一つ屋根の下の・・・
キモ男注意
弟は何かの包みを持って部屋の中に入ってきた。
慌てて弟を突き飛ばして逃げようと思ったとき、弟が何かをオレの顔の前に突きつけた。
プシューッという音とともに、目に激痛が走る。
「う・・っ!」
思わずその場にうずくまって目を押さえた。
自分の意志とは関係なく、涙が目の奥からボロボロとあふれてくる。
目が焼かれたみたいに痛い。
オレは弟が目の前にいることも忘れてしまっていた。
途中、ものすごい力で腕を引っ張られてやっと思い出す。
「ま、待っ・・」
「待たないよ。」
耳元で囁かれ、背筋がゾクゾクとする。
そのまま、弟はオレの腕にガチャッと何かを嵌めた。冷たい、金属の感触。
涙で視界がぼやけてよく見えないけど、手錠のようだ。
びっくりしていると、もう片方の手もすぐに背中に回させてガチャッと手錠をかけられてしまった。
後ろ手で拘束されてしまって、もう弟を突き飛ばすこともできない。
弟はそのまま、オレの襟首をつかんでずるずると引きずろうとする。
でも、2、3歩で立ち止まった。
「やっぱり男の子なんだねぇ、お兄ちゃんは。重いから自分で立って、壁際まで歩いて。」
オレはブンブン首を振ってそれを拒否した。
これから何されるのかわからないのに、素直に従うことなんてできなかった。
「素直に従わないとまた痛い思いするよ。ほら、立って歩いて・・。」
肩に黒い何かが押しつけられる。たぶんスタンガンっていうヤツだ。
こんなの実際に見たのは初めてだった。
電流を通されるという痛みは想像がつかない。オレは怖くて思わず言われた通り立ち上がってしまった。
足がカタカタ震える。
弟はまだスタンガンをこっちに向けていた。オレはゆっくりと部屋の奥に移動する。
時々、パチン、パチンと音を立てて、背後からオレを脅した。暗い部屋に白くて鋭い光がチカチカするのが見える。
「こ、ここで・・いい?」
泣きそうな声でそう言うと、弟はニヤッとおかしそうに笑った。
「うん、いいよ。座って。」