 ID:DLLX+YopO
ながた「おーいこなもーん」
622名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/19(日) 17:27:15 ID:7/G6Ji/i0
みょん「おい、いずき」

…一樹?
623名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/19(日) 23:59:51 ID:3ixflVzC0
本名不詳のフラグクラッシャー「以下普通の流れで」
624名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/20(日) 00:10:19 ID:RHJgcEZu0
俺の投下したSSが編集されてない…orz

自分でやっても良いんだが自分で自分のを編集するのはちょっとなぁ……
625名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/20(日) 01:03:00 ID:aYutiJQ/O
そういえば>>539のタイトルが無かったな
そのまんま「煮干しの日」でよろしく
626名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/20(日) 05:12:09 ID:v099Xin5O
>>624
まぁしょうがないだろ
急ぐんだったら避難所で依頼してみたら?
627名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/20(日) 21:39:19 ID:xKZqs/kb0
……さて、PCがお亡くなりになってたといえば許してもらえるだろうか。
まとめの奴氏が謝っておられるが、本来その責は俺にあるんだよなーっと。

誰か>>340>>343の画像を再up願えないか?
リレーまとめたいんだが、データぶっ飛んだんでどうにもこうにも

あと誤字訂正
>>429
>「……生徒のことが好きになっちゃんったんです」

>>487
>はあ。何で俺の鬼役はは絶対なのだろうか。

それとひょっとしてだけど
>>602の"ローテーション"ってローテンションのこと?


あとロダのバックアップ持ってる人いたら上げてもらえないだろうか
半年くらい前の分までならあるんだが……、最近バックアップ取ってなかったもんで。
長文スマン
628名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/20(日) 22:57:34 ID:RHJgcEZu0
>>627
乙。色々とわがまま言ってすまなかった。
あと、誤字訂正もありがとう。
629名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/21(日) 19:13:08 ID:hP6BP+on0
どうでもいいけど明日は猫の日らしいな
630名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/21(日) 19:45:42 ID:xkBO1xiC0
某緒方声三毛「ぬ、出番かな?」
631名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/21(日) 19:57:53 ID:Qsl0oG0A0
そういや猫キョンのAAあったよな
632名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/21(日) 23:04:08 ID:AcsUC4a30
暇、と言うよりは学期末のテスト休みに入ったけど身が入らないのでお題を募集させてもらいます。
けど全員分のお題をこなせるのかは不明なので悪しからず。
633名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/21(日) 23:18:27 ID:xkBO1xiC0
「ぐっちー」と「ちぃらぎ」
「こなゆき」で「百合」
634名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 00:31:14 ID:sbGtAJHI0
>>632
よし、そんなお前のためのお題
「赤点」もしくは「追試」
635名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 03:58:39 ID:PCGo2z99O
キョンの妹がキョンのエロ本を見つけたらどうなるの?
636名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 08:09:44 ID:2jKDgVV80
シンプルにつかキョン
637名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 09:56:10 ID:SVXUG8jrO
橘→古泉←つかさ
638名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 10:06:55 ID:zx5ZvB1E0
>>637
そこに・・・みゆきさんも・・・いれてあげて・・・ください・・・
639名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 10:41:05 ID:ScHMpW1C0
こなたに一夜漬けを教えてもらう
640名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 13:09:00 ID:n68rvrPIO
>>637
に対抗して
橘→キョン←つかさ
641名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 13:54:11 ID:3aQDxBCE0
みゆきさんがいなくなる
って、誰も気づかないかwwww

あれ?誰か来たな…
642名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 14:21:52 ID:D/8IB1IJ0
何か悲鳴が上がったような気がしたが気のせいだtt


>>627
たしかこれがうpされた絵だった筈
http://www10.uploader.jp/user/harulaki/images/harulaki_uljp00006.jpg
643名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 17:24:13 ID:94hx32KU0
橘を出して、らきすたキャラと絡ませて欲しいな。
644名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/22(日) 22:58:58 ID:ZtSWHELV0
>>643
スマン。小説は消失までしか読んでないから橘とか名前と容姿しか分からん
645名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/24(日) 00:10:10 ID:lYV2Wc7vO
バレンタイン……か…
646名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/24(日) 00:44:11 ID:oocleCcKO
最近は芋がvipで頑張ってるみたいだな
647名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/26(日) 16:51:41 ID:9bAbi1dkO
>>646
中々面白かったな














俺芋だけど
648名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/26(日) 21:59:07 ID:JED+SVbE0
毎日が日曜日だぜ!
649名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/26(日) 23:59:30 ID:+UWpAWf60
>>648
そう思う面子

ハルヒ
こなた
パティ


逆に、毎日が平日だと思う面子

キョン
古泉
かがみ
みゆき




異論は認める。
650名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 00:18:59 ID:Y6sLS9hD0
「ちぃらぎ」
 俺の隣でそう言葉を発する谷口。
「ちぃらぎ」などと言う不可思議な呼び方で一体誰を呼んだのか気になり、谷口の向いている先を見ると、泉たちの方へと向かおうとしていた柊妹がいた。
 柊は谷口の言葉を聞くなり、
「どうしたのグッチー?」
 とスマイルを振り放ちこっちを向く柊。
「いや、下見ろよ下」
 谷口が柊の足元を指す。俺と柊は同じタイミングで足元を見ると、そこには可愛らしいピンクのシャープペンシルが転がっていた。
「あ、これ私のだ」
 そう言ってシャーペンを拾い上げ、筆箱へ収納する。
「ありがとう。グッチー」
 柊は感謝の辞を述べ再び泉の方へと駆けていく。
「気をつけろよ」
 谷口はそう言って柊を見届ける。
 そんな谷口を俺は不審な目でじっと見つめていた。すると、流石にアホの谷口でもその視線に気付いたらしく、
「な、なんだよ。俺の顔に何か付いてるのか?」
 と顔を触りながら尋ねてくる。
「いや、お前らいつからそんな関係になったんだ?」
「ああ、そんなことか」
 そんなことかとはどういう事だ。お前にとっちゃ結構大きいことだとは思うのだが。
「なーに、簡単な事さ。柊は双子だろ?って両方お前らのところに所属してるから既に知ってるか」
 一応SOS団には柊姉妹に、泉と高良もいるからな。
「それで、俺なりの呼び方の区別の仕方ってわけさ。柊って言ったら二人とも振り向いちまうしな。柊つかさは妹だから小さいって意味で『ちぃらぎ』。な?単純だろ」
 俺が尋ねているのは呼び名の由来とかではないんだが、まあこいつに言っても無駄だろうし、いいとしよう。
「なら、何でお前は『グッチー』って呼ばれてるんだ?」
「それは向こうの勝手だろ。俺が『ちぃらぎ』って呼ぶようになってから向こうも『グッチー』って呼ぶようになったんだよな」
 すると、黒板の文字をノートに書き写し終えたのか国木田が現れ、
「柊さんは人にあだ名をつけるのとか好きだからね。白石だって『セバスチャン』って命名されたからね」
 そう言うお前は何か言われたのか?
「うん。僕は『クッキー』って言われたよ」
「なんだそりゃ」
 何でそんな食べ物のような呼び名になったのだろうかね。何処と無く谷口の呼び名とも似ているしな。
「キョンは元々変なあだ名だから、あだ名を付けられる心配は無いよね」
「俺だって呼ばれたくて呼ばれてるんじゃない。別の呼び名があるのならそっちに改名して、こんな忌々しい呼び名とは早くおさらばしたいもんだね」
 とふて腐れながら言うと、
「それは無理だな」
「それは無理だと思うよ」
 と二人に一蹴された。何も口を揃えて言う事はないんじゃないのか?
 どうやら俺はこの呼び名とは一生付き合うこととなるらしい。やれやれだ。
651名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 00:22:50 ID:Y6sLS9hD0
なんか……ゴメン。
今回のテスト期間は勉強にもSSにも何か身が入らなくてこれ以上続きが書けなかった。
1レス投下の上に駄文ですいません。
題名は『呼び名』でお願いします。
652名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 00:37:07 ID:MJrUyVPd0
国木田の呼び名に思わず和んだwwwwwwww
653名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 05:11:47 ID:h7MWZjbj0
どうでもいいけどそろそろひな祭りだな
654名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 19:33:24 ID:Y6sLS9hD0
(。´Д⊂) ウワァァァン!!
655名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 20:37:49 ID:ik4UOkVc0
どうでもいいけどそろそろつかさと俺の結婚式だな
656名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 20:39:45 ID:Y6sLS9hD0
>>655
だが断る
657名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 20:45:03 ID:bUaH4iT60
なんだ俺とこなたの結婚式のことか…
658名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 21:35:11 ID:MJrUyVPd0
>>657
キョン乙









ていうと、何人くらいの女たちが貞モードもしくは空鍋モードに突入するんだろうなあ・・・
659名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 21:45:11 ID:bUaH4iT60
ちょっと面白いことを教えてやろう



貞こなで検索シテミナサーイ
660名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 21:53:11 ID:oF+9qx5rO
>>658
まず俺
661名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 23:11:43 ID:qTAL3dmoO
注意:替え歌ネタです!

減量ライフ・リターンズ!
「う、この気配は! 穏やかなる私の日常は不特定多数の存在によって激変した!」
やめようと言うべきか どうせ徒労でしょ
返事などしないわよ 無駄になるでしょ(やれやれ)
それよりも疲れてて ほっといてくれ(休むなまだ前半よ)
餅エナジー大切に すぐに呼び出しが(はい、行きます…)
ああ なんでいつも怒り値大上昇(爆発寸前!)
ああ 怒る前にキョンくんやってくる『早く行こうぜ…』
日常を壊すなよ 私普通の学生(そうだっ!)
冗談はいいから どうでもいいから『まあまあ柊…』
普通は偉大だって 学んだ自分誉めよう(うんうん)
巻き込まれたときは すぐに諦めよう(だと思ったわよ…)
662名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 23:14:47 ID:qTAL3dmoO
>>661
散々なめに遭えば 生き方変わる(嫌でもね…)
有明の中心は 不気味に静かね(嵐の前の何とやら)
あー キタコレまた予想斜め上で(こなたなんかに毒されない!)
あー 文句くらい言う権利はあるわ『さあ、始まるぞ!』(Leady go!)
何にも言わないで BLなどいらない!(必要ない!)
冒険とかしないわ でもでも気になる… (ハルヒ)『素直になりゃ良いのに』(うるさい!)
尋常じゃない毎日 日常に変わる日々
いつかは終わるのか? ちょっと寂しいな(べ、別に気にしてなんかないんだからね!)
「はぁ……もう我慢できないわ、悪いけど言わせて貰います!
皆が想像してる私の性格をね、勝手にツンデレに当てはめられてたまるか!
人間の性格は複雑 なんでもかんでもツンデレにするのは悪い癖よ
現実を見て! ツンデレじゃないでしょ!
人の話を聞きなさーい!」
663名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 23:19:50 ID:qTAL3dmoO
>>662
あー なんでいつも 怒り値大上昇
あー 怒る前にキョンくんやってくる『落ち着けよ柊』
日常を壊すなよ 私普通の学生(そうよっ!)
BLはいいから どうでもいいから (コナタ)『何言ってんの、かがみん!』(うるさいっ!)
普通は偉大だって 学んだ自分誉めよう(Nice 私!)
巻き込まれたときは すぐに諦めよう(が、頑張って!)
いつか終わるのか?(そうそう) 
やっぱあきらめよう(どっちなんだー!)
「ほら、キョンくんも何とか言ってやってよ! 白石もギターばっかり弾いてないで何か言って!」
「こなた、あんたはいい、黙ってろ……はぁ……長いな」

キョン「……」
かがみ「……何よ?」
キョン「お互い、頑張ろうな」
かがみ「あ、ありがとう……」

つづく?
664名無し@18歳未満の入場禁止:2009/02/27(日) 23:57:40 ID:MJrUyVPd0
>>663の最後のやり取りへ反応

ハルヒ「あい☆びり〜ぶ☆ゆぅ!」



ハルヒ「あいびりーぶ・・・信じてるんだからね・・・」






ハルヒ「はぁ・・・」





古泉「はっ!ギャッグッワの予感!」
665名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:01:41 ID:PZKtF4kJO
最近自分のSS書いたの読み返してなんか昔は若かったな……って思ったので根性で途中になってたSS仕上げてきます
戒めの為に↓

こなた「今日は一般高校生の間で卒業式だそうです」
キョン「なんだその俺たちがいかにも普通じゃないみたいな言い方」
こなた「否定はしないよねぇ〜? キョンキョン自身理解しているはずだよねぇ〜?」
キョン「さぁてなんのことやら……」
こなた「まぁそんなことはさておいて、実際あたしたちが普遍的ではないという本当の理由があります」
キョン「普遍的なんてことばを知っていたなんて……お前はこなたではないな!?」
こなた「……あのさー? あたし体ちんまいから防御力少ないわけヨ? 普通の防御力がキングスライムならあたしは普通のスライムなわけね?」
キョン「合体すれば強くなるじゃないか」
こなた「キョンキョンと?」
キョン「うん、言うと思った」
こなた「……話進ませてくれないネ……」
キョン「お前が出す話題にまともに付き合ってたら疲れる」
こなた「……はいばりあー。これであたしのだめーじぜろねー。んで!」
キョン「でゅくし! この攻撃はバリア突き破るからなあ!」
こなた「……はいもっとつよいばりあー」
キョン「でゅくでゅくし! もっと強いバリアも破るこうげきー!」
こなた「……なんていうかさ……今更ながら考えるとサ、なんであんな不毛な争いで盛り上がれたのか謎だよネ」
キョン「不毛っていうな……俺の子供の頃の人格全否定じゃねぇか……」
666名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:02:15 ID:PZKtF4kJO
こなた「という訳で本題。サザエさん現象というものをご存知かな?」
キョン「なんだそれ」
こなた「長寿的な漫画アニメによく起こる現象でネ? 年齢が一定以上は全く変わらなくなるというそれはそれは恐ろしい現象でネ……」
キョン「ま、まさか……」
こなた「あはは……見事にあたしたちその現象に巻き込まれちゃった訳ですヨ……しかも何故か本編だと順調に育っていたのに途中からネ……。アニメ化って怖いよネ……。
これに巻き込まれるといつまで経っても宿題終わらないヨー! とか、また横が伸びなかったヨ〜! とか嘆かないといけないという呪いがだネ……」
キョン「いや……なんていうか……御愁傷様としか言えない自分の語彙の狭さが心苦しい限りです……」
こなた「キョンキョンたちはいいよネ……理由はなんにしろまだ成長続けてるもんネ……」
キョン「その理由が重大なんだが……」
こなた「ちなみにキョン達が成長したあかつきにはさらに呪いが!」
キョン「なんだ……?」
こなた「みくるんがさらに空気に……な……」
貞みくる「……………………」
キョン「電柱が……朝比奈さんの手に渡っている……」
こなた「キョンキョン……これはあたしの戒めダヨ……これを後の世代たちに……伝えて……いって……ネ……」
キョン「こなたーッ!!」
みくる「というわけでぇ〜、これからあたしたち二人でめら☆すた盛り上げていくのでっ! これからもよろしくでしゅ!☆」
キョン「……つまり、これが呪いの力というわけだな……こなた……だからといって俺を呪うなよ……」
667名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:02:50 ID:PZKtF4kJO
――――――――――――TAKE1――――――――――――
「キョンくーん」
「ん?」
「うんーと……おちゃのきゅうすはどこにあるのー?」
「さっき食べたでしょ」
「みくるーん……」
668名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:03:20 ID:PZKtF4kJO
――――――――――――TAKE2――――――――――――

