起きてきた俺らおはよう。職人に囲まれた今朝の感激は忘れない
両手に三橋続き
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/neet4pink/1190097151/948 1年9組在籍の、三橋のクラスメート。それが俺の肩書きだ。
なんてこたない、単なる同じクラスの学生ってだけで、俺は三橋と特別親しいわけでもなかった。
いや、まあ、俺はね。仲良くしたいなとは思ってたけどね。
なんというか、あれだ。三橋ってキョドるしうぜえときもそりゃあるんだけど、それだけじゃねえっつうか。
まあ、あれだ。見てて飽きねえんだ。時折スッゲうぜーけど。
すうすう。耳元に寝息がかかる。三橋の寝息。それも両サイドから。
俺は授業中、居眠りこいてる三橋の横顔を思い出す。正確に言うと斜め後ろからのショットだが。
ヨダレ、垂らして寝てんだよなあ三橋って。お口が緩いのなんの。お子様か。呆れながらも俺は三
橋から目を離すことができなかった。いや、ヨダレからじゃねえぞ。
寝顔。記憶の中のそれはとても幼い。三橋って寝てると普段以上に幼く見える。
ちら、と左右に向けた視線の先の、その寝顔も幼くて、ああやっぱこいつは三橋なんだなあと、夢の
中、まどろむような気持ちで俺は三橋(右)の寝顔を眺めた。
しかしまあ、なんつー夢だ。三橋が同じ布団で、俺の腕に纏わりついて寝ている。それも同時に二
匹!
ありえねえ。どんだけだ、どんだけなんだ俺。
幸せな夢、のはずだ。気がつけば俺の視線を掻っ攫っている三橋が両サイド。俺真ん中で川の字
。寝息が首筋擽る距離で。
これなんてエロゲ?なシチュエーションに俺はほんの少しだけ悲しくなった。
というか虚しく。
さよなら俺の健全な高校生活、青い春。
健やかそのもの、ヨダレで俺の枕にシミ作ってる三橋(右)の寝顔を見つめながら俺はちょっとだけ、
やるせない気分になる。が。
「…ぅ、ん…」
見つめる中、三橋(右)の眉がぴくりと動く。あ、と思ったのも束の間、何度か目蓋が震えて、三橋は
薄く目を開けた。
「……れ、くん…」
起きてた の?
掠れた声で名前呼ばれた。遠慮がちな響きは教室で聞くそれそのものだ。ここまで再現できるな
んて俺すげえ。
俺は自分の記憶力に拍手を送りつつ、三橋(右)が眠そうに目を瞬かせている様を凝視した。