三橋に呼ばれた気がして、意識がうっすらと起きかけた。
腕に感じる頭の重みで、三橋が俺の腕の中にいるのがわかる。
まだはっきりとしない思考のまま、その体を抱きしめてやろうとして、俺は動けなくなった。
「は、あ、あっ」
微かに漏れる声は、しっかりと欲情した響きを持ってて。
なに、してんだよ。あ、え?まさか、自分で、してる?
「ん、んっ」
いや、そりゃ確かに昨日はしなかったけど。だからってそんな、俺が横にいんのに。
俺が起きたこと、気がつかれたらいけない。三橋だって、俺がこんなとこ見ちゃったって知ったら恥ずかしいだろうし。
ぎゅっと目ぇとじて、跳ね上がった鼓動をおさめようとしてみたけど、やっぱりムリだった。
「あ、ん あ、あっくん…」
うわ、俺のこと、考えてんのかよ。