>>593のつづき
このカオサンという特異な空間は、自分にとって実に刺激的な場所だった。
朝から真夜中まで眠ることを知らず24時間うごめいている、そんな街だった。
無数の安宿はもちろん、レストラン、バー、屋台、古本屋、旅行会社、服屋
海賊版の音楽テープを扱う店、他にも何かと好奇心をくすぐるお店が揃っている。
もし日本から、何も持たないで出てきたとしてもおおよその物がそろう便利な街だった。
その通りを歩きながら、色々物色しているだけでも飽きないのだ。
それに加えて、東南アジアの旅の拠点として世界中から旅人が集まってきているのだ。
毎日が夏休み、毎日がお祭りのような、何もしないでも心浮かれるようなそんな場所だった。