阿部「…上手いぞ三橋…後1001回舐めろよ…」

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859抜いたら負けかなと思っている
潔癖症


(空白)

部屋。机の埃。ゴミ。ティッシュの山。
手が止まらなかった。

(空白)

部活の朝練。阿部君から呼ばれる。
「三橋にやる」
「……う?」
「いつも腹減ったとか言ってるから……オレが作って来た」
「あ、ありがと、阿部君」
渡された袋の中には。
「お前見た目と違って食い意地張ってっから、多目に作ったんだ」
「う、あああ……」
「ちゃんと食えよ」
たくさんのおにぎり。

(空白)

昼休み。手を洗いに行きたかった。教室のドアが閉まっていた。
あっちにきょろきょろ、こっちにきょろきょろ。
田島君と目が合う。気付いてくれる。
「オレしょんべん!」
「お、オレも!」
田島君の後を追う。田島君は本当にトイレに行った。その間、手を洗い続ける。
洗っても洗っても、ねっとりした感覚が付き纏って離れない。

(幕間)

昼休み。三橋が手を洗っているのを見た。三橋はずっと手を洗っていた。田島がトイレから出てきて、やっと三橋は蛇口を捻り、水を止めた。名残り惜しそうな顔。
三橋と田島がいなくなった後、試しに蛇口から水を出してみた。屋上の貯水タンクに貯められた水がこんこんと流れ出てくる。
ぬるくて少し、心地好かった。

(空白)

呼び出しがあるとユーウツになる癖に呼び出しがないとないで不安になってしまう独りでいることが恐ろしくなってしまう。
「……行こっ、かな」
誰かの家に。部屋に。
きっと忙しくて、散らかしてる。
それをキレイにするだけ。ほんのちょっぴり、キレイにするだけ。
ピンポーン。チャイムの音。間。足音。
がちゃり。ドアが開く。ちょっとだけ驚いた顔、してる。いきなり来たら、やっぱり迷惑だったかも。反省。でも、独りで自分の部屋に戻りたくなかったんだ。この時は。
「どうした?」
「あ、あのっ、そのっ!」
「いいから落ち着けよ、まず」
「う、う、あ……え、そ、そう、じ……」
「……そうじ?」
「部屋!そ、掃除しても……いいです、か?」
すごく……呆れた顔してます。