【織田】振り返れば奴がいる Part.13【石黒】

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341名無しさん@お腹いっぱい。
143 :名無しさん@恐縮です:2008/04/19(土) 00:41:24 ID:TwIkwEo10
「言われたとおりにやっていてもだめ。
そう確信がもてたきっかけは『振り返れば奴がいる』でした。
 その当時は、女性が主役のトレンディードラマが全盛のころで、男性は女性の添え物。
どれも、女の子が喜びそうな男性像の役ばっかりだったんです。

『東京ラブストーリー』でやったカンチもそう。
あれが当たったために、以後オファーが来るのは、ああいう役ばっかりでした。
でも僕は、若者の男が主役のドラマを作りたかったんです。

子供のころには、『探偵物語』があり、『俺たちは天使だ!』があったじゃない。
ああいった、若い男が主役のドラマをやりたかったんです。
だから、カンチ的な役は絶対にやらない、そういい続けるしかありませんでした。
 
 司馬は、背水の陣を敷いて演じた役でした。
これでコケたら、男が主役のドラマはいらない、ということになる。
その結果、視聴率は15-17%くらいで、合格点ギリギリだったんです。
 でも、魂込めて作りましたからね。
魂をこめたものって、今でも根強く心に残っているって言われるんです。

あの作品で、一生懸命やったものは財産になると確信しました。

自分が、「うーん、これでいいのかな?」と思いながら演じた作品って、やっぱりうまくいってないし、誰も覚えてくれてない。
その時僕は、悲しいかな、一生懸命頑張らないと、自分が望むものが絶対に手に入らない、天才ではないということが、はっきりわかったわけです。」

織田裕二 出典:person 2001年7月号