【大沢たかを】深夜特急【NO HURRY NO WORRY】
636 :
ガール ◆bswrhNLi8. :
カオサンは居心地のいい場所だった。
旅の拠点であるからして、人は出ていく。出ていってもすぐに新しい旅人がやってくる。
にぎわいが衰えることはない。カオサンに来て一週間、ここにいようと思えばもっといれる
いわゆる沈没である。だがしかし…。私は風に吹かれて、バンコクからさほど離れていない
コ・サメットという小さな島にいってみようと思った。旅行会社に向かい、バスのチケットを
手に入れた。正確には少人数向けのワンボックスのバンなのだが。明朝7時の出発だ。
朝早く起き、荷物の支度を済ませここまで同じ部屋をシェアしてきたワイルド氏に別れを告げて
バス乗り場に向かった。またここで知らない人と行動を共にしなければならない。
それも私以外、白人ばかりだ。どきどきした。父さん、僕は人見知りする訳で、、、
引込み思案なわけで、、、だから、僕は緊張している訳で。。。。。。。。。。。。。。。
バンのドアを開けた、グッドモーニン!と言ってみた。すると目の前に顔面があり、「ハ〜ィ」と
ゆるく応えてくれた。その顔を見ると、非常に可愛い白人の女の子だった。
バンダナを巻いているのだが、これがまた整った顔立ちに似合っている。
席につき、僕が最後のピックアップだったようでそのまま出発した。
後ろには、マッチョでワイルドなサム・グレコのような男が腰を下ろしていた。
僕はどきどきしていた。