阿部「三橋!俺はおめぇの兄貴だーーーー!!!」

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168抜いたら負けかなと思っている
おやつのおとも。
イメクラ嬢三橋。*エロ無し注意。



それにしても変な組み合わせだ。
サラリーマンの俺と、イメクラ嬢のレン、そして店の従業員の阿部。
三人で膝をつきあわせて座っている。
「すまない…」
「いえ、なんとなくこうなりそうな気がしましたから」
阿部はあぐらをかいて、レンの飲んでいたペットボトルをぐびぐびと飲んでいる。
レンは申し訳なさそうに縮こまっているだけだ。
「話をしにきただけ、なんだ、そこんとこは信じて欲しい」
「分かってますよ。俺さんは本気だと思います。悪いのはこっちでしょ?こいつホントにバカだから」
そう言って、阿部はレンの頭を小突いた。
「その、君たちの…関係は……」
阿部はぼけっと俺の顔を見て、そのあとぐわああっと眉をしかめた。
「気持ち悪いこと言わんでください。俺たちはそんなんじゃないですよ。高校の同級です、ついでに言えば、野球部でバッテリー組んでました」
「えっと、レンが…?」
まるで野球と結びつかないが、レンはちょっと恥ずかしそうに「ピッチャー、でした」と言って笑う。
「マジっすよ。スピードはないけど、コントロールはすげえヤツでした。まあ卒業してからずっと会わなかったんですけど」
レンは始終にやにやとしている。そんなに嬉しいことを言われているんだろうか。
「俺が新宿で今の店の店長やり始めたときに、こいつと偶然会ったんですよ。しかもこいつピザ屋のバイトで、バイクのままヤクザの事務所に突っ込みやがって」
俺はあっけに取られて言葉がでない。
「マグロ漁船に乗せられそうになってる所に、俺ついつい声かけちゃって…。弁償するから見逃してくれって言って、なんとか助けました」
なるほど。
つまり阿部はレンの同級生で、同じ部活で、命の恩人ってわけか。
169抜いたら負けかなと思っている:2007/09/20(日) 15:29:28 ID:3ycXHOe30
イメクラ嬢三橋。





>>168

「雇われ店長でしたけどそれなりに給料はもらってたんで、半分はキャッシュで払って、残りはローンで返したんです」
それでも200万で済んだんです、と阿部は軽く言って笑う。
頼もしい男だな。
「そうか…大変だったな」
「もちろん金は三橋…レンの本名ですけど、三橋に体で払ってもらってるんです。あの店で働いて」
「がんばって、働いて、ます」
そこ笑うところじゃないよ、レン。そんだけ働いてたらもう返し終わってんじゃねえの?なんて邪推する俺は汚い大人ですか。
「あの、つかぬ事をお聞きしますけど…あの黒人のビリー…さんは?」
阿部は立ち上がって、背伸びをする。
「ビリーは出稼ぎの従業員です。もうビザが切れて、帰りましたけどね。どうやら彼の娘さんに三橋が似ていたらしいんですけど…本当かな」
レンが俺の腕を掴んでゆする。
「び、ビリーは、すごくいい人で、俺のこといっつもしんぱい、してくれてて…俺、いつも、助けてもらってて」
金ダライは…そういう意味だったのか。よく客から訴えられなかったな。
「じゃあ俺、店に戻ります。俺さん、どうします?」
「ああ、俺は、」
「阿部くんっ!おれ、今から店に、いく、よっ!」
阿部は少し意外そうに目を見開いて、そうか、と短く呟いた。
「俺さん、まだあのお店で俺のこと、指名してくれます か?」
レンも立ち上がって俺を見る。
「ああ、もちろん」
だって、俺は君に一目ぼれしたんだからな。
「おれ、もっと、もっと、働いて、ちゃんとお金を返して、俺さんにふさわしい男に なります。だから、もうちょっと、待っててくれますか?」
レンが俺に手を差し伸べる。
俺は釣られてその手を取った。細い体のくせに、とても肉厚で力のある手だった。
「俺の、だいじな、お客さんで、いてくださいっ!」
ああ、俺はレンの一番の客になるよ。
レンが働くのを、ずっと見ていてあげるよ。
俺だってレンが大好きだからな!