 今日は麗しの俺のマイスゥートエンジェルで在らせられる朝比奈さんが風邪をこじらせて学校を休んだという。
 もちろん、それがハルヒの耳に伝われば、それ即ち、火に油を注ぐことと同じこと。放課後、SOS団の面子でお見舞いに行こうと言い出した。
 そうなれば俺がその鎮火を担当するしかないわけで。どいつもコイツもハルヒの言うことは絶対であるというイエスマンでしか無いので、唯一無二の良心(そう勝手に自覚している)である俺がその行動を阻止しなければならない。
「おい、ハルヒ。風邪で寝込んでいるというのに、この人数で朝比奈さんの家に押し掛けたら治るものも治らないだろう?」
 ハルヒが行動を起こせば、後に残るのは灰のみだ。本当の病人に面白半分で騒いで迷惑でもかけるのは人情的には許しがたいだろう。
「む〜……キョンのくせにまともなこと言うのね……キョンのくせに」
「二度も言うな」
「仕方ないわね。今日は大人しく街にでもでて何か美味しいものでも食べましょう。モチロン、キョンの奢りで」
 そう言って、ハルヒはいつものような100Wの笑顔を見せた。それに俺は、嘆息をつくことしか出来ない。財布が寒くなるのと同時に、何故か心が暖まったのは何故だろう。何故だろう。
 こうして、最悪の事態は防げたのである。これなら朝比奈さんは明日にでも元気な姿で麗しの姿で美味しいお茶を汲んでくれそうだ。
669名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:03:48 ID:PZKtF4kJO
みくる「いやちょっと待てェェッッ!? なんだよこれ!? あたしの活躍ねぇじゃねぇかよ!!」
キョン「え? どこがいけなかったんですか? ちゃんと朝比奈さん尽くしな結果に仕上がったじゃないですか?」
みくる「イヤイヤイヤ! お前の感性腐ってるだろ!? 最初なんてやる気を微塵も感じさせねぇじゃねぇか!! さんざんパクりだし、なんだよ『みくるーん……』って!? 語呂あってねぇよ! うまくねぇよ!!
あときゅうす食べるっておかしくね!? きゅうすは食い物じゃねぇーッッ!!!!」
キョン「いや、でも二本目なんていい出来かと……俺、これでも朝比奈さんを心配で」
みくる「なら見舞い来いよ!! なんでお前はせっかくの好意潰そうと躍起になってやがんの!? そりゃ確かにあのキチガイが来ると熱も上がるよ!? だけどそうじゃねぇだろ!? 出番をむしろ無くしてどうするんだって話だっつーのッッ!!」
キョン「いや正直……あの後の展開考えるのダルくて」
みくる「思いッッッッッきり自分本意じゃねぇかよ!! あたしを立てろよ! ヨイショしろよ!!」
670名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:04:12 ID:PZKtF4kJO
貞ハルヒ「誰が……キチガイだって……」
みくる「ひっ……や、やだなぁ涼宮さぁーん? あれは、言葉のあやってやつでぇー……」
貞ハルヒ「誰が貧乳平野あやだって……?」
みくる「い、いやあたしそんなこと一言も……」
671名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:04:46 ID:PZKtF4kJO
ハルヒ「みくるちゃんは卒業しました」
キョン「そうか……もうそんな時期か……」
ハルヒ「出会いがあれば別れもあるのよ、キョン。あんなに盛大に送り出してあげればみくるちゃんも本望でしょ」
こなた「あの最後の裸で阿波おどりはなかなか楽しめたヨはるにゃん」
ハルヒ「そうでしょ? あたしの発案だもの! つまらなかったらみくるちゃんが悪いわ!」
こなた「さすがはるにゃん! そこに痺れるあこがれるぅ〜ッ!」
ハルヒ「てなわけで、今後とも、このSOS団含め、らき☆すた組の面々が織り成すドタバタコメディをよろしくぅっ!」
キョン「はぁー……今後もまだまだ苦労が絶えなそうだぜ……やれやれ……」
こなた「自分、はるにゃんに一生ついていくっすぅーっ!」


鶴屋さん(友情出演)「みくるはいいよね……ネタでもなんでも触れられて……あたしなんかあたしのネタが出てきてもあたしノータッチだよ……? あたしいつもにょろにょろ言ってる訳じゃないのに……なんで嫌われてるのかな……しかも友情出演って……」
672名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:05:11 ID:PZKtF4kJO
こなた「おひさしぶりーふ!」
キョン「やるなやるな女の子がはしたない」
こなた「なんではしたないのかも分からない人いるよネきっと」
キョン「今や姿形無いほどに見ないからな……」
こなた「まだ残念ー! の人のが見るよネ」
キョン「そうか?」
こなた「まぁどうでもいいヨネ。とりあえず今後の目標はSSを書くこと!」
キョン「アバウトかつあまり目標として相応しくないよな」
こなた「とりあえず続き物にしようとつかきょんものの続きの執筆に力を入れていますきっと」
キョン「つかさかわいいよつかさ」
こなた「……あたしは……?」
キョン「もうありふれてるから」
こなた「……つるにゃん、あたしもそっちの人間になりそうダヨ……」
キョン「しかし、鶴屋さんは今やようつべで大忙しであったとさ」
こなた「もうみんなてきだー!! あたしがはるにゃんの力を持ってるみたいなSSあるし、それでみんなけしてやるー!!」
キョン「あれ面白いよな。俺みたいなのが先生なんて笑っちまうな」
こなた「もうしらへん! キョンキョン大好き!」
キョン「いみわから……あぁ、俺はこなたのこと好きだ」
こなた「あれ……? まさか……あたしが神だー!!」
???「その幻想をぶっ壊す!」
こなた「なんと! もしやあれがもう一人のキョンキョン!?」
ハルヒ「まぁあたしだけど」
こなた「一万人を落とした男ってスゴイよネ。妹達わけてほしいとか考えたのはあたしだけではないはず」
ハルヒ「あたしはあのロリが欲しいわ」
キョン「なんて話してやがる……」
ハルヒ「このままだと埒が開かなくなるのでここで締めます」
こなた「はいはいそげぶそげぶ」
ハルヒ「ばいにー☆ にぱー☆」
こなた「くっ! やっぱり上条さんにはかなわねぇやっ! 神の位は上かはるにゃん!」
673名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/01(日) 02:07:24 ID:BawT5kwX0
|´・ω・`)
674名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/01(日) 02:11:50 ID:PZKtF4kJO
とりあえず感想としては、ごめんなさいみくる
あなたとっても使いづらいの
暴走キャラか腹黒キャラにしか使えないのは俺の技量の問題なんだ
だから俺から彼女を取り上げることはもうないかもしれないわ……

あとみくるいじりTAKE1。みんな台本なのに名前抜けてました。これもある意味みくるいじりなのではと。
すいませんみすですすいませんすいません
鶴屋さんはまだいい方です。妬まないで下さい。俺は好きだよ鶴屋さん
とりあえず誰かがこなきょんをあげてくれることを望みつつ俺はつかきょん執筆に力を入れます
久々に失礼しました
675名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/01(日) 09:36:06 ID:rqssTXDf0
O2
題名書いてないのに一瞬でめらすただってわかるのは仕様ですね
そしてがんばれ
676名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/01(日) 20:29:49 ID:l7CSWqFKO
>>674
乙ー
つかキョンwktk
677名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/01(日) 23:44:29 ID:J4Uamk2I0
大津
何気に、またこういうノリを取り戻してほしいものです。
そしてゆくゆくは、スレ住人で
ハルヒキャラとらきすたキャラの掛け合いコンボを
やりあえるようになれば、いいなあ・・・


>>674
みゆき「あの・・・私は・・・?」
かがみ「私がいったら・・・贅沢いわれるんだろうな、たぶん」
古泉「いいんですいいんです、出てきた所で、この流れはギャッグッワでしかありませんしorz」
長門「・・・・・・・最近・・・・・・出番ない・・・・・・・・」
つかさ「あははーばるさみこすー」
678名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/02(日) 15:42:56 ID:XiWKsNG10
今日はまつり姉さんの誕生日。6日はゆかりさんの誕生日なんだが、まったくと言っていいほどこのスレには関係無い話だよな。
679名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/02(日) 18:31:57 ID:Z0Mi4SPu0
明日のひな祭りが楽しみだ
680名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/02(日) 20:25:27 ID:jhJukQSZ0
お題を募集させてください
サンプルは>>418
お一人様一個で、5個ほど募集します
681名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/02(日) 22:32:23 ID:QdqQBocsO
>>680
そうだなあ
「不沈艦」
682名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/02(日) 22:51:49 ID:Z0Mi4SPu0
睡眠
683名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/03(日) 00:09:23 ID:0sxYK7gD0
>>680

とりあえず、こなた→長門の呼び方を「ながもん」としてもらった上でお題

「興味から芽生える愛」

ごめん、一度見てみたいんだ・・・こな×ゆき・・・orz
684名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/03(日) 03:23:49 ID:UsJyDGSO0
「約束」
685名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/03(日) 18:49:53 ID:h/3qJurg0
不沈艦
睡眠
興味から芽生える愛
約束
以上4つ頂いていきます ありがとうございました
多分、明日には不沈艦が投下できるとおもいます
686名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/03(日) 21:05:27 ID:0sxYK7gD0
>>683だが

>>685
おおっ!「興味から芽生える愛」採用!
こな×ゆきラビュラビュみれるかっ!(゚∀゚)
687名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/03(日) 22:38:57 ID:UUzPILdpO
>>685
なんだと・・・
難しいお題を考えた結果「不沈艦」にしたのにそんなに簡単に・・・!?
688名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 11:39:52 ID:X9Dr/b3C0
妄想シリーズ『ひなまつり談義』


谷口「今日は3月3日、女の子の日だぜ」
キョン「アノ日か」
谷口「別の意味に聞こえる言い方すんな。全員一斉にアノ日になったら怖いわ」
国木田「ところで5月5日は男の節句だね」
白石「じゃあ4月4日はオカマの日か」
谷口「お前ら……もっとやる気だせよ!」
キョン「女の節句だってのに、このむさ苦しいメンツで談義することはないだろう」
国木田「そうそう、女子に任せておけばいいんだ」
谷口「身も蓋も無いこと言うなよ。スポットが当たらない今こそ好き勝手やるチャンスなんだよ」
白石「へー」
谷口「芸人にあるまじきリアクションすんじゃねえ!」
キョン「で、何やるんだよ」
谷口「ひな壇つくろうぜ」
キョン「めんどくせえ。こちとら妹のひな壇飾ってきたばっかなんだ、二回もやりたくない」
谷口「バーカ、頭の中で組み立てんだよ。メンバーをキャスティングしてな」
国木田「キャスティング?」
谷口「まずお内裏様は俺な」
キョン「阻止。そういうことか」
国木田「阻止。お内裏様、お雛様、三人官女、五人囃子、右大臣と左大臣とかに当てはめるわけだね」
白石「阻止。ちょwwwおまwwwねーよwwwww」
谷口「お前ら……もっとやる気なくせよ!」


・仕丁

白石「一番下の段って何があったっけ」
谷口「箪笥とか駕篭とかの嫁入り道具だ。その上の段にいるのが3人の仕丁。いわゆる従者だな」
キョン「相変わらず、情熱を持つと下調べを徹底するな」
谷口「フッ、まあな。要するに、ここには3バカを乗せればいいわけだ」
国木田「じゃあ谷口、谷口、谷口で」
谷口「バカは俺しかいねえってか! 野郎なんか置かずに、もっと華やかにしようぜ!」
キョン「日下部、日下部、日下部」
谷口「俺が悪かった! もうバカにこだわらないでくれ!」
689名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 11:41:00 ID:X9Dr/b3C0
・右大臣、左大臣

白石「次はプリキュアか」
国木田「新シリーズは3人でしょ」
谷口「おい、さっきのは保留かよ」
キョン「決着つきそうにないし、切り替えて行こうぜ」
谷口「だったら……ここは迷わず、黒井センセと成実さんを置くぜ!」
キョン「確かにセットって感じがするな」
国木田「どっちをどっちに置く?」
白石「大して変わらなそうだし、どっちでもいいんじゃないか?」
谷口「ちなみに左大臣はじじい、右大臣は若者らしい」
キョン「……」
国木田「……」
白石「……」
谷口「……どうすんだよ」
キョン「さっきのなし。宮河姉妹置こうぜ、年上と年下って解釈にして」
谷口「……その言い訳が、通じなかったら?」
白石「……ゴクリ」
キョン「もういっそ、新川さんと森さんにしておくか」
谷口「野郎なんか置かずn
キョン「黙れ。つか、最初に黒井センセと成実さん出したのお前だろ」
国木田「そうか、谷口がすべての元凶だったのか」
白石「くそっ、ただでさえ適齢期だってのに追い討ちするような真似を!」


黒井「ガッシ!ボカ!」
谷口「ギャッ!グッワ!」

ゆい「狙い撃つぜ!」
白石「ナンジャコリャー!」


キョン「……さ、次行くか」
国木田「そうだね。保留万歳」
690名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 11:41:59 ID:X9Dr/b3C0
・五人囃子

キョン「次はゴレンジャーだな」
谷口「男しかいねえけどな。ということで、ここも女子に変えて考えようぜ」
白石「五人組かあ……いそうでいないな」
国木田「泉さんのグループだと一人足りないねえ」
キョン「小早川のグループでも一人足りないぞ」
白石「背景コンビを混ぜてみれば?」
キョン「一人余るだろ」
谷口「果たして、本当にそうだろうか?」
キョン「安い煽りかよ」
国木田「えーと、泉さんグループにコンビを混ぜると……あれ、合うよ?」
キョン「おい、小早川のグループでも合うぞ。5人だ」
白石「い、言い出しといて難だが、いったい何が起こったんだ……!?」
キョン「誰かが消えたんだ……誰かが」
国木田「どうなってるんだ」

谷口「……溶け込んじまったのさ、空気に」ニヤリ



貞みゆき「……」
貞パティ「……」

谷口「あー、そういやリングって海外リメイクされてたっけな」
貞パティ「呪マース」
谷口「ア゛ッーーー!」アァァァァァァァァァ……
691名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 11:43:38 ID:X9Dr/b3C0
・三人官女

国木田「次はシュシュトリアンだね」
谷口「一番マニアックなボケだが、お前がそれでいいのか。キャラ的に」
キョン「ここは、うちの団から3人出すべきだろう。落選したら3人娘の名が泣く」
白石「えー、涼宮さんがお雛様の位置以外に座ってるのって想像できないぞ」
キョン「いや……朝比奈さんや長門と同じ段って言えば、ハルヒも納得するさ」
国木田「そういうものかい?」
キョン「ああ。何でもかんでも一人でっていう時期は、あいつの中では終わったんだよ」
白石「じゃあ、その中からあえて一人だけ、お雛様を選ぶとするなら?」
キョン「何度も言わせるなよ。3人とも同じ段にいるべきだ」
国木田「キョンの人となりが如実に表れる回答だね」
キョン「よせやい」
白石「褒められてはいないと思う」
谷口「……キョンよ。真面目ぶっこいてるとこ悪いが、これはあくまで妄想だからな?」
キョン「妄想でも現実でも、俺にはこれしか考えられないね」
谷口「のろけんじゃねーよチクショウ」
白石「ちなみに異論は?」
国木田「黒井先生、天原先生、鶴屋さん(野球Ver.)の3大ポニテ」
キョン「よっしゃ」
谷口「おい」
キョン「いや騙されるな俺! 教師陣のはしっぽだ! しかし、括ってすらない奴なんぞより……」
谷口「おい」


ハルヒ「……」





神人「ガッシ!ボカ!」
古泉「ギャッ!グッワ!」
692名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 11:46:33 ID:X9Dr/b3C0
・お内裏様とお雛様

谷口「じゃ、お内裏様は俺な」
キ国白「どうぞどうぞ」
谷口「!?」
キョン「何金田一少年風に驚いてるんだよ」
谷口「だって、てっきり阻止されると思ってたから」
国木田「僕らもね、考えたのさ」
白石「今回ぐらい、好き勝手にさせてやろうってさ」
谷口「お前ら……」
キョン「谷口の情熱には負けたよ。胸張って、てっぺんに行ってくれ」
谷口「もう、ゴールしてもいいんだな……?」
国木田「ああ、いいんだとも」
白石「じゃ、お雛様のことはよろしくな」
キョン「マジよろしく」
国木田「くれぐれもよろしく」
谷口「おう!」


谷口「あいつらはああ言ってたが、俺はここがゴールだとは思っちゃいねえ」


谷口「俺はまだ上り始めたばかりだからよ……この長く険しいひな壇を!」





あきら「おは☆らっきー!」
谷口「チェンジ」





あきら様「ガッシ!ボカ!」
谷口「ギャッ!グッワ!」


 終わり。一日遅れなのは寝過ごしたからです orz
693名無し@18歳未満の入場禁止 ◆Yafw4ex/PI :2009/03/04(日) 15:30:49 ID:A96d3AL20
投下します
お題「不沈艦」
>>687、あんたのお題……難しかったぜ!
694名無し@18歳未満の入場禁止 ◆Yafw4ex/PI :2009/03/04(日) 15:31:34 ID:A96d3AL20

 
 「浮沈艦」
 
 
 深夜特有の、音のある無音。
 脳内に否が応でも静かな興奮が駆け巡っちゃうその時間帯に、あたしの操作する――青
い髪の猫っぽい女の子――キャラクターは生き生きと仮想世界の中を走り回っていた。
 広い砂漠と青い海が広がるフィールド、ここは初心者の人が最初のクエストを達成する
為に訪れる場所なんだけど……そうだよね、まず「クエストって何?」って人の方が普通
なんだよね。
 ま、言ってみればクエストってのはゲームの中のアルバイトなのです。
 現実でもアルバイト初心者は簡単な作業しか任せてもらえないように、ゲームの中でも
初心者には大した仕事はもらえません。
 だからみんな、上級者になるために効率よく経験地をがっつり集めようって思って一生
懸命クエストをこなすんだけど……そんな説明じゃ全然意味わかんないですよって人はわ
かった顔でいてください。
 よ〜っしクエスト敵発見! ……って他の人にタゲられちゃったか。
 狙っていた敵は出現と同時、その場にちょうど通りかかった他キャラクターと戦闘を始
めてしまった。
『ながもんごめ〜ん タゲ取れなかったよ〜』
 マウスを離し、キーボードを叩いてメッセージを書き終えてエンターを押すと
『気にしなくていい』
 この単語、辞書登録してるの? ってスピードでレスが返ってきた。
 も〜……せっかくながもんが一緒にINしてくれてるのに、何で今日に限ってこんなに
人が多いのさ! いつもは過疎なのに!
 そうしている間もながもんのキャラクター――灰色の髪のうさぎっぽい女の子――は、
ふらふらと砂漠を走り回り、あたしはその姿が確認できる範囲でクエストモンスターの捜
索に戻った。
 ――さて、どうしてながもんがあたしと一緒にネトゲをやってるのか? その事を説明
する為には、数日前のお昼過ぎまで時間を巻き戻す必要があるのです。
 
 
 ん〜……ナスストラップか。確かに出来はいいし、欲しいんだけどねぇ……。
 すでに両手一杯に持っていた本の重量を前に、あたしはレジ前に平積みにされた雑誌を
購入するか本気で悩んでいた。
 新装開店でポイント2倍!
 そんなのぼりが本屋さんの前に出てたんだもん、それはもうあたしが店に入る事はある
意味規定事項だったのでしょうねぇ。
 とりあえず両手に持っていた本をレジに置いて、その雑誌を手に取ってみる。
 そして財布も。
 ……これを買っちゃったら、今月はそりゃもう本気で厳しい。
 うん、ここはやっぱり
「やっぱり一緒にこれもください〜」
「はい。ありがとうございます」
 悩む事3秒。うんうん、人はご飯だけじゃ生きられないのですよ。
「――こちらお釣りと、ポイントカードのお返しとなります。ありがとうございました〜」
 厳しい中で手に入れたからこそ、物の価値は引き立つってもんだよね〜。
 プラスされたポイント×手渡された袋の重量=充実感
 そんな公式を頭に思い浮かべながら本屋さんを出ようとした時、ふと目に入ったPC関
係のコーナーに
「お〜いながも〜ん」
 寡黙な友達の姿をあたしは見つけていた。
 あたしの呼びかけに顔を向けたながもんは、いつも通りの無表情。
 ながもん可愛いのに勿体無いないなぁ、そうゆうジャンルも需要はあるだろうけど……
って今日は勿体無いのがもう1つ。
 彼女のセールスポイントだと思う眼鏡を、何故か今日はかけていないのだ。
「ねえねえ、眼鏡やめちゃったの?」
 あっさりと肯く彼女。
 そっかぁ……何かちょっと寂しい気もするなぁ。
695名無し@18歳未満の入場禁止 ◆Yafw4ex/PI :2009/03/04(日) 15:32:16 ID:A96d3AL20
 眼鏡が無くてもながもんが可愛い事には変わりはないんだけど、美人で寡黙で眼鏡っこ
というレア設定が失われてしまったのはちょっとだけ惜しい気が……。
 そんな事を考えている間に、いつの間にかながもんは立ち読みに戻ってしまっていた。
 妙に熱心に――いつも本を読んでる時は熱心なんだけど――ながもんが読んでいるのは、
ネットの接続関係の本。モデムの設定とかが書かれていた本だった。
 ……こ、これはもしかしてもしもし〜?
「ねえながもん? もしかして、ネット回線を引いたりとかするのかな?」
「する」
 おおおおお!
「それってそれって、自分のお部屋だったりする?」
「そう」
 手に持った本の重さより、その言葉はあたしを強く魅了した。
「あのさ……もしよかったらなんだけど〜――
 
 
 駅から程近い分譲マンション、その一室の前に立ち
「どうぞ」
 ながもんは部屋の扉を開けてそう言った。
「おじゃましま〜す」
 わ〜きれ〜い、広〜い。そして……何もな〜い。
 初めてお邪魔したながもんの部屋は、掛け値なしに広く掛け値なしに生活感が無かった。
 フローリングの床にはカーペットも無く、カーテンも無し。
 テレビすらなかったその部屋にある家具と呼べる物は、コタツテーブルが1つだけ。
 ……あたしも変わり者だと薄々自覚はしてたんだけど……これは凄いね。
 世の中は広いよ、本当。
「座ってて」
 そう言い残し、ながもんは台所へと消えていった。
「あ、どうぞおかまいなく〜」
 何となく落ち着かないままコタツの前に座っていると、やがてながもんはお茶の準備を
整えて台所から戻ってきた。
 あたしの向かいに座り、手馴れた動作で急須から湯飲みにお茶を注ぎ、
「どうぞ」
 静かに差し出されるお茶。
「これはこれはご丁寧に……うん、真面目に美味しいね。これ」
 お茶を飲み干し、素の感想を言ってしまったあたしに
「そう」
 ながもんはやはり平坦な声で答えるのだった。
 ……おやおや、ながもんってこんな家庭的な面もあるんだね……じゃなくてぇ!
「それじゃさっそくなんだけど、パソコン見せてもらってい〜い?」
 そう、あたしはながもんの部屋のパソコンを設定に来たのですよ。
 
 
 ながもんのパソコンはノートで、誰か知らないけど中々知識のある人が予め設定してく
れてあった。
「これってながもんが設定したの?」
「してない」
 だよねえ。
 ここまで知識があるなら、ネットの接続くらい簡単だろうし。
 ともあれ、下準備が済んでいたおかげで無線LANとモデムの設定はそんなに時間はか
からなそうな感じかも。
「よ〜しすぐにやっちゃうから、ながもんはあたしの買ってきた本でも読んで待っててよ」
 あたしはモデムの入った未開封の袋に目を輝かせ、ネット環境のセッティングに取り掛
かった。
 ――そして30分後。
 はい終了〜。
 ノートパソコンの画面には、無事に某検索サイトのTOPページが表示されていた。
 ん〜何で人のパソコンの設定ってこんなに楽しいんだろうね?
 自分のパソコンだと面倒なだけなのに、不思議だ〜。
696名無し@18歳未満の入場禁止 ◆Yafw4ex/PI :2009/03/04(日) 15:32:47 ID:A96d3AL20
「ながもんできたよ〜」
 達成感に浸りつつあたしが振り返った時、ながもんはあたしの買ってきた本を黙々と読
んでいる所だった。
 ながもんが選んだのはナスストラップが付録に付いた雑誌、じゃなくてネトゲの情報誌。
 普通の人には絶対に意味がわからない、ゲームの中でしか通じない専門用語ばっかりの
その雑誌をながもんは真剣に読んでいる。
「な〜がもん。こ〜ゆ〜ゲームに興味あるの?」
「少し」
 おお、意外かも。
 どっちかっていえば、ながもんはみゆきさんみたいにマインスイーパーとかソリティア
にはまるタイプだと思ったんだけどね。
「あなたは」
「え?」
「あなたは、興味があるの?」
「うんあるよ〜。今もたまにやってるし、楽しいよ?」
 あたしの返答を聞いて、ながもんはまた雑誌へと視線を落とす。
 ――あたしがながもんをネトゲに誘ったのは、そんな経緯があっての事だったのですよ。
 以上回想終わり!
 結局、ながもんのパソコンのスペックに合わせたゲームを選んでDLし、こうして一緒
にログインしてみて解った事。
 それは――ながもんは本当に無口だって事かな。
 普通、っていうか多くの場合。ネットと現実の人格って結構違ってくるものなんだけど、
ながもんはまるでNPCみたいに静かで、あたしの指示する通りにしかキャラクターを動
かさない。
 指示が無ければずっとじっとしてるし、キャラクター作成の時もこのクエストを受ける
時もあたしの言うままだった。
 質問も意見もなし。
 こ〜ゆ〜の好きじゃないのかな?
 そうあたしが不安に感じるくらい、モニターの中に映るながもんのキャラは寂しそうに
見える。
 確かに、人によって合う合わないはあるんだよね。ネトゲって。
 あたしは結構肌にあってたのか、このクエストをやった時も面白いって思ったんだ。
 でも、一緒にやってた人の中には合わないからって止めちゃう人も居た。
 ……ながもんは……そのどっちでも無いって感じ。
 今もずっと、あたしが言ったとおり『他のと違う感じのモンスターが出たら教えて、そ
れまではうろうろ歩いてて』って指示をずっと守っている。
 ながもん もうやめよっか?
 そう、タイピングを終えてエンターを押そうとした時
『きた』
 初めて、ながもんからのメッセージがあたしに届いた。
 急いでマウスを握り、ながもんのキャラクターへと向かって駆け出したあたしが見たの
は……バカー! 空気読めー管理会社!
 初心者ゾーンには本来出現するはずの無い、ランダムイベントモンスターの姿だった。
 それは、高レベルキャラクターの為に用意されたモンスターで、どう頑張っても初心者
キャラクターが倒せるはずも無いモンスター。
 その姿を見た画面上のプレイヤー達は我先にと逃げ出していく。
 そんな中、ながもんは一人モンスターの前に立ち、あたしのキャラの方を向いていた。
 ながもん! それは違うの! 目的の敵じゃないの!
 タイプする時間は無い、そう判断したあたしは自分のキャラクターにランダムモンスタ
ーへの攻撃を命じる。
 被ダメは……よーしいけるっ!
 無駄に時間を費やして育ててきた自分のキャラを、これ程力強く思った事はなかった。
697名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 15:33:18 ID:A96d3AL20
 モニターを見つめながら、ながもんにモンスターが向かないようにとあたしはキーを叩
き続けていく。
 1対1で、殆ど互角の戦いを繰り広げる中――それまで、じっとあたしの指示を待って
いたながもんが、一緒になってモンスターへ攻撃を始めた。
 モニターの中で、ながもんのキャラとあたしのキャラが一緒になって戦っている。
 出来たばかりのながもんのキャラはまだ弱かったけど、全然戦力にはなってなかったん
だけど――なんでだろう……凄く、心強い。
 やがて、逃げ回っていた他の初心者達も一人、また一人とあたし達と一緒になって戦い
を始め――ボムッ! 殆ど袋叩き状態になっていたモンスターは、小さな爆発音と共に消
滅した。
『やったねながもん!』
 本来こんなレベルのキャラクターが勝てる相手じゃなかったとか、レアモンスターを倒
せた事とか、あたしが喜んでたのはそんな事じゃなかった。
 何も話さず、じっとあたしのキャラを見ているながもんと、一緒に戦って勝利を分かち
合えた事。それが何より嬉しかったのさ。
 見れば回りでも初心者同士で喜び合っていて、ここだけ何かのイベントがあったみたい
な賑わいを見せている。
 そんな空気の中、あたしはつい
『それにしても流石ながもんだよ! 初陣でこの戦果ってのは長門って名前に恥じない活
躍だよ〜』
 何時ものテンションでタイプしてしまった。
 ――その内容はながもんには通じなかったんだろうし、何の意味も無いただの会話だっ
たんだけど……まるで、歴史を再現するみたいにそれは起こった。
 モニターの上部に突然現れた管理者からのメッセージ、そこには……はあああああぁ!?
『サーバーの不具合によりランダムイベントモンスターが各地に発生してしまいました。
データサーバーを復旧させる為、現在時より90分間の巻き戻しを行います』
 90分って……それってながもんがキャラを作る前じゃん!?
 そこから先に流れた課金アイテムの保障とか、アイテム購入がどうとかの文字はまるで
頭に入ってこなかった。
 騒然とするマップの中、じっと動かないままながもんのキャラがあたしの方を見ている。
 彼女に、あたしは何て言えばいいんだろう?
 いや〜作ったばっかりでよかったね?
 よくあることだよ〜。
 本当、管理会社には頭がくるよね!
 ……多分、何を言ってもながもんは受け入れてくれると思う。
 なのに、あたしは迷ってた。
 いくらあたしのキャラが強くたってどうしようもない。
 足掻いても無駄って事くらいわかってるのに……迷ってた。
『只今からメンテナンスを開始します。ユーザーの方は、すみやかにログアウトをお願い
します。ログアウトされない場合、データに不具合が出る可能性があります』
 繰り返されるメッセージに、口々に不満を上げていた画面内のキャラクターも次々と姿
を消していく。
 そして残ったのは……寂しそうに見えるながもんのキャラと、あたしのキャラだけ。
 ……はぁ。なんだろうね……この気持ちって。
『ログアウトをすればいい?』
 何も言わないあたしに届いたながもんからのメッセージ。
 ゲームはゲームで現実に持ち込むのは大人気ない事、そう思っていたはずのあたしなの
に……今はそうは思えない。
 あたしはキーボードを操作して、その場にキャラクターを座らせた。
 それを見て、ながもんもその場にキャラクターを座らせる。
 誰も居ない広い砂漠を見ている二人はまるで――
698名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 15:33:58 ID:A96d3AL20
 聞こうかな……でも、気を使わせちゃうだけかな……。
 ちょっと迷ったけど、
『ねえながもん 楽しかった?』
 あたしはそう聞いてみた。
 少しの沈黙の後、
『あなたを見ているのはとても楽しかった』
 ながもんはそう、返事を返してくれた。
 ……そうだったんだ。
 今思えばわかる、ながもんはあたしに言われる以外に何もしてなかったんじゃない。
 ずっと、あたしのキャラクターを見てくれてたんだよ。
 何か返事を返そうと思っていた時、画面内にメッセージを残したままながもんのキャラ
クターが消えた。
「おやすみ、ながもん」
 ……という事はあたしのキャラももうすぐ強制ログアウトされるね。
 あたしはキャラクターを立ち上がらせると、管理者へと向けてメッセージを打ち込みエ
ンターを押す。
『空気読めこのバカァ!』
 その文字が画面に表示された時、それを合図にしたみたいに最前面にあったブラウザが
閉じた。
 ――はぁ……初めてのネトゲ体験がこんな終わり方ってどうなのさ。
 モニターの右下、デジタルで表示された時計には深夜といっていい時間が表示されてい
て……これじゃながもんに電話する事もできやしないよぉ。
 う〜せめてメールで謝ろう。そして明日の……いや、今日の朝電話しよう。
 送るメールの文面は思い浮かばないまま携帯電話を探していると、小さな振動音がベッ
トの上の荷物から聞こえてきた。
 今日買ってきた本の山、その中に埋もれてしまっていた携帯電話の画面であたしが見た
のは――
送信者:ながもん
タイトル:なし
本文:今日は楽しかった また遊んでほしい
 よかったぁ〜……で、でも何て返信しよう? またネトゲに誘っていいのかな? それ
とも違う遊びの方がいいのかな? ああああどうしよう? どうしよう!?
 深夜と嬉しさのせいで頭は回らず、眠気だけが遠ざかっていく。
 は、早く送らないとながもんが寝ちゃうよぉ!
 あたしがながもんへの返信を考える中、夜はその深さを少しずつ増していくのだった。
 
 
 「不沈艦」 〜終わり〜
 以上です、お邪魔しました
699名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 22:45:16 ID:hPc25TM10
こなゆき超(*・∀・*)イイ
700名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/04(日) 23:34:37 ID:hGCEcSrl0
なるほど、ネトゲを通じて深まるこなゆきか、(・∀・)イイ!
701名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 00:02:00 ID:385UQqP3O
こなゆきがこんなにイイとは思わなかった…
超GJ
702名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 00:59:19 ID:tKtfapamO
こなゆき美味しくいただきました!
粉雪を見ていると心暖まります。昨日の雪でそう思ったのは間違いじゃなかったですね
ていうかネトゲやらないから知らないんだけどこういう理不尽がよく起こるもんなの?
703名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 02:25:16 ID:QqkuAzuAO
二人とも乙

ところで何故かパソコンで書き込み出来なくなってるんだが何でだ?
704名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:13:11 ID:tKtfapamO
>>703
おそらくOCN規制に巻き込まれたと思うよ!よ!

というわけで触発されてこなゆきものいきます。
めら☆すた
こなゆき 〜After story〜いきます
705名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:13:45 ID:tKtfapamO
こなた「こなぁ〜! ゆきぃ〜! ねぇ……」
キョン「昨日降ったな。なんかひどく寒いと思って外見てみたら驚いた」
こなた「あたしたちの地域じゃ全然降らないしネ。たまに降るからこそ嬉しくなるってものだよネ!」
キョン「でも俺としては早く春になれって思っても仕方ない」
こなた「さすがキョンキョンはオヤジだねぇ〜」
キョン「暦的には春なんだからいいだろ別に」
こなた「一体どのくらいの人がこなぁ〜ゆきぃ〜って歌ったんだろうネ」
キョン「お前はわざわざ電話かけてきて、コンポから音流して歌いやがったよな」
こなた「だってそういうものじゃん? 子供の遊び心ですヨ」
キョン「さよけ」
こなた「ちなみにながもんにもやりました」
キョン「こなゆきコンビまだ繋がっていたんだな」
こなた「あたしとながもんはマヴダチだからっ」
キョン「……思い出したが、お前が変な知識教え込むから長門が段々変な道へ行きつつあるんだが」
こなた「あたしが教え込んだんじゃないもーん。ながもんが家に来たときに吸収していったんだもーん」
キョン「行くのか? お前の家に長門が?」
こなた「おうヨ! 結構来て一緒にネット探ったりゲームしたりしてるヨ!」
キョン「あぁ……段々汚染されていく……無垢な長門が……」
こなた「あたしのこと汚いみたいに言うのはどうなんだろうネェ……」
706名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:14:14 ID:tKtfapamO
キョン「事実」
こなた「二文字で強調された……最近あたしの紹介でかがみんとも仲いいヨ」
キョン「ほう……ってラノベ関係か」
こなた「あら? ご存じで?」
キョン「本屋で会ったことがある」
こなた「あちゃー……かがみご愁傷さま」
キョン「別に人の趣味にとやかくつけるつもりはないぞ」
こなた「かがみがそういう偏見持っている人だから。ラノベは別物って自分では言っているけどサ」
キョン「一般的ではあまりないな」
こなた「でもながもんに勧める時には輝いているヨ」
キョン「まぁ趣味の合う人間と知り合うことが出来るってのは長門にとっていいことなんだろうな」
こなた「キミはながもんのおやじかぁー!」
キョン「知り合いってだけだよ。アイツが人間らしく振る舞えているならお前とつるんでいようがいいことだろう」
こなた「……ふーんふーんふーーーん……」
キョン「顔を近づけるな」
こなた「ながもんのことなんでも知ってらっしゃるのネ? ふーん……」
キョン「なにが言いたいんだよ」
こなた「しーらなーい。キョンキョンなんかは知らないもーん。ながもんと遊んでこーよう」
キョン「オイっ……ってなんだアイツ……」
707名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:14:39 ID:tKtfapamO
こなた「ながもーん!」
長門「…………」
こなた「キョンキョンがまたフラクラというなのDVで苛めるよぉー!」
長門「……そんなときにはこれ」
こなた「おぉっ! これは!」
長門「……仲直り薬……これを飲めばたちまちあなたと彼の関係は修復される」
こなた「……出す前に効果音とか必要だったかな?」
長門「……気分的盛り上げには必要だったかも知れない」
こなた「ちゃららちゃっちゃー! 仲直り薬ぃ〜(ドラえもん風に)」
長門「……それはあたしのセリフだったはず」
こなた「ふっふっふっ……なかなかながもんもノリを掴んできたネ」
長門「……実はこれ普通のバファリン」
こなた「オォ! ボケも出来てきた! かますねぇ〜絶好調だねぇ〜ながもん」
長門「…………」
こなた「ドラえもんといえば、あれ実は少し浮いてるらしいよネ」
長門「……PTMの苦情から生まれた後付け設定らしい」
こなた「なんだぁ〜しってたのかぁ〜」
長門「……残念?」
こなた「いえいえ〜気にすることなかれっ。ていうかキョンキョンがさぁー、あたしを汚物扱いするんだよー!」
長門「……あなたの部屋?」
こなた「おぉぅっ……ナイスジャブダヨながもん……でもあたしは最近スルー能力を身に付けたので全力でスルーです」
長門「…………」
こなた「ながもんまで汚物を見る目に……涙って自然と零れてくるんだネ……」
708名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:15:02 ID:tKtfapamO
「……彼はなんと」
 ながもんは今までの態度を改めるように、あたしに訊いた。
「……なんかながもんが変な道に進みつつあるのはあたしのせいだと……あたしは汚れていると……」
 ながもんに慰めを受けたくて、あたしはあえて彼の言葉を悪いように意味を取らせるような、彼を陥れるような。そんな言葉を選んだのは、少なからず嫉妬があるのかもしれない。
 ながもんとあたしの絆。あたしが勝手に思っているだけかもしれないけど、相当に強くて、大切な絆。彼には話してないけど、悩みがあったらながもんに相談させてもらっている。
 ながもんは黙って話を聞いてくれて、時には手を差し伸べてくれて。その寡黙な優しさに包まれて、あたしの悩みなんてちっぽけだと感じてしまう。それだけの魔力を彼女は持っているんだ。
 彼とながもんはずっとあたしと知り合う前から知り合いで、彼はながもんのことを大切に思っている。力になれることがあれば、どんな苦労もいとわないような、互いが互いに向ける信頼感がある。
 嫉妬してしまう。どちらも好きなだけに、どちらとも絆の太さがあたしなんかとは比べ物にならないことに。
「……それは本心ではない」
 ながもんは多少の間を開けて応えてくれた。彼女の中で色々考えたのだろう。彼のこと。……それでもあたしは嫉妬してしまう。……嫌な女の子。あたしって。
「彼は人のことを悪く言うような人ではない」
 ながもんは彼のことをよく知っているんだ。あたしだって、彼はそんな人間ではないことも解っている。
 わかってはいるけれど……どちらも棄てきれない優柔不断の感情があたしの中をグルグル駆け巡る。
 キョンキョンだって好き。ながもんだって大好き。だけど、すべてがあたしのものになるなんてことは無い。無いけれど、愛ゆえに切り離せない。嫉妬の感情はなんて汚いものなんだろう。
 あたしは、やっぱり汚物扱いされて当然なのかも。
709名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:15:34 ID:tKtfapamO
「でもでも、いつもチビ! だとか、近いんだよ! とかいう数々の罵詈雑言がですね……」
 複雑な気持ちを悟られまいと、あたしはいつものようにふざけて言う。けど、これも彼を陥れるようなこと。ながもんがすこしでも彼を軽蔑してくれたら。……なんて汚いんだろうあたし。
「……それは、あなたとの信頼の絆があるから言えること」
 ながもんの言葉を聞いて、あたしは心を悟られてしまったのではないかと狼狽した。作った感情を隠しきれなくて、うろたえた声を出してしまう。
「あなたと彼は深い関係。暴言を吐いても、笑い飛ばせるような、そんな関係のはず」
「で、でもそんなのキョンキョンとながもんに比べたら……」
「信頼の形は人それぞれ。彼とあたし、あなたと彼にはあるものと無いものがある。そしてそれは、他社は羨望し嫉妬するもの。……あたしはあなたが羨ましい」
 ながもんはあたしと同じだったんだ。
 あたしと彼が何かしているのを横目で見て、嫉妬して、羨ましくて、だけどそのことを彼女は感情にだすことはしない。わかっているから。信じているから。
 彼女は何かも解っているんだ。あたしのことだって全部、何も言わなくたってわかっているんだ。
「あなたのおかげで、あたしはこれらの感情を理解できた。何も知らないあたしに手をさしのべてくれたのは、あなたという存在。泉こなたという力は、なにもないあたしに生きる価値を与えてくれた」
 これほどまでにながもんという存在を感じることが出来たのは初めてだ。ながもんはそう言うけど、あたしだって、なにも無かったんだ。
 ながもんに出会って、彼にであって。かがみやつかさやみゆきさん、はるにゃんにみくるちゃん古泉くん、他にもいっぱいいっぱいながもんから絆を貰えたんだ。
「……泉こなた、雪が降っている」
 外を覗けば、しんしんと粉雪が、風に逆らわず、流れるまま流されるままに降り始めていた。
 それは、あたしとながもんの関係を祝福してくれたように思えて仕方なかった。偶然の悪戯はあたしの心を暖かくしてくれた。
「昨日降ったばかりなのにネ……ながもん、わかっているよね?」
「…………」
 ながもんは不承不承と頷いてくれた。なにもかもが優しくて、だけど少し不器用。こんなながもんがあたしは大好き。
 お礼は後で沢山しよう。今は少し恥ずかしいんだ。言っている内に、雪が溶けて雨になってしまいそうだから。
「こなぁーゆきぃー」
 こなたとゆき。このコンビは永久に不滅だっ。
710名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:16:00 ID:tKtfapamO
こなた「なにやら目的と違うものができている気がするのですが」
キョン「気のせいってことばが最近便利だなって思えてきた」
こなた「普通にこなゆきでめら☆すたやりたかったんだけどネ」
キョン「気づいたらほっこりいい話に……」
こなた「ギャグ的なものが出てこなかったんだよネ」
キョン「仕方ない仕方ない。そういうときもあるものだ」
こなた「昨日粉雪降ってたせいなんダヨ!」
キョン「ちなみに筆者は歌ったよ! ここのこなゆきも思い出したよ!」
こなた「やっぱり誰もが通る道ってのはあるよネ……」
キョン「ちなみにめら☆すたにギャグ分がないのはどうかと思うので、とりあえずハルヒでも今出しとけばって思ったんだけど……」
こなた「だけど?」
キョン「やっぱり思い付かないので……」
貞ハルヒ「…………」
キョン「とりあえず貞ハルヒオチで締めようかと」
こなた「わぁー……なんて体をはった締め……イヤダヨこんなの……キョンキョンなんとかはるにゃん落ち着かせてヨ……」
711名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:16:22 ID:tKtfapamO
キョン「じゃあ……新たなシチュとしてはるゆきなんてものを提案してみるんだが」
こなた「おおっ! いいじゃない! はるにゃんの出番も増えるしいいこと尽くしダネはるにゃん!」
ハルヒ「そ、そうね……らき☆すたキャラが絡んでないけどそういうのもありよね……」
キョン「まぁはるゆきって言ってみたけど、はるゆきって友達にいるんだよな。しかもデブ」
貞ハルヒ「…………」
こなた「うわぁ……この人なげやりだぁ……まるで近い将来のことを顧みていない……」
キョン「だって思い付かないものはつかないし」
長門「…………」
こなた「長門さん!」
長門「彼とあたしの絆には情報連結を解除しても大丈夫というものがある」
こなた「お、おぉ……ながもんがお怒りだぁ……こりゃ早く逃げないと」
長門「……さようなら」
貞ハルヒ「…………」
こなた「……え、えぇと……と、とりあえず次は気まぐれが起きない限りつかきょんでお会いしましょう。ば、ばいにー☆ にぱー☆」
貞ハルヒ「ガシッ! ボカッ!」
キョン「ギャッ! グワッ!」
長門「じゃあ、死んで!」
キョン「わぁーいキャラが違うよ宇宙人ーのわー☆」
こなた「み、見てられないっす……わたくし見てられないっす……ばいにー☆」
長門「……にぱー☆」
712名無し@18歳未満の入場禁止 ◆LZfAlLlryk :2009/03/05(日) 03:21:07 ID:tKtfapamO
題名に意図なんかありません。強いて言えば録りためてたクラナド見たぐらいです
ギャグでやってきているつもりなのにこんなことになった。反省はしていない。
雪はいいね。降ってるの見てて心安らぐね。そういう感じ。関東在住だから言えることだね!
てなわなけで気まぐれが起きない限りつかきょんでお会いしましょう。では。
713名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 18:15:49 ID:7nWPPtdI0
みさおは俺の嫁…
714名無し@18歳未満の入場禁止 ◆Yafw4ex/PI :2009/03/05(日) 20:07:39 ID:iJ/tAPky0
投下します
お題「睡眠」
715名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 20:08:10 ID:iJ/tAPky0
 
 
 「睡眠」
 
 
 それは、いつもと変わらない休み時間を皆さんと過ごしていた時の事でした。
 話題を持ち寄り、楽しくお話ししていた中
「みゆきさん聞いてよ〜。昨日また電車で寝ちゃって乗り過ごしちゃってさ〜」
 私は、お困りの様子の泉さんから相談を受けたんです。
「またぁ? ……本当に学習能力無いわねあんたは」
「でもさ〜……今日は絶対寝ないぞっ! って気合入れててもやっぱり眠くなるんだよね、
電車って。これはもう仕様なんだよ」
「うんうん。外は寒くて電車は暖かいから、この時期は絶対眠くなるよね〜」
 確かに、とても眠くなりますよね。
「でね? みゆきさんなら、絶対に電車で寝過ごさない方法を知ってるんじゃないかな〜
って思ってさ」
 溜息混じりに、泉さんは私にそう聞いてきました。
 どうやら本当にお困りのようですね。
「あ、こなた。あたしそれ知ってるわよ」
「かがみん、それ本当!?」
 いったいどんな方法なんでしょうか?
「電車に乗らなければいいのよ」
 かがみさんの返答に泉さんは首を横に振って、
「……何て言うかごめん。かがみんに期待したあたしが悪かったんだよね」
「何よその言い方! バスとか他にも交通手段は色々あるって意味でしょ?」
「まあまあ。……あの、これは電車を乗り過ごさない為の方法とは関係ないのですが、電
車と睡眠に関わる体験談があるんですが」
「お、なになに。聞かせて聞かせて!」
「聞きた〜い」
 皆さんの視線が集まる中、
「……それは先々週の事でした」
 私はその時の事を思い出しながら、ゆっくりと話し始めました。 
 
 
 その日、私は嫌々歯医者さんへと向かう為に電車に乗っていました。
 今は冬場ですので、泉さんやつかささんの言われる通り電車の中はとても暖かく、つい
つい眠気がさしてしまいます。
 以前、泉さんからお聞きしたお話だけでなく、私自身も乗り過ごしの経験があったので
注意してはいたん……ふぁ……で――す――
「――さん。――宝さん」
 ふぇっ!?
 気がついた時、電車はちょうど駅に止まった所で、座席に座っていた私の前には一人の
男性が立っていました。
 わ、私寝ちゃってました?
「ここで降りるんでしょ?」
 え? え?
 優しい笑顔を浮かべたその男性の言う通り、窓の向こうに見えた駅の名前は私の目的の
駅と一致しています。
 私の目が覚めたのを確認すると、その人は先に電車を降りてしまって
「あ、あの!」
 せめてお礼を伝えようとしたのですが、降りる人の列に阻まれて、結局何も伝えられま
せんでした。
716名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 20:08:41 ID:iJ/tAPky0
 
 
「……みゆき、結局その人って知り合いの人だったの?」
「いいえ?」
 知らない人でした。
「みゆきさんは知らない人なのに、相手は苗字を知ってて降りる駅まで知っている。ん〜
……みゆきさん。それってもしかしてストーカーかもよ?」
「ええっ?! ストーカー?」
「こ、こら! あんたたちそんな言いにくい事をあっさり言うな!」
「でもさ? 今の話だけだとそう思うのが現代の自己防衛って奴じゃん」
 た、確かにここまでの話だけではそう思えなくもないのですが
「あの、実はまだこの話には続きがあるんです」
  
 
 結局、電車を降りてから駅の中を暫く探してみたのですが、その男性を見つける事はで
きませんでした。
 
 
「いきなり話を遮ってごめん! みゆきさん? 1つだけ大事な事を教えて!」
「はい」
 大事な事……何でしょうか?
「その男の人ってどんな人? 外見とかイケメンとか年齢とかそ〜ゆ〜の」
「あんたねぇ……」
 あの時、私が抱いた印象は……
「そうですね。私より少し年下の、優しい感じの人に見えました」
「年下ね、はいありがとう。どぞ続けてください」
 
 
 それから私は歯医者へと行ったんですが、その日はとても混んでいて1時間以上は待つ
事になりそうでした。
 こうなるかもしれないと思って、今日もちゃんと本を持参して……あ、あれ?
 鞄の中に入れたはずの本は、何故かそこにありませんでした。
 人で溢れる待合室の中、運良く椅子に座る事はできたんですが……何もする事が無いと、
ただ待っている時間はとても長く感じられて……御恥ずかしながら、何時の間にか私はま
た居眠りを始めてしまったんです。
 起きてなきゃ……起きてなきゃって目を覚ますたびに思うんですけど、暖かくて瞼は何
時の間にか重くなってしまって――
「――宝さん。宝さん? 名前、呼んでるよ」
 誰かが、私の名前を呼んで軽く肩を叩いている。
 歯科助手の方でしょうか?
 そう思って目を開けると、
「起こしちゃってごめんね?」
 私の隣の席に、電車でも起こしてくれた男性が座っていたんです。
「あ、あなたは! 先程はどうもありがとうございました!」
「気にしなくていいよ。それより、お医者さんが待ってるみたいだからさ」
 その男性が言うとおり、診察室の入口に立つ歯医者さんの姿が見えます。
 で、でも、せめてちゃんとお礼を……。
 そう焦る私でしたが、待合室に待つ患者さん達の視線に押されるように診察室の中へと
入る事になりました。
 こんな時に限って治療に時間がかかってしまい。
 ――診察を終え、私が待合室に戻った時。
「そうです……よね」
 そこに、彼の姿はありませんでした。
 会計を終えた後、受付の方が診察券を返しながら
「宝さん。次の予約はいつになさいますか?」
 次の予約の日程を聞いてきました。
 今までなら、なるべく遠い日に予約していたんですけど――歯医者に通っていれば、も
しかして……また。
「あの……明日は空いてますか? できれば明後日もお願いしたいんですが」
717名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 20:09:51 ID:iJ/tAPky0
 
 
「そっかぁ〜同じ歯医者さんに通ってたから名前を知ってたんだね〜。ねえ! みゆきち
ゃんはまたその人と会えたの?」
「ええ」
 ちゃんと会えましたよ。
「も〜つかさ! いい所なんだから口を挟まないの!」
「あんたが言うな」
 
 
 私が彼と再会できたのは、その翌日の事でした。
 普段より少しだけ服装に気をつけていた私は、
「あ、君は」
 歯医者へと向かう電車の中で、吊革を持って立っている彼の姿を私は見つけたんです。
 ま、まさか本当に会えるなんて……しかもこんなすぐに。
 それは期待していた事なのに、私は緊張してしまってうまく笑う事もできませんでした。
「せ、先日はどうもあ、ありがとうございました」
 ……うう、口も上手く動いてくれません。
「いえいえ。どういたしまして」
 頭を下げる私に、彼は手を振ってくすぐったそうな顔をしています。
「僕もさ、電車で寝ちゃう方だから気持ちは解るんだ」
「そうなんですか〜」
 そう返事をしながら、私はそれとなく彼の隣に立ってみました。
 その日は電車が混んでいなくて普通に座れる状況でしたから、彼は最初不思議そうな顔
をして
「座って眠っちゃうのが怖いのなら、また起こしてあげようか?」
 そう聞いてくれました。
「い、いえ! あの、大丈夫ですから」
 立っていれば眠くなりませんし、それに……その。
 後に続く言葉を言えないでいる私に、
「そう? なら、いいんだけど」
 彼は顔に疑問を浮かべていました。
 こ、こうゆう時ってどんな事を話せばいいんでしょう?
 これまで色んな事を勉強してきたはずなのに、何故か今日に限って世間話の1つすら浮
かんできません。
 すぐ隣に居るせいで彼の顔色を見る事もできず、私はただ足元を見つめたままで……結
局、目的の駅につくまでの間、私は彼に話しかける事はできませんでした。
 目的の駅に着いた時、一緒に電車を降りるのは恥ずかしかったので、私は彼の少し後ろ
を歩いていきました。
 ――その日も歯医者の中は混んでいて、私は先に歯医者に入ったはずの彼の姿を目で探
していると
「あ、宝さん。こっちこっち」
 壁際の席に座った彼が、私の方を見て手を振っていました。
 呼ばれるままに彼の元へと歩いていくと、私が辿り着くのにあわせて
「はい、どうぞ」
 彼は席を譲ってくれました。
「あ、あの。でも」
「いいからいいから。この部屋で立ってるのは君だけだし、女の子を立たせたまま僕が座
ってたら格好悪いからさ」
 座るのを躊躇う私に、彼は小さな声で恥ずかしそうに言います。
 結局、彼の好意に甘えて私は席に座らせてもらいました。
718名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 20:10:24 ID:iJ/tAPky0
 今度こそ、何か話しかけよう。
 そう思うのに何も言葉は出てこなくて、そんな自分に焦っていると、
「ねえ。今日は、本を読まないの?」
「え」
 驚いて顔を上げた私を見ている、彼の笑顔。
「前に君がさ。凄い真剣に本を読んでいて、名前を呼ばれても気づかないのを見た事があ
るんだけど」
 そうだったんですか……。
「あ、あの今日は……その。忘れてきちゃって」
 何となく、膝の上にある本の入った鞄を隠しながら、私は嘘をついてしまいました。
「そうなんだ。大きな声じゃ言えないけど、ここって待ち時間が長いのにテレビも無いか
ら、本とか持ってこないと退屈だよね」
「ええ。雑誌ももう少し数を置いてもらえると嬉しいですよね」
「本当、そうだよね」
 ようやく見つかった会話の糸口、それから私達は取り留めの無い事を延々と話していま
した。
 不特定多数の人が集まる待合室の中ですが、椅子に座る私とその隣に立つ彼の居るこの
場所だけは、まるで2人だけの個室みたいです。
 いつもなら退屈で、眠くなってしまう待ち時間なのに
「それでね? その友達が同じクラスの子といつも面白い事をやっててさ」
 その日はとても、楽しい時間だと感じていました。
 やがて、あっという間に時間は過ぎていって――
「国木田さ〜ん」
 受付から響く声に、
「はい」
 彼は返事をして、もたれていた壁から離れてしまいました。
 ――国木田さんってお名前なんですね。
 そっと覗き見た、彼の診察券に書かれた漢字を記憶する。
「それじゃ、お先に」
「はい」
 国木田さんの姿が診察室入っていった後、私は彼が診療を終えたら帰ってしまうという
事を今更ですが思い出しました。
 いつもの私なら、また偶然会えればそれでいいと思ったと思います。
 でも……何故かその時はそうは思えなくて、
「宝さ〜ん。宝みゆきさん」
 私の名前を呼ぶ歯医者さんに、
「すみません! 急な用事ができてしまったので、診療はキャンセルさせてください」
 私は頭を下げながらそんな事を言っていたんです。
 
 
「あ、こんな所に居たんだ」
 歯医者のある建物の前に居た私の姿を見つけて、彼は驚いた様子でした。
「宝さんの急用が出来たって声、診察室の中まで聞こえてたよ?」
 そ、そうだったんですか。
 彼の言葉に、今更ですが顔が赤くなってしまいました。
 ……何で、こんな事をしてしまったんでしょう? 
 そう落ち込む私を、彼は何も言わないままじっと見守ってくれています。
 自分でもわからないんです。
 突然待ち伏せておいて、これからどうしたいのか、何をしたいのかも。
 初めてなんです……こんなに、何かに執着するのって。
719名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 20:11:41 ID:iJ/tAPky0
 ただ、混乱する感情の中でも1つだけ解っていたのは――
「あの! また、会ってもらえませんか?」
 思わず口から出てしまった私の本心。
 出会ってまだ数日で殆ど面識も無く、しかもこんな形で不躾に……きっと変な人だと思
われたと思います。
 でも、どうしてもこれで終わりにだけはしたくなかったんです。 
 驚いた顔の彼から視線を外せずに、じっと返事を待っていると
「うん、いいよ。でも、歯の治療はちゃんと続けたほうがいいと思うな」
 彼は照れ笑いを浮かべて、受付に忘れてきていた私の診察券を手渡してくれました。
 
 
「いいなぁ……ドラマみたい。ねぇ、それから二人はどうなったの?」
 えっと……その、御恥ずかしながら。
「その後は、お互いに予定を合わせ、同じ日に歯医者の予約を取るようにしました」
 私の返答に、何故か泉さんは真剣な眼差しで
「みゆきさん。つかさが聞きたいのはそーゆー事じゃないと思うよ?」
 え? そうなんですか?
 つかささんは、少し恥ずかしそうに胸元で指先を合わせながら
「あのね? 今の話を聞いてて……ゆきちゃんとその人って、もしかして付き合ってるの
かな? って思って」
 お付き合い……ですか。
「……どうなんでしょう。私には、よくわかりません」
 確かに、一緒にお話していて楽しいとは思うのですが……。
 どこまでが友達で、どこからがそれ以上なのか。
 その判断ができない私には、明確は答えは出せませんでした。
「それにしても、みゆきが興味を持つ男の人ねぇ」
 何故か溜息をつくかがみさん。
「おんやぁかがみん、みゆきさんに先を越されて焦ってるのかな?」
「んなわけあるか。ねえみゆき、その人とは歯医者以外でも会ったりしてるの?」
「はい、図書館で一緒に勉強をしたりしています」
「え” その人みゆきさんと一緒に勉強できるくらい頭もいいの?!」
 ええ。
「私より、国木田さんの方が理解力があると思いますよ」
「恋愛フィルターかけてるにしても、みゆきさんにそこまで言わせるとは凄いねぇ」
 れ、恋愛フィルターですか……言い得て妙ですね。
「……ねえみゆき。今度その国木田さんと会う時にあたしも一緒に行っちゃだめかな? 
遠くからでいいから見てみたいんだけど」
「あ、ゆきちゃんあたしも行きたい!」
 私の返答を待ち、とても楽しそうにしているお2人。
 ……そう……ですね。こんなお話を最後まで聞いて頂いたんですし
「えっと……。はい、いいですよ」
「やったぁ「かがみんつかさちょっと待ったぁ!」
 喜ぶお二人の声を掻き消すように、泉さんの声が教室に響きました。
「な、何よこなた。急に大声出して」
「お二人さん、みゆきさんの顔をよ〜く見てご覧なさい」
「え?」
 わ、私ですか?
 皆さんの視線が私の顔に集まる中、
「みゆきさんは優しいから断らないけどさ、この顔はできれば二人っきりの時間はそっと
しておいて欲しいなって顔なのですよ」
 泉さんのその指摘を、私は否定できませんでした。
720名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 20:14:02 ID:iJ/tAPky0
 な、何で解ってしまったんでしょう?
「ゆきちゃん。そうなの?」
「……えっと……その」
 つい口篭ってしまう私を見て、
「驚いた。どうやらこなたが言ったのが正解みたいね」
「あたしくらいエロゲーをやってると、表情から気持ちを推測するのなんて簡単なのだよ」
「エロゲーってところが無ければ尊敬できるのに」
「凄いね〜こなちゃん」
 ありがとうございます、泉さん。……でも、
「すみません、こんな話に付き合って頂いたのに我が儘を言って」
 本当に申し訳ありません。
「ちょちょっと。みゆきが気にする事なんて何もないよ?」
「そうだよみゆきさん。何も気にせず、関係に進展があったらこっそり教えてくれるだけ
でいいからね」
「あんたは本当に一言余計だな」
「ええ、必ずお知らせします。」
 −−それが、どんな形の報告になるかはわかりませんけれど……。
 性格のせいなのか、思い浮かぶのは悪い結末ばかりなのですが……それでも、会いたい
という気持ちを止められないんです。
 自分の中で目を覚ました、この強く切ない想い。
 もしかして……これが、恋なのでしょうか?
 
 
 「睡眠」 〜終わり〜
 
  アニメで声だけ聞いてて、勝手に「宝」だと思い込んでた俺を誰か殴ってやってください orz 
  最後の書き込みになって不安に思ってググったら高良だった うわああああああああああああああ
721名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 20:20:08 ID:XBynvN430
なにやら最近豊作だね乙
722名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/05(日) 22:45:40 ID:8+KSyoH40
みゆき「苗字も・・・私のアイデンティティの1つなのに・・・(´・ω・`)
     それはそうと、超GJです!」

谷口「ぬおおおおおおっ!久々のAAランク超えの女子を奪うとは!
    お前だけは・・・仲間だとおもってたのにいいいいいっ!」
国木田「誰かこのKYPersonをターミネイトしてくれないかな、一緒にされてすこぶる心外なんだよね^^」
キョン「何気に黒いが、同意せざるを得ないのがなんともなあ・・・」
723名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/06(日) 18:24:51 ID:i9M+oqt10
涼宮ハルヒとは〜

作者:谷川流に完全SD妄想同人誌のキャラのハルヒちゃん以下と見なされたDQN犯罪者のこと。

かなり作者から嫌われており、ハルヒは同人キャラ以下と単行本巻末で堂々とコメントが掲載され
「涼宮ハルヒというタイトルを変えようかと思った」とまで言われる始末。
作中ではどんどん活躍の場を失わされ、完全にお荷物の空気と化し「邪魔者は消えた」とまで書かれた。

団員想い(笑)な涼宮ハルヒの行動例
・信者曰く団員想いなのに、団員を玩具扱いし虐待。本人も「みくるは私の玩具だ」とのこと(溜息)
・団員に真夏に気ぐるみバイトの無賃労働させた挙句、自分は一切働いてないのにバイト代を全て横取り(暴走)
・みくるは着せ替え人形と見なしていて、痴女と思われかねない格好で町中を引きずり回す(憂鬱・溜息)
・みくるに性的虐待し、学校を休むほどの精神的ダメージを与えたが、一切の反省の色も謝罪も無し(憂鬱)
・世界を盛り上げる等とホザいてるが、口先だけで完全にショッピングを楽しんでいる(分裂)
・みくるの身体を餌に猥褻写真をばらまくと恐喝してPCを強奪する犯罪者(憂鬱)
・神社の神主に向かってエアーガンを乱射する。直度「ボコった方がよかった?」とも発言するDQN(溜息)
・不思議を探すわよ!と妄言を吐いて団員の放課後と休日を奪うが、自分が飽きたら即刻帰るエゴイスト(暴走)
・「消失」以降は恐ろしく空気化。信者は必死に「作者のミス(笑)」「性格が丸くなっただけ(笑)」とスレを荒らして主張するが
 巻末コメントで谷川の口から直に「涼宮ハルヒというタイトルを変えようかと思った」
 「涼宮ハルヒというタイトルは10秒で決めた」と掲載されており、谷川にとってハルヒはいらない子なのであった。

ハルにゃん(笑)とは〜
ハルヒ厨が生み出した妄想の産物である
「深夜にキョンが気になって電話しちゃうハルにゃん(笑)」
だそうだ。
724名無し@18歳未満の入場禁止 ◆Yafw4ex/PI :2009/03/07(日) 20:15:52 ID:BXs2clCM0
投下します
>>694-698
「浮沈艦」の続きになります
「興味から芽生える愛」
725名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/07(日) 20:16:31 ID:BXs2clCM0
 
 
 いわゆる、オタクと呼ばれる人達(あたしを含む)にはある1つの共通点があると思う。
 それは「同じ趣味を共有できる友達を欲しがってる」って事。
 まあ、中には一人で居たいんですって人も居るんだろうけど、あたしは楽しい事は1人
より2人の方がいいと思うんだよね。
 一緒にゲームの感想を言いあったり、アニメを見たりとか楽しそうじゃない?
 でも、実際問題そう簡単に身近な所に住んでて趣味の合うオタク友達ってのは出来ない
わけでして……そんな友達コミケでしか会える訳ね〜……でも出来れば居て欲しい。
 そんな事を考えながら平凡な日々を過ごしていたあたしは、
「とても面白かった。このゲームに関連する書籍やアニメがあったら、是非教えて欲しい」
 ついに、その友と出会ってしまったのですよ!
 
 
 「興味から芽生える愛」
 
 
 今、あたしの部屋でベットの隙間に落ちてる本を、まるで初めてコアラを見る子供みた
いな目で見ているのは、あたしの大事なお友達のながもん。
 ふとしたきっかけ(「不沈艦」参照)で、あたしは彼女にネトゲを紹介したんだけど、
感情表現が苦手なながもんにはオフゲの方があってるんじゃないかな〜って思って、いく
つかゲームを貸してあげた――それが昨日の事。
 翌日である今日、あたしの部屋を訪れたながもんはたどたどしくゲームへの感想を口に
した後、冒頭のあの台詞へと繋がったのです。
 ゲーム初心者がたった一日でクリアとかそれどうなのよ! って思ったんだけど、なが
もんによれば学校にゲームを持ち込んでプレイしてたらしい。
 ……でも、貸したのエロゲだったんだけどいいのかな〜?
 まあ、多分隠れてやってるんだろうからいいよね。うん。
「あ、ごめんそれは違うの」
 ベットの隙間からお目当ての本を見つけ出したながもんに、あたしは首を横に振る。
「それは読む用で、貸す用のが別にあるのですよ」
「貸す用」
 またの名を、布教用とも言います。
「好きな本ってさ、つい自分用と貸す用と後、保存用の三冊揃えちゃうんだよね〜……
あ、こんな所に。な〜がもん、昨日のゲームの漫画版とアニメDVD見つかったよ〜」
 大量の本とDVDを手にお父さんとの共同本棚から戻ったあたしを、太陽の光を受けた
新雪みたいに輝くながもんの目が見ていた。
「全部借りていってもいいんだけど、どうやって運ぶ?」
 あたしから本とDVDの山を受け取りながら、
「大丈夫」
 そう力強く肯くのはいいんだけどさ、これ全部を運ぶのは重さもだけど見た目的にまず
いでしょ。色々と。
 確かに、気に入った作品の関連商品を見つけたら大人買いしたくなるのは人の常って奴
だとは思うんだけどね。
「ながもん、気持ちは解るけど何度かに分けて運ぼう? ついでに遊んでいってくれたら
あたしも嬉しいしさ」
 妥協案を提案したあたしに、ながもんは渋々肯くのだった。
「ね〜ね〜、今日はまだ時間あるの?」
「ある」
「そっか、じゃあここで読んでいくかい?」
 細かく挟んだあたしのネタには反応せず、ながもんはさっそく一番上に積まれていた漫
画を開きだした。
 ベットに座ってながもんが黙々と読んでるのは、あたしが随分前に読みつくした漫画だ
ったんだけど……人が読んでる漫画って、何でこんなに面白そうに見えるんだろうね?
 
 
726名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/07(日) 20:17:03 ID:BXs2clCM0
 ながもんの横に寝転んで、適当な巻から読みつくした漫画を読む。
 別に何かお喋りしてる訳じゃないのに、凄く楽しいんだよね〜この時間って。
 ご機嫌で鼻歌混じりにページをめくっていたあたしの上から、その声は聞こえてきた。
「1つ、教えて欲しい」
「なになに〜?」
 寝転がったまま視線を上げると、ながもんは膝の上に置いた単行本を見ながら
「この作品のヒロインの考えについて、あなたの意見が聞きたい」
 そう呟いた。
 今、あたし達が読んでるのは「メイドロワイヤル」通称、めいろわっていうちょっとエ
ッチな漫画(全年齢)で、ながもんが読んでた1巻は……ああ、ヒロインが主人公の男の
子の部屋に転がり込んだ所だったね。
「彼女は主人公の事を嫌っていたはず。それなのに何故、彼に仕えようとするのか」
「ふむ……なるほどねぇ」
 めいろわの主人公は確かに優柔不断で特にいい所も無い、よくあるタイプの男の子だ。
 ながもんに言われるまでは「そ〜ゆ〜どうしてこの主人公が? ってキャラが主人公の
方が、より感情移入できて読者に受けるんだよ」って納得してたんだけど……。
「そうだねぇ……多分、興味があ芽生えたからじゃないかな?」
「興味」
「うん、興味。最初は特別意識してなかった相手に、なんとな〜く興味を持つようになっ
て……気がつけば好きになっちゃってた、とか。そんな感じじゃないかな?」
 ながもんはあたしの言葉の意味がわからないのか、少し困った顔をしている。
 いちいち可愛くて仕方が無いながもんの仕草に、
「ねえながもん? ながもんは今……興味のある男の人って居る?」
 あたしはそんな事を聞いていた。
「興味」
「そう。つい目で追っちゃうとか、気がつけばその人の事を考えてるとかさ」
 暫くの間あたしの顔を見て静止していたながもんは、やがて小さく肯いた。
 ……肯いたぁ?!
「い、居るの!? 本当に? ゲームの中とかじゃなくて?」
「居る」
 はっきりと答えるながもんは……少しだけ、恥ずかしそうに見えた。
 それにしても驚いたよ。
 あの殺風景な部屋で暮らし、エッチなゲームに興味があって、しかも普段の行動から男
の気配がまるでしないながもんも現実の男の人に興味があったんだねぇ。
 ようやく驚きが収まる頃になると、今度は好奇心が疼き始めるのは自然な事ですよね。
 体を起こしてながもんの隣に座り、さりげなく逃げられないように片手を押さえながら
聞いてみる。
「ねねね、どんな人? かっこいい? 同じクラス――」
 ――えー、売り上げ部数が伸びそうなネタを掴んだマスコミの如くながもんを追求した
結果、以下の事が判明しました。
・その人は同級生でクラスは別
・ながもんとは同じ部活に所属している
・一緒に図書館に行きたいと伝えた事はあるが、返事は無い
・優しい人
 ……図書館に誘うとはねぇ。ただ想うだけの片思いかと思えば意外や意外、ながもんに
そんな積極的な一面もあったりするとは。
「――そうなんだぁ……ねえ、ライバルとかは居るの?」
「ライバル」
「そうそう、恋のライバル。その――えっと、そういえばその人の名前なんだっけ?」
「キョン」
「そのキョン君の回りには、ながもんみたいに視線を送ってる人って居るの?」
 あたしの質問に、ながもんは財布の中から一枚の写真を取り出して見せてくれた。
 そこには、教室の黒板の前で変なポーズを決めているながもんを含んだ男女計5人が写
っていて、
「彼」
 ながもんが指差したのは、彼女の左側で膝を付いてポーズを決めている冴えない感じの
男の人だった。
727名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/07(日) 20:19:56 ID:BXs2clCM0
 おお、この人かぁ……。
 あたしとしては右端の人の方がかっこいいと思うんだけど、まあ人それぞれだからねぇ。
 それにしても凄いメンバーだね、これ。
 中央に立ってる美人さんもだけど、イケメン君も居るし、ながもんは言うまでもなく、
巨乳なロリっ娘まで揃ってるとかどうなのさ。
 豪華過ぎる程のメンバーの中、ながもんが指差すキョン君は……何ていうか普通だった。
 そんなあたしの感想は、ごく一般的な内容だと思ったんだけど
「この写真に写っている全員が、彼の事を気にしている」
 世の中は不思議で満ち溢れていたのでした。
 こ、この「普通の高校生 日本代表」みたいな特徴の無い彼が……この全員にですと!?
「……マジですか?」
「本当」
 肯きながら答えるながもんの言葉からは、冗談といった雰囲気は感じられなかった。
 そんなエロゲみたいな状況が実在するとか……世界は本当に広大だねぇ。
 ながもんは丁寧に丁寧に写真を財布の中へとしまい終えると、
「私は、彼の事が気になる。でもその理由は解らないでいる」
 そう呟いた。
「ながもん……それは恋だよ」
 あたしも概念でしか存在を知らないけど、きっと間違いない。
「恋」
「めいろわのヒロインの心境も、多分今のながもんと一緒なんだと思うよ? どうして気
になるんだろう? 何で一緒に居たいんだろうってね」
 ながもんは沈黙し、俯いたまま何かを考えている。
「ながもんは、キョン君と恋人になりたいって思わないの?」
「恋人」
「そうそう。来年からは受験勉強もあるし、一緒に勉強したり励ましあったりさ」
 本当はもっと直接的な欲求が先に来るとは思いつつも、あたしはあえて遠まわしな表現
からながもんに聞いてみたんだけど、
「……」
 ザ・無反応。
「じゃ、じゃあ。一緒に図書館に行ったりなんてのはどうかな?」
 苦し紛れにいった言葉に、ながもんの無表情な顔が緩やかに赤く色づくのだった。
 ……く……可愛すぎるよながもん……。
 思わず抱きしめそうになる気持ちを何とか自重していると、ながもんは何故か辛そうに
俯いて
「でも、どうすればいいのか解らない」
 そうあたしに言った。
「ながもん……」
 そっかぁ。一度、自分から誘ったのに返事が来ないんだもんね。
 ながもんの性格からすると返事を催促とかは出来ないだろうし、辛いねぇ……。
 恋愛経験なんて2次の世界にしか無いあたしには、今のながもんに言ってあげられる事
なんて……ん〜。
 でもさ、あたしは目の前に居るながもんの事が好きで、そうなったのはやっぱり
「ねえ、興味を持ってもらう所からはじめたらどうかな?」
「興味」
「そうそう。ただ待ってるだけじゃなくて、自分の趣味や好きな物を相手に伝えてみると
かどうかな? そうすれば、もっと仲良くなれると思うよ」
 あたしの提案にながもんは頷いて、
「やってみる」
 そう答えた後、
「ありがとう」
 いつもは無表情な顔に本の僅かな笑顔を浮かべて、そう言ったのだった。
 その笑顔さえあれば絶対大丈夫だよ。ながもん。
 
 
 「興味から芽生える愛」 〜終わり〜
 
 以上になります、お邪魔しました
 暫く忙しくなりそうなので、お題「約束」は月末くらいになると思います
728名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/07(日) 21:51:11 ID:g2zuPseS0
やはり・・・うまくかわされたか・・・orz

でもGJ!
ながもんとこなたのやりとり、表情としぐさの変化
いろいろ和む。やっぱこなゆきいいなあ・・・
729名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 02:06:10 ID:TPoWETC2O
乙カレー。こなゆきにハマってきた今日この頃。

…煮干し以来書いてないし、一つだけお代募集してみる(上手く書けるかは保証出来んが)
730名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 02:14:54 ID:2XAaT5BzO
焼芋
731名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 12:11:46 ID:9W5b38770
ちっ、こされたかw
でもまあ、無言食いしん坊長門が楽しめそうだwwww
732名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 17:33:30 ID:TPoWETC2O
今焼き芋のチェック段階なんだが
こなたが岩崎を呼ぶときは「みなみちゃん」でよかったっけ?
733名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 17:47:48 ID:9W5b38770
長門の声色をしたこなた「・・・問題ない・・・」
734名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 17:50:00 ID:NxkvHODeO
みなみん
じゃね?
735名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 19:30:36 ID:TPoWETC2O
じゃあ問題ないということで

…イマイチ自信無いがとりあえずお代焼き芋投下

[冬の焼き芋]
736名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 19:41:49 ID:TPoWETC2O
「そうだ。今度、焼き芋するから友達誘っておいで」

ゆーちゃんに観戦させながらお父さんとゲームしてる時に、お父さんが突然言い出した。
もうすぐ春だと言う時期に焼き芋は季節外れだと思うんだけど。

「焼き芋ですか?」
「こんな時期だというのに最近また落ち葉が増えてねぇ」

ずいぶんとひねくれた落ち葉だねぇ…なんて思いつつ、こっそりこのひねくれ者に感謝もしていた。
誘う友達はもう決まっていたから。

「ながもん!ながもん!」
音も無く顔だけをこっちに向けるながもんこと長門有希。
「ながもん」なんて呼んでるけど、実はそこまで話したりはしてないんだよねぇ。
ながもんって筋金入りの無口キャラだから、さすがの私でもなかなか会話が続かないんだよ。

「今度、家で焼き芋するんだ。よかったらながもんも来ない?」
「焼き芋…」
「そっ。季節外れだとは思うけど、こんな時期に降って来たひねくれた落ち葉にお父さんが困っててね」
「いく…」
「オッケー。じゃあ日時が決まったらまた連絡するねぇ」
「分かった」
737名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 19:52:14 ID:TPoWETC2O
そして、家の庭に茶色の小山が出現した焼き芋の当日。

「お邪魔します」
「おーいらっしゃい。君が長門さんだね?話はこなたから聞いてるよ」
「そう…」
どんな話だろう…とかは思わないんだろうなぁ。ながもんだし…
「呼んできたよー!」
「おー」
ゆーちゃんはみなみちゃんを呼んできた。ひよりんは同人誌の締め切りが近くて来れないらしい。

「じゃあ、火を付けるよ」
落ち葉は順調に燃え上がり、芋は旨く焼けそうだ。
「ねぇながもん。いまさらだけど、焼き芋って好き?」
「…食べたことが無いから分からない」
「食べたことがないんですか?もったいないなぁ」
「美味しいですよ」
「そう…」
再び焼かれていく芋に視線を向けるながもん…

「…楽しみ…」

数ミリだけ微笑んでそう呟いたながもんが、とてもかわいく見えた…
738名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 20:05:04 ID:TPoWETC2O
「どう?ながもん…」
「…とてもおいしい」
「よかったー。どんどん食べてよ!」

そっからのながもんは凄かった…
無言で次々と食べて行き、どんどん量産される焦げた銀紙と濡れた新聞紙…

「す…凄い…」
「ふ…太らないのかな?」
「た…たくさん食べるねぇながもん」
「もうやめた方がいい?」
「いやいや、たんと食べておくれよ。お父さーん、まだ芋あるよねー?」
「おーう、今次のを焼いてるぞー」

こっから、ながもんの無双がはじまった…
いや、私も少しは食べたんだけどね。

……………

「じゃあねぇながもん。気を付けてね」
「うん…」
後片付けはお父さんに任せて、私はながもんを見送る。
ながもんは帰ろうとしたけど、また立ち止まった。

「どしたの?」
「…今日は、楽しかった…また誘って欲しい…」
「………!」
少しだけ…動揺した…
「…もちろんだよ。また遊ぼうね!」
「うん」
…ながもん誘ってよかったな。また一緒に食べたいな…なんて考えていたらおなかが空いてきたよ
739名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 22:44:02 ID:9W5b38770
ながもんが高速で芋ぱくついてる横で
こなたがぐいぐいっとお、芋を押し込もうとしてる構図を
つい想像して萌えた俺がいる。
740名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/08(日) 23:30:41 ID:ds+7B+y70
てs
741名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:08:28 ID:Es9MapXD0


「空見たことか」


カーテンの隙間から注がれた太陽の光が、朝の訪れを告げる。
こんな清々しい朝は小鳥の囀りなんかで爽やかに目を覚ましたいところだが、
俺が深い眠りから覚醒させられた直接的な原因はというと、けたたましく鳴り響く目覚まし時計の音だった。
もちろん時計は自分の仕事を全うしようと懸命にベルを鳴らしており、その仕事を与えたのは何を隠そうこの俺だ。
それに対して文句を言うのはおかしな話だというのはよーく分かっている。
しかし、さながら海の底に沈んでいるかのような深い眠りについていたというのに、
耳の割れんばかりの甲高い音によって一気に海面近くまで引き上げられて、不快感を抱かぬわけがないじゃないか。
朦朧とした意識の中、布団からノソノソと手だけを出し、目覚まし時計を探す。
その手はクソ五月蝿いベルを止めるという使命感に突き動かされているだけで、
それ以外俺の身体の一切は、まだ寝ているも同じ状態だった。
結局二度寝を決め込んだ俺が再び目を覚ましたのは、それから20分ほど経ってからだった。
ならば毎晩毎晩目覚ましをセットする意味が無いような気になってくるが、もし何もせずに眠っていたとしたら、
きっと俺はどんなに強力な睡眠薬を服用した人よりも長い時間ベッドに横たえていたことだろう。
今となっては下腹部を襲う激痛と共に俺の眠りを覚ましてくれていた存在が、逆に有り難く思えてくる。
彼女……我が妹とは久しく会っていないが、少しは成長してくれたのだろうか?

誰もが不景気だ不景気だと嘆くこのご時世にあっても、大学生というのは結構気楽なものだ。
熱心な学生達は如何わしい葉っぱを売りさばいていると聞くが、俺はそんなことはしない。
今日は授業が半日で終わり、後の半日はもう休みのようなものである。
校内の図書館で勉学に励むも良し、暇つぶしにどこかへ出かけるも良し。
そんなのは疲れるだけだと早々に帰宅して寝るも良し。
木の枝のように分かれた選択肢の中から俺が選んだのは、
飯を食うにはまだ早いと、適当に近くの公園を散歩するというものだった。
ご老人のような暇のつぶし方だが、特にこれといってしたいことも無い。
それに実際こうして公園を歩いてみると、結構楽しかったりするんだよな。
この公園は結構な広さを持っており、背の高い木々が風に揺られて、サワサワと涼しげな音を立てているし、
池の中では綺麗な斑模様をした鯉が悠々と泳いでいる。
遊具で遊ぶ子供達の楽しそうな声を聞いていると、幼かった頃の記憶が蘇ってきた。
しかしながら、こんなことをして心が安らぐとは、俺も年をとったのだろうか……。
「これじゃ本当に老人みたいだな」
苦笑いを浮かべながらふと空を見上げてみると、上空遥か38万キロの彼方に月が浮かんでいた。
模様までクッキリと見えるが、そこにウサギはいないようだ。
この模様、国によって様々な見方があるが、俺にはどこをどう見ても、
ウサギはもちろんのこと、カニにも本を読むお婆さんにも見えやしない。
夜空に浮かぶ星座もそうだ。
ただ星々を線で結んだだけで、やれ牛だ魚だと言い張るのは無理があると思うがな。
昔の人間は想像力が豊かというかなんというか……。
と、夢の無いことを思いながらしばらく月を眺めていたのだが、
間抜け面で空を見上げるのはちょっと恥ずかしい。
誰かに見られない内に視線を前方へと戻し、また歩き出す。
すると、とても懐かしく感じられる光景がそこにあった。
恐らくはサークルか何かだろう、三脚に固定されたカメラのファインダーを覗く男。
その横には、反射板を掲げた男が立っている。
カメラを向けられ、なにやら演技をしている様子の女性は、何かのコスプレをしているようだ。
誰だか知らないが、それを見た俺の脳裏には、超監督と書かれた腕章を付けた態度のデカイ女と
そいつに無理やりコスチュームを着せられ、オドオドと窮鼠のように震えている女性が浮かんでいた。
高校時代、俺達は文化祭で映画を撮るというハルヒの突発的な欲求に付き合わされることとなり、
果たして映画と呼んで相応しいのかどうかも分からん映像作品を作り上げたのだ。
その撮影中の光景も、ちょうど目の前で行われているものと大して変わらないようだ。
唯一にして決定的に違うことと言えば、演者のノリノリ具合であろう。
朝比奈さんは終始眉を八の字にして、今にも泣き出してしまいそうだったが、
俺の視線の先にいるコスプレイヤーからは、そんな様子は微塵も感じられなかった。
742名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:13:47 ID:Es9MapXD0
>>741

思いがけない時に昔……といってもそこまで年月がたったわけではないが、
高校時代のことを思い出し、少しノスタルジックな気持ちになってしまった。
だがそんな俺の気も知らないで、俺の身体は悲痛な呻き声で空腹を知らせてきやがった。
別に鎧を身に纏って戦地に赴くつもりなどさらさら無いが、腹が減ってはなんとやら。
どれ、今日は喫茶店にでも行こうか。

そんなこんなでやって来たのは何処にでもありそうな佇まいの喫茶店。
今日の昼食は、決して不味くはなく、かといって美味いでもないクラブサンドと、
サイフォン式なんぞというカッコつけたコーヒーだった。
それらを軽く平らげ、長居は無用と店を後にしようと、コーヒー片手に新聞を広げる、
少し頭の薄いスーツ姿の男性の横をすり抜け、レジへと向かう。
グラスを拭いていたマスターが歩いてくるのを待ちながら、財布の中身を確認。
このスカスカで軽い財布を見ていると、自分が大学生なのだということを実感するな。

さて、現在一人暮らしをしている賃貸マンションに戻るにはまだまだ時間が早い。
どこか他に暇をつぶす場所はないかと、なんとなしに辺りを見回してみる。
数百メートル進んだところに、大きく「本」と書かれた看板が立っているのが見えた。
うむ、もてあました時間を消費するにはもってこいの場所だ。
他に行くところが無いというのも理由のひとつではあるんだがな。
トボトボと本屋さんの前までやってきて、自動ドアを抜け店内へ入る。
読みたい本があるわけでもなく、適当に店内をうろつき回っていた俺は、
小説の並んだコーナーに差し掛かったところである光景を目にし、はたと足を止めた。
……まったく今日という日はえらく昔のことを思い出す。

『街で知り合いを見かけたと思い声を掛けると、他人の空似でまったく違う人物だった』
誰しも一度くらいはそういう経験をしたことがあるだろう。
そうならないためにも、俺はあの人で間違いないという確信が持てないことには声を掛けないようにしている。
だからこそ、地面に置かれた鞄を足で挟み、小説を読み耽る女性に声を掛けることが出来ないのである。
確信が持てない理由というのは大きく2つあるわけだが、ひとつは俺がその人を『女性』と呼んだところにあり、
もうひとつはその女性の身体的な特徴にある。

曖昧30cm

いつだったか、俺と彼女との身長差をそう表したことがあった。
俺の身長は成人男性の平均と同じ170cmジャスト。
これといって取り柄の無い平々凡々な男は身長も人並み程度なのだ。
そして彼女の身長は、まさか俺より背が高いわけはなく140cmほどで、
小中学生と間違われてもおかしくないくらい子供っぽい外見をしていた。
その姿が今目の前にあるのなら、安心して声を掛けることができる。
だが、本を読む姿はどうみても俺より少し低いかぐらいの背丈で、
少女と呼ぶよりも女性と呼んだほうがしっくりくるし、
スレンダーという言葉がピタリと当てはまるスラっとした身体つきだった。
いくらなんでもあそこまで急激に人の身長は伸びないはずだ。
今にして思えば、高校時代彼女は毎日のように好物のパンを食べ、そのお供にと牛乳を飲んでいた。
にも関わらずウンともスンとも言わなかったあの身体が、突然変異的に急成長を遂げたとは考えにくい。
ただかろうじて共通点があると感じられるのは、その長ーい髪の毛くらいだ。
足まで届きそうな超絶ロングヘアーなのは変わらないが、背が高い分余計に長く、
さながら白や赤に染まった髪をグルグル回転させる歌舞伎役者のようだ。
しかし髪の長い女の子なんてのはこの世に五万と居るし、たったそれだけの理由で人物を特定することはできない。
俺はとにかく他に何か特徴的なところは無いかと、その女性をジッと見つめていた。
すると長いこと立ち読みをしていて首が疲れたのだろう。
「ふぅ」と短い溜息を付いて、その女性は首を上下左右に動かしはじめた。
そしてある程度首をほぐした後、ちらりと俺の方を眺めたかと思えば、
カトちゃん張りの2度見を決め込み、そのまま視線を固定させた。
「……」
目をパチクリさせるその顔を見ても、やはり俺は声をかけることが出来なかった。
ただ相手のほうは俺のことが分かったようで、泣き黒子の付いた口元をつり上げて微笑んだ。
その笑顔を見て、ようやく俺は『あの人で間違いない』という確信を得たのだった。
743名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:20:28 ID:PPHkYkgu0
>>742

「いやぁビックリしたよ、まさかキョンキョンに会うなんてさ」
『女性』ことこなたの履いた靴の踵が地面に打ち付けられる音は、コツコツと弾むように軽快である。
本屋を後にした俺とこなたは、何を言うでもなく歩き出し、どういうわけか
俺が一人暮らしをしているマンションとは間逆の方向へ向かっていた。
ソワソワと落ち着かない俺とは対照的に、こなたはずっと前を向いて歩いている。
こなたの様子に、なんとなくこれからどこへ向かおうとしているのか分かったような気がしていたが、
それを尋ねてみることもせず、俺はただこなたの斜め後ろを歩いていた。
「どーしたの?」
俺の歩く速度が自分より遅いことに気づき、こなたはスピードを緩めつつ俺に尋ねる。
「いや、なんでもない」
「ふーん」
「それにしても……」
今横に並んでいるのがあのこなただとは本当に驚きだ。
ダーウィンもビックリの超進化ならぬ長身化といったところか。
きっとこなたの身体は成長のペース配分を誤ったのだろう。
「まぁ成長していないところもあるんだけどね」
自分の胸を撫でながら、照れた笑いを浮かべるこなた。
幼さの中にも若干大人びた印象を受けるその顔を見て、ふと考えを巡らせる。
あの頃のこなたと一緒に道を歩いていると、まるで……そう。
こうして道端に立っている『歩行者専用』をあらわす道路標識のようだった。
……ってそれは言いすぎだな。
それが今、文字通り肩を並べて歩いている俺達二人は一体どう見えるのだろうか。
「キョンキョンはどう見えて欲しいの?」
そうこなたに尋ねられて、少し言葉に詰まってしまった。
こなたがその質問を投げかけることの真意が、俺には分からなかったのかもしれない。
「さぁな」
「……あっそ」
当たり障りの無いように応えるも、俺とこなたの間に妙な沈黙が生まれる結果となった。
ただこなたの靴音が耳に入るだけだったが、こなたが足を止めたことで、それさえも聞こえなくなってしまった。
その姿は何かを物語っているように見えたのだが、残念ながら俺にはさっぱり分からん。
しばらく眺めていると、こなたは意を決したように短く息を吐いて、少し前方へ駆け出した。
そうかと思えば、数メートル進んだところで立ち止まり、髪を靡かせながら勢い良く振り返った。
「私んち、近くなんだ」
確かに身長は急激に伸びたし、顔立ちだってそれなりに変わっている。
だが目の前で俺の返事を今か今かと待っているのは、あの頃と同じ元気の良いこなただった。
「そうだな、寄らせてもらおうか」
こなたの嬉しそうな笑顔のずっと先にある空。
上空遥か38万キロの彼方には依然として月が浮かんでいる。
そこにウサギが居ようが居まいが、今の俺には関係ない。
744名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:26:02 ID:HbJs4e0kO
支援
745名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:26:18 ID:PPHkYkgu0
>>743

「さ、狭いけど上がって上がって」
こなたの住む部屋は、女の子にしては落ち着いていて質素だった。
普通一人暮らしをしている女の子のマンションと聞くと、華やかに彩られた部屋なんてのを想像するが、
こなたに対してそのイメージは当てはまらないようだ。
といっても女の子の部屋に入るなんてのはあまり経験しておらず、比べるものが少ないのだが……。
とにかくこなたらしいといえばこなたらしいが、決して女の子らしくは無い。
「いろいろ飾っても面倒なだけジャン」
「それはまぁそうだが、これは飾っても良いのか?」
ここにはこなた以外にたくさんの住人が居た。
主に漫画本が沢山並んだ本棚や、ラックに置かれたパソコン本体の上や、モニターの横。
その他ありとあらゆる所に、大小さまざまな人形が飾られている。
しかもただの人形ではない。
ナース服にスクール水着、さらにバニーガールまで。
いわゆる萌え萌え〜な格好をした女の子達の人形である。
「せめてフィギュアって言ってよ」
ひどく偏った趣味のフィギュア達を飾るとは……。
何度も言うようで申し訳ないと思うがあえて言わしてもらう。
こなたらしいといえばこなたらしいが、決して女の子らしくは無い。
「色気がなくて悪かったね」
「別にそういうつもりで言ったわけじゃないんだがな」

ピィィィィー!

どこかで聞いた覚えのある汽笛のような音。
どうやら気づかない間にこなたがヤカンを火にかけていたらしい。
「おー沸いた沸いた。コーヒーで良い?」
「あぁ」
キッチンへと向かいコンロの火を消したこなたは、コーヒーのビンを小脇に抱え、
右手に二つのマグカップと左手にミルクを持ち、それを一度テーブルに置いた。
さらにまた引き返し、角砂糖が入っていると思われる白い陶器を持ってきた。
当然俺はどこに何があるのかを全く知らない為、手伝おうにも手伝えない。
「砂糖はいくつ?」
「一つでいい」
「オッケー」
こなたは慣れた手つきでマグカップにコーヒーとミルクをスプーン1杯ずつ入れると、
『角砂糖〜1個♪』と鼻歌を歌いながら、1つその中に放り投げた。
なにかのアニメキャラクターが描かれた自身のカップには、
コーヒーをスプーン一杯入れ、ミルクと砂糖は2杯と2つ。
「それだとカフェオレに近いな」
「だって苦いじゃん」
「その苦味がコーヒーの良さというものなんじゃないか?」
かく言う俺もブラックなんてのは人が飲むものじゃないと思うが……。
こなたは再度キッチンへ向かい、口から機関車のように湯気を立たせるヤカンを持って戻ってきた。
コポコポと音を立てて熱湯が注がれ、喫茶店で出てきたコーヒーとはまた違う、
なんともインスタントで家庭的な香りが部屋中に漂う。

折りたたみ式のベッドの上に腰を降ろし、こなたは両手でマグカップを持つ。
「ふぅーふぅー」と溜息を付くようにして息を吹きかけ、徐々に傾けていった。
その直後、こなたの身体が電撃でも受けたかのようにビクリと跳ねた。
「あちちっ」
「気をつけろよ」
たった今まで沸騰していたお湯で作ったものだ、熱くて当然。
もっとよーく冷ましてから、なおかつ慎重に慎重に……。
「熱っ!」
「……気をつけなよ」
人の振り見て我が振り直せとはよく言ったものだ。
746名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:32:21 ID:Es9MapXD0
>>744

それから俺達は、高校を卒業してから今日こうして再会するまでの期間を埋めるように、時間も忘れて語り合った。
かがみが弁護士に、そして高良が医者になりたいのだということ、
つかさが料理の専門学校に通っていること……。ネタが尽きることなど無かった。
半分まで減ったコーヒーはすでに冷たくなっており、もう火傷で痺れた舌を気にする必要は無い。
「さて、そろそろお暇するよ」
残りのコーヒーを一気に飲み干し、こなたにそう告げる。
「……うん」
靴を履き玄関のドアを開けると、生暖かい風が肌にまとわり付いた。
外はすっかり闇に包まれ、名も知らぬ昆虫達がオーケストラを演奏している。
季節は春を迎えつつあり、フライング気味の虫達の声はそれを急かすようだった。
「今日はありがとね、楽しかったよ」
礼を言うこなたの声は、今の今まで話していたときより、どこか元気が無いように思えた。
俯いた顔は青い髪に隠れてしまい、どんな表情をしているのかは分からない。
きっともう眠たくなったんだろう。 いつも遅くまで起きてそうだしな。
「またおいでよ」
「あぁ、そうだな」
軽く手を振りながらドアを閉め、こなたのマンションを後にしようと歩き出す。
ドアが開く音を背中で聞いたのは、ちょうど階段に差し掛かったときだった……。

「キョンキョン!」
振り返ると、当たり前だがこなたが立っていた。
「どうしたんだ?」
俺はてっきりこなたの家に忘れ物でもして、それで慌てて呼び止めてくれたのかと思っていた。
「こ、これ」
差し出されたその手には、キラリと光るものがある。
よく見ると、それは小さなキーホルダーの付いた鍵だった。
「私んちの合鍵なんだけど、これがあればいつでも入れるジャン? だ、だからこれ……」
その鍵は風の仕業か、こなたの手によるものか定かではないが、小刻みに震えている。
別段断る理由も無いので鍵を受け取ると、こなたは俺を見てニッコリと笑った。
なんだかホッとしたような、そんな表情だった。
「それじゃ、またね」
「あぁ……ってそれよりこなた」
合鍵を持ったままの手で、こなたの足元を指差す。
「これからは、ちゃんと靴を履いて外に出るんだぞ」
「あっ」


申し訳程度の明かりを放射する外灯に照らされた夜道を、自宅へ向かって歩く。
もし俺が女だとして、絶世の美女だったとするなら、絶対にこんな道は通らないな。
なんとなく、ついさっきこなたから受け取った合鍵を夜空に向かって放り投げてみた。
そこにあるのは無数に輝く光の粒。
太陽に邪魔されること無く、星達の放出する太古の光が、
気の遠くなるような永い永い時間を経てようやく、この地球へ降り注がれているのだ。
そんな夜空を眺めつつ、今日の出来事を振り返ってみる。
今日こうして空を見上げるのは三度目になるが、俺の身にはいろいろと変化があった。
それも予想外の変化ばかりだ。
まさかこなたに出会うとは思ってもみなかったし、まさかこうして合鍵を受けとることに……なってない!?
「なんてこった」
夜空の美しさに目を奪われ、今日起こった出来事に心奪われ。
宙に舞った鍵は俺の手に戻ることなく、この冷たいアスファルトの何処かに落ちたようだ。
幾ら星達がキラキラと輝いているとはいえ、今は真夜中である。
辺りを見回してみるも、それらしいものは見当たらない。
「やれやれ、鍵は投げるもんじゃないな」


結局苦労の甲斐あって無事に見つかったわけだが、
あれから30分以上鍵を探し回ったことは、こなたには内緒にしておこう。
747名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:34:35 ID:1vkRnaZFO
C
748名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:38:26 ID:PPHkYkgu0
終わりだったりしてー


お粗末さまでした
久しぶりの投下だけんど
山なし落ちなし感が否めない……
749名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:42:51 ID:1vkRnaZFO
>>748
乙ー。いい話だった
ところでこなたは秘密靴とかじゃなくて本当に伸びてたの?
750名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:53:21 ID:PPHkYkgu0
>>749
本当

そんなこなたもありかなと思って
751名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 00:53:51 ID:IjrUWKkN0
>>748
こなた「ふふふふふふ・・・キョンキョン・・・投げた罰はしっかりうけてもらうよ・・・
     ガッシ!ボカ!」
キョン「ギャッ!グッワ!」


何がともあれ乙乙
個人的には、続きが読みたかったりする、このほのかなるこなキョン
752名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/09(日) 22:28:43 ID:6G4CDCpaO

投下が多いと俺も頑張らねばって思うな
けどOCN規制ってどうしたらいいんだ?
753名無し@18歳未満の入場禁止 ◆4F9TRiB6OQ :2009/03/10(日) 02:44:03 ID:7u2X36Nk0
よろしければ投下します。
ひそかに書き続けてきたけどなぜか長引いてしまって
季節はずれになる前になんとか完成しますた。
エロネタありです。
題名は「こたつこわい」
754名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/10(日) 02:45:40 ID:7u2X36Nk0
日本人古来より脈々と受け継がれている冬の憩いの1つに、
こたつで暖を取りミカンを食しつつゆったりと時を過ごす、というものがある。
かく言う俺も、ご多分に漏れずその伝統の愛好者であり、
その伝統を愛さぬ者は日本人にあらずと、この場を借りて力説させて頂く程である。
今日はまさに、それを取り行うにふさわしい休日であり、
更には、俺の体力的にも財布的にも厳しい、週一のあの行事のある日でもない。
となればやることはただ一つ。その伝統を厳かに実行し、
日々様々な厄介事に見舞われる俺に貴重なる休息を与えるのである。
これこそが、冬という名の寒冷たる季節における俺の、毎週日曜の慣習であり、
今回もそれはつつがなく実行される筈だったのだが…

「ねえゆきちゃん、ここ教えて欲しいんだけど」
「あ、ここはですね…」
「かがみーん、こことこことこことここわかんないんだけど」
「はいはい自分で考える気のない質問は受付不可!」

御覧の有様である。まあようは勉強会であるのだが。
問題は俺の家の、しかも俺の部屋のこたつでそれが取り行われている、ということだ。
まあ普段から仲のよい彼女たちからしてみれば、そのように4人が
勉強会と銘打ち集合場所をそれぞれの家でローテを決めつつ週1で集うというのは
確かに極々当たり前のことであり、それに関しては俺も別に何も言うことはないのだが…

「うぐぅ…キョンキョーンかがみんがフローズンキャラメルマキアートのごとく冷たいよー」
「なんだその微妙な例えは…」
「ん、最終的には甘い、という意味で、ついでに糖分たっぷりd」
「殴るわよ」
「もうなぐってるよかがみん…」

いつのまにやら、俺もそのローテのうちに入れられてたらしい。
いつものように彼女達と会話をしていたらいつの間にか今日の様な形となってしまっていた。
まさに「何を言っているのか解らないが俺も頭がどうにかなりそう」状態。
何ならポルナレフAAをその場に貼り付けてもいいくらいだ。
755名無し@18歳未満の入場禁止:2009/03/10(日) 02:46:49 ID:7u2X36Nk0
>>754

いや、決して彼女たちといるのがいやなわけではない。それ所かむしろそれだけなら、
綺麗どころともいえる彼女たちと時を過ごすというのは男としては憧れの状況だろうし、
もちろん健全なる高校生男子であるこの俺も、このようなことは大歓迎といっていい。
しかしだ、男である俺の家一つ屋根の下で、同年代の、しかも女子4人が、
一同に会するという事態は色々な意味においてやばいのではないのかね。ええ?
今回の発案者であるこなた、お前だよお前!

「うーー集中力もたなーい」
「はやっ!開始してまだ30分だろ」
「ねねねキョンキョン。ゲームやろっ。対戦対戦」
「もう一発いくかこなた」
「ちぇーかがみんのいけずー」
不満を漏らすこなた。だがここはかがみに同意せざるをえない。
発案者の癖に今回の集合の第一目的からいの一番に離脱し、あまつさえ
部屋主にまで脱線を申し出るのだ。勉強しない派の俺ですらこれは嘆息ものだ。
そもそも本来、俺は貴重な休日をこたつにて安穏と過ごす予定だったのに、
今や4人に勉強という名目の元占拠され、それゆえに満席となってしまったそのこたつに、
本来の持ち主である俺は入ること叶わず、机にて、傍らに電熱ヒーターをセットしつつ
勉強して過ごさねばならぬのだ。そのような仕打ちをしておいてなおその発言。
もはや狼藉である。出会え出会え。この不届き者いかにとやせん。

「そんなところで寒そうにしてないでさ、こっちきなょ〜あったかいョ」

……
はい、ミルコ先生出番です。すなわち『お前は何を言ってるんだ』
756名無し@18歳未満の入場禁止
>>755

こっちきなよ、とは、どの口がいえることなのだろうか。
重ねて申し上げるがこのこたつは俺のであり、そのような決定権は本来俺が持つべきものである。
さらに言えば、今こたつは4人に占拠されており、物理的にも俺が入る所などない。
本当にお前は何を言っているんだ。
「そのことなら問題ないヨ、私んとこに入りなよ。私ちっさいから窮屈じゃなくすむヨ」
そう言う問題かっての。こたつのスペースも小さいんだ。
いくらお前のサイズが小さかろうが、その、なんだ…
「密着、するから?」
こなたが、あの糸目でこちらを見てくる。完全にいたずらモード入ったようだ。ああくそっ。
「いやー流石は純情キョンキョンだねぇ、そんなことでも密着と判断して煩悶するキョンキョン萌え」
言うなニヤつくなこっち見んな。
ああもうこれで、彼女たちが帰るまでこのネタでいじられ続けるのは確定事項のようだ、忌々しい。
いたずらな表情のままこちらをしばし見ていたこなたは、
「さてと、私はちょいとトイレに行って参りますかね」
といい、おもむろに立ち上がり、こうほざきやがった。
「よかったね〜キョンキョンや。つかの間のこたつのぬくもり、せいぜい楽しみたまへ」
よかったも何も、再三言うがこれは俺のなんだがな…まあいい、今回はお言葉に甘えるとしよう。
入ろうとした瞬間三人の視線を察知する。あのみなさん、俺の顔に何か…
何でもない、とばかりに自らの学業に再び没頭しだすみなさん。
…あ、そういうことか、なるほど。ご安心ください淑女方。
私は今こたつに当たる目的で入ろうとしているのであって、決してやましい目的で、
たとえば脚を伸ばして淑女方の御見脚に接触を図ろうとかいう不埒な思考など
…一応頭にだけはもたげるあたりは男の生理的思考の悲しいところではあるが…
まあ谷口あたりではあるまいし、実行に移そうなどとは思ったり致しませんので、
できますればご安心を頂けるとこれ幸いに思います。
そういった紳士的思考をアピールしようと俺は、
なるべく脚を伸ばすことなく坐るように最初から胡座を作り、
しかるのちに尻をずらしていくという、謙虚的とも言える方法でこたつに侵入をはかる。
勿論接触領域を広げぬよう、脚を最大限に狭めての胡座であることは言うまでもなし